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2004年 6月議会 
毛利議員の一般会計6月補正予算案賛成討論(7/2)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。



 日本共産党長野県議団を代表し、第1号一般会計の補正予算案に賛成の討論を行います。
 6月定例県議会に提案された一般会計の補正予算の総額は、8億6,592万2千円で、今回の補正を加えた、補正後の一般会計予算は、8,765億4,616万3千円となります。
 まず歳入の補正予算案ですが、8億6,592万円の歳入の主な内訳は、国庫支出金が3億9,432万円、繰越金が2億8,158万円、繰入金が1億8,864万円となっています。国庫支出金は、新世代地域ケーブルテレビや携帯電話用鉄塔助成などの情報化推進事業に主に充てられています。繰入金は緊急雇用創出特別基金からの繰入金です。繰越金は、一般財源として、松本児童相談所一時保護機能強化事業、電子自治体推進事業、県議会の政務調査費その他に充てられています。
 歳入面で重要なことは、新たな借金となる県債を1円も増やさなかったことで、歳入の県債依存度は、当初予算段階よりも0.1ポイント下がって10.8%になりました。従来、県債依存度が最も高かったのは、長野冬季オリンピック関連の公共事業が盛んに行われた95年度で決算段階では20.2%でした。今回はその約半分の水準にまで下げたということです。
 予算説明書に添えられている県債残高の見込みに関する調書によりますと、2003年度一般会計3月末現在高の見込額は1兆6,499億円となっており、前年度末現在高よりも147億円減り、対前年度でマイナス0.9%となる見込みです。2004年度末には、さらに107億円減る見込みであり、これで2年連続減少ということになります。
 県債には臨時財政対策債が含まれています。これは、本来地方交付税で交付されるべきものを、地方で直接借金するようにと国が地方に押しつけてきたもので、その結果、本県の臨時財政対策債の残高は、2003年度末には528億円の増、2004年度末には377億円の増を余儀なくされています。このようなことがなければ、県債残高トータルをもっと減らすことができたでしょう。
 しかし、このような国に押しつけられた臨時財政対策債の増加があっても、県債残高を2年連続にわたってともかく減らす見込みとなったのは、「財政改革推進プログラム」の方針のもとで、公共投資に関する借金を減らす努力がなされてきたからで、県債残高の中の普通債現在高の動きを見るとそのことが分かります。2003年度末の普通債現在高は前年度よりも657億円の減りましたが、そのうちは土木債・農林水産債が85%を占めています。2004度末は489億円の減で、うち土木債・農林水産債が93%を占めることになっています。
 次に歳出について見てみると、25日の本会議で緊急地域雇用創出特別交付金事業の継続と拡充を求める意見書が全会一致採択されましたが、今回この緊急雇用創出特別基金事業に1億8,864万1千円が計上されています。この基金は、2001年度と2002年度に、合わせて79億2,500万円を、国から交付を受けて積み立てたもので、事業実施期間は2004年度までとされていますが、本県は今回の補正を加えると基金のほとんど全部を使い切ることになり、執行率は99.2%に達し、全国トップレベルです。提案されている事業の中には障害を持つ子どもたちや外国人児童生徒に対する指導員の配置が70校70人されるなど決して十分とは言えませんが、必要なところに適切に配置されたものと考え評価するものです。雇用創出の延べ人員は、累計で68万3千人日余となります。臨時的雇用という制約があるものの、事業内容は教育文化・環境・福祉・医療・地域振興が重視されています。
小・中学生や高校生による事件が相次ぎ、また児童虐待が依然として深刻な状態にある今日、児童対策の充実がますます求められています。松本児童相談所一時保護機能強化事業と子育て支援総合推進モデル事業の提案は、その意味でも重要な事業と言えます。松本児童相談所一時保護機能強化事業には1億315万6千円が計上されていますが、日本共産党はこれまで県民の皆さんの切実な要望を受け児童相談所の環境整備、機能の強化、通年の一時保護の実施について再三取り上げてきましたが、狭隘・老朽化した同相談所を波田町の旧建設技術学園に移転し、受け入れ人数も増やして、要保護児童等の一時保護の機能を充実させようとする内容を大いに歓迎するものです。子育て支援総合推進モデル事業には807万5千円が計上されています。
 水道水源確保支援事業の一環として、中野市が実施する地下水調査に対し、1/2補助の500万円が計上されていますが、角間ダム中止に伴う必要な支援です。
 以上のとおり、今回提案されている補正予算案は、新たな借金となる県債を増やさない、借金残高を少しでも減らしていくという財政健全化を実現していこうという立場で編成されており、同時に、厳しい県の財政状況のもとでも雇用、福祉、教育、環境への予算配分の重点化が図られ、県民要望を実現していこうという立場で編成されています。これらのことを評価し、賛成討論といたします。


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