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2004年 9月議会 備前議員の一般質問(9/28)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 警察の捜査ついて
  2. 教育について
    1)高校改革プラン中間まとめについて
    2)県総合教育センターの開放について
  3. 企業局松塩水道汚泥排出について
  4. 環境政策について


1.警察の捜査について

 警察の捜査につきまして質問に入らせていただきます。
 まず質問に先立ちまして、飯田市、高森町におきまして発生した殺人事件の犠牲者の方々にご冥福をお祈りしますとともに、ご遺族の皆様に対しまして心よりお悔やみ申し上げます。
 一連の殺人事件に関与したと思われる犯人が逮捕され、今後真相が明らかになっていくものと思われますが、捜査の過程で遺族を犯人扱いしたといわれる、警察のやり方について県警本部長ならびに公安委員会委員長に質問いたします。
 このことについて私は先週24日に飯田市のご遺族を直接お訪ねし、お話を伺ってきまいりました。
 警察は母親を殺害され心身ともに疲れ果てている被害者の心支えである、夫や家族までもだまして孤立させ「お前が犯人だったらいいのに」とか、「借金の返済も親戚をまわってあるから、安心して自首しろ」などと朝から深夜にも及ぶ取調べで、犯人に仕立て上げようとしたことが生々しく訴えられました。
 朝から深夜2時過ぎまでにわたる長時間の事情聴取は高森の場合にもあったと聞きました。このような重大な人権侵害ともいえる問題が発生すること自体、功をあせり冤罪を引き起こすことに結びつくのではないでしょうか。
 そこで県警本部長に質問いたします。飯田市の殺人事件に対してどのように指揮したのでしょうか。またこのような事態について、関係者への厳正な処分と、正式な遺族への謝罪をすべきではないかと思いますが見解をお聞かせください。
 次に、県警をチェックすべき立場にある公安委員会委員長に質問いたします。24日に公安委員会が開催されましたが、その際、この問題はどのように報告があったのでしょうか。松本サリン事件において容疑者扱いされた河野義行氏を公安委員としたのは、再びあのような問題が発生しないように、教訓を生かすはずであったと思いますが、今回の問題に公安委員会としてはどう対処するのかお伺いいたします。 1回目終わります。

      【答弁 岡警察本部長
       質問にお答えする前に、本年4月から9月にかけまして飯田市大王路、高森町出原、同じく高森町吉田で相次いで発生いたしました殺人事件で被害に遭われた3人の方々およびそのご遺族の皆様に対し、この場をお借りして深く哀悼の意を表させていただきます。
       おたずねの飯田市の島中実恵さんが被害に遭われた事件につきましては、本年4月の発生以来飯田署に捜査本部を設置し鋭意捜査を進めてきたところでありますが、今月17日高森町の木村さんを殺害した容疑で逮捕した被疑者がその犯行をほのめかしており、その事件の捜査とあわせて全容解明にあたっているところであります。
       この捜査につきましては島中さんが一人住まいであったこと、同一敷地内にお住まいになっているご家族からも島中さん宅の内部の状況、当日や普段の生活パターン、事件発生当時に現場で見聞きされたこと、事件発生時間帯の居所など事件捜査の基礎・出発点となる事柄につきまして発生直後から詳細に聞かせていただきました。矛盾する事柄があったような場合には繰り返しお聞きすることもございました。
       こうした過程で犯人扱いをされたとの苦情を先般、島中さんのご家族からいただきました。島中さんを失われ悲しみにくれているご家族からこのような苦情をいただくということは元来機微なことを取り扱っております捜査にあたった警察といたしまして、事情をお聞きする上で配慮や説明が足りなかったことにほかならず、誠に申し訳なく思っております。
       このことにつきましては、先日今後の捜査についてのご説明のためご家族のもとに伺いました飯田警察署の刑事課長が直接苦情をお聞きした際、ご心痛をおかけし申し訳なかった旨お詫び申し上げているところでございますが、今後もご家族には事件の真相を明らかにし、その無念さを裁判に反映させていく上で幾度となくお話を伺うことになりますので、そうした機会におきまして、ご家族の気持ちを充分お聞きしながらご説明も充分に申し上げ、ご理解、ご納得を得て参りたいと考えております。
       この事件の捜査にあたりましては、まず発生直後に迅速かつ徹底した捜査を進め犯人の検挙を図るため、警察本部および周辺各署からも応援要員を投入いたしまして、飯田署に刑事部長を長とする捜査本部を設置させまして、捜査態勢を整えました。その後も現に捜査を進めているところでありまして、個々具体的なことは差し控えさせていただきますが、節目、節目に報告を受けながら、その都度着実にして適正な捜査が推進されるよう私の方からも指示をしてまいりました。そして今月17日、高森町の木村さんを殺害した容疑で逮捕した被疑者が島中さんの殺害をほのめかしましたことから、飯田署に設置しております3つの殺人事件の捜査本部を再編統合いたしまして、特別捜査本部を設置し、3つの事件を統一的に捜査を進めさせているところであります。
       このような状況でございますので、現在捜査関係者の処分云々というようなことは俎上にのぼっておりません。


