2009年9月定例会 一般質問 9月29日 びぜん光正

1、介護問題について

2、新型インフルエンザ対策について

3、福祉医療費負担金引き上げについて

4、廃棄物対策について

<備前県議>
 8月の総選挙は、経済不況の深刻さに格差と貧困の拡大、後期高齢者医療制度、年金、介護、障害者自立支援法など社会保障制度の後退等を引き起こし、行き詰まった自公政権に国民の審判が下されました。
 新たな政権には後期高齢者医療制度や障害者自立支援法の廃止、生活保護の母子加算の復活等の国民の命と暮らしを守る施策の早急な確立を望むとともに、私たち日本共産党もその実現のために奮闘するものであります。

1、介護問題について

(1)医療的ケアの必要な方々の介護について

<備前県議>
 そこでまず、介護問題についてうかがいます。私どものところに介護の問題で相談が寄せられておりますが、それは「特別養護老人ホームに入所のお願いをしているが、要介護5 でも10 年もたつがいまだに入れない。どうして入れないのか」というご相談でした。こうした相談が後を絶ちません。私は特別養護老人ホームを運営している事業者に伺いましたが、「療養病床の削減のためか、医療的ケアの必要な方々の入所が増え、以前は10%程度であったものが、現在は20%を優に越えている。介護報酬が上がっても看護師を増員する余裕はなく、結局医療的ケアの必要な方の入所を困難にしている」と言われました。
 そこで、長野県における、医療的ケアの必要な方々の介護についての施設介護の状況はどうなっているのか、また入所できない方々についての対応はどう考えているのか社会部長に伺います。
<和田社会部長>
 介護問題についてのご質問でございます。まず、医療的ケアの必要な方々への施設介護についてでございますが、国の調査結果によりますと、特別養護老人ホームにおけます入所者による処置を受けている方の割合は全国的に上昇しているところでございまして、特に経管栄養や喀痰吸引を受けている方の割合が上昇している状況でございます。この調査では都道府県ごとのデータは公表されているわけではありませんが、県内の施設長など関係者からは、本県においても同様の状況にあるとお聞きをしております。
 また、施設入所をお待ちいただいている方についてでございますが、入院施設、あるいは在宅での訪問看護等ご利用いただいていると承知しておりますが、第4 期介護保険事業支援計画に基づきまして、施設居住系サービスの拡充に努めてまいりたいと、このように考えている次第でございます。
(2)介護職員による医療行為について

<備前県議>
 厚労省は介護職員による医療行為について、一部の特養でモデル事業を実施しているようですが、痰の吸引、経管栄養を看護職員と連携・協働することにより実施し、問題がなければ来年度から実施するということも伝わってきています。
 厚労省調査では夜間に看護師が必ずいると回答した特養は約2%で、介護福祉士の調査でも吸引を行っているとした介護職は看護師の手薄な夜間で約8 割にものぼり、昼間も約4 割が実施しているとの実情があるといいます。このままではどんなに待機していても、一定の医療的処置を要する重度な高齢者の行き場はますますなくなります。
 そこで長野県内での状況の把握を行うなどして、介護報酬の改善とともに、特養や老健施設における医療制限の抜本的改善を国に対し求めるべきではないかと思いますが、社会部長のお考えを伺います。
<和田社会部長>
 次に県内の特養における入所定員100人におけます看護師数、常勤換算で2.9人と全国平均の2.3人を上回る配置となっておりますが、今後とも高齢化の進行に伴う施設入所の重度化などにより、一定の医療的ケアの必要な入所者は増加していくものと考えております。
 このような状況に対しまして、平成21 年度の介護報酬改定におきましては、手厚い看護職員の配置にたいする加算が新たに創設されておりますので、この改定の効果などを見ながら、必要に応じて国に対し改善を要望してまいります。
 さらに国におきましては、痰の吸引等の一部の医療処置につきまして、その実施を特養の介護職員にも認めるべきかどうか、こういった検討を行っておりまして、今年度内に報告をまとめることとしておりますので、その状況を見極めながら、入所者ニーズに応えるための制度改正を要望してまいりたいと、このように考えております。
(3)松本圏域の特養の増設について

