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2004年 2月議会 小林議員の代表質問(3/5)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。
答弁部分に関しては、全てではありません。後ほど追加させていただきます。

  1. 知事の政治姿勢について
  2. 三位一体の財政改革について
  3. 職員の寒冷地手当削減について
  4. 「産業活性化・雇用創出プラン」について
  5. 建設業の構造転換について
  6. 県産材の利用拡大について
  7. 治水対策について
  8. 公共事業について
  9. 稲荷山養護学校について
  10. 廃棄物対策について


はじめに

 日本共産党を代表して質問を行います。
 田中県政になったこの三年間、情報公開が大きく進み県民から「県政が身近になった」と言われるようになりました。脱ダム宣言とそれに続くムダな大型公共事業の相次ぐ見直し、林業の活性化など「旧来の大型公共事業を中心にした、事業ではなく、身近な社会資本整備に重点をおくとともに、福祉、医療、環境、教育、産業、雇用などの県民の目線にたった施策を展開することにより、活力ある長野県」をという改革は大きく前進しました。
今回提案された当初予算案には、県民の切実な要望や、私たち日本共産党が提案したいくつかのことも実現しています。 
 私たちの独自試算によれば、公共投資1,700億円、社会保障1,300億円の見込みとなります。1996年当時の公共投資が4,784億円、 社会保障はわずか1,278億と公共投資が実に3.7倍という異常な時期から見ると格差が一段と解消されてまいりました。
 30人規模学級の小学校全学年への拡大、昨年私の質問で取り上げた障害者が安心して暮らせるために、身体、知的、精神の三障害者総合支援センターを地方事務所単位の十圏域に設置。自閉症・発達障害自立支援センターの設置。今や全国唯一ともなった、ウィルス肝炎への医療費助成の継続など、今年度予算に盛り込まれ県民のための積極的な施策は評価するものです。
 しかし残念なことに県立高校の授業料の引き上げをはじめ、各種手数料の値上げなどの施策や、職員との協力関係などが大きな弱点となっているものもあることを指摘しておきます。こうした立場から質問をしてまいります。
 



1.知事の政治姿勢について

 まず最初に、知事の政治姿勢についてお尋ねをいたします。
 
 イラクへの自衛隊派兵について、アメリカのブッシュ大統はイラクに大量破壊兵器が存在し、世界を脅威にさらしておりこれを除去するための戦争であるとして、国連をも無視して戦争を強行しました。小泉総理もブッシュ大統領の「イラクは大量破壊兵器を持っている」との言葉をオウム返しにして、いち早くこの不法な戦争に支持を表明してきました。
 デビット・ケイ氏、昨年の6月から、1,400人の捜査部隊を指揮する「イラクの大量破壊兵器調査グループの責任者で、アメリカのイラク戦争の正当性を立証すべき切り札でもありましたが、そのデビット・ケイ氏が「私はイラクには大量破壊兵器はもともと存在しなかったと考え、90年代に大規模な生産はなかった」と証言しております。
イラク攻撃の最大の根拠であった、大量破壊兵器が存在しないという結論が出たわけですから、これまでの方針を見直すのは当然です。それにもかかわらず小泉内閣は米英のイラク戦争を支持したことに何の反省も無いばかりか、今度はイラク復興支援を口実に、米英占領軍の指揮のもと自衛隊の派兵を強行しました。
 日本国憲法、第九条一項で「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇(いかく)又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と明記しております。イラクへの自衛隊派兵は憲法とは両立しえないものであります。
 一刻も早く占領支配から手を引き、国連主導の復興支援を政府に働きかけるべきではないか。県民の命と暮らしを守る立場にある知事の所見をお尋ねします。

