2013年11月定例会 11月30日  高村京子

TPP交渉参加に関する意見書案賛成討論

 野田首相は、国民世論や本県議会が送付した「交渉への拙速な参加表明に抗議し、国民への十分な説明を求める意見書」にもかかわらず、衆議院解散後の20日、日米首脳会談の中で環太平洋パートナーシップ(TPP)協定への交渉参加への意欲を表明しました。
 「TPP交渉に参加して守るべきものを守る」と言う政党代表もおられますが、意見書案にある通り、TPPは「例外なき関税ゼロ」が大原則です。交渉9か国の契約条文には「商品・サービス貿易や投資への関税や投資への障壁を撤廃する」と明記され、後から参加したカナダ、メキシコはこの条文を受け入れることが条件とされました。
 例外なき関税撤廃の前提の見直しは、ありえないことでありまして、本意見書案が「TPP交渉に参加すべきでない」とする内容であると受け止め、賛成討論をするものです。
 
 また、TPPに参加すれば、食料自給率の低下、食の安全や、医療、金融、保険、官公需、公共事業の受注、労働など国民生活のあらゆる分野で「規制緩和」と「アメリカ型ルール」が押し付けられます。日本医師会も批判されているように「混合診療の全面解禁」や株式会社の医療参入によって、国民皆保険制度が実質的に解体されてしまいます。
 さらに外国の企業が、国や自治体に損害賠償や措置の停止などを求める訴訟を起こせる「投資家・政府間の紛争解決条項」(ISDS)条項が盛りこまれようとしています、自国のルールや国民主権を侵すものとして、容認できません。
 こういった契約に関する交渉内容が、4年間も国民にも国会にも秘密裡に扱われることが合意されていることは重大です。
 TPPに参加すれば、農林水産業や関連産業で約350万人もの雇用が奪われると試算されており、「成長戦略」どころか、いっそう地域経済の低迷、ひいては税収が減り、国と地域の行財政をさらに圧迫することになりましょう。
 東日本や栄村の大震災からの復興の足を引っ張ることにもなります。
TPPの中心にいるのがアメリカです。すでに破たんが明白になった「アメリカ型の市場原理主義」を「国際ルール」として押し付け、日本の国のかたちまで変えさせられ、日本を丸ごとアメリカに売り渡してしまうような「亡国」への道です。

 国民にとって、「百害あって、一利なし」のTPP参加に、JAグループは、断固阻止の立場で、日本医師会も総力を挙げて反対をされています。
全国の地方議会の9割が反対の決議を上げています。
川上村の藤原村長が会長の全国町村会は、11月21日の大会で「TPPへの参加は地域経済、社会の崩壊を招く」として、反対の決議を上げました。

先祖が生きるために営々と築いてきた日本の田園風景、棚田などの美しい景観や、自然に感謝し、心豊かにともに暮らしあう、大切なふるさとを守るため、希望がもてる日本への発展のため、私たち日本共産党県議団は皆さんとご一緒に、環太平洋パートナーシップ協定参加阻止に向けて、奮闘することを表明し、賛成討論といたします。