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2004年 6月議会 高村議員の一般質問(6/22)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 商店街の活性化について
  2. 大型店対策について


1.商店街の活性化について

 大型店舗の進出と地域問題について質問します。
 長い歴史とともに地域の人々の暮らしと営みによって織り成され、地域社会と文化の中心として発展してきた県内の商店街は、今どの様な状況にあるのでしょうか。
 県内の店舗数を見ますと、平成3年に2万9365店舗から、平成14年には2万4548店舗と、11年間に約4800以上の店舗が消えています。
 一方売り場面積で見ると、大規模小売店の売り場面積は、現在490店舗で全店舗数の2%程度ですが、何と県内小売店面積の56%を占めるまでになっています。
 旧大店法とH12年6月より施行された大店立地法になってから、地域中小小売事業者の営業機会の適正確保に関する保障と規制は、どうなったのでしょうか。商工部長に伺います。
 また、それぞれの商店街が、このままでは衰退が進むばかりの状況をどう食い止めたらよいのか、悩み苦しんでいるのではないでしょうか。取り残されてゆく個人商店は売り上げの不振と今後の営業に展望が見出せない状況におかれていると思います。
 県内の商店街の推移の状況を商工部長に伺います。あわせて、平成14年度商店街実態調査などから、明らかになった商店街や個人店舗の悩みと今後の課題について、県はどのように受け止めておられるのかお伺いいたします。


      【答弁 志村商工部長
       今議員のご質問の中にございましたように、いわゆる大規模小売店舗における小売店舗自由活動の調整に関する法律を大規模小売店舗法でございますが、これはもともとこの法律は周辺の小売店との商業統制というのを目的としておったところでございますけども、この法律につきましては平成12年6月に施行されました大規模小売店舗立地法いわゆる大店立地法と言われておるものでございますけども、法律施行に伴いまして大型店出店は原則自由とした上で大型店周辺の生活環境の保全のための交通・騒音・廃棄物等について調整をおこなうといういわゆる従来の商業調整から周辺の環境に関する調整ということで目的を変えまして、現在その出店に対する規制が法律として施行されているところでございます。それから、商店街の状況ということでございますが、今議員のほうからも店舗の数というようなこと、それから面積のお話ございましたけれども、手元のほうで見ますとご承知のように店舗数につきましては全体としては減少している中でいわゆる大規模小売店舗につきましては昭和57年100としたところでありますけども、中小小売店につきましては73.2という水準になって店舗数でございます。大規模小売店舗内の小売店につきまして昭和57年100に対しましては171.4と水準になってございます。
       それから販売額でございますけれども、中小の小売店の商店につきまして同じく昭和57年を100とした場合に平成14年でございますが126.7というのに対しまして大規模小売店舗内の小売商店につきましては昭和57年を100とした場合203.3というような状況になっているところでございます。
       いわゆる商店街の数等々につきましてもなかなか中小にとっても厳しい状況にあるということでございますけども、これにつきましては大店法が施行されたからということではございませんで、それ以前の段階から、いわゆる車社会の進展や中心市街地の居住人口の減少、こういった商業を取り巻く環境の変化、ライフスタイルの変化というものを含めてだと思いますけども、こういった変化の中で起こってきたものと考えてございます。今後どうしていくのかということでございますけれども、まちづくりという観点から商店街含めて考えていかなければいけないわけでございますが、その場合地域の人々のどういったまちを造るのか主体的にまず考えることから始まるということだと思います。そういった主体的な動きを行政としてしっかり支援していくことが大事だというふうに考えております。



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2.大型店対策について

 生活スタイルの変化というようなことがご答弁あったわけですども、県内商店街ですけれども、平成2年の433商店街から12年たった平成14年では、325商店街となり、この12年間になんと108もの商店街、25%の商店街が共同経済活動をやめざるを得なくなりました。大規模小売店の届出は、平成12年から今年まで47店舗増えています。1000平米以上の大規模店です。地域の商店街が衰退し、大型店が栄える状況は、地域にさまざまな不安と混乱を巻き起こしています。
 上田の常田に、今までのジャスコから、イオンと名前を変え、売り場面積が今までの2倍23078平米、駐車台数も1480台など、その巨艦の姿をあらわしています。一階売り場は24時間、2階部分は23時までの営業を標榜して、間もなく開店となります。地域からは、深夜24時間営業での地域社会環境への大きな変化や、周辺の交通渋滞、近隣の商店の営業破壊、青少年の健全育成上の問題、環境問題など多くの心配や不安なご意見が寄せられています。
 県として、どのように対応していただいているのか、地域住民や小規模小売店の苦しみは、軽減されるのか商工部長にうかがいます。
 平成10年に、今までの大店法が、日本共産党以外の政党の賛成で廃止され、平成12年より、大店立地法が施行されました。先ほどから商工部長からもお話がありましたがあらためてこの点についても含めてご答弁をお願いいたします。


