2012年6月定例会 7月6日 藤岡義英

議第5号 「関西電力大飯発電所の再稼働の撤回を求める意見書(案)」、賛成討論

 議第5号 「関西電力大飯発電所の再稼働の撤回を求める意見書(案)」について日本共産党県議団を代表いたしまして、賛成討論をいたします。
 政府は16日、原発再稼働問題の関係閣僚会合を開き、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を最終的に決定しました。
 野田首相は記者会見で「福島のような事故は決して起こさない」「事故を防止できる対策と体制は整っている」といいました。
 しかし、その判断基準にしている政府自らがとりあえずの対策として指示した30項目の「安全対策」についても、事故が起こった際の対応拠点となる「免震事務棟」の建設や「フィルター付ベント」の設置は3年後に、また津波に耐える防波堤のかさ上げは来年完成の予定です。つまり暫定的な安全基準すらクリアできていなわけです。また「福島を襲ったような地震・津波がおこっても、事故を防止できる対策と体制はととのっている」と断言しました。しかし、福島原発事故の原因究明は不明のまま。そもそも肝心の大飯原発をどのような地震・津波が襲う危険があるのかは解明されていません。
これで「事故を防止する対策は整っている」とはとてもいえません。「事故は起きない」といいはるのは、国民を欺く新しい「安全神話」そのものであることを厳しく指摘します。
再稼働の理由として、電力不足や料金値上げになれば、「国民の安心が脅かされる」と主張されています。
 しかし、そもそも、これらの問題と、原発再稼働とは、てんびんにかけてよい問題では決してありません。くわえて、電力不足などの問題についても、その具体的根拠は何ら示されていません。夏場の電力需給について、ピーク時はどれくらいの時間帯、日数なのか。原発が再稼働しなかった場合、天然ガスなどの火力の活用、電力融通、節電努力などによって、どれだけ需要を減らし供給を増やせるのか。これらも具体的根拠は明らかにされていません。首相会見では「日常生活や経済活動」が混乱するという、脅しの言葉だけでした。
 また今回の再稼働は「夏場限定」だけでなく、「原発は重要な電源」であり、今後も運転を続けると踏み込みました。これは、「原発は基幹電源」として、将来にわたって、これに固執する財界の意見に従ったものです。「暫定的かつ限定的」な措置とみなしているとの意見もありますが、すでに大飯原発は「暫定的かつ限定的」な再稼働ではないことも指摘しておきます。
 政府のこうした民意を無視した再稼働の強行に抗議の世論は広がっています。
毎週、首相官邸で再稼働の抗議行動が行われています。インターネットのツイッターを中心に呼びかけられたこの行動は回を重ねるごとに、参加者が増えています。私も6月22日の行動に参加しましたが、子ども連れのお母さん、サラリーマンなど市民約4万5千人以上が集まり、「再稼働反対」「原発なくせ」「子どもを守れ」との声が首相官邸をつつみました。
「目先の利益のために安全を無視した結果が福島ではなかったか」。世論は「原発ゼロ」へ急速に変化しています。福島の悲劇を二度と繰り返させないという国民の痛切な思いにたって、野田政権に「原発ゼロの日本」への決断を迫る世論と運動を広げるときではないでしょうか。そして自然エネルギーの本格的導入と、低エネルギー社会にむけて、カジを切るときではないでしょうか?世界も注目しています。ぜひ議員のみなさまには、ごいっしょに日本と長野県の新しい方向へ、自然エネルギー元年にふさわしいスタートをきる上でも、この意見書に賛同していただきたいと思います。
 政府に関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の再稼働の決定を撤回することを求め、賛成討論といたします。