2007年2月議会一般質問 2月27日 藤沢のり子

宅幼老所支援事業の充実について

介護サービスの情報公開にかかわる事務手数料の見直しについて

産業廃棄物最終処分場の整備について

1 宅幼老所支援事業の充実について伺います。

 高齢者や障害者等が住みなれた地域で家庭的な雰囲気の元で決め細やかなケアを受けながら暮らせるようにという趣旨のもと、NPO法人や民間事業者によって設置された宅幼老所や地域共生型生活ホームはH17年度末時点で297箇所に及び、18年度中には300箇所を超えるまでになりました。
 とりわけ県が補助を開始したH14年からは開設数が約8倍に急増し、行政の支援が介護事業を前進させることが数値の上でも明確になっています。
 現在、県下での介護保険サービスの受給者約3万人(通所サービスに限定した数値ではない)のうちその一割を占める3千人を超える高齢者などが利用し、在宅介護の一翼を担うまでになっています。
 第三期長野県高齢者プランで宅幼老所は平成20年度までに400箇所を目標に整備を進めることになっておりますし、村井知事もその重要性を認められ、これからも伸ばしていかなければならないとの考えを示されており、在宅介護の拠点としての宅幼老所の果たす役割はますます重要になってきているわけであります。
 しかし、設置者の42%がNPO法人であり財政基盤の弱い事業者によって運営されていることも又特徴でありまして、事業評価の中で指摘をされているように地域ケアの拠点としての機能の充実や質の向上を図るためには、なんと言っても安定的な運営のための支援は不可欠となっています。
 そこで改めて宅幼老所の果たす役割と現状をふまえ、二点、支援の充実について求めるものであります。社会部長にお伺いいたします。
 先ず1点目ですが、立ち上げにかかわる支援としての施設整備事業は、H17年度までは民家改修に限度額750万の3分の2の500万円までを、新築には2千万円の助成を行ってきましたが、H18年度からは民家改修に限定し、新築への補助を廃止しました。これは設置者の選択肢を狭めるものであり、復活すべきものと思いますが社会部長にお伺いいたします。

 次に、現在施設整備だけに助成しているが、安定的な運営を保証するためにも運営への補助制度も創設すべきと思うがどうか。この問題については昨年の9月県議会で高村京子県議が取り上げた経過がありますが、職員研修や経営管理へのアドバイザー派遣という知事の答弁にとどまりました。
 しかし、現実の問題として質の高い安定的な運営を維持していくのには財政的に大変な困難を伴うというのが設置者の共通した声であります。
 私は改めて、厳しい経営を迫られる中で介護の一翼を担ってがんばっているみなさんの良い介護をしたいという願いに応える運営に対する支援を求めるものであります。社会部長に合わせて伺います。

(藤巻社会部長答弁)

 施設整備支援の対象拡大の件についてですが、財政基盤の弱いNPO法人が宅幼老所を開設するには介護事業を取り入れなければ経営は成り立ちません
 しかし、介護事業の指定を受けるには利用者数が少なくても介護福祉士、看護士など専門職員の確保をはじめ代替の職員を配置する必要もあります。
 正規の職員を採用すれば、最低でも日常的に15人ほどの利用者が必要であるとお聞きしています。
 しかし、そうなると民家の規模だけでは対応できない場合もある。
 松本市で17年度での新規建設補助を受けて開設した宅幼老所は新築ということで介護されるものも介護するものも使いやすい設計がなされ、現在18床まで利用者を拡大されています。
 その結果として経営の改善も図られ、基本的に正規職員の採用につながり労働環境も改善されてきております。
 私が申し上げたいのは在宅福祉を支える意欲ある人々が既存の建物の回収であれ、新築であれ、選択できる補助制度を提供すべきでではないかということでありまして知事、このことは道理にかなった対応だと思いますがいかがですか。ご見解を伺いたいと思います。

(村井知事答弁)

 宅幼労所は立ち上げから約一年間画大変だといわれています。
 立ち上げのための施設改修費も補助金だけではまかなうことができず、借り入れで対応するため、開所と同時に待ったなしの返済が始まります。
(答弁にもあった)定数の8割り程度の方に利用者が確保されて初めて経営が成り立つことを県としても認めておられるわけですので、せめて1年間は運営補助をすべきであります。強く求めておきたいと思います。

2 介護サービスの情報公開にかかわる事務手数料の見直しについて伺います。

 介護保険法の改正により、介護サービス事業者は介護サービス情報の公開が義務付けられました。サービス情報をインターネット上に公開し、利用者が主体的に選択できるよう役立てるというこの主旨を否定するものではありませんが、本当に必要な調査なのかという疑問を始め情報公開にかかわる事務手数料が高すぎるという批判が相次いでいることは看過することができません。
 この事務手数料は介護事業者が開示している情報の信憑性を指定された調査機関が訪問調査によってチェックをするなどの事務にかかわる費用負担を事業者に求めるものですが、県が条例によって定めることになっています。長野県は5万300円に設定、全国平均の5万5千円より少ないものの関係者から高すぎるとの批判が相次いでいます。
 厚労省も調査時間が当初の予想を下回っているなどから高すぎるとの判断の元、現状よりも引き下げるよう見直しを求めているところでありまして、すでに見直しに着手している県も出始めております。
 そこで高すぎると批判が上がっている情報公開にかかわる事務手数料は引き下げの方向で見直すべきと思いますが社会部長にお伺いします。

(藤巻社会部長答弁)

 厚労省も調査期間を2日間という規定をした要綱を見なおすよう昨年の12月22日付で各県に通知をしているとのことであります。
 昨年の四月からの実施で1年間経過の中で、実態に会わないという結果を生じているわけでありますので、今年度からの見直しをすべきと思いますがいかがでしょうか。

(藤巻社会部長答弁)

新年度の6月補正を強く求めておきます。

3 産業廃棄物最終処分場の整備について

 長野県はこれまで産業廃棄物最終処分場を公共関与による建設から民間事業者による建設へと整備方針を転換するとともに、県内4箇所への軸内建設も県内全域へと拡大しました。
 その背景には処分量の大幅減少と民間事業者による処理施設の新設、市場競争に伴なう難しい軸内処理などがあげられています。
 その後、先日開かれた県環境審議会廃棄物専門委員会では再び公共関与での施設整備の方向に一歩踏み込む方向を示しました。(略)
 昨年12月に行った排出事業者や中間処理事業者を対象とした産業廃棄物処理に関するアンケート調査で、半数近くが基本的には民間事業者が整備をすべきであるが、残余年数が緊迫し、民間だけでは解決ができない場合は公共関与での施設整備を望むという結果を受けてのこととされております。
 このことについては、先の一般質問で林奉文議員が方針転換ではないかと知事を質しましたが、知事はこの指摘に対し、民間による整備が基本、しかしどうしても民間では難しいとされた時は公的関与、つまり県が施設建設にかかわるということがありうると答弁されています。
 又、環境審議会に対しての県の提案でも県内の最終処分場の現状は残余年数が当初の予想を超えて延びており、現時点では不足しているとはいえない状況にあり、ただちに公共関与による整備の必要性は低いとの方針で臨むということが明確に報告されておりますが、
そこで改めてお伺いいたします。
 現時点では公共関与による施設整備は必要ないと理解してよいのか確認をさせていただきたいと思いますが、生活還境部長答弁をお願いします。

(木曽生活環境部長答弁)

 そうであれば中信地区産業廃棄物最終処分場の建設は現時点では必要性が薄いのではないか。
 とりわけ地元住民が反対をしている活断層上の危険地域である松本市の内田と塩尻市の桟敷への建設については中止を明確に打ち出し反対している住民の皆さんの声に一日も早く応えるべきと思いますが生活還境部長にお聞きいたします。

(木曽生活環境部長答弁)

 明確にする時期については次回環境審議会が3月頃と伺っておりますので、その時期には明らかにされるものと期待をして質問終わります。