2012年9月定例会 9月26日 一般質問 藤岡義英

  1. 公契約条例について
  2. 県産材・間伐材の利用促進について
  3. 自然エネルギー元年にふさわしい行動と取組について

1、公契約条例について

<藤岡議員>
 日本共産党の藤岡義英です。一般質問を行います。まず公契約条例についてです。公契約条例はその事業で働く労働者の賃金を保証することや、受注をめぐる著しい低価格競争に歯止めをかけ、事業の質を確保することを契約者に求める法律や条例のことです。阿部知事はさきの知事選で公約し、県が庁内に「公契約研究会」を設けて検討され、中間報告がなされました。その後の進捗状況については、6月定例会でも続木議員や小松議員の質問に対して、建設部長から「県民や関係団体との合意形成が大切であり、十分な意見聴取や意見交換を行っていく」との答弁がありました。その後、8月には信濃毎日新聞で「公契約条例を県が制定するかどうか、労使間で賛否が割れているため、着地点が見いだせない状況が続いている」と報じられています。進捗状況・県民や関係団体との意見聴取や意見交換がされたかどうか、建設部長にお伺いします。

 私たち日本共産党県議団は、2011年12月に公契約条例が採択された、東京都多摩市の東京土建一般労働組合の皆さんにお話を聞きに行ってまいりました。多摩市では、23年8月に、弁護士1名、労働者団体代表2名、事業者代表2名で公契約制度に関する審査委員会を設置し、条例案作成を加速させたそうです。その中で、事業者にとっても、?負のスパイラルを止められる、?ダンピング防止、?外からの事業者の参入を抑えられる効果、?受発注者の対等平等の契約の実現などのメリットがあることを確認しながら、実現に向けて努力してこられたそうであります。23年9月には、パブリックコメント、事業者懇談会、議会と公契約条例検討会を実施。24年1月には公契約審議会を設置。公契約条例施行前には事業者説明会を実施するなど、しっかりと関係者と議論を重ねてきた結果だと説明を受けました。多摩市のように労働者団体や事業者団体など関係者にも参加してもらい、業者から批判もある入札制度の問題点も含めて検討するなど、現場の声を聞きながら、知事が先頭に立って、期限を決めて制定に向けて本腰を入れるべきと考えますがいかがかでしょうか。お伺いします。

<建設部長>
 公契約条例の議論の進捗状況についてのお尋ねでございます。
 中間報告以降、公契約研究会では賃金実態調査のとりまとめを進めるとともに、環境配慮や福祉への取り組み等の検討を行なって参りました。まず賃金実態調査につきましては、公共事業、清掃等業務委託、指定管理者制度などで働く労働者の賃金の実態について調査を行いました。調査結果からは、公契約では多岐に渡る職種の方が様々な立場で働いていることや、その賃金につきましては年齢や経験年数、勤務や雇用の形態などによって幅があることを確認したところです。
 次に、環境配慮や福祉への取り組み等の検討につきましては、各部から報告があった公契約を締結する企業に求める取り組みにつきまして、公契約のなかでどのように反映していくか、検討を進めているところです。
 また、公契約条例のなかで賃金下限額以上の支払いを求めることにつきましては、条例化によるメリット・デメリットを明確にするなかで、課題に対する対応策を具体的に検討しているところでございます。
 今後はこうした研究の結果について有識者からの意見を注視してまいりたいと考えております。

<阿部知事>
 公契約条例についてのご質問でございます。この条例につきましては、県民の皆様に広く、関係団体も含めて合意形成をしっかりしていくということが重要だと考えております。これまでも労働団体、経営団体の皆さんと意見交換を行なってきたところでございます。
 今建設部長から答弁申しあげましたとおり、様々な課題がありますが、メリット・デメリット、整理をしてきているところです。今後、こうした研究の成果にたって、知事が先頭に立ってというお話でしたが、これはやはり県としての考え方をしっかり打ち出した上で関係者の意見も聞いていくということも必要だと思いますが、有識者の考え方も聞きながら年度内には公契約のあり方について県としての方向付けを行っていきたいと考えております。