      【答弁 田中知事】
       ただいまの小林さんのご質問に順を追ってお答えします。
       まず1番目の点でございます。いわゆるイラクへの自衛隊派兵に関してということでございまして、私の意見は今までもこの議場で随分申し上げてきております。ある人物の発言でございまして、そのまま掲載されたものでございますが「今の保守派は不甲斐ない集まりしかないと、イラク派兵は侵略加担であり、日本の歴史の常識。常識の中にある道徳。道徳の中にある価値観を汚すことだという想像力もなしに歴史が大事だ、国家に誇りを持とうというごたくを並べているにすぎない」と「伝統に自尊の気持ちを抱いて、その土壌の上に独立するというのが保守の根本姿勢ならば、侵略に加担することは国辱であると喝破してこそ保守の誇りである」とこの人物は同時に「私はかつて友人であった西尾幹二氏のように日本の歴史はすべて素晴らしかったなどと馬鹿なことは言わない。かといって過去をことさら貶めるものでもない。成功も失敗も含めて先人たちの叡智を受け継ぐのが保守主義の心構えである」と「日本が歴史を通して学んだのは弱小国を卑劣にも侵略しないということだ。日本社会で自衛隊が疎んぜられ、罵声を浴びせられてきたから、私は随分自衛隊を応援してきた。だからこそ自衛官の何十人に一人ですら侵略に加担をすることはできないと正論を吐く者は出ず、唯々諾々と小泉純一郎内閣の指令に従う様を嘆かわしく思う」と「『自衛隊法3条には我が国の平和と独立を守り』と書いてあるが、ブッシュに服従することのどこが国家の独立なのか」とこの発言をいたしましたのは、私の友人でもあります西部すすむ氏であります。まさに、西部すすむ氏がこのような発言をする、このことはむしろ社説においても混迷を続ける朝日新聞あたりは西部すすむ氏の発言として大きく載せれば自らは安全地帯でこのような発言を朝日新聞の昨今を嘆かわしく思う読者の溜飲を下げるわけでございます。私は同様に、寺島実郎氏三井物産戦略研究所長の寺島実郎氏とともに既存の自衛隊という組織以外で災害救助、災害や紛争や戦争の際に良い意味で丸腰で出かけ毛布を配り、水を食糧を配り、医療を行なうサンダーバードのような組織をつくるべきであると、そこに登録するものは良い意味で武器を持たない義勇軍としてですね、それが官僚であれマスコミ人であり、あるいは私のような者であれ、登録をしですね、そしてそれに関して既存の有給とは違う形でそうしたものに貢献するものの休みを認めるというような制度を設けてこそはじめてこれは赤十字ではない形骸化しがちな赤十字ではない青十字ではなかろうかと申し上げているところでございます。このように西部邁氏と私がほぼ同じことを述べるということは、まさに真の保守主義というものが日本の中で今私は問われているのではないかと思います。やはり、いわゆる護憲派と呼ばれた方々ですが、お題目に過ぎなかった部分もございます。しかしながら、日本の保守主義もまた実はお題目に過ぎないアメリカという傘の下におけるモラトリアムだったのではないかという気がいたしております。私はアメリカを殊更に敵対視するものではございません。日米安保という、あるいはそうした同盟関係というものもこれは日本共産党においてもこれを即座に破棄するというお立場には無いわけでございまして、まさに、真の友人として私たちは述べるべきことを、そして国連中心主義とこれは小沢一郎氏も常に申しておりますが、お題目でない国連中心主義にすることこそが日本に求められているわけでございます。

 つぎに、国民保護法についてお尋ねいたします。
 自民党は今国会に「国民保護法」など有事関連7法案を提案することを決め、連立を組む公明党も了承をされました。
 有事法制は、アメリカによる海外での先制攻撃の戦争に自衛隊が武力行使をもって参戦し、国民を強制動員する戦争国家をつくる目的にしています。7法案のひとつ「国民保護法案」は、有事の際に「国民保護」をうたっていますが、国民生活を統制することをめざしています。「武力攻撃予測事態」に加えて、大規模テロなどの危険がある場合にも発動する内容ともなっています。自治体やJRなど「指定公共機関」には協力が義務付けられ、一般国民も、物資の保管や土地・家屋の収用、道路の通行禁止、特定区域への立ち入り制限など、罰則付きで強制されるもので、戦前の国家総動員法を思わせる、憲法にも抵触する内容です。
 国民も望んでいるものではありません。地方自治体をもうむを言わせずに戦争に協力をおしつける、このような法案の提案はとりやめるべきと思いますが知事の見解をお尋ねをいたします。

      【答弁 田中知事】
       国民保護法制の部分に関してでございます。これは国会での審議というものが行なわれていくところではございます。しかしながら、真の意味での国民保護法制と、国民保護という観点に果たしてなっているのかという点は多くの疑念があるのではないかと思っております。この点はかつて申し上げましたように、仮に上陸攻撃型というようなことが起きた時に自衛隊もその他の公的な権力もですね、その場所に向かうということで、その間の逃げ惑う人々をどう救出しどう保護するのかという観点が欠落しているということは先に議場でも申し上げたところで、こうした点が抜本的に直っているというふうには私はまだ言えないとこのように思っております。真の意味で県民益を創出するのが長野県でございまして、そういう観点で私もさらに研究をしたいと思っております。