      【答弁 宮下公安委員会委員長】
       ご質問にお答えする前に、まず本年4月から9月にかけまして飯田警察署管内で発生しました3件の殺人事件に関し、不幸にも被害に遭われた方々、ならびにそのご遺族に対し、公安委員会といたしまして、この場をお借りして深く哀悼の意を表させていただきます。
       また、緒に就いたばかりとはいえ、全面解決の方向に向かっている捜査についてこれらの事件で大変な不安を抱かれていた飯田市や高森町の皆様とともに期待を持って今後の進展を見守って生きたいと思っております。
       それでは、お答えいたします。島中実恵さんの殺害された事件の捜査については、今月17日、高森町吉田の木村さんを殺害した容疑で逮捕されている被疑者が島中さんの殺害についてもその犯行をほのめかしていることから、今後、木村さん加藤さんの事件の捜査とともにその全容解明を図っていく方針であると聞いております。
       島中さんのご家族が、この事件の捜査の過程において犯人扱いされたと申し立てられておられますことは報道を通して、また警察からも報告を受けて承知いたしております。
       警察本部からは、島中さんがお一人で暮らされていたことから同じ敷地内に居住しているご家族からも島中さん宅の内部の状況、当日および普段の生活状況、事件発生当時に現場付近で見聞きされたことなど、詳細に聞かせていただき、また矛盾する事柄があった場合は繰り返しお聞きすることもあったと聞いております。こうした過程の中で先般、島中さんのご家族から犯人扱いをされたと苦情があったということであります。警察としては最も悲しみにくれているご遺族からこのような苦情をいただくということは元来、捜査において機微なことを扱う警察として、事情をお聞きする上で配慮や説明が足りなかったことにほかならず、誠に申し訳なく思っていると報告がありました。
       今後はご家族には事件の真相を明らかにしていくうえで、何度となくお話を伺うことがあるので、その過程においてご家族のお気持ちを充分にお聞きしながらご説明も充分に申し上げ、ご理解を得ていきたいとのことでございました。こうした報告を受けまして公安委員会といたしまして次の二つのことを警察本部に申し上げました。
       一つは、今後のご遺族との対応にあたっては、犯人扱いをされたと訴えているご家族の心情を理解し、時間をかけて懇切丁寧な説明に努め誠心誠意対応すること。
       もう一つは真相を明らかにするために警察はさまざまなことをご遺族を含めた関係者に伺うわけですが、警察においては単なる事実確認のつもりであっても、捜査を受ける側からしますと自分が犯人として疑われているんではないかと、心に重い負担になるものであります。警察は捜査をする側と捜査を受ける側にあるこうしたギャップをよく理解して、より慎重な捜査を行うべきであり、そのギャップを埋める努力をすべきであること。この二つであります。
       公安委員会としましてはこういうことを踏まえまして今後の警察の対応を見ていきたいと考えております。以上でございます。

 ただいまの説明で、本部長も非常に第三者的な答弁になっていることが非常に残念に思います。本当にこのご家族、ご遺族のところに行く気があるのか、ないのか、その点について。また同じく公安委員会委員長に対しても、警察の取調べに対して追認しているのではないでしょうか。やはり、私はご家族のところに行く気があるのか、ないのか、そして事情を聞くつもりがあるのかないかこの点について再度ご答弁をお願いしたいとともに、県知事に対してこのような今答弁がされているわけですけども、知事はこの件についてどのようなご所見をお持ちかお聞きしたいと思います。


      【答弁 岡警察本部長】
       先ほども答弁させていただきましたように、長い事情聴取の過程でいろいろなことをお伺いするなかで生じたお気持ちの問題でもあろうかと思います。そうしたことの一つ一つのもつれた糸を解きほぐすこともございまして、当面飯田署のほうにおいてご遺族の気持ちを充分お伺いしながら、充分なご説明をしてまいりたいというふうに考えております。



