2009年11月定例会  12月14日   藤沢のり子


「平成20年度長野県一般会計及び特別会計決算認定について」反対討論

<藤沢県議>
 日本共産党県議団を代表して、平成20年度長野県一般会計及び特別会計決算認定について」の反対討論を行ないます。
 平成20年度一般会計の決算規模は歳入総額が8432億9913万余円で「9年ぶりのプラス決算となった」前年度より74億6881万円(−0.9%)の減少となり、歳出総額は8343億7826万余円で、「3年ぶりにプラス」となった前年度よりも101億2316万余円(−1.2%)減り、歳入、歳出ともに前年度規模を割り込む結果になりました。
 この背景には金融危機に端を発したアメリカ発の世界同時不況の影響があります。外需頼みの経済政策をとってきた日本はもとより、輸出依存度の高い機械、機器を中心とした製造業の集積地としての長野県はまともにその影響を受けました。
 受注、売り上げが大きく減少し、法人2税が143億4900万余円の減収になるなど県税収入は当初見込み額より215億円、前年度決算額と比べても178億円の減収となりました。長野県はこの税収不足を補うために6年ぶりに減収補てん債197億円を発行いたしました。
 又、8年連続で、当年度も国は地方交付税を60億円も削減、その穴埋めとして、前年度よりも50億円増しの279億円の臨時財政対策債を発行せざるを得ませんでした。
 臨時財政対策債は平成13年度の発行以来、20年度までに2330億円余の発行、21年度はさらに564億円の発行をしましたので、現在の総額は3000億円近くにまでなっています。
 本来ならば苦境に立つ地方自治体を補完するための地方交付税を増額するところを、削減した国の対応は本当に納得の出来ないものであります。
 普通債の発行に上乗せして発行した減収補填債と臨時財政対策債、そのうえに前年に続き発行した74億円の行政改革推進債によって県債発行額の総額は1157億円となり元金償還額976億円を上回り、元金償還額の範囲内で借りるとの知事の公約は果たせなくなりました。
 このように国の誘導による政策的借金に依存する財政構造が顕著になりつつあることに危機感を禁じえません。
 減収補てん債も臨時財政対策債も基準財政需要額に算入するものであり、交付税の増額が担保されるものではないことは毎年度交付税が削減されてきた経過が証明しています。
 あくまでも借金であり、交付税の代わりにはなりえないことを心して財政運営に当たるべきでありますし、国に対しては県がこれまで発行した臨時財政対策債の分を交付税として交付するよう求めるとともに、さらなる増額を要請していくべきであります。
 又、組織の再編整備や事務事業の見直し、職員定数の削減などによる行政サービスの低下をもたらす行政改革を促進することにより、将来の地方財政負担の軽減を目指すという行政改革推進債の発行には党県議団は反対してきたところですが、この借金承認の国との約束を果たすために、長野県は当年度の行政改革として現地機関の組織再編や、県立病院の独立行政法人化への具体的取り組みに手を付けました。
 そして予算提案のおりにも問題ありと指摘しました74の事務事業の廃止(6億円)、328の事業の縮小(17億円)、合わせて23億円の事務事業の見直しを強行しました。廃止、縮小した事務事業の中には県民からの存続を求める声が多かった、障害者の社会参加を支援する「希望の旅事業」450万円、68歳、69歳のお年寄りの医療費窓口負担を3割から1割に軽減する「福祉医療費給付事業」9530万円、障害児保育を実施する保育士の加配1億5700万円の廃止をはじめ当初計画を1年繰り上げて廃止した学校給食への米粉パン事業329万円、長期入院の子供たちへの教員派遣事業588万円の廃止も含まれています。
 弱者への温かい支援を削る一方で、建設は不要との県民世論が大きい浅川の穴あきダム計画の実験などの費用には2億5,000万円ものお金をつぎ込んでおります。
 以上の理由により、長野県20年度決算は認定できないことを表明し反対討論といたします。