<藤岡議員>
 札幌市の制定の動きを紹介します。札幌市では市長自ら、市民団体「反貧困ネット北海道」が主催した「なくそうワーキングプア 公契約条例学習集会」に参加し、「税金で使った仕事で働く人が貧困に陥るのは倫理的におかしい」「お互いに叩き売りして、誰もが幸せになれない状況から、どうやって、人間的な働き方を保障し、そして地域で暮らす人達が豊かに、心安らかに生きていくことができるようになるか考えなければならない」と講演し、条例制定の意欲を語ったそうであります。
 知事には、ぜひ先頭にたって現場の声をつかんでいただき、事業者にとってもメリットがあることを知らせる。誤解もあるかもしれません。懇切丁寧に公契約条例制定の意義を、ぜひ直接伝えていただきたいと思いますが、知事の制定への決意・意欲の程をもう一度お伺いします。

<阿部知事>
 公契約につきましては、これは私としてしっかりと関わりあいながら今課題の整理をしているところでありますので、県としての方向性をきっちりと示した上で多くの皆さんの理解を得られるように努めてまいりたいと考えております。

<藤岡議員>
 入札制度の改善とセットで、ぜひ早期に県民にとっても長野県にとっても労働者にとっても、そして事業者にとってもプラスになる公契約条例の早期制定を求めて次の質問に移ります。

2 県産材・間伐材の利用促進について

<藤岡議員>
 木曽地域の林業関係者の方からお話を聞く機会がありました。搬出されてきた間伐材の価格が3割も落ちている。ヒノキなどは用材で搬出してきたものが以前は2万円だったものが、今は1万円を切っているケースもあるということです。採算がとれないとのことでした。しかし、山の荒廃を防ぎ、森の多面的機能を守るために森林整備は欠かせません。今後ますます、搬出間伐を進めていく流れだと認識しておりますが、間伐材が山積みにされるのではなく、材としてしっかり活用される方法や、採算がとれるよう間伐材の価値を維持する利用促進策が必要と考えますが、どのような対策を検討されているのか林務部長にお伺いします。
 県産材の活用推進のためには、公共施設や住宅建築に活用してもらうことが欠かせません。そのための支援策として、建設部には「ふるさと信州 環の住まい」という新築建築への助成制度がありますが、他県はどうかなと調べていましたら、高知県が大変素晴らしい取り組みをされていることを知りました。
 高知県の場合は上限100万円、加算補助50万円を加えると150万円、予算1億9千万円)だそうです。募集件数は410件、これは新築とリフォーム合わせての数だそうです。大変好評で、大人気だそうで、助成制度によって建った住宅は全て地元の工務店が担当したそうです。高知県の担当の方は「インセンティブとして、条件をゆるく、まとを絞り、そして金額をあげた」とのお話でした。
 長野県も「ふるさと信州 環の住まい」の新築への助成制度をさらに高知県に習って充実すべきだと考えますがいかがでしょうか。一方で、住宅リフォーム助成制度については、すでに6月定例会で小林伸陽議員からも質問がありました。市町村で導入している助成制度のその経済効果は10倍とも15倍とも言われています。
 県産材活用促進は「ふるさと信州 環の住まい」助成制度の充実ですすめ、逆に住宅リフォーム助成制度はシンプルに経済対策として位置づけ、いろいろ条件をつけるのではなく、市町村が独自に進めている制度に県が上乗せ支援するなど、利用しやすい制度にしてほしいという声に耳を傾け、大きく経済効果を生む制度に発展させてほしいと考えますが知事にお伺いします。

