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2004年 6月議会 
自衛隊の多国籍軍への参加に反対し、
イラクからの撤退を求める意見書(案)
毛利議員の提案説明(議第6号)
    

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。



 議第6号「自衛隊の多国籍軍への参加に反対し、イラクからの撤退を求める意見書」につきまして提案の説明をさせていただきます。

 小泉首相は国会にも国民にもはからずに自衛隊の多国籍軍への参加を勝手にブッシュ米大統領に約束し、閣議でも了承されました。そもそもイラク戦争は国連を無視して米英が「イラクが大量破壊兵器をもっている」と一方的に決め付け起こしたものですが、いまだ大量破壊兵器は発見されず、いかに大義のない戦争であったかが誰の目にも明らかになっています。その上、人道支援を口実に占領支配を続け、イラク国民から大きな反発と怒りを買っており、連日のようにテロや戦闘がおこなわれ、犠牲者もあとをたちません。
 このようなときに従来政府がいってきた「多国籍軍には参加はしない」という枠を大きく越えて武力行使をともなう多国籍軍に参加させることは憲法違反であり、到底認めるわけにはいきません。
 国連安全保障理事会が採択した決議1546では多国籍軍は統一された指揮の下に置かれ、あらゆる必要な措置をとる権限を有するとされており、政府がどんな言い訳をしようと、日本が、拷問や虐待、ファルージャでの皆殺し作戦を行っているアメリカ軍と行動をともにし、同じことをする立場に立つということであり、まさに憲法9条を大きく踏む超え、考えてみても背筋が凍る思いです。
 主権移譲を目前にして、ファルージャではアメリカ軍が「停戦」合意を無視して17日以降3日間連続で民家を攻撃しおよそ60人のイラク人を殺害しました。このことは多国籍軍を主導する米軍が侵略・占領の本質をなんら変えていないことを浮き彫りにしています。
 このようななかで、イラク人グループに拉致された韓国人がとうとう殺害されてしまいました。韓国国内ではいま、イラクからの撤退運動が大きく巻き起こっています。いま、世界では多国籍軍に新規に参加を表明したのはトンガだけであり、これまで占領連合軍に加わってきた各国の中からスペインやオランダなど撤退が続き、残るのは20数カ国程度にすぎません。多国籍軍に参加するどころか平和憲法を持つ日本こそ、一日もはやくイラクから自衛隊を撤退すべきではないでしょうか。
 私は先日イラクで子ども達を助けるために日本から医療物資を運ぶ活動を熱心におこなってきた方のお話を直接伺う機会がありましたが、彼女は今まで自由にイラクを訪れ薬を届けることもでき、イラクの人たちとも友好的に交流できたのに、自衛隊がイラクにいき、アメリカ軍の一員とみなされるようになってから日本人に対する風あたりがつよくなり、危険になって、お金も薬もあつまったのに、もう行くことができなくなった、苦しんでいる子ども達のことを考えると何もできない今の状態は本当にもどかしく心が痛むと悲しんでいましたが、このような事態を強いられるのもアメリカいいなりに、自衛隊をイラクに派遣しているからではないでしょうか。
 どんな命も殺されていい命は一つもありません。自衛隊が人を殺すことも殺されることも決してあってはならないと思います。多国籍軍への参加をとりやめ、自衛隊は速やかにイラクから撤退することを心から求めるものです。ぜひ、皆さんに常識あるご判断をいただき、賛同をしていただきたいことをお願いし提案とさせていただきます。


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