<備前県議>
 また、根本的には施設整備の遅れ、特養が不足して待機者が増加している大きな問題があります。この程明らかになった、在宅の特別養護老人ホームへの入所希望者数は本年度4,793 人で、2001 年の2,195 人からは2.18 倍にもなっています。また圏域ごとの待機者の内訳では松本圏域は4,793 人中21.3%の1,023 人と最も多くなっています。
 松本圏域に特別養護老人ホームの設置が必要と思われますが、これについての社会部長のお考えを伺います。
<和田社会部長>
 次に松本圏域の特別養護老人ホームの設置のことでございますが、平成20 年度末現在で、20 施設1,584 床ございますが、第4 期介護保険事業支援計画では、圏域内の市町村の要望に基づきまして、新設も含め、148 床の定員増により、合計1,732 床を整備目標としております。
 県といたしましては、財政的支援の拡充を図りながら、施設整備を促進してまいりたいと、このように考えている次第でございます。
<備前県議>
 是非県としての独自施策と国に対しての要望を行っていただきたいと思います。


(4)介護職員の待遇改善について

<備前県議>
 次に介護職員の処遇改善について伺います。09年度補正予算で急遽決定された「介護職員処遇改善交付金」は介護職員1人あたり1 万5千円の交付を見込んで設定されました。しかし、交付を2 年半で打ち切り、対象は介護職員に限定されるなどの問題があります。制度の一定の前進もありますが、法人運営者のみなさんからは、「介護職員だけ上げても、一緒に働いている看護師やケアマネージャー、事務職員などは含まれないため、チームワークで成り立っている現場職員のモチベーションを下げてしまう使い勝手の悪い制度である」と多くの方に指摘されています。東京都では介護支援専門員、生活相談員も含めるなどの対応をしているそうです。そこで本県としても施設職員全体を対象とするなどとともに、国に対しても働きかけをするべきであると思いますが、社会部長のお考えを伺います。
<和田社会部長>
 介護職員処遇改善交付金でございますが、この交付金は介護職員の処遇改善によりまして、確保と定着を図ることを目的としておりまして、看護職員やケアマネージャーなどは、制度上交付金の対象となっておりません。介護現場におきまして、交付金の対象とならない他の職種との間に不公平が生じるのでという声があることは承知しておりますので、国に対しまして、施設職員全体の確保や定着を図られるよう、機会をとらえ、こうした声を伝えてまいりたいと考えております。

2、新型インフルエンザ対策について

(1)県内感染者の状況について

<備前県議>
 次に新型インフルエンザ対策について伺います。県内でもインフルエンザの感染者が増え、8 月25 日以降の集団感染の届出件数は164 件を越え、保育園、学校の休園・閉鎖や死亡例も発生しています。そこで県内の感染者の状況と、これに対応する医療体制、対策はどうなっているのか衛生部長に伺います。
<桑島衛生部長>
 新型インフルエンザ対策について申し上げます。県内の感染者の状況についてでございますが、88 の定点医療機関の患者報告数の平均は9 月に入りました第36 週が1.33、第37 週が1.32、9 月14 日から20 日までの第38 週が1.58 とほぼ横ばいの状況であります。一方、同期の全国の数値は、第38 週で4.95 と増加しておりまして、特に都市部の増加が著しく、同38 週に都市部では10 を超えているところで出てきてございます。また県内の学校休業等の状況は8 月の夏休み以降、97 施設の臨時休業と578 人の患者の報告があり、引き続き予断を許さない状況にございます。