      【答弁 志村商工部長
       お答えいたします。上田の上田ショッピングセンターの関係でございますけども、今議員のご質問の中にございました今回のものは上田ショッピングセンターの増床にかかわる大規模小売店舗立地法の届出の関係でございます。これ届出じしんは平成15年10月16日に提出されておりまして4ヶ月間住民の皆さん方の意見募集を行っております。この間に提出いただきました8件の意見書の内容でございますが、住宅地に面する自動車の出口の閉鎖を求めるもの、あるいは今ご質問の中にございました24時間営業の中止を求めるもの、いうものがほぼ全体を占めているものでございました。県では地元住民との十分な協議がなされていなかったという側面はございましたので、上田市と連携しまして住民と事業者の話し合いを行うための協議会を開催しまして継続的な協議を行ってまいったところでございます。協議の結果でございますが、住民の皆様から意見出ておりました住宅地に面する自動車の出口の閉鎖に関しましては事業者の方からその部分につきましては出口を閉鎖するということの変更の届出ございまして、その他24時間につきまして防犯体制につきまして十分な対応をとる、引き続き協議をしていくということ、あるいは出口が閉鎖にともないまして別の出口を設置するというお話ございましたが、それにつきましても周辺の住民の方々から意見がございまして、例えば周辺の歩道を整備する等の対応とるというような方向で地元の住民と合意をいたしましたので、県として届出に対して意見を有しないという旨の通知を6月14日に行ったところでございます。周辺の商業地がどうなるかということでございますけれども、それにつきましては、先ほどと繰り返しのような形になりますけども、ようはその街がどうあるべきなのか住民と商店街だけでなく、その周辺に住む人々も含めて街がどうあるべきかということ考えていただくということまず大切だと思っております。その上で県としてできることをお手伝いしていくということだろうと思っております。



 巨大店舗の規制緩和は、商店街や地域経済の問題にとどまらず、地域「まち」そのもものあり方や住民の暮らしに深刻な影響を及ぼしています。
 地域文化の交差点である中心商店街や住民に身近な商店がつぶされて、町そのものが破壊される、深刻な事態が全国各地で起こっています。郊外の優良農地や美しい自然・景観・町並みが壊され、昼間から灯かりの消えた商店街が増える一方で、こうこうと照明をつけ深夜営業をする大規模店。女性を含む深夜労働長時間労働が蔓延し、家庭の団欒を奪われ、青少年の非行や犯罪の増加、車の渋滞や騒音、ごみ環境問題など、多大な問題を家庭・地域・市町村が抱える事になります。
 4万平米の巨大なイオンの進出に苦しむ、北海道苫小牧日商連理事長の木村寿治朗氏は、苫小牧の自民党市議を6期努められた方ですが「たった一軒の巨大なイオンの出現が、苫小牧の町の機能を破壊するんです。町というものは、50年100年かけてできてきた、これを3年ほどで壊してしまう、儲からないとなればさっさと出てゆくような大型店は地域に必要じゃない」と言われています。
 一方、福島県伊達町では、イオンの出店計画が出されて5年間出店を阻止しています。イオン側は「私たちが新しい町を作る」と豪語し、地域の住民に協力を求めましたが、地権者や地域住民が、今までのイオンの出店地域の状況を調査して「地元約200件の商店閉鎖と4千ないし5千人の失業者を出す事が予測され、地域に壊滅的な影響を与える」と話し合いをかさね結束して来ました。今年の3月に「福島県広域まちづくり検討会」は県に提言をまとめ提出しました。   
 内容は、広域的な商業圏域を持つ大型店の立地については、街づくりの観点から、県は必要な調整を行うとして、立地ビジョンの作成と大型店に地域貢献を明らかにしたマニフェストの提出を求めるというものです。大型店に積極的に関与する姿勢を示す福島県は、地域を守る主体者であり、地域住民共同の営みを励ますものです。
 そこで知事にお伺いします。
 県の商工調査によりますと、県内商店街の悩みは、郊外大型店への客の流出が一番の課題。「閉店するしかない」とあきらめる商店主も増えている一方で、「将来の地域文化の継承のためにも、町を守るのは、そこ住むものの義務ですから、何とかがんばります」「お年寄りのためにも、小さな店ですから、がんばります。」こういった県民のがんばりや地域住民、市町村を応援する立場にたって知事のご認識とご見解をお伺いして私の質問といたします。


      【答弁 田中知事】
       今の点でございますけど、これはつきつめれば私たちがアメリカ的な物質文明、あるいは精神文明というものを選択するのか、そうでないものを選択するのかでございます。残念ながら少なからぬ私たちはアメリカ的な物質文明・精神文明を選択しているわけでごいます。物質に関しては、例えばフランスのワインを入れたり、ドイツの車を入れたりですね、イタリアの洋服を入れたりはしているかもしれません。しかしながら精神的な部分ではディズニーランドに代表されるようにアメリカの文明を追従しているわけでございます。例えばドイツという国は土日に関してはお店は閉めるとあるいは、薬とドッラグストアで売っているようなものは薬屋でしか販売できないというような様々な規制がございます。本来はこれが望ましき地域社会を形成するはずなのでございますが、このドイツにおいても国境地帯においてはその他の場所に買い物に行かれるという方が後を絶たないわけです。これはやっぱり私は日本のみならず、皆米語というものに駆逐されてきたアメリカの音楽・映画、アメリカの言葉つまり言語というものを大事にしなかったことのつけが日本のみならずヨーロッパにおいても現れているということだと思います。
       他方でやはり、自由主義を選択するにせよ、社会主義を選択するにせよ、計画経済を選択するにせよ、そこには人々は物を選択する場合に評価ということをしますし、同時に評価が生まれるということはそこに適切な競争が生まれてこそ成り立つわけです。評価という選択ができないということになるとこれは配給という形しかありえないわけでございます。すなわち商店においても東京においても例えば武蔵小山の商店街でありましたり、目黒区の、あるいは足立区の藤和の商店街でありましたり、こうしたものは商店街が依然としてですね厳然と充実し続けているわけでございます。おそらくそこには意識の高い方々がいらっしゃる、私が就任してすぐに「にぎわい創出研究会」というものを商工部で行い、これは滋賀県長浜の笹原さんをはじめとする方々を多くお招きしたものもやはりそこに意識のあるとんがった人がいるかどうかということ、またそのとんがった人が提示するものを皆が理解し、信じて一緒に行うかということでございます。これは先ほどの原産地呼称管理とて同様でございます。護送船団方式を望む方々に、原産地呼称管理は理解できませんし、護送船団方式を望まれる方々に武蔵小山や足立区の藤和の商店街のような未来は訪れないということです。これは本県においても小布施町の良い意味での充実ということはやはりそこにそのようなとがった方いてとがった方と共に歩み出した住民が居るからでございます。こうした中において私たちは先ほど様々志村からは申し上げました。そうした大きな店舗ができることに関して私たちはモグラたたきにもならないような努力と言うものは住民と共に行うことはできます。ただ一人一人の日本に暮らす方々がアメリカ的な消費文明を否定しない限りは、これはフランスとて同様なことはおきてきております。フランスとて郊外のインターチェンジのところには多くアメリカと同じ巨大なショッピングセンターができてきております。一点もし私どもが仮にできるとするならば、これは以前にも申し上げました。フランスでもですねパン屋さんというものは新聞配達屋さんやお豆腐屋さんと同じで世界で一番早起きでございます。しかしながら、このパンも大きな巨大工場でこねて冷凍で持ってきたものを巨大ショッピングセンターの一角で温めてマニュアルに応じたサービスで販売するという店舗が増えてきたわけです。そのときにフランスのパンの組合の方々は政府に働きかけたときに政府は自分で生地をこね自分でパンを焼く方だけがブーアンジュリーという看板が掲げられると言う形になったわけでございます。これはまさに日本の米政策が第三セクターをつくって米のイベントをやって、そこに天下りが行くのとは違う一行の印刷代によって自律的な方々が遇されるということです。ただし、これもブーランジュリーという看板を掲げても切磋琢磨なさらない方は淘汰されていくということです。原産地呼称管理が先ほど一旦認定されれば未来永劫ではなく、毎年毎年できるワインは日本酒は違うわけですから、それをまさに基準に合致し、そして神酒きの方々によって認定されたものがまた市場において価格も含めて評価されていくという良い意味での日々これ決戦の切磋琢磨というものを販売する方々もその覚悟を持たなければ、仮に日本の多くの方々がアメリカの消費文明というものでないものを選択したとしても販売する側にもその意欲がなければ到底無理でございます。こうした基本認識をお持ちの方々に対して私たちはまさにコモンズからはじめるルネッサンス革命を行うということであります。覚悟のない方々はこのある意味では覚悟のない方々は集団護送船団方式に安住するということで沈没の道をお選びになるほかはないということであります。これは商業に限ったことではございません。



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