2013年2月定例会  一般質問 藤岡義英

  1. 県内の若者の雇用状態について

  2. 高等学校で使用する灯油について

  3. 原子力発電所の事故等への対応について

  4. TPPについて

1.県内の若者の雇用状態について

<藤岡議員>
 日本共産党県議団の藤岡義英です。順次質問いたします。
 まず、県内の若者の雇用実態についてです。2月15日、日本共産党長野県委員会と民青同盟長野県委員会が県の商工労働部に、両委員会がとりくむ「若者お仕事実態アンケート」の回答内容を示し、正規雇用を増やし、賃上げ目標の設定へ、国に働きかけるよう求めました。このアンケートを集める中での深刻な実態が寄せられています。2つ紹介します。
 38歳茅野市の女性。前の職場を辞めてから13年間非正規雇用。「すぐ働かないと生活できないので、非正規雇用を選ばざるを得なかった」月収14万円。ボーナスなし。残業代未払。という方。
 また、一人暮らし松本市30代男性。卒業後就職先が決まらずマクドナルドでアルバイト週6日。朝から夜まで働いて手取りが12万円。「正社員になりたいけど、ハローワークにいっても仕事が見つからないし、そもそもそうした働き方をしているのでハローワークの空いている時間にいけない」ということでした。
 
?このように若者の雇用実態は大変深刻です。県としてどのような点を課題としているのか。商工労働部長にお伺いします。
 
?また、この要請の中で県は4月から離職状況調査及び、労働環境実態調査を始めると回答されました。それらの調査の目的と内容について、これも商工労働部長にお伺いします。
 
?成人式で集めたアンケートでは回答した4割の新成人が「就職難で雇用が心配」、将来に希望を持つことができないと答えています。このような現状についてどのように考えておられるか、雇用対策の一層の強化ときめ細かな就業支援策を要望しますがいかがでしょうか。商工労働部長にお伺いします。

<商工労働部長>
 県内の若者の雇用状態についてのお尋ねです。
?まず若者の雇用実態の課題についてです。総務省の労働力調査によりますと、平成23年度の完全失業率は、全年齢では4.6%に対して、30代前半までの各年代においては、例えば20〜24歳までにおいては8.2%になっているなど、若者の失業率は平均よりも高い状況にあります。また、同じ調査によれば、非正規労働者の割合は平成22年度に34.3%でして、その割合は全ての年代において上昇傾向にありますが、特に若い世代が上昇しています。
 また、厚生労働省の新規学卒者を対象にした調査によれば、平成21年3月に卒業した学生のうち3年以内に離職した割合は、中学校卒で64.2%、高校卒で35.7%、大学で28.8%となっており、いわゆる7・5・3現象と言われるように、若者の早期離職率が高くなっていると考えております。
 今申しあげたとおり、県として若者の雇用実態における課題としては、若者の世代が他の年代に比べ失業率が相対的に高いこと、非正規の割合が増加していること、就職しても早期に離職する割合が多いことと認識しています。

?2つ目の、離職状態調査及び労働環境実態調査の目的と内容についてです。この両調査は、今ほどの若者の実態の認識を深めるために新たな施策を考慮するために行うものです。
 まず長野県離職状況調査です。これは若者が3年以内に離職割合が高いと言われているなかで、県内の実態を把握して若者の職場定着に必要な支援を検討することを目的としております。具体的には、県内企業3000社に対して採用方針、新卒採用者の離職状況、県に対する施策要望などをお聞きするとともに、離職してジョブカフェ信州に来所される方々1000人に対して、離職することになった理由や、企業や行政に対する要望を直接お聞きすることとしております。
 また、労働環境実態調査です。こちらは、労働者の3分の1を占める非正規労働者の処遇や就業の実態と課題を把握して、県としての施策立案の参考とするために実施するものです。この調査では県内企業4000社、また非正規労働者2千人を対象として、企業調査においては非正規雇用者の割合、雇用の理由、待遇などについて、また個人調査では現在の就業形態の選択理由、働き方についての悩み、行政に対する要望を調査することとしております。
 この両調査においては、離職者や非正規労働者の方々から率直な意見や感想を直接お聞きし、県として必要な対策を検討してまいりたいと考えております。