 次に対応する医療体制、対応策でございますけれども、国の指針を踏まえまして、県内の各医療機関で医師会等のご協力もいただきまして、協議を進めまして、8 月3日から原則としてすべての医療機関が患者を受け入れる体制へ切り替えたところでございます。その後国から流行規模の具体的なシナリオが示され、県内の最大時点での入院患者の推計は788 名となってございます。
 とくに小児、妊婦、透析患者等の重症化しやすい患者の受け入れの確保が急務となっております。現在保健福祉事務所を中心に、各地域において、地域の実情に応じた医療体制の速やかな確保に向けて、関係者の協議と対応に鋭意取り組んでございます。入院や小児等への対応など、現在、十分な確保ができる見通しが立つところまできている状況にございます。
(2)ワクチンの優先接種対象者とその費用について

<備前県議>
 10 月初旬から開始されるというワクチンの接種についても、供給可能な数量の制限もあり、インフルエンザ患者の診療に従事する医療従事者、ハイリスクグループを筆頭に優先順位が決められています。
そこでワクチンの確保について、本県の優先接種対象の人数とその負担金についてはどうなっているのでしょうか。
<桑島衛生部長>
 次に新型インフルエンザワクチン接種についてお答えいたします。
 今回の新型インフルエンザウィルスの接種は、国が実施主体となってございまして、費用負担等について現在国において検討がなされているところでございますので、ここでは国が9 月6 日に示した素案に基づきまして、お答えさせていただきます。
 まず接種対象者の人数でございますけれども、素案によりますと、全国で優先接種対象者として、医療従事者、妊婦、基礎疾患を有する方、就学前の小児など、約1900万人、その他に優先的に接種することが望ましい対象として小学生、中学生、高校生、高齢者が約3500 万人、合計で約5400 万人とされてございます。都道府県別の数字は示されておりませんけれども、人口割りなどから算出いたしますと、本県の優先接種対象者は33 万人程度と推計されます。ワクチン接種費用の負担に関しましては、国の素案では、今回のワクチン接種の目的が、個人の重症化防止にあたることから、ワクチンの接種を受けた方から、実費相当額を徴収することといたしております。
(3)優先接種対象者の負担軽減・無料化を

<備前県議>
 接種の自己負担金は2 回の接種で6000円から8000円というものです。
 これでは所得の低い人は接種ができないということになりかねません。感染拡大を防ぎ重症化する前に健康被害を最小限に抑えることは社会全体の要請であると考えます。そのためにもワクチン接種を希望する人が経済的理由で接種ができないというようなことのないように接種料の負担軽減を国に求め、県として優先接種対象者には無料とすべきではないかと思いますが、衛生部長のお考えを伺います。
<桑島衛生部長>
 次に接種費用の負担軽減につきましては、現在国において、低所得者への配慮について検討がなされているところでございます。また、県といたしましては、優先接種者への無料化については、今回の接種の目的が個人の重症化防止の観点から実施されるものであり、また季節性インフルエンザワクチンを受ける自己負担との均衡からも、慎重に判断すべきものと考えてございます。
(3)資格証明書発行世帯への支援策と広報について

<備前県議>

 また、今後想定される「無保険者」など医療費の支払いが困難な人の発症の際に、経済的な心配をせずに安心して早期に受診ができるよう、医療費自己負担分を保障する制度を緊急に確立すべきであると思います。資格証明書発行世帯に緊急に保険証を発行するなどの措置をおこない、感染症という性格上全員に徹底できることが重要ですので、資格証が発行されていてもいつでも受診できるということをテレビやラジオ等で広報すべきと考えますが衛生部長に伺います。
<桑島衛生部長>
 次に、資格証明書発行世帯に対し、緊急に保険証を発行し、資格証が発行されていても受診できることを広報すべきではないかとご質問にお答えさせていただきます。資格証明証が発行されている世帯に属する被保険者が医療を受ける必要が生じ、かつ医療費の一時払いが困難である旨を市町村窓口に申し出を行った場合には、新型インフルエンザの感染の疑いにかかわらず、緊急的な対応として当該市町村の判断におきまして、短期被保険者証を交付することとなってございます。
 県といたしましては、資格証明書発行世帯に対する短期被保険者証交付の制度については、市町村に対し、通知や会議等を通じて、適正な対応をお願いしてきたところでございます。今後も資格証明書発行世帯との納税相談など、あらゆる接触の機会を通じまして、短期被保険者証の発行に関する、さらに周知徹底してまいりますよう、助言してまいりたいと考えてございます。
(4)通所施設における感染対策と休業補償について

<備前県議>

 次に障害者等の通所施設における感染対策について伺います。新型インフルエンザの集団発生が先行した兵庫県の施設では、休業を余儀なくした施設があり、こうした施設では障害者自立支援法の下では、日払い換算されるため、ある施設では発症月は通常月よりも大幅な収入減に陥って運営が成り立たなくなってしまったそうです。神戸市ではこのことを受け、制度を新設して、高齢者や障害者通所施設等が一定期間休業する場合には通常の約8 割を助成する制度を作ったそうです。
これには厚生労働省が6 月初旬に、介護・障害者・保育施設などの休業補償に、「地域活性化交付金」を活用するよう都道府県などに通知を出していました。ところがこの申請期限は6 月末であって、最近県内の施設関係者から、「自治体に問い合わせたが、すでにその予算は割り当てが決まっている」とか、「既に使ってしまった」と言われています。インフルエンザの猛威はこれからも当面続くわけですが、こうした施設にはマスクや消毒液すら購入の補助は一円もありませんが、休業補償等も含め支援策を検討できないか社会部長に伺います。
<和田社会部長>
 障害者等の通所施設における感染対策でございますけれども、新型インフルエンザによる休業を対象にいたしました全国共通の補償制度、こういったものは現状ではありませんで、県のレベルでの独自の補償というのもこれまでに事例がございません。これまで県内では、障害者の通所授産施設で4 日間の臨時休業を行った事例がございますが、休業補償についての要望はございませんでした。
 しかし、感染拡大も予想されますことから、休業に対する損失に対する支援が必要であると考えておりまして、これまで全国知事会を通じまして、損失補償制度の創設などについて要望してまいったところでございます。
 またその他の支援でございますが、本年6 月からは、休業に伴う資金需要に対する福祉医療機構による貸付も新たに開始されておりますし、また障害者自立支援法の特別対策事業により、収入を補てんする制度もございます。こうした制度の周知を図りますとともに、あわせて予防対策や健康管理の徹底を図ってまいりたいと、このように考えております。
<備前県議>
 貸付制度があることは承知しておりますけれども、これでは施設の運営というのはなかなか成り立たないということも言われております。ぜひとも、県として国に対しての要望もしっかり取り組んでいただきたいと思います。

3、福祉医療費の自己負担金の引き上げについて

(1)10月実施の見送りについて

<備前県議>

 福祉医療費の自己負担金の引き上げについてうかがいます。福祉医療費の自己負担金の引き上げについては、このほど80 自治体中39 自治体は10 月実施を見送ることが明らかとなっています。私が6 月議会において取り上げた際は「実施する」が35 自治体、「実施しない」が20 でした。不実施の自治体が20 から39 とほぼ倍に増えています。議会答弁では何度も「市町村の理解が得られている」と答弁されていますが、全くその通りにはなっていないことが明らかではないでしょうか。これでも市町村長の理解が得られていると言えるのでしょうか。このことから10 月実施については見送るべきではないでしょうか。衛生部長に伺います。
<桑島衛生部長>
 福祉医療制度の受給者負担金の引き上げを見送るべきではないかとのご質問でございます。受給者負担金の引き上げは、平成20 年度の長野県福祉医療給付事業検討会において県民のみなさま方が、おおむね従前と変わらず医療サービスを受けられることができるよう、持続可能な制度としていくために決定をさせていただいたものでございます。引き上げは、制度を維持していく上でやむをえないものとして、実際に受給者と接しておられる市町村長とともに、検討会において苦渋の決断をしたところでございまして、ご理解をいただきたいと存じます。
(2)検討会の開催状況と情報公開について

<備前県議>

 平成20 年の検討会での決定ということで、「苦渋の選択」と言われるわけでございますが、今年、現段階までに検討会が3 回行われていると聞きますが、その検討会の概要を求めても、その概要すらもわかりませんでした。昨年度の1 月までの検討会の報告書は1 月にはすでに出来ていたわけですが、今回は作成中ということでホームページ上でも全くわかりません。これは情報公開上問題だと言わざるを得ません。
 検討会の状況はどうなっているのか、また公開しないのはなぜなのか衛生部長に伺います。
<桑島衛生部長>
 検討会の状況及び公開についてお答えさせていただきます。本年度の検討会では、今後検討が必要と考える項目について、市町村長の意向調査を踏まえまして、乳幼児の対象範囲等について、検討することを決定をさせていただいてございまして、先日、小児科医や学識経験者等の関係者からご意見をお聞きしたところでございます。また、検討会の内容については、検討会の開催後すみやかに検討結果の概要を市町村にお送りしているところでございまして、検討会の議事録につきましては、検討会の了承を得たところで、公開をさせていただきたいと考えております。
<備前県議>
次に同事業の補助額の推移について伺いますが、この制度の乳幼児医療費の現行制度になった18 年以降の乳幼児医療費の補助金額と20 年度の見込み額はどのように推移しているのかお答えいただきたいと思います。衛生部長にお願いします。
<桑島衛生部長>
 乳幼児医療費補助金の推移と見込みについて、お答えさせていただきます。18 年度の県の乳幼児医療費補助金額は、12 億4800 万円でございます。19年度は13 億5500 万円、20 年度は11 億2200 万円、21 年度は11 億2800 万円(見込み)でございます。
(3)乳幼児医療費補助金は下がっているのに、負担増をさせるのか

<備前県議>

 ただ今、ご答弁にもありましたように、同事業における乳幼児医療費補助金分は18 年度の12 億4800 万余(全体に対し31.1%)で、これが20 年度が11億2180 万余(27.6%)と2 億3300 万余り、率として、全体では4.1%余りですが、乳幼児医療費としては17.2%も下がっています。これは健康保険法の改定分の自己負担率が下がったことが大きな要因で、県もその分助かっているのにもかかわらず、これをひとくくりに乳幼児も含め200 円の負担増をするのはあまりにも子育て支援の観点がない、また他の県からも逆行していると言わざるを得ないわけです。
 25 日には知事宛に10 月実施を中止するよう「福祉医療給付制度の改善を求める会」のみなさんから19,000 名を越える署名が届けられました。こうした子育て最中の保護者は、窓口無料が前進している周辺の県と比較しても余りにもかけ離れ、子育てにやさしくない県だと言わざるを得ないわけです。医療費の増額の負担を子ども達とその保護者に背負わせるのか知事に伺います。
<村井知事>
 この問題につきましては、これまでたびたびお答えを申し上げておりますが、福祉医療費の制度を全体としてなんとか維持していきたいというところで、いろいろ悩んだ末にこのような選択をさせていただいた次第でありますが、その乳幼児等の問題につきましては、これはいろいろまた市町村とも相談をしながら、工夫をしてまいりたい、このように思っているところでございます。
(4)乳幼児医療の対象年齢の拡大について

<備前県議>
 こうした中、松本市の9 月議会などでは、乳幼児医療費の対象年齢の拡充を検討しているところも出てきております。県としてせめても子育て世帯を応援するために乳幼児医療の対象年齢の拡大等の拡充策を検討すべきではないでしょう
か知事に伺います。
<村井知事>
 乳幼児の対象年齢の拡大についてのお尋ねと理解いたしますが、この問題につきましては、先ほど衛生部長が答弁をいたしました通り、今年度の検討会におきまして、乳幼児の対象範囲等について検討するというところまでは決定をしておりまして、現在検討を進めているところでございます。
 県といたしましては、今後取りまとめられる予定の検討会報告を受けまして、県の方針を改めて決定をいたしたいと考えております。
<備前県議>
 昨日検討会二回分の概要書をもらったわけでありますけれども、この中で乳幼児の対象年齢の拡大の検討ということは何人も触れられていて、拡大すべきだと述べられております。ぜひとも来年は知事選もあるわけであるわけですけれども、選挙直前にということのないように早急に検討をお願いをさせていただきたいと思います。

4、塩尻市内の産廃処理場建設計画について

(1)処分場建設の周辺住民への、県としての説明責任について

<備前県議>
 廃棄物対策について伺います。塩尻市では今回「廃棄物の適正な処理の確保に関する条例」の施行後初めて、産廃処理業者が処理施設設置の許可申請4 件が進行し、これに先立ち条例に定められた住民説明会が各地で開催されています。この中での問題点が浮き彫りになっています。それは住民合意が不要になったことから最低2 回は説明会を開催するとなっていますが、条例の基本的な考え方の説明が不十分であったり、事業者の説明だけでは情報が一方的であったりと、関係住民が対応に苦慮している状況があります。県としての説明・指導・助言等を並行して行うべきではないでしょうか環境部長に伺います。
<白井環境部長>
 産業廃棄物処理施設の設置について順次お答えいたします。
 はじめに住民への説明に関する県としての指導・助言等についてのお尋ねでございます。廃棄物条例に規定しております住民説明会の趣旨は、事業計画者と関係住民が開かれた場所において、十分対話を行い、その過程を通じて、事業計画が地域住民の意向を反映され、廃棄物の適正な処理の確保と生活環境の保全が図られることを目的の一つとしております。事業者は住民に適切な情報を提供し、わかりやすく説明をしていくことは当然の義務であります。一方住民は事業者に対して計画内容の不明な点への質問や計画への意見を述べることもできます。さらに県は条例に基づき、事業者がどのように説明をしたのかについて報告を求め、適切な説明をしていない場合は、改めて十分な説明を行うよう勧告するなど、十分な合意形成が図られるよう、対応してまいるものございます。また、県では廃棄物処理施設の計画がある地域の方などの要望によりまして、出前講座を行い、廃棄物処理法や廃棄物条例の制度などについても、説明を行っております。今後とも出前講座や地域住民の方からの相談に積極的に対応して条例や廃棄物処理について知識や理解の浸透が図られるよう努めてまいります。
(2)住民の生活環境を守る立場での支援について

<備前県議>

 また今回説明会では地域住民側が十分な情報を得ることの困難さが明らかになっています。塩尻市東山での管理型最終処分場計画は、昭和58 年から稼動している安定型処分場に隣接させ、管理型処分場を増設するものです。説明会では住民側がこの予定地自体が糸魚川―静岡構造線活断層系の牛伏寺断層が存在していることを指摘しております。これは、今年度公開運用が開始された、独立行政法人産業技術総合研究所の活断層・地震研究センターの活断層データベースによっても約1km のところにその存在は明らかです。牛伏寺断層はご存知のように、国内でも地震が引き起こされる確率も規模も最大級な断層と政府も公表し対応を開始しています。
 さらにこの処分場にはアスベストや焼却灰が処分されるということからの健康被害、また農業用水や蛍の育成などを行う田川の上部に設置されることから、水質への影響等が懸念されております。一方の事業者は「地震も水管理も大丈夫」といいますが、地域住民は事業計画者とでは技術的なこと、法的なこと、情報量どれも非常に不利な立場に置かれています。
こうした地域住民の生活環境への影響の視点に立った支援が行われなければ、住民の健康や環境は守られないのではないでしょうか。その支援策について環境部長に伺います。
<白井環境部長>
 塩尻市内東山の管理型最終処分場計画にかかるご質問でございます。この計画については、現時点では事業計画の初期段階でありまして、事業計画概要の説明会が行われたところでございます。一方、断層による影響、あるいはアスベストや焼却灰の処理による健康や水質への影響については、いずれも廃棄物処理法上の許可基準として定められておりので、この基準に従って、適正な処理が行われるかどうか、今後の審査の中で、判断をしてまいります。
 また先ほど申し上げました通り、ご質問の計画は事業計画の初期段階にありますが、今後条例の定めるところに従いまして、施設の構造などについての具体的な説明がなされ、事業者の対応が明らかになってくることが見込まれます。先ほど、一問目のところでもお答えしましたが、住民の皆さんの知識、そういったものにつきましては、地元のみなさんの要望があれば、出前講座のほうにもいつでもお伺いすることになっております。
 県といたしましては、住民の皆さんから生活環境に関するご意見、あるいは意見の事業者の対応を踏まえまして、厳正に判断をしてまいります。
(3)許可権者としての県の責任について

<備前県議>

 また、洗馬における業者については他県からの参入であり、地域住民は会社についての情報も乏しく入手も困難です。資本金も僅かであり、こうした業者が途中で事業の頓挫した場合等の後の処理も含め許可権者の県は最後まで責任をもつことができるのでしょうか。こうしたところへの県としての説明や支援を行う必要性があるのではないでしょうか。環境部長に伺います。
<白井環境部長>
 続いて、洗馬の自動車解体施設に関する質問にお答えいたします。
 この事業者は自動車リサイクル法に基づき、廃自動車の解体および破砕を行う会社として7 月に事業計画の概要について説明会を実施したところと承知しております。今後具体的な事業内容の説明が次の段階である事業計画説明会でなされますので、住民の皆さんからの意見および意見に対する事業者の対応を見極めまして、判断をしてまいります。条例に基づく事業計画終了後においては、自動車リサイクル法に基づく許可基準に則して、許可または許可の判断をいたしますが、許可された施設につきましては、事業者が施設の管理運営を適切に行う責任を負います。県では監視指導を行い、廃棄物が残滓された場合などは、現状回復命令などの行政処分を行い、地域の生活環境の保全を図ってまいります。
<備前県議>
 阪神淡路大震災の際に、阪神高速の橋脚が折れた被害を見聞きし、これがマグニチュード7.3、今回牛伏寺によるものはマグニチュード8 を想定されているわけでありますが、大規模な地震ということで、いくら業者が「安心」だと言ってもなかなか信じられないというのが現状だと思います。
 また「求めれば出前講座をする」ということでありましたけれども、各論についての基本情報があまりにも少なすぎるという中で、住民の合意がなくても実際上は設置許可を県がするわけですけれども、することができるような条例ということについて、やはり基本情報を県環境部が住民の生活環境を安全なものとしていくためにも、私はもっとてこを入れていただくことが必要ではないかなと思います。
 産業技術総合研究所の活断層のデータベースは今年開設されているわけで、そこで私自身も1km の間近なところに活断層があることを正直見てびっくりしたわけでありますけれども、こうしたこともやはり県行政としてあらかじめの基本情報として知らせていき、その影響とを含めて住民の皆さんに話をしていただきたいと思いますが、これについての環境部長のご所見をうかがいたいと思います。
<白井環境部長>
 各論についての情報が少ないというので、もっと積極的に情報提供を、というお話でございました。いずれにいたしましても、地震や断層等に関する情報等につきましては、今後審査の段階でしっかり見ていきまして、先ほど申し上げました通り、今の段階ではあくまでも最初の段階である事業概要計画の段階でございますので、この点につきましては、私どもも承知をしておりませんし、審査の段階で判断していくものであろうと考えております。
<備前県議>
 
また中信地区のかつて県関与の最終処分場のときに、活断層を考慮したアセスが行われていたわけでありますけれども、これが欠落しているわけです。これについても環境部長はどのようにお考えか伺いたいと思います。以上で質問を終わります。
<白井環境部長>
 中信地区における計画の際の活断層に関するものということでございましたけれども、これらの文献調査等によりまして、その存在は承知をしておりました。ただ、今回の場所とは違う場所でございましたので、今回の場所につきましては、別途の検討が必要と考えております。