2012年6月定例会 7月6日 藤岡義英

議第10号 「消費税増税のための税制抜本改革関連法案の廃案を求める意見書(案)」、賛成討論

 議第10号 「消費税増税のための税制抜本改革関連法案の廃案を求める意見書(案)」について日本共産党県議団を代表して、賛成討論をいたします。
 
 民主、自民、公明の3党が、先週末「修正」について合意した消費税大増税と社会保障改悪の関連法案を国会に提出、26日に採決を強行しました。3党が提出した法案には、政府提出法案に50項目以上の大幅修正をくわえ、「社会保障制度改革推進法案」という社会保障を解体に導くまったく新しい「新法」が含まれます。こうした重大法案をまともな審議もせずに強行したことは、議会制民主主義を壊す暴挙です。
 消費税増税案の政府案に盛り込まれていた「所得税の最高税率引き上げや、富裕層への相続税の課税強化も法案から削除し、年末の税制改正での継続協議事項とするなど、消費税増税のみが突出した内容となっている」と信濃毎日新聞でも報じられています。
 この「社会保障制度改革推進法案」の中身ですが、「自立・自助」の原則が持ち込まれました。今、多くの国民が失業や不安定雇用を余儀なくされ、健康を犠牲にされています。「自立・自助」では救われない国民の暮らしを守り、良くするために発展させられてきた制度が社会保障です。「自立・自助」を強調することは、「構造改革」でずたずたにされた社会保障を再生させてほしいという国民の切実な願いをふみにじり、抑制路線に逆戻りさせる重大な改悪です。「改革推進法案」は、国に社会保障を充実させる義務を課した憲法25条を骨抜きにする法案にほかなりません。
「社会保障のため」という大義名分さえ吹き飛ばして、暮らしと経済を破壊する13・5兆円の国民負担増を国会と国民におしつける暴挙です。
 さて、消費税増税する理由は、「財源健全化のため」と言われますが、実際はどうなのか? 6月27日、ニュースポストセブンの「第一生命経済研究所の主席エコノミスト・永濱氏と、経済評論家の小野氏が指摘する、消費増税の影響試算の結果の記事を紹介します。
「増税3年目で日本経済全体の生産額は11兆6670億円、GDPは6兆5600億円押し下げられる」 「景気の悪化で、消費税の税収は1年目で11兆2800億円あっても、5年目には9兆9500億円に下がる。さらに、それに伴い5年目には法人税が2兆5000億円減、所得税が2兆1100億円減となる」「GDPの減少により、5年目には失業率は1.65%増加する」
「そこから算出される倒産件数は3300件、生活保護も99万人増加し、1.7兆円の生活保護費増加が予測される」 「他にも失業者対策などで歳出は増える」結果、財政はむしろ悪化すると予想されています。
 社会保障は切り捨てられる。財政は悪化する。消費税を増税する根拠は全くありません。
 法案の中身はもちろん、まともな審議ぬきの強行突破というやり方に対しても、世論は厳しく反発しています。共同通信社が消費税増税法案の通過を受けて26、27日に実施した世論調査でも、反対は52.9%と過半数を占めています。「この不景気に増税か?」との声がドンドン広がっています。3党合意の社会保障改悪の内容が明らかになるにつれて、国民の不信と怒りは高まるばかりです。
県内の市町村議会でも「消費税増税反対の意見書」が27自治体に広がっています。
 県民の暮らしと県内経済を守るためにも、長野県議会でもこの意見書を採択させようではありませんか。
 政治の姿勢を変えれば、消費税に頼らない別の道があると、「社会保障充実と財政危機打開の提言」を積極的に訴え、国民と力を合わせ消費税増税のための税制抜本改革関連法案を廃案に追い込むことをよびかけ、賛成討論といたします。