2013年6月定例会 6月28日 高村京子

議第8号 「慰安婦問題の早期解決を求める意見書案」提案説明

<高村議員>
 日本共産党県議団高村京子です。議第8号「慰安婦問題の早期解決を求める意見書(案)」について提案説明をいたします。

 日本政府は、戦後長きにわたり、慰安婦に対する軍の関与について否定的な姿勢を取ってきましたが、1993年河野洋平官房長官は、韓国の被害女性の訴えを聞き取り検証した結果、軍の関与と強制があったことを認め、心からのお詫びと反省の気持ちを表明しました。いわゆる「河野談話」です。そして1995年慰安婦の方々への償いの事業のための民間財団「アジア女性基金」を設立し支援事業を一時行いましたが、元慰安婦支援団体からは、あくまで日本政府自らによる丁寧な補償を求めています。

一方国連の人権委員会は、1996年慰安所制度の国際法違反、元慰安婦への個人補償、すべての資料の公開、公開の書面による謝罪など、日本政府に対し勧告を行いました。さらに2009年女性差別撤廃委員会は、第2次世界大戦中に被害を受けた「慰安婦」の状況について、永続的な問題解決の方向を見出していないこと、学校の教科書からこの問題に関する記述が削除されたことに懸念を表明しています。
また国際労働機関ILOからも、同様の趣旨の意見表明が出されています。アメリカ下院議会でも2007年に、日本政府に対し公式謝罪を求める決議を採択しています。

こうした国際社会から批判が寄せられる中で、日本国内では近年、軍の関与や強制があったことを認めず、これらを否定する論調も目立ってきました。アメリカの新聞に「慰安婦強制否定」の意見広告を出す団体もあり、現安倍首相も昨年11月には賛同者として名を連ね、首相となってからも「河野談話」を否定するような言動を重ねてきました。
また最近の維新の会代表橋下大阪市長の度重なる発言は、事実をゆがめ元慰安婦の方々の心身の痛みにいっそうの苦痛を与えるものであり、男女を問わず人権を踏みにじるものであるなど、国内国外から厳しい批判が上がっています。
今月6月18日安倍内閣は、日本共産党の赤嶺政賢議員の質問主意書に対し、日本軍による強制連行を示す資料である「バダビア臨時軍法会議の記録がある」ことを初めて認めました。

 本意見書案は、日本政府として、慰安婦問題の早期解決を図るために、歴史の事実を内外に明らかにし、その教訓を次世代に継承することを求めるものです。
京都府議会2月定例会では、公明党府議団が本意見書とほぼ同趣旨の意見書を発議し、民主党府議団や日本共産党府議団などの賛成多数で採択しています。

日本とアジア世界の人々との真の友好のために、議場の県議各位のご賛同を心からお願い申し上げて、提案説明とさせていただきます。