2013年6月定例会 6月28日 藤岡義英

職員給与削減の条例案に対する 反対討論

<藤岡議員>
 議第25号一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案、第27号長野県警察職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案、第28号長野県学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案に反対する討論を行います。
 そもそも安倍自公政権は13年度予算で、地方公務員給与の大幅削減を前提とした地方交付税の削減をおこなったことが今回の職員給与削減の元凶です。
 さらに、来年度の財政運営指針「骨太の方針」では、安倍首相の「地方行財政制度の見直し」指示をうけ、この間の臨時財政対策的な交付金措置の見直しをはじめ、「義務的経費の踏み込んだ見直し」や「地方財源の国と歩調を合わせた抑制」など、地方財源の抑制・削減の正式な方針化が狙われています。
 こうしたいっそうの財源抑制・削減が行われれば、地方自治体が少子化や高齢化などで増えつづける財政需要に十分対応できない事態に直面しかねません。
 本来政府は地方自治体が直面する課題に取り組む財源を保障し、地方の取り組みを全力で応援すべきであります。
 県職員給与を大幅減額するこれらの議案について、我が党は本会議の石坂団長の質疑において、地方公務員の給与引き下げを前提として国が一方的に地方交付税の給与費相当を削減するという前代未聞の「地方自治への介入」であること。また企画部長から「全職員の給与の減少総額は44億6千万円に上り、約39億円の生産減少につながるなど『県内経済に少なからず影響を与えると考えている』と答弁されているように、県内経済に深刻な打撃をあたえるものであることを明らかにして批判してきました。また、県内のあらゆる分野で県民生活を支え、これまで被災地でも懸命に奮闘されてきた職員の生計費を乱暴に削ることは、これから県内経済回復と大震災から復旧・復興にむかって先頭にたって奮闘してもらわなければならない職員の士気をうばうものであります。
 さらに、デフレ不況からの脱却のために政府は、経済3団体のトップに賃上げを要請しているのに、一方で地方公務員の賃下げを迫るのでは、言っていることとやっていることがバラバラであります。震災復興にも逆行することは明らかであります。
 県職員の待遇に関する提案は労使の合意が前提だと思いますが、合意せず「終結」したとのことでした。では、慎重に対応すべきでありますし、ましてや前代未聞の「地方分権」に逆行する国からの「介入」という問題でありますから、県内経済と県職員の生活を守る立場で、今定例会で結論をだすのではなく、次回の定例会まで対応を考え直す選択肢もあると考えます。どうしても今定例会で結論を出すことには納得ができません。
 労使交渉の中で県側が期末手当、勤務手当等に給与削額を反映しない等の歩み寄りをしたこと、国への働きかけも含めて、誠意をもって努力されたことは評価するものですが、結果として国の乱暴なやり方を受け入れていくことは地方自治体の存在意義を低めることになりかねません。
 一般質問では他の議員からも問題提起されました。「撤回すべき」との発言がございました。ごもっともでございます。怒りの質問もございました。勇気と元気をいただきました。憲法で保証された住民自治を侵害する政府の行為に対し、長野県議会として地方自治の正当な意志を示そうではありませんか。以上で討論を終わります。