      【答弁 宮下公安委員会委員長】
       お答えします。報告を受けたことに対して、質問も行い警察から充分な説明をうけるとともに、必要な部分については関係書類で確認いたしております。以上でございます。


      【答弁 田中知事】
       大変に痛ましい事件でありましてですね、私もまたご霊前に、またそしてご遺族の方にもお悔やみを申し上げるところでありますが、先に知事会見でも同様のご質問がございました。この点に関しは私もテレビの報道のなかで公安委員であられる河野義行さんが早期にご遺族の方にお目にかかって、お話をしたいという旨をお話なさっておりました。
       これは、松本サリン事件というまさに冤罪と呼ばれるなかに巻き込まれかけた河野義行さんという方は、まさにご遺族と早期にお目にかかられ、そしてそのお気持ちをお聞きするとともに河野さんの経験を生かしてこの問題の解明にあたるべきであると私も強く期待をしてるとこでありますし、河野さんは公職であられる公安委員であられますから、公安委員会としてもご一緒にですね、河野さんが早期にお目にかかってお話をきちんとなさり、公安委員会としてのご見解も述べられるということを公の場で行われることをご協力をいただきたいとこのように思っております。
       また、こうしたことをまずは私もお願いをし、また期待をし、そのなかにおいてご遺族の方の疑念というものが晴らされることを、また真摯な形で仮に私どもの捜査の方法等に人権的にも大きな問題があったとするならば、この点をつまびらかにすることが望まれてると、こうしたなかで公安委員会の方々の河野義行さんをはじめとするご活躍といいますか、早期の行動を私はお願いするところであります。


 答弁ございましたけども、やはりこれは誠意を持った対応、これはやはりご遺族の方のところに伺ってご事情を聞く。このことがまず第一ではないかと思います。サリン事件の教訓がまったく生かされていない、これは非常に残念なことであります。私も当時、河野さんの入院されていた病院で職員をやっていたわけですけれども、本当に重大な人権侵害問題が起こったというこの認識を是非とも持ち、誠意を尽くした対応を望んで時間がないので次にいきたいと思います。



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2.教育について

 次に教育について伺います。県高等学校改革プラン検討委員会「中間まとめ」について教育長にお伺いします。
 今、生き方を見つけられない若者が増えています。学校でもきちんと教えられない、また卒業して働こうにも、就職の機会が極めて狭められ、職場で非人間的な扱いを受けると自分が否定されたと感じ、人間の尊厳を守って生きていけない青年が増えているといわれています。そして、20代青年の死亡原因のトップは自殺であると言われています。私たち日本共産党はこのような社会のあり方を正していくとともに青年が人間として生きる力を育てる教育がますます重要であると、先日「長野県の教育改革への提言」を発表しました。8月末、検討委員会の発表した高校改革プランの中間まとめは、先の6月県会において我が県議団の藤沢のり子議員が指摘したように、県民の参加が十分に保障されたものとはほど遠いこと。また予定されていた検討委員会への県民公募2名、これもおこなわれず、とくに県内の高校関係者は含まれない委員構成であることなど県民要望からかけ離れたものとして映っています。これは県教委のおこなっている「意見募集」でも何人にも指摘されているところです。
 私は先日、高等学校改革プランに係る地域懇談会に参加してみました。そこでもやはり、委員構成問題、地域の実情を把握しないような一学年6学級規模を「標準目標値」とすること、地域高校や職業高校を「費用対効果」論から真っ先に再編成の対象にさらさせていることに不安を覚えるなどの意見が出されていました。また、県民を主体ととらえず、顧客としてのサービスの提供相手として捕らえていることにも意見が出されていました。このような地域懇談会での声をもとに、改革プランはもっと県民が参加し、一緒に作り上げていく姿勢が必要であると考えますが、今からでも改革プラン懇話会に県民各層からの公募委員を加えるべきであると思いますが教育長のお考えをお聞きします。
 また諮問の趣旨には「多用なニーズに応える」と一見聞こえの良い書き方がされています。しかし、実際の当事者はこれから高校を目指す中学生です。中学生と保護者への説明の場を設定すべきではないでしょうか。またそれよりも以前に中学校教員への説明が行われてしかるべきではないでしょうか。また期限は現時点では設けるべきではないという意見が大勢です。じっくりと県民参加の場を保障し、努力を積み重ねて初めて、県民も、保護者も、子どもたちも、そして地域の人たちも現場の職員も納得のいく「高校改革」になるものと思います。教育長の答弁をお願いします。
 