<林務部長>
 間伐材・県産材の利用促進についてのお尋ねをいただきました。
 議員のご指摘のありましたように、今年度はやはり、九州を中心とした西日本などで、スギ及びヒノキの丸太価格の顕著な下落が見られ、その影響が県内にも及ぶなど、木材価格を取り巻く環境は大変厳しいものと認識をしておるところでございます。このため県といたしましては、県産材の確実な需要先を作るために、平成22年12月県において策定しました県産材利用方針に基づき、県の庁内連絡会議を通じ、公共事業、公共建築物等への県産材利用を推進するとともに、市町村においても公共建築物における県産材利用方針の策定を進めていただき、すでに7割の市町村で方針が策定されたところです。引き続き全ての市町村に策定されるよう推進してまいります。
 さらには品質・規格が確かな県産材認証製品が住宅に利用されるよう、建築士、大工、工務店へ研修等を通じ働きかけを行なっているほか、杭材など土木業材の販路拡大、薪等へのバイオマス利用の拡大にも取り組んでいるところです。
 また先般、信州F・POWERプロジェクトとして、丸太30万立方メートルの需要を創出するための計画を立ち上げましたが、こうした将来にわたる安定的な需要先についても早期に実現できるよう取り組みながら、県産材価格の安定に有効な施策を積極的に実施してまいります

<阿部知事>
 住宅への助成制度についてのご質問でございます。
 まず、新築住宅に関しましては、県産材を使用し十分な断熱性能を有する住宅の建築費の一部を助成する制度ということで、「ふるさと信州輪の住まい助成金」、平成22年度から実施して県産材の利用拡大と住宅産業の活性化に図っております。今年度からは助成件数も拡大して取り組んでいる所でございます。200件まで拡大という状況でございます。
 また、住宅リフォームの助成制度につきましては、これは私ども、単なる経済対策だけではなくて、加えて明確な施策目的を持って実施することが必要だということで、県産材の利用拡大を柱として制度を構築しているところでございます。
 市町村、独自の住宅リフォーム助成制度がありますが、約半数で県の助成金と併用不可という形にしているところがございますが、併用が可能となるよう見直しを要請をしているところでございます。助成金の利用件数は、8月下旬からの約1ヶ月で22件増えて現時点で50件の申請受付という状況です。今後とも助成制度の浸透を図りながら、利用促進に努めてまいりたいと考えております。

<藤岡議員>
 これからもさらに間伐材の積極的活用や、木曽の林業関係者の方が話されていましたが、地域の実情に合わせ林業関係者の所得がしっかり保障されるような政策をぜひともというお話でしたので、紹介して要望いたしたいと思います。
 住宅リフォーム助成制度については、私たち日本共産党県議団と長野県建設業協会の意見交換会でも、「市町村上乗せで県がやってくれるとうれしい。予算ももっと増額してほしい」との意見で一致したことも紹介して、次の質問に移ります。

3 自然エネルギー元年にふさわしい行動と取組について

<藤岡議員>
 企業局の電気事業の進展状況について、県内における中小水力発電事業の普及を図り、産業振興や雇用創出により地域活性化に寄与するため、水力発電において培ってきた知識や経験を活かし、中小水力発電事業に取り組む市町村等に対して、技術的な観点から助言や情報提供などの支援を行うとのことですが、その事業の内容について、企業局長にお伺いします。

<企業局長>
 中小規模水力発電の支援事業にかかるお尋ねでございます。県では本年を、信州自然エネルギー元年と位置づけ、様々な事業を展開しておりますが、そのなかで県議会や市町村等から、企業局に対して技術的支援にかかわる多くの要望が寄せられています。このような状況のもと、庁内関係部と連携を図りながら、企業局が半世紀にわたって培ってまいりました水力発電の知識や経験を生かし、特に技術的観点からの助言や情報提供を行なうことを目的とした、中小規模水力発電技術支援チームを去る9月14日に設置したところです。
 この支援事業を始めるにあたりましては、市町村へのアンケート調査や関係団体と意見交換を行い、その具体的ニーズを把握した上で、第一に計画・設計や法制度に関すること、第二に管理運営や保守点検に関わること、第三に電気に基礎知識の普及啓発に関すること等について、支援を行なうこととしました。
 今後とも多くの市町村において自然エネルギーへの関心が高まり、またその取り組みの充実が図られるよう、支援チームの積極的な活用に努めてまいりたいと考えております。