?3つ目ですが、若者の雇用状況に対する認識、所見、就業支援策についてです。今ほど申しあげましたとおり、若者の失業率、非正規労働者の割合が高まっているということから、若者が安心して働くことのできるための対策が肝要であると認識しております。こういった状況の中で、県としては新たな総合5カ年計画において若者の雇用と自立を、雇用社会参加促進プロジェクトの柱の一つで位置づけておりまして、重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
 具体的にはジョブカフェ信州において、県内の中小企業の情報発信と就職決定者へのアフターフォローを強化するとともに、インターンシップの仲介を始めることにより、雇用のミスマッチ解消や離職の未然防止に重点的に取り組むこととしています。
 また、学校卒業後も就職できない若者を職場実習を通じて正規雇用に結びつける取り組みである、新卒未就職者等人材育成事業については、来年度は当初から大学生も対象として拡充して参りたいと考えております。
 また、パーソナルサポートセンターでの就労支援機能を強化するとともに、福祉的就労と一般就労との中間であるいわゆる中間的就労を行う事業者、NPOの開拓、団体育成にも取り組みたいと考えております。
 県としては今後も、将来を担う若者が安心してその能力を発揮できる機会が十分与えられるよう、若者のニーズも踏まえた就労の場の確保や就労継続の支援などの支援策に積極的に取り組んでまいりたいと考えているところです。

<藤岡議員>
 たくさん政策を打ち出されているなと感じました。
「若者お仕事実態アンケート」活動に取り組んだ時に、トライアル雇用で3ヶ月たったので「明日から来なくてもいい」といわれ「会社都合での離職」なのか「自分都合」なのか分からずハローワークに来たという青年がいたそうです。
 離職状況調査では直接聞き取りを行うとされていますが、労働環境実態調査でもぜひそうした青年に「調査票を書いてくれだけ」ではなく、一人ひとり対面で、聞き取りをしていただいて行ったほうが、質問の趣旨が伝わるし、実態もより深くつかめると思いますので、そうした聞き取りの調査方法をと思います。また、不況の中、離職したいがやめられないという悩みも寄せられるなど様々です。こうした若者の雇用実態を多面的にリアルにつかんでいただき、今打ち出されている政策はもちろん、更なるきめ細かな政策を検討していただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。

2.高等学校で使用する灯油について

<藤岡議員>
 高等学校で使用する灯油について質問します。
 昨年の12月、佐久地域のある高校に通っている生徒さんからメールをいただきました。「1日に使える灯油は3リットル、12月の時点ですが、午後になると凍えながら授業を受けている。寒い」というメッセージでした。学校現場に灯油が足りないという問題は、「こんにちは県議会飯田高校」でも高校生からの切実な要望として出されました。さらに、東信地域のある高校の先生からは「多部制の生徒は夕方から授業ですが、すでに灯油は日中で空っぽになり、先生たちが灯油代を負担している。生徒さんを一つのクラスにまとめて授業をおこなっている。先生たちも一つの部屋に集まって仕事している」とのことです。2月6日の信濃毎日新聞では「灯油高騰 学校でも苦慮」と報道されました。
 すでに高教組からもこの問題で、26日に県教委に申し入れされています。そこで、需用費がどうなっているのか調べてみますと、平成20年から24年の5年間県全体の予算はほぼ横ばいで推移していますが、需用費は毎年毎年数%ずつ削られています。多い時には6.5%削られていました。
 
 寒さの厳しいこの冬、高校が使用する灯油の量や灯油代は、例年に比べてどうなっているのか?また、灯油の量は、室内の気温設定を何度に設定することを前提にしているのか?一日どの程度の燃焼時間を見込んでいるのかなど、計算の根拠と基準を示していただきたいのですが、教育長に質問いたします。

<教育長>
 高校が使用する灯油の量や灯油代についてのお尋ねです。
 この冬は12月初旬から寒気が日本列島に流れ込み例年に比べて早い時期から寒くなりました。その後も寒さが続いている為、今年度の高校の灯油使用量は過去3年間の平均と比較して8%ほど増加する見込みになっています。また、経済産業省自然エネルギー庁によれば、県内の灯油の店頭価格が11月下旬から12週連続して上昇しております。この寒さによる灯油の使用量増加と価格高騰の影響を受け、高校の灯油代は昨年度に比べて15%程度の増加となっています。
 暖房用灯油代については、今年度当初に昨年度より5%多い1億5千万円余を各学校へ再配当いたしましたが、不足したため1月及び2月合わせて約4千万を追加・再配当したところです。今後も灯油価格の動向や気象情報を注視しつつ学校からの要望に対応してまいります。
 使用する灯油の計算根拠と基準についてお尋ねです。
 県立高校ではその年の灯油ストーブを使用する期間、灯油の配分量を校内で検討し決めております。教室の温度の基準については平成21年4月に文部科学省が定めた学校環境衛生基準というのがございますが、そこで、冬は10℃以上とすることが望ましく、最も望ましい条件は18〜20℃とされています。また、県が展開する冬の信州省エネ大作戦では、室温を19℃以下が目安となっています。ストーブの燃焼時間の見込みについては通常の授業時間を前提としておりますが、生徒会やクラブ活動等で放課後に教室を使用することも想定しております。さらにその年の気候であるとか過去の灯油使用実績であるとかストーブの性能や教室の使用方法等、総合的に考慮して教室への灯油配当量を決めておりまして、厳冬期や特に寒い日には追加配分するなど、各学校で柔軟にその都度対応している状況でございます。

<藤岡議員>
 毎年冷え込み具合、灯油の価格等、状況は毎年変化いたします。高校生の学ぶ環境を整備するという観点、また「生徒の健康」を守る観点にたって、予算付はすべきですが、いかがでしょうか。これは知事にお伺いします。

<阿部知事>
 高校の灯油代についてのご質問です。
 必要な灯油代を確保するのは当然だと思っています。教育委員会にはぜひ高校生の学習環境が守られるような適切な予算執行をしてもらいたいと思います。全体の予算があって学校に配当して学校がどう使うかと、これも子どもの立場にたってどういう運用をすればもっとも適正な形になるかと、費用も抑制しつつ尚且つ子ども達の満足度を高められるかと、これ自体がマネージメントの問題だと思いますので、そういう点でしっかり教育委員会では考えていただきたいと思っています。

<藤岡議員>
 教育長から追加支援をしたというご答弁がありましたが、それは良いことですが、ただ、現場で足りなくなってしまっては遅いと思います。
 高教組さんからいただいた現場の要求を集めた資料からも、全県の問題であることが明らかになってきました。
 例えば諏訪地域では「限られた予算の中で、暖房費を確保するためには相当の需用費をそれに充てる必要があり、そのために暖房使用を我慢せざるを得ない状況は、生徒の健康維持の面からも心配です。冬でも十分な学習活動ができるように予算措置をお願いします」「学校の維持管理に必要な電気・光熱水費などはこれ以上節約できないところまできています。そのため一番しわ寄せがくるのは教科の学習に関わる予算です。とりわけ実験学習をともなう教科では深刻で、教育の質の低下を引き起こしています」とありました。
 他の地域からも同じ内容の切実な要求が出されています。この問題は文教委員会でも平成22年から議論されていますが、一向に改善されていないと感じています。生徒の健康に問題のないように、また生徒たちに十分な教育活動・環境を保証するためにも、「マネージメント」という知事のご答弁がありましたが、やはり、しっかりと需要費を増額するということだと思います。午後になったら灯油が足りないということが現場で二度と絶対に起こらないようなきめ細かい対応と予算措置を、重ねて要望したいと思います。

3.原子力発電所の事故等への対応について

<藤岡議員>
 次の質問「原発事故等への対応について」に移ります。間もなく、東日本大震災と福島第一原発事故から2年が経過しようとしています。1月30日「全国小さくても輝く自治体フォーラムinいわき市」に日本共産党県議団から石坂団長、和田県議、高村県議が参加し、富岡町へ全身を防護服でカバーして視察したお話を聞きました。当時設置されていた災害対策本部では「第1原発の爆発あり、10?圏内全員避難の報道」と赤字で書かれたメモと、おにぎりや紙コップが机の上に散乱したまま。町の職員の説明では「12日にテレビで福島第一原発事故と半径20キロ圏内の住民避難の呼びかけを知り、町の判断で全町民の避難を決断した」とのことでした。つまり、国からも福島県からも、何の連絡も指示もなかったということです。
 また当時のマスメディアも報道が事故から1時間以上遅れたことが明らかになっています。もっと早めに放映していれば政府や自治体・住民などが早く動いたかもしれないと指摘されています。
 二度と原発事故を起こさないよう福一の教訓を活かし、万一の事態のときに備えて情報伝達体制づくりをしっかり構築することが求められています。県が原発事故等の情報を迅速かつ正確に県民、市町村等に提供するため、中電と東電との間で「原子力発電所の安全確保に係る連絡体制に関する覚書」を締結されたことは、大変評価いたします。
 しかし、H23年11月議会でも質問しましたが、連絡体制について新潟県、静岡県だけしか対象になっていないことは問題であることを今回も指摘したいと思います。
 石川県の北陸電力志賀原発周辺から、風船を飛ばすという放射能の飛散調査を、「原発をなくす富山県連絡会準備会」が2月16日に行いました。「風船を発見した場合は連絡して欲しい」との紙片をつけたエコ風船約200個を飛ばしました。風船は風にのり、一斉に富山県長野県方向にむかい、なんと約3時間後に長野県を通り越し、埼玉県秩父市の住民から「風船が着いた」との連絡が寄せられたそうであります。18日までに、330キロ以上離れた千葉県木更津市からも連絡があったそうです。つまり長野県には、私は11月議会では4時間くらいと言っていましたが、実は1時間〜2時間で到達する可能性があるということです。
 志賀原発付近には、活断層の疑いのある断層があり問題視されています。このことから隣接県でなくても、志賀原発のある石川県、そして原発が多く存在する福井県、そして北陸電力・関西電力とも情報連絡体制を早急に整備すべきだと考えますが、県としてどう対応しているのか。危機管理部長にお伺いします。

<危機管理部長>
 原子力発電所からの情報収集の関係です。
 石川県の志賀原子力発電所における異常事象に関する連絡体制につきましては、北陸電力と昨年8月に志賀原子力発電所の地震・津波対策等の強化について説明を受けるなど、必要に応じて連絡をとっているところです。北陸電力と立地県の石川県、隣接県の富山県における安全協定の検討が続いているところでありまして、これらの情報共有を進めながら調整を進めていきたいと考えております。
 なお、他の電力会社からの通報・連絡体制につきましても、電力会社、立地県の状況を見ながら順次調整を進めてまいり所存です。
 なお、原子力規制委員会では災害発生時に原子力施設の状況やモニタリング情報などを、緊急情報としてメールやホームページで知らせることになっておりますので、こうした機能も活用して迅速な情報の把握に努めて参る所存であります。

<藤岡議員>
 さて、9月の定例会における私の質問「大飯原発の再稼働の問題について」に対する答弁の中で、知事は「国に対してしっかり言うべきことはいう」と答弁されました。確か昨年の6月16日に発表された「大飯原発再稼働に関する知事コメント」によりますと、大飯原発の再稼働に関して、「暫定的かつ限定的な措置だと受け止めたい」と国と関西電力の再稼働を理解されています。そして「必要に応じて国に意見を出していきたい」ともコメントされています。さてその後、この問題で、いつ何を国に伝えて、どうなったのか?知事お答えください。

<知事>
 原発に関して、いつ何を伝えているのかということです。
 今、原子力規制委員会で新しい安全基準の策定をしているわけです。この原発の問題は長野県に留まらず他の県も同じような問題意識をもっているわけでありますので、関東知事会議、中部圏知事会議、私ども長野県は両方の知事会議に参加しておりますので、昨年11月の段階で原子力発電所の安全確保と防災対策の強化について要望を行っております。そうしたものを踏まえて、現在国において対応を検討されていると考えております。

<藤岡議員>
 危機管理部長から、今説明を聞いているというお話がありました。私は、出来る限り早く覚書を中部電力や東京電力と結ぶような形を急いでとっていただきたいと思います。そういった点で私は重ねて、北陸電力、関西電力、石川県、福井県とも連絡体制を整備する、このことは絶対に必要だとこの場で繰り返し申しあげたいと思います。この体制整備がなかなか進まないのであれば、まさしく国に対してしっかり言うべきことは言うという問題だと思います。知事がこの問題解決のためにしっかり要望致します。
 また、再稼動についての知事のその後の行動については、今の答弁をお聞きしますと、基本的に再稼動について国に言うべきことを現在は言っていないと私は確認させていただきましたが、それでよろしいのかなと思います。県民はこの問題について知事は消極的だと感じていると思います。ぜひ、改めまして再稼動について積極的な発言を国に申していただきたいと述べて次の質問に移ります。

4.TPPについて

<藤岡議員>
 TPP交渉について質問します。安倍首相とオバマ大統領は先月23日、日米首脳会談を行い、日米共同声明を発表しました。声明では「全ての物品が交渉の対象とされる」とし、また、「TPPの輪郭(アウトライン)」を達成していくことになるとしています。この「TPPのアウトライン」は、「関税ならびに物品・サービスの貿易および投資に対するその他の障壁を撤廃する」と明記しています。TPP交渉とは、関税も非関税障壁も全て撤廃するものだと、日米首脳はあらためて確認したわけです、つまり「聖域」がないことを確認しておきながら、「聖域」があるかのようにいうのは、ごまかしにほかないことを強く指摘したいと思います。
 この問題で、JA長野中央会が声明を発表しています。一部紹介しますと“自民党の政権公約である、参加判断基準の6項目…全てが満たされたとは到底理解できず、多くの県民に不安と不信を招くと。「このような状況の中でTPP交渉に参加することは反対であり、政府、与党は我々の信頼を裏切るような判断を絶対にすべきでない」”と強く批判しています。
 知事はTPP交渉参加に関する日米共同声明をどのように受け止めておられるのか。また、長野県の農業・医療・経済、そして県民のくらしを破壊する協定として、TPP交渉には参加すべきでないと考えますが、知事はどうお考えかお伺いします。

<阿部知事>
 お答えする前に、原発の関係で国に言うべきことを言っていないという、先ほど答弁申しあげたとおり、他県と一緒に原発の安全確保等についての意見をしっかりと言ってきているわけでありまして、これからもそういったスタンスで言うべきことは言っていきたいと考えております。
 TPPについてのご質問です。2月22日、日米首脳会談後の記者会見におきまして、安倍総理からTPPでは聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になったということで、交渉に参加するかどうかについて政府与党に報告するなどしてなるべく早い段階で決断したい旨の表明がされました。
 TPP協定は農業分野だけではなくて医療、政府調達、労働サービス、国民生活の様々な分野への大きな影響が予想されるということで、県としてはこれまでも交渉参加に当たっては十分な国民的議論が行われる必要があると申しあげてきたところです。今回の首脳会談で聖域なき関税撤廃が前提でないとなったわけですが、しかしながらどの品目が関税撤廃の対象から除外されるか、また医療や公共事業などへの影響はどうなるのか、そういった具体的な影響はどうなるのか依然明らかではないと考えております。
 県としては早急に、関係部長からなる国際的な経済連携に関する対策会議を従前から設置しておりますが、開催して、想定される影響あるいは疑問点を整理して、そうした疑問点について明らかにするよう国に対して求めていきたいと考えております。したがって、現時点においては慎重に対応すべきと言う姿勢に変わりはありません。

<藤岡議員>
 知事から、原発についての私の質問に答えられましたので、改めて聞きたいと思いますが、それでは、再稼動について国に対して言うべきことを言われたのか、文書で言われたのか、何かの会議の場で発言されたのでしたら議事録があるのかどうか。再稼動についての国に言うべきことを言われたのでしたらお願いします。
 もう一点はTPPで、重要品目が例外として扱われるか今のところ明確でないと知事も答弁されたわけですから、そういった時点でははっきりとTPPは参加反対だとこの場で表明すべきだと思いますが、もう一度答弁をお願いします。

<阿部知事>
 原発の再稼動については先ほど申しあげたように、しっかりとした安全基準をつくってその上で行っていくべきだと申しあげてきているわけです。
 TPPについては先ほど申しあげたとおりの問題意識であります。大変多岐にわたる交渉項目でありまして、国民的な議論が必要だという中で不明な点が多々あると。そういう疑問点を我々が考えるべき問題点まずは明らかにしていきたいと思っております。
基本的なスタンスは先ほど申しあげたとおりのスタンスで変わりはありません。

<藤岡議員>
 もう少し時間があります。
 再稼動についていうべきことは言うと言いながら、先ほどの答弁ではそうした文書、新潟県知事は文書や記者会見ではっきり述べられています、そういったメッセージを県民は求めていると思うし、そういったものがないから消極的という感じがあるのではないかと思います。そういったものがあるのか、もう一度確認したいと思います。
 TPPについては、先ほど聴いた限りでは反対という言葉を聞き取れなかったので、反対はされていないということでよろしいでしょうか。もう一度だけお願いします。

<阿部知事>
 お答えします。
 原発の問題については先ほどもご答弁申しあげましたが、昨年の11月の段階で他県と一緒に、関東知事会、中部圏知事会で他の県知事と一緒に原発の基準の策定あるいは早急な適合の審査、そういったことについて求めているところです。これは文書で要望していますので、必要があれば後程お問い合わせいただければと思います。
 TPPへの対応については、先ほどからご説明してきている通りでありまして、現時点でこれまで慎重な対応が必要と申しあげてきたスタンスに変わりありません。
 しかしながら、政府においてこれまでより踏み込んだ動きが出てくるだろうということで、先ほど申しあげたような庁内の会議を開いた上で、今後の対応をしっかり行っていきたいと思います。

<藤岡議員>
 答弁いただきましたが、再稼動に関してやっぱりはっきりとおかしいんじゃないかというメッセージを、県民は求めている、期待していると私は思います。
 TPPに関してははっきりと反対と言えないというのは大変残念な思いであります。
私たち日本共産党県議団はこれからも幅広く県民の皆さんと力を合わせてTPPは絶対に断固参加阻止、そして賃上げと安定した雇用の拡大の実現、また子ども達が健康で元気に学び成長できる教育環境の充実を目指しまして、私の発言を終わります。