  
 次に塩尻市にあります、県総合教育センターについて教育長に伺います。
 この施設には天体観察施設があり、従来より県民の愛好家たちにより、こうした地元の施設を県民も広く利用することができないかと要望が出されてきました。そして、地元の公民館の観察会など一定の改善がはかられる中、この12月からは来年2月まで毎週火曜日に夕方5時から7時まで親子体験教室ということで観望会を開催していただけるという運びになり、公開への取り組みがすすめられていることには感謝したいと思います。しかし、これはあくまでも県民はお客さんであり、実際に天体を導入してみるなど、生涯学習の観点での活用はできないかお聞きしたいと思います。
 確かに公開用につくられた施設ではないのですが同施設は県生涯学習推進センターと隣接した施設です。そこで生涯学習推進センターの事業で操作講習を受けたボランティアやNPOなどが一般の方々の観察会も含めた対応にサポートするためにも、これらボランティアやNPOなどの県民が生涯学習を深める観点からの推進のために利用ができないか、観察施設の稼働日数を含めて教育長の見解を伺いたいと思います。
 また同センターには宿泊施設があります。この宿泊施設は知事も宿泊されたかと思いますが、非常に充実しています。これらの施設を同時に広く県民に利活用することのできる方策もとれないのか、この点についても稼動日数や利用人員数等を含めて教育長にお聞きします。


      【答弁 瀬良教育長】
       お答えいたします。
       まず、高校改革プランについてのおたずねでございます。地域のといいますか、いわゆる30人県民から広く集めました、30人の懇話会に公募委員を入れるべきではないかというの最初のおたずねでございます。高校改革プラン懇話会につきましては市町村の行政関係者、また保護者の関係者、それから経済団体の関係者、それから高校中学校の現場の先生方、そして高校や義務の組合の方々等、非常に幅広くとりわけ保護者の方も入っておられまして、公募の委員におきましてはお願いしないということにしたとことでございます。
       それから、中学生やその保護者、教員に対する説明の場が不足しているのではないかということでありますが、12通学区ごとに地域懇談会、先ほど備前議員もご参加されたわけでございますが、お話がありましたけども、開催しておりましてすでに6会場で終了しております。そこの場にも中学生や高校生も参加しておられますし、また中学生に対しましては昨年6月に中学3年生に2800名を対象にアンケート調査をいたしましたし、さらに11月には中学2年生およそ4000名のアンケート実施いたしまして、その意見を十分反映してまいりたいと考えているところでございます。
       さらに、12通学区ごとの地域懇談会以外にも地域等でご要望があればお伺いして説明させていただくこと等しておりますし、先ほど申し上げましたように実施計画の策定におきましては充分県民の皆さん方の意見を主体的にお聞きして、進めてまいりたいと考えております。
       さらに高校改革プラン、非常に拙速ではないかというお話でございますが、15年昨年度から教育委員会の中にワーキンググループを設けまして高校改革プランにつきましてのその必要性、先ほど備前議員もお話ありましたけれども、そのような状況を充分に私ども把握して資料を整えいろいろ検討して、そしてそのもとに今年の1月に検討委員会を立ち上げ、8月30日の最終報告までに7回検討委員会を行って、そして中間とりまとめを作りましたあと、小中高の児童生徒数の分をすべての学校に配布いたしまして、保護者をとおしてすべての県民のご意見を伺うようにしております。
       また先ほど申し上げましたように12の通学区ごとに旧通学区ごとに懇談会を行っているわけですし、先ほどらい申し上げました30人の県民の代表による懇話会を先般第1回を開催いたしましたけども、これからも3回から4回行い充分に意見を検討委員会の議論に反映するように検討委員会の場に出て意見を述べるというふうに考えておるところでございます。そういうふうなことで決して最終報告はそれが結論ということではありません。中間まとめにありますように、検討委員会の役割は県立高等学校の改革ビジョンづくりの検討や改革の今後の進め方のルール作りなどに限定しているのもでございまして、最終報告のあとそれぞれの地域のおいて決して拙速なことにならないように、充分な時間をかけて具体的な検討をしていただくこととしておるところでございます。
       それから二つ目のおたずねの、塩尻の教育総合センターの関係でございます。天体観測施設の利活用でございますが、実態は平成15年度におきましては合計30日間活用されておりまして、延べ62人の者が利用いたしました。16年度におきましてはこの9月27日現在におきまして合計22日間、延べ80人の利用ということで、今後今年度につきましては理科指導研修講座を3回予定しております。県民向けの天体観測施設の活用状況でございますけれども、15年度におきましては土曜日1講座1日、センターの施設開放2日、夜間解放2日の合計4日ということで延べ196人が利用されております。16年度におきましてもそのような状況のなかで、現在合計3日間で述べ110人の県民の方が利用されております。さらに12月から2月までにかけましては毎週火曜日合計11日間の夜間開放講座を行う予定でございます。今後天体観測施設を活用したいという願いを持つ県民の要望に応えるために今お話がありましたようないわゆる生涯学習センターで学ばれました一定の技術を持つ指導者の協力について、活用を考えてさらに一般県民の利用を図ってまいりたいと思っております。
       それから、宿泊施設の関係につきましては、現在、実際稼働率よくありませんで約2割台ということでございます。いろいろな原因があるわけでございますが、そういう状況ですので一般県民の方々この教育センターの目的というのはある意味教育の研修ということでありますけども、生涯学習ということでありますので、その趣旨に則ったかたちの中で最大限利用を図るべく施設の開放を前向きに進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。