 つぎに、憲法問題について自民党などは、今の日本国憲法はアメリカに押し付けられた憲法である。自前の憲法、いわゆる自主憲法制定を根拠に憲法改正を打ち出しております。
 しかし、その自民党や公明党の与党のやっていることは、アメリカのイラク攻撃に諸手を上げ賛成し、アメリカの求めに応じて自衛隊をイラクに派兵するなど世界のどの国よりもアメリカの言いなりの対応に、世界とアジアの国から厳しい批判が寄せられているのは当然であります。
 2000年10月にアーミテージ現米国国務副長官が中心になって作成した対日報告書では「日本の憲法が集団的自衛権を禁じていることが、日米両国の同盟協力を制約している」と憲法を変えるを求めたことが明らかになりました。自民党や財界がこれを受け、相次ぐ海外派兵の立法の強行と改憲論の起爆剤となっていることは明らかであります。アメリカから押し付けられた憲法と言いながらアメリカに言われて憲法改正であることが明らかです。 
 日本国憲法は、2000万人にも及ぶ人々の犠牲を生み出したあの痛ましい戦争を反省して、再びあの悲惨な戦争を繰り返してはならないとの反省の上に、第九条では、いかなる国際紛争も武力を持って解決することを永久に放棄することを全世界に誓ったものであります。
 この憲法が戦後60年間世界のどこの国へも軍隊を送らず、他国の人々を一人も殺す事も無く、世界の信頼を勝ち取ってきた最大の保障であったことは間違いありません。しかし今回の自衛隊の派兵によりアジア諸国からは「自分の国の憲法を自ら覆してしまう国は信頼できないばかりか恐ろしさを感じる」こういうのはまさに日本への警告ではないでしょうか。この憲法を厳格に守ることこそ世界の信頼と平和を守ることになります。
 一方の野党の民主党も「論憲」から「創憲」へと憲法の改悪へと重大な一歩を踏み出しました。自民党が2005年までに憲法改定案をまとめると言えば、民主党も2006年までに改憲案をまとめると改憲に向けて各党が競い合っています。その論調の基本には日米関係の強化、国際貢献がうたわれており、九条の改悪による自衛隊の公然とした海外派兵が焦点になっていることは明らかです。
 日本国憲法は単に9条だけでなく、憲法全体が国民の暮らしにとって極めて重要です。第25条では、生存権と国の社会的使命が規定され、その1項では、「全ての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」とあります。2項では、「国は全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなくてはならない」とうたわれています。
 しかし、自民党と公明党の連立内閣による医療、年金税制の改悪は国民生活を深刻な事態に陥れています。自殺者はなんと年間3万人にものぼるわけであります。国民が自ら命を絶たなければならないというこの深刻な事態を放置するわけにはまいりません。全ての国民に健康で文化的な生活を営む権利を保障している憲法の蹂躙(じゅうりん)ではないでしょうか。
 昨今の地方自治体にたいする、財源保障もなく一方的な交付税や国庫補助負担金の削減の三位一体改革は、憲法25条の乱暴な蹂躙ではないでしょうか。
 第26条では義務教育はこれを無償とすると明記されているにもかかわらず、父母の負担は増え続けています。
 第27条では全ての国民は勤労の権利を有し、義務を負うとありますが、失業者は増え続け、リストラは放置され働くものは無権利状態にさらされています。
 今求められているのは、憲法の改悪ではなく、政治や社会の実態を憲法に近づけること、憲法を守ることこそ日本の平和も国民の暮らしも守られるのではないでしょうか。知事は現在の憲法をどのように見ており、長野県政の中でどのように位置付けておるのかお尋ねします。

      【答弁 田中知事】
       憲法の問題でございますが、私は皆様の中では、私は民主党を支援していると思いの方がいらっしゃいます。旧来、日本共産党と社会民主党がお題目としての憲法を守ろうとしているのではないかというようなお話があり、いわゆるいま野党と呼ばれる側に私はどうも国政の中での野党というのに立っているのではないかと言われておりますが、他方で民主党の中にも私に日本共産党か社会民主党に行けなどとテレビでおっしゃるような枝野幸男さんのような方もいらっしゃるわけでございまして、なかなか難しいものでございます。管直人氏と岡田克也氏と枝野幸男氏による今回の憲法の「創憲」だか「改憲」だか「論憲」だかというのは、早い話構造改革の遅々として進まぬ自由民主党の側に、敵に塩をおくっているようなものでございまして、民主党が私は今行なうべきことはまさに真の構造改革、真の景気回復ということをわかりやすく伝えることではないかと思っているわけでございまして、その意味においては横道  や小沢一郎氏のトロイカに期待するところでございます。私はこの憲法というのも寺島実郎氏と同じ立場に立っておりまして、九条のことのみが語られがちでございましけれども、今後日本国の憲法というものを私は実効性のあるものに良い意味で現行の中において活性化してこそですね、望ましいと思っております。ちなみにご存知のように憲法22条におきましては、「何人も居住と移転の自由」というものが保障されているところでございます。



