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2005年 6月議会
第1号 平成17年度長野県一般会計補正予算(第1号)案
毛利議員の賛成・修正案反対討論(7/11)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。



 多くの国民の不安をよそに、本当にサービスの必要な高齢者が制度から締め出されてしまう介護保険法の成立、わずかな障害年金しかもらっていないのに耐え難い応益負担の導入を目論む障害者自立支援法、年収500万円世帯にさらに42万円もの大増税を押し付ける税制改革など、小泉構造改革により県民を取り巻く生活環境は著しく悪化し、二極分化が進行しています。
 このようなときだからこそ、身近な地方自治体は、暮らし・福祉・教育・環境など住民要望に沿ったきめ細かい施策を行うことが求められています。
 今回の一般会計補正予算は総額5億9992万9千円ですが、細やかな配慮が行き届いた歓迎すべきものになっています。
 
 まず、児童相談所一時保護児童生徒に対する教育支援の充実です。長野、松本の児童相談所への一時保護児童生徒数は年々増加傾向にあり、また保護期間も長期化する傾向にある中で、平成16年度をとってみると、30日以上入所児童は32人と、かなりの数に登っています。この子達に入所中も途絶えることなく教育の機会を保証するため、教員経験者を各1名派遣し、1人1人に応じた学習指導が行われるようになったことはまことに喜ばしい限りです。

 また、交通安全施設整備事業に関して党県議団は、これまでも道路建設にあわせて信号機などの予算を当初から確保すべきと主張してきたところですが、設置要望の1割程度しか応えられていない状況です。今回、当初予算で予定した35箇所に加えて2ヶ所の増設が実現することになりますが、必要な箇所も多いことから、なお一層予算の確保を望むものです。

 「スキー王国NAGANO構築事業費」4193万3千円は、観光立県としてスキー人口の減少に歯止めをかけ、スキー関連産業振興のために重要な事業であり、積極的な取り組みがなければ、減少の一途をたどるだけになってしまいます。関係者の強い要望や意見のもと、十分な連携・準備をして提案されているものであり、必要な事業と認めます。

 「信州型木製ガードレール」は再三申し上げていますが、森林県にふさわしい景観を形成する事業であるとともに、間伐材の利用促進やあらたな仕事起こしにもつながるものであり、たくさん普及されることで設置費が減少することも期待されます。
 党県議団が県外視察した際にも一般住民の方から「長野といえば木製ガードレールですね」と話題に上るほど注目されています。
 木製ガードレールの持つ役割は財政面や費用対効果ばかりでなく、トータルに考えることが必要ではないでしょうか。1億6800万円全額削除の修正案には反対です。

 5箇所の地方事務所に配置し相談窓口や協働事業をおこない、衛星携帯電話を搭載し、災害発生時には現場での情報収集の拠点となる「コモンズ支援車」は財源を全額宝くじの助成金でまかなうものであり、山あいに集落が点在する長野県では大いに活用できる事業になると考えます。2912万5千円全額削除には賛成できません。

 県財政は危機的状況にあることには変わりはありませんが、この間の努力の中で累積債務も1兆5880億円と4年連続減少させ、平成17年2月の中期財政試算では基金残高が減少し、平成20年度には財政再建団体に転落するとの予測もありましたが、直近の7月の見通しではそれも回避できる見込みとのことです。
 引き続き、財源確保につとめながら住民密着型の生活関連公共事業、暮らし、福祉、医療、教育にシフトした予算の使い方を一層強め県民要望にこたえていただきたいことを願い、原案に賛成、修正案に反対の討論と致します。


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