 まず高校改革プランでありますけれども、今年から始まった例えば高校の入試改革で急いだことがどんなに現場に混乱を招いたか、この認識はございますでしょうか。4通学区制や入試制度の変更がどれだけ子どもや現場教師に苦しい思いをさせたのか。このことについて認識はおありなのか。これを検証して、混乱させないのが教訓ではないでしょうか。そんなことも認識しないままで、拙速に改革する資格は私はないと思っております。
 この間多くの陳情要望が出されていると思いますけども、その人たちとじっくりと話すことなくしてこの改革が進むことができるのでしょうか。
 私も小中学生の子どもたちを育てる親ですが、保護者の間でもいまこのようなことが県で進められていること自体当事者でさえも知らないのです。A3のびっしりと書かれたチラシが配布されただけであります。こんなにも当事者を抜きにしたうえでの「改革」は県民的な合意を得られるものではないと考えます。再度12月の期限の撤廃と県民から公募の参加者を今からでも補充して、県民参加を保障していくことを求めますが、教育長のお考えを伺いたいと思います。
 総合教育センターのことにつきましては、是非ともその方向で部局横断的といいますか課が違うわけですけどもよろしくお願いします。ではご答弁お願いします。



      【答弁 瀬良教育長】
       お答えいたします。12通学区から4通学区制への移行、あるいはAO入試ということで、入試改善、通学区の改善ということにつきまして現場において大変苦労されたということについては認識しております。ただ、実際は先ほど備前議員もお話なったように子どもたちの状況は大変な状況でありまして、私たち今すでに成長しつつある子どもたちに早く改革を進めなければならんということが必要であると思っております。その一連のなかで改革プランも進めているわけでございます。
       拙速だというお話でございますが、実は他の県などで行っている高校改革は大体、事務局と検討委員会で3年くらい議論して最終案となってもうすでに決定するという形をとっております。いま先ほども申し上げましたように、長野県の方式は極めて民主的でございまして、いわゆる事務局と検討委員会で枠組みとこれからの進め方を決めて、そして具体的なあり方についてはそこの中間まとめにありますように各地域ごとの協議機関、支援機構、審議委員会というものを通してですね、そこで地元の人たちの学校の先生、保護者、それから地域の方々、それから行政の方々、その方々がどういうふうな高校をつくっていくのか、いうことを充分に意見を反映するような形で進めていくということでございまして、今年の12月に決められるわけではありませんし、その後、数年をかけて具体的な高校改革プランをまさに地域の人たちの意見が主体的になってつくりあげるということでございまして、決して拙速でも、また上意下達的な上からの改革でもないということはご理解をいただきたいと思うところでございます。

 拙速ではないということでありますけれども、決めてから説明ではもう変えられないんじゃないでしょうか。その前に県民から本当にじっくりと意見を聞くということを私は要望したいと思います。今求められている教育改革というのは学校をどうするのではなく、教育をどうするのか、子どもをどう育てていくのかという広い取り組みではないでしょうか。県下各地の高校で進められている例えば辰野高校の三者協議会やあるいは開かれた学校づくり、地域の学校を守る取り組みなどこれまでの学校や県民の努力について一言も触れられていないわけであります。求められているのは机上の議論からのものではなく、実際の教育現場の実践に学び発展させるべきではないでしょうか。このことについて、再度答弁を求めます。