<藤岡議員>
 次に、6月定例会で両角友成議員からも質問がありましたが、みどりネット(長野県土地改良事業団体連合会)の懇談時に、小水力発電機を県内企業が様々なパターンに対応したものを開発できるよう、産業育成・雇用創出のためにも県が支援してほしいとの話が出ました。ちょうど長野経済研究所発行の「経済月報9月号」でも特集されていましたが、こうした企業がどんどん増えるよう、製品開発の推進・支援をするべきだと考えますが、いかがでしょう。これまでどのような動きがあるでしょうか。また商工労働部とみどりネットとの意見交換や連携はあるのでしょうか。あれば、最近の内容を教えていただければと思います。商工労働部長にお伺いします。

<商工労働部長>
 小水力発電に要します発電機製造の推進支援についてお答え申しあげます。
 環境エネルギー分野、これはものづくりの観点からも市場として有効な分野でございまして、本年3月県が策定したものづくり産業振興戦略プランにおきましても、今後の産業振興の最重要分野の一つとして位置づけているところでございます。既存の小水力発電機に比較しまして、性能や価格において優位性を持つ発電機を県内企業が開発製造することは本県ものづくり産業の発展に資するものと考えております。
 すでに県工業技術総合センターにおいては、小水力発電機について複数の県内企業から相談を受けておりまして、具体的に技術的な助言を行なっているところでございます。
 また、長野県テクノ財団が設置しますグリーンエネルギー創出事業研究会におきましては、本年6月に小水力発電に関する技術講演会を、信州大学工学部等から講師を招き開催しまして、多数の企業技術者の参加がございました。
 今後も企業の技術課題に応じまして、工業技術総合センターによる技術支援、長野県テクノ財団による産学官共同研究開発など、様々なメニューを効果的に活用して支援してまいり、本県における自然エネルギーの利用拡大が本県ものづくり産業の振興に結びつくよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、みどりネットにつきましては急なご質問で資料がございませんが、私の知る限り、小水力発電に関しまして直接商工労働部とお話をしたということは存じておりません。

<藤岡議員>
 今回の補正予算であらたに再生可能エネルギーの導入促進策として、農業用水路約700kmを調査することを農政部で検討されています。大変評価すべき政策ですが、同時に思い出したのが、私たちの会派でみどりネットと懇談した時も、みどりネットで独自に、小水力発電設置の可能性の高い農業用水路の調査を行なってきたとのお話を聞いております。先の企業局の取り組みも大変素晴らしいものですが、それぞれの部局やみどりネットの取り組み、ノウハウ、データなどを共有されているのでしょうか。これらは一体的・相乗的になされることで効果が高まると考えます。それぞれの取り組みを連携するための場をもたれているのでしょうか。もしあるのなら、この間、どのような議論・意見交換がなされているのか、また県が中心となって相互の連携を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。環境部長にお伺いします。

<環境部長>
 小水力発電の普及に向けての一体的・相乗的な取り組みについてのお尋ねでございます。
小水力を始めと致しまして自然エネルギーの推進に関しましては、庁内各部局、市町村、県内の関係団体との間で経験や知識を共有しながら施策を進めていくことが肝要でございます。このことから、昨年度は市町村や県土地改良事業団体連合会等の参画を得まして、小水力発電導入に関わる手続きを作成したところです。
 また今年度は、総合特区申請の準備過程におきまして、市町村、長野県小水力利用推進協議会等の関係団体、企業局等の庁内関係部局などで構成する小水力部会を設置しまして、県内の小水力発電の推進に向けた課題の整理あるいは解決策の検討を行なって参ったところでございます。
 さらに新たな総合5ヵ年計画の策定、地球温暖化防止県民計画の改定にあたりまして、省エネルギー・自然エネルギー推進本部のもとに、関係部局のメンバーからなる作業部会を立ち上げまして、一丸となった自然エネルギー施策の検討を進めているところでございます。
 今後も引き続き、県内の様々な主体と連携・共同しながら一体的・相乗的な形で自然エネルギーの取り組みを推進してまいりたいと考えているところです。

<藤岡議員>
 8月31日に、阿部知事は定例会見で、自然エネルギーについて「他県以上に力を入れていく」と意欲を示されたと報じられました。その意気込みや内容を具体的に示していただきたいと思います。知事にお伺いします。
 もう一点ですが、他県では広まっている個人向け太陽光発電への補助制度の導入ですが、何度も要請するのは、全国で導入したところでは今でも喜ばれている制度であるとお聞きしているからです。以前知事は「導入する時期が過ぎた」とおっしゃいましたが、私はまだまだ求められているし、その時期は過ぎていないと確信しています。他県以上の取り組みを目指すのであれば、是非実現してほしいと考えますがいかがでしょうか。これも知事にお伺いします。

<阿部知事>
 自然エネルギーの関係で、まず自然エネルギーへの意気込みを具体的に示せというご質問でございます。この場でも様々申しあげてきているところでございますが、今年を信州自然エネルギー元年という位置づけのもとで、一村一自然エネルギープロジェクトの推進、あるいは環境エネルギー戦略の策定、さらには先ほどもご質問いただきましたけれども富士見産業団地へのメガソーラーの誘致、信州F・POWERプロジェクト、さらには特区提案でありますが、信州地域主導型自然エネルギービジネスモデル創出特区の申請と、こうした様々な具体的な取り組みを通じて、長野県の強みである自然エネルギーを活かしていこうと、具体化をしているところでございます。
 個人向け太陽光発電の補助制度についてのご質問ですが、平成20年度から国の補助制度が再開されています。平成21年の11月から余剰電力の買取価格制度が、約2倍程度に引き上げられました。太陽光発電は近年設置コストも下がってきておりまして、着実に件数が伸びてきている状況です。これは中国経済産業局が作成したデータ平成23年度末ですが、長野県の太陽光発電の普及率5.23%という数字が出ておりまして、全国第6位という状況でございます。
 また、より広い県民への普及ということで、太陽光発電は初期投資が大きいということで今、飯田、松本、上田、初期投資ゼロで毎月一定額の支払いにより導入を可能にする太陽光発電のビジネスモデルの立ち上げが進められております。
 単純に補助するということではなくて、ビジネスモデルを工夫することによって広げていきたいと考えております。
 自然エネルギー自給コミュニティ創出支援事業においてこうした取り組みを支援することによりまして、太陽光発電の普及を拡大してまいりたいと考えています。

<藤岡議員>
 ぜひ、県内で、今回は小水力発電について質問したわけでありますが、小水力発電の普及が加速的にすすむよう、企業局、商工労働部、農政部、環境部、そしてみどりネットとの間で情報の共有、連携を強めていただきたいし、その体制を強化していただきたいと思います。
 また、最近自然エネルギーに力を入れている千葉県でお話を聞いてきましたが、個人向けの太陽光発電への補助制度の予算は昨年度は1億円。大変評判が良かったので今年度は3億円に増額したそうです。ちなみにこの千葉県も財政状況は厳しいそうです。
 千葉県では当面の推進方策として、1)民間事業者によるプロジェクト展開の促進、2)県内市町村によるプロジェクト展開の促進、3)県民による取り組みの促進、4)県自らの取り組み促進、と四つの分野にたいして「ノウハウ」だけでなく「事業資金や用地等の確保支援」「事業者間の連携支援」「技術開発支援」そして、「家庭内における新エネルギーや省エネルギーの普及促進を図るため、住宅用太陽光発電設備に対する助成」などに力を入れるとしています。自然エネルギー信州ネットの今年度の予算は750万円だそうでありますが、ぜひ他県を上回っていただきたいので、千葉県を参考にしていただきたいと思います。

 最後に、原発問題について質問します。政府が行なった調査によれば、2030年までのなるべく早期に原発比率ゼロというゼロシナリオの支持は、7割から9割に上がっています。政府も国民世論に押されて14日、関係閣僚によるエネルギー・環境会議を開き、「30年代に原発稼働ゼロを可能とする」との目標を盛り込んだ「革新的エネルギー・環境戦略」を決めています。一方で当面は原発を再稼働させ、原発使用を前提とする「核燃料サイクル」も継続するなど、矛盾だらけの内容です。こうした政府の姿勢に対し、本気で「原発ゼロ」にむかい、自然エネルギーの普及に力をいれるよう、知事は「原発ゼロ」の明確な態度表明を行い、要請すべきだと思いますがいかがでしょうか。また、大飯原発の再稼働は、すでに「暫定的かつ限定的」という言葉では、今説明がつきません。原発の再稼働は中止すべきであり、知事として県民の命と健康を守る立場から、政府に中止を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。知事にうかがいます。

<阿部知事>
 原発に関連してのご質問です。
 私としては原発によらない社会をめざすべきだということを何度も述べさせていただいているところです。ただ、電力の安定供給、あるいは使用済み核燃料の問題、様々解決すべき、クリアすべき課題があるわけでして、具体的なデータに基づいた実証的な検討をしっかり行なったうえで方向付けをしていくことが必要だと思っています。
 エネルギー政策は国家の基本政策でありますので、将来を見据え、国が責任を持って取組んで戴きたいと思っています。
 原発再稼動につきましては、これはなし崩し的に進めることなく、科学的根拠に基づく安全基準をしっかり定めた上で、丁寧なプロセスを踏んで慎重に進めていくことが必要だと思っております。9月19日に原子力規制委員会が発足しました。原子力発電所の再稼動に関する新しい安全基準、手続きについての検討が今後進められると聞いていますので、その動きをしっかりと見ていきたいと思います。
 長野県は原発立地県ではありませんが、原子力発電所が立地する新潟県、静岡県とも隣接しています。原発とは全く関係がないと言い切れない位置にございます。県民の安全を守る立場から、必要に応じて国に対して申しあげるべきことはしっかりと言ってまいりたいと考えております。

<藤岡議員>
 知事の6月16日に発表された、大飯原発再稼働に関するコメントを読ませていただきました。「原子力災害は、日本のどこに住んでいようが無関係ではいられないものであり、『国民として二度と被害を受けることがあってはならない』。これが原子力発電所の再稼働問題を考えるときの大前提」だと。そして「大飯原子力発電所再稼働の正式決定は、関西電力管内の今夏の電力需給が危機的状況にあること」「新たな規制機関がない中での政府による暫定的な安全判断」「よって暫定的かつ限定的な措置だと受け止めたい」
と述べられています。
 純粋な心でこのコメントを読めば、秋に突入した今、「大飯原発再稼働はこれ以上許されない」とそろそろ知事は表明されるのかなと思っておりました。関西電力も再稼働しなくても夏のピークは乗り切れたこと、電力は余っていることを認めています。先程の答弁と6月コメントは矛盾するのではないかと思いますがいかがでしょうか。
 また、先ほどおっしゃった、原子力の新たな規制機関、原子力規制委員会と事務局の原子力規制庁が発足しました。その原子力規制委員会の人事案については「原子力事業者等」を任命しないとした「欠格要件」に該当する疑いがあるとして、与野党議員をはじめ国民各層から反対する声が広がっているにもかかわらず、国会には諮られず
 主層の権限で任命するということなど、ますます国民からの規制庁に対する信頼は失われている状態であります。その規制庁をもって「暫定的・限定的」ということは説明にあたらないと思いますし、改めて知事の「暫定的・限定的」とは何を指しているのか、もう一度知事に伺います。

<阿部知事>
 先ほども申しあげましたが、原発の問題については具体的なデータを示していただいた上で議論していくことが重要だと思っています。そうした観点で、今後大飯原発も含めて、原子力規制委員会が新しく発足したわけでありますから、そこで再稼動に関する安全基準、手続き等がしっかりと作られていく、そうした動きを私としては注視していかなければいけないと思っています。
 また、先ほども申し上げましたように、長野県は近隣県にも原発が立地しているわけでありますので、そうした地域における動向についても、私どもも新潟県あるいは静岡県とも情報共有をさせていただきながら、必要に応じて国に対してしっかりと申しあげるべきことは言っていくというスタンスです。

<藤岡議員>
 ぜひ近いうちに知事が原発ゼロの明確な態度表明をされ、県民の命や健康をしっかり守られるスタンスに立たれ、そして大飯原発再稼働については「暫定的・限定的な措置」だと判断され、政府に対しては再稼働の中止を求めていかないということだそうですが、知事の判断が「暫定的・限定的」なものであることを期待して、私の質問を終了します。