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2005年 09月議会
議第1号
「郵政民営化関連法案に関する意見書(案)」について
備前議員の賛成討論(10/03)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。



 議第1号 郵政民営化関連法案に関する意見書案について賛成討論をします。
 
 政府は9月26日、郵政民営化法案を再提出しました。法案は郵便、郵便貯金、簡易保険の三事業一体で運営される郵政公社をバラバラにし、持ち株会社のもとで四つの会社(郵便、窓口、郵便貯金、郵便保険)に分割する内容です。これは先の国会で廃案になった法案と骨格は同じです。
 総理は十分な審議をせずに一気に成立させようとしています。
 総選挙の結果は「多くの国民の信任」を得たとしていますが、果たしてそうでしょうか。与党は議席の圧倒的多数を占めましたが、小選挙区で得た票は49%にすぎません。長野県ではもっと顕著です。小選挙区で与党が得た票は46%であり、小泉郵政法案反対の候補が得た票は54%でした。政党を選ぶ比例代表選挙ではさらに顕著であり、43%で野党は57%でした。首相は「国民に反対か賛成か聞きたい」として国民投票と位置づけ審判を仰ぎました。全国の結果は反対票が多数であります。小選挙区という選挙制度で得た多数でしかありません。選挙結果をもってまともな審議抜きに郵政法案をごり押しは絶対に許されません。
 
 問題なのは先の総選挙で小泉総理は「郵政民営化で公務員が減らせる。財政再建にも貢献する」と事実に基づかない演説をしてまわりました。
 そもそも6月に閣議決定した「骨太方針2005」の公務員「改革」の中には「郵政民営化」の「ゆ」の字もでてきません。小泉内閣の公務員「改革」の目的は総額人件費の抑制です。この点では税金投入を受けていない郵政は問題にもされませんでした。
  先週、自民党の国対委員長は「郵政に税金が投入されていないと言うが、法人税を払っていないなど『見えない国民負担』がある」と発言しました。
 郵政公社は法人税の代わりに利益の50%を国庫納付金として国に納めます。利益の50%というのは大企業が払う法人税と法人事業税の実効税率の40%よりも1割も多いのです。
 さらに郵政公社は職員の基礎年金給付の3分の1に当る国庫負担分の370億円を国庫に頼らずに自己負担しています。民営化されるとこの370億円は国庫からの持ち出しに変わります。郵政民営化は財政再建にもマイナスです。また小泉首相は所信表明演説で株式の売却が財政再建に貢献すると述べました。郵政事業は国民の財産です。これは農家が田んぼを売るようなもので、一時的に現金収入が入るように見えても、国民共通の財産の流出です。貯金・保険会社の株式売却は、アメリカ資本に大もうけを約束する機会になります。
 小泉首相は選挙演説で隠し続けた郵政問題の「真実」を国会でも語らずに通そうという姿勢です。
 民営化法案は貯金・保険は株式を完全処分し、全国共通サービスの提供義務を廃止します。利益優先の経営に変わった貯金・保険が赤字や利益の薄い地域から撤退し、貯金・保険を経営の要とする郵便局そのものの存立を脅かすことは民営化の重大問題です。
 一方、我が長野県議会は本年2月議会において「郵政事業の民営化に反対する意見書」を全会一致で可決しました。
 今回は先の2月の意見書にも盛り込んだ、国民の貴重な財産である郵便局ネットワークの維持で全国一律の郵便、郵便貯金、簡易保険等の公平均質なサービスの堅持を国に対してさらに要請するものです。
 世論調査では5割以上の人が法案の慎重審議を求めています。郵政民営化法案は民意に従って国会徹底論議すべきであり、かつ首相は国民に真実をありのままに語る責任があることを申し添え本意見書案に対しての賛成討論とします。


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