      【答弁 瀬良教育長】
       お答えいたします。備前議員の言われるようにまさに長野県に行われております様々な改革そのものを参考しながら改革プランを作られるということであります。そういうわけで私ども昨年ワーキンググループつくり県内におけるいろいろな改革、問題点というものを分析し、それを第1回の検討委員会のなかに極めて詳細に説明してその認識の下に各委員がその土台の上に改革プランをつくるのかということで議論を進めてきたものでございまして、いま備前議員の言われているようなことと私ども考えていることは決して矛盾するものではないと考えております。

 矛盾しないと言われますけども、矛盾が大いにあるものですから、私はここでこうしてしゃべっているわけでありまして、やはり私は次代を担う子どもたちのためじっくりと時間をかけること、このことを要望させていただき、次に参りたいというふうに思います。



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3.企業局松塩水道汚泥排出問題について

 つぎに企業局松塩水道汚泥排出問題につきまして伺います。
 この問題について、私たち共産党県議団は、事件発覚直後の8月21日に団として調査に入り、状況説明と現場の確認を行いました。そして8月23日、県企業局に対して原因調査や、職員の環境に対する意識の改革、過去からの徹底調査と結果公表、また流域漁協や自治体への誠意をもった説明と謝罪などを含め、信頼回復を一刻も早く取り戻すよう申し入れを行いました。
 そこで特に問題の天日乾燥床の問題について公営企業管理者にお聞きします。
 天日乾燥床はこの間の説明資料によると、その構造はRC構造ですが、底張り無しということになっています。そこで乾燥床の建設にあたり地質調査はしていないということを事前に伺いましたけども、今回、濃縮汚泥からは砒素や鉛が排出基準の27倍とか9倍のものをさらに濃縮させているわけでありますけども、当然乾燥床底部から水分とともに地中に流れ出すことが考えられますが、乾燥床はコンクリート三面張りにするなど、底部からの漏出の可能性を無くす処置をすべきではないでしょうか。
 また、乾燥の効率を上げるために、屋根を作り、雨水や雪の浸入を防ぐこと、また、必要ならば脱水や過熱乾燥などの設備を設置すべきではないでしょうか。お答えをいただきたいと思います。


      【答弁 古林公営企業管理者】
       備前議員への答弁に先立ちまして、去る8月18日松塩水道用水管理事務所本山浄水場におきまして、浄化処理に伴い発生した汚泥を当事務所の職員は奈良井川に故意に排出いたし、川を汚してしまいました。県民の皆様、関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけいたしましたことをまずもってお詫び申し上げます。
       それでは最初に天日乾燥床の建設時の地質調査についてのおたずねでございます。松塩水道用水管理事務所本山浄水場の浄水施設をつくるにあたりましてこの基礎設計資料とするため昭和50年度に13箇所のボーリングおよび  試験による地質調査を実施しております。この地質調査の結果につきましては、天日乾燥床を含めて本山浄水場一帯がローム層に覆われていることが判明いたしております。これらの基礎調査をもとに安全性を検討のうえ現在の施設が建設されているところでございます。
       それから、天日乾燥床の容量についてのおたずねと思いますが、天日乾燥床に屋根など付けて乾燥を速めたほうがいいのではないかということについてのおたずねについてでございますが、天日乾燥床の容量の検証を過去の投入量とかあるいは排出量等から検証を行っております。現在13池ございますが、この容量で天日乾燥床が足りるということが判明したしております。従いまして現在の手法を改良することによって効率的な運用を図りながら行っていけば天日乾燥床の容量はこれで足りるというふうに考え、新たな運用計画も策定をいたしておるところでございます。また、仮に天候等の状況によりまして天日乾燥床の運用が難しいというような予測がされる場合には、現在はセメントの材料として搬出いたしておりますので含水率をある程度下げた形で搬出いたしておりますけども、天日乾燥床の運用状況によっては含水率の高い段階で搬出処理することも考えるなど工夫をこらして行けば現在の13池の天日乾燥床の運用をもって足りるというふうに考えていますので、屋根などの施設については当面必要ないというふうに考えています。以上です。


 答弁漏れがあるんですけども、ようは乾燥床をコンクリート三面張りにするというこういったことが必要になるんではないかというふうに思うわけですけども、このような砒素、鉛が非常に高濃度に排出されるということであります。
 それから、一帯をローム層であるということで粘土質ということでありますけども、私も地質調査の図面見せていただきました。ところがこれは河岸段丘上であります。浄水場とこの天日乾燥床の底部というのは約20メートルの高低差があるわけですけども、このボーリング調査10メートルもしてないわけでありまして、これをそのまま乾燥床に適応すること自体に私は誤りがあるというふうに思いますけども、この点につきましてこういったやり方でいいのか、生環部長に対して答弁を求めたいと思います。


      【答弁 太田生活環境部長】
       本山浄水場のいまの構造の問題でございます。先ほどの公営企業管理者の答弁にありましたように地下に粘性の大きい不透水層ローム層があるということから、事業者において地下水への影響がないと判断されまして、天日乾燥床の底部が自然の土床となっているこれが現状でございます。一般に汚泥に含まれます重金属の多くこれらは固形物の状態で存在しておりまして、地下への浸透というのは少ないと考えられるところでございます。
       ただこの問題につきまして、まず事業者である企業局が自らこういった生活環境保全上の支障がないということを確認するということが望ましいものと考えておるところでございます。



 本来ここを見なければならない生環部で企業局だけに任せるということは、私はやはり大きな問題が、穴が開いているんではないかと思うんです。是非ともこの面につきましても、またコンクリートの三面張りするなどこういった指導もしていくこのことについて要望をしたいと思います。時間がありませんので次の環境政策について伺います。



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4.環境政策について

 廃材のリサイクルへのとりくみをお聞きしたいと思います。
 先日私どもは松川村の公園などに敷設している木質チップに建設廃材が入っていることについて相談があり調査してきました。そこには合板、あるいは塩化ビニルやプラスチック片も確認され、明らかに無分別状態であることが示唆されました。
 ところで今年5月、知事も参加されて整備が行われました、万水川のアルプス安曇野自転車道では間伐材のチップを敷設されたと伺っています。私たちは今月この自転車道を視察したのですが、撒かれたチップはもうすでになくなってきています。つまり土に返ってきているものと思われます。一方、松川村に撒かれた廃材チップは撒かれてから1年半をたつのに全く腐敗する気配がありませんでした。それどころか草もほとんど生えていない状態でした。こういったことからも、このチップには防腐剤など化学物質が含まれていることが示唆されます。建築資材にふくまれるものであるのならば、発がん性のあるクレオソートなどの有害化学物質も含まれていることを想像することは難くないと思いますが、このような環境に負荷を与えるおそれのあるものが、有価物としてとりひきがなされ、環境にばら撒かれているということについて生環部長はどのようにつかんでおられますか。
 また住宅部長にお聞きしたいと思いますが、「建設リサイクル法届出の手引き」という冊子を発行されていると思いますが、ここでのこのような有害物質の含まれる可能性のあるCCA処理木材はどのように処理しなくてはならないのでしょうか。お聞きします。
 さらに、廃材チップと同様に廃プラスチックをコンクリートなどで固めた擬木がつくられ、県内での利用がみられております。県庁周辺では建設廃材を廃プラスチックと混ぜて加熱固化した擬木がベンチやスロープに活用されています。しかし、擬木からは溶出試験をおこなうと、重金属類や、環境ホルモン活性のある物質が流出することも言われています。こういった人体に対して影響のあるこういったことについて生環部長、製造過程のチェックを考えなければならないと思いますがこれについてのお考えをお聞きしまして、一切の質問を終わります。


      【答弁 太田生活環境部長】
       2点お答えいたします。
       まず、建設廃材の関係でございます。プラスチックあるいはビニール材、こういったものを含みました建設廃材は本来産業廃棄物に該当いたします。これらの瓦礫類、あるいは木屑類こういった建設廃材につきましては廃棄物処理事業者あるいは解体業者が自ら破砕などの中間処理をおこないまして、再利用されているところでございます。いまご指摘のあったとおり一部では公園あるいは場合によっては農地などにプラスチック等などを含むチップが使用されましてり、必要以上の厚さに敷くなど不適切な利用が見受けられるところでございます。こういったものの裁量にあたりましてはその用途により、有害物質の有無などチップ滲出、あるいはチップの適切な大きさこういったものを考慮いたしまして適正な利用を図る必要があるものと考えております。
       公園とか農地に雑草の生育抑制あるいは土の保温こういったために地表に敷き詰められるものとしてマルチング材というものがございます。このマルチング材のチップを利用したものにつきましては私どもの廃棄物対策課と監視指導室それと農政部の農業技術課とが連携を図りまして木屑チップに関わるマルチング材の適正利用指針を本年5月策定しております。この指針では、有害物質を含む防腐剤を使用した木屑は使用しない、それから金属くずそれからプラスチックなどの異物は混入しない、あるいはチップの大きさは5センチ以内とする、さらに敷設する厚さは10センチ以内、加えて周辺に地下水などの水源がないか確認する、こういった指針を生活環境の保全の観点から定めておりまして現在この指針に基づき監視をおこないまして、指針に適合しないものは不適正な処理として撤去を求めるなどの指導をしているところでございます。またこれ以外の用途、遊歩道などへの利用などにおきましても金属やプラスチックの異物を含むもの、あるいは防腐剤が混入しているものはもちろん生活環境の安全の観点から好ましくないと考えております。
       有価物として購入した木屑等こういったものを土地造成に用いた事例も現にございましたけれども、これは不法投棄の恐れがあるとさらにかつ周辺環境の影響が懸念されるということで撤去指導もおこなって原状回復させた例がございます。今後も廃棄物処理法に基づく指導の徹底のほか、先ほど申し上げました木屑のマルチング材これにつきましては利用指針がございますけども、これの適応範囲の拡大とこういうものを考えながら建設廃材の再利用につきましてすすめていきたいというふうに考えております。すすめるというのは適正な利用をすすめると考えております。
       それからもう一つ、擬木の でございます。リサイクル商品の普及によりまして、廃プラスチックを利用しました製品が数多く  しておりますが安全性の確保については多くの場合、製造者の責任において行われるというのが現状であります。一方で安全性の認定という形になりますと、例えば財団法人日本環境協会のエコマークの制度がございます。この制度におきましては再生材料を使用した建築用製品、擬木製品もこれにあたりますけども、この擬木製品については使用時にカドミウム、鉛、ロッカクロムなどの重金属の溶出が一定基準未満であるということが認定基準となっております。また県におきましては、こういった資源の有効の利用を促進し、環境にも負荷の少ない持続可能な社会の実現を目指す、こういうことから本年3月に信州リサイクル製品認定制度を創設しましていまその認定に向けた手続きをすすめているところでございます。この制度におきましても擬木製品につきましては土壌汚染対策法に基づきまして土壌や水等に直接接触し、または今後されるものにあたってはカドミウム、鉛、ロッカクロムこういった重金属の溶出および含有量が一定基準未満であることを認定の基準としております。こういった安全の基準に配慮いたしまして、今後もリサイクル製品の利用推進にあたっては安全性に配慮するということを考えてまいりたいという具合に思っております。



      【答弁 三木住宅部長】
       お答えいたします。建設リサイクル関係の廃材活用等の県の対応、有害物質等を含めた対応等を含めた対応等につきましておたずねいただいたわけでございますけども、建設廃材の問題につきましては、長野県のかけがえのない豊かな自然を守り、育むために循環型社会システムを構築し県・市町村・事業者、県民一人一人が適切な役割分担の下で再生資源の充分な利用を、廃棄物の減量を図って行くことが重要でございます。こういった趣旨から平成12年度に建設リサイクル法が公布されまして、14年に全面施行というふうになっておりますけども、特定建設資材の分別解体と再資源化を義務づけ、廃棄物の減量をはかっているところでございます。
       届出等の状況でございますけども、平成15年度で8000件強、月平均で700件弱という状況になっております。また、無届等の違反を無くしますための違反パトロール等につきましては定期的に実施をしておりまして、周知徹底を図っておるところでございます。平成14年度の国土交通省が実施いたしました建設副産物の実態調査によりますとリサイクルの状況につきましてはアスファルトコンクリートこんが99%と高い数字となっております。また建設発生木材は90%となっておりますけども、縮減を除く再資源化率は52%となっておりましてリサイクル法の効果が徐々に出てきているものと思われます。建設廃材のリサイクルの方針といたしましては分別解体を徹底いたしまして、現場内での再使用や再生利用を原則といたしますけども、これらの利用が技術的に困難な場合、また環境への負荷の程度等の観点から適切でない場合には燃料等で熱回収をして利用の促進を図って参ります。すべてに適さないものについては埋め立て等の適正な最終処分等をしているわけでございます。
       有害物質を含んだ建材の利用につきましては、分別解体を徹底するということでございますけれども関係部局と連携をしたしまして、法令による処理が適切に行われますように指導してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。



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