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2.三位一体の財政改革について

 つぎに、三位一体の改革と、県財政についてお尋ねをいたします。
 自由民主党と公明党連立内閣による国と地方の税財政改革・三位一体の改革は、地方への財源移譲を先送りし、地方財政を支える国から地方へまわすべきお金を大幅に削減して全国の地方自治体を一気に財政難に陥れています。
 長野県政においても、今回の県の当初予算案を編成するにあたり、国の予算編成の影響が現れた問題について知事に質問します。先に述べたイラク戦争への負担も国の財政に重くのしかかっています。イラク特別措置法に基づく支出として135億円が04年度政府予算案に計上されていますが、03年度予備費での自衛隊派兵経費268億円が組まれたように、今後も予備費支出や、また補正で増え続ける危惧を抱くものです。また、復興支援費は03年度補正で1,188億円を手立てし、04年度では政府開発援助(ODA)として緊急無償援助費に317億円を計上しています。
 この他に、アメリカ政府に50億ドルを超える有償・無償援助と数十億ドルの債権放棄を約束したともいわれています。イラク戦争がいつまでつづくかわかりません。このような戦費支出を出し続けるならば更に深刻な財政危機を生み出し、そのしわ寄せが地方に押し付けられることは明らかです。こうした問題を知事はどのように対処されようとしているかお尋ねします。

      【答弁 田中知事】
       続きまして、イラク支援の戦費支出が地方財政にしわ寄せされているのではないかということでございますが、これはイラク支援と限られた形ではなくて良い意味で実効性のあるODAというものに転換しなくてはいけないということを言っているわけでございまして、先般も中国にも行きましたときのお話をいくらか致したかと思います。まさにその日本のお金によって道路とですね、立派なビルが林立いたしますが、一人ひとりの市民の生活は高速からわずか1キロ程度行ったところで大変にまだ劣悪でございます。その中国の方が全員自動車を持ち、全員がクーラーをご利用になったとしたときの地球環境というものはあるかもしれません。他方で私たちはそれを享受しているわけでございます。こうしたむしろ日本のODAというものが国内においては公共事業をやることでそれがいわゆる紐つきと呼ばれて様々な天下りであったり、様々な集票になったりとしておりましたが、良い意味で日本がアジアのとりわけ、ユーラシアバルカンという同じDNAを持っている方から尊敬に値するようなODAに変えないといけないと思っております。その点は中国も台湾も例えばアメリカがボーイング社の飛行機をいっぱい買えと言ってきたときに、逆にヨーロッパのエアバスを買うということによってですね、それは様々プラスマイナスありますが、自分たちの民主化や自分たちのネーションステイトとしての保持ということに使うわけでして、このあたりが大きな問題です。イラクに関して言えばあの髭を生やした自衛官の方が学校に行かれたときに学校の校舎が壊れていると黒板がないと、鉛筆がないと、いうようなそういうことを望んでいるというふうに地元の方から訴えられたかと思います。それに対して、そのことは伝えて準備をするといいましたが、まさにホスピタリティということを言っている私たちの職員にいっているのは、最初の3秒というのが大事でございまして、おそらくこうしたことは充分わかりきっていたことでございまして、学校を初めて訪れる時に黒板を1個持っていくと。ノートを1個持っていく。ノートを1000冊持っていくということが市民レベルにおいて、自衛隊の派兵が私は良いと言っている訳ではございませんが、少なくてもそれが尊敬される日本になっていくことでございまして、こうした観点がやはり外務省等にないとうところが大変に背広組の残念なところでございます。それが1ヵ月後、2ヵ月後になってノートや鉛筆がきたのではですね、日本が雇用を招いてくれると期待していた方々は日本の敵になってしまうわけでございまして、こうしたことがまさに私どもお金を使ってできる、日本を信頼して貰える草の根ではなかろうかと思っております。

       

 次に、知事の議案説明でも触れたように、自由民主党、公明党の連立政権である小泉純一郎内閣による「三位一体」改革ならぬ、「財界、アメリカ、小泉内閣」三位一体となって国民生活破壊の政治を推し進めている。今回の「半ば闇討ち的に地方交付税と臨時財政対策債を大幅に削減したことは、迷走する国の財政再建の責任を地方へと一方的に転嫁するもの」と知事は言われたように、国民への犠牲転嫁以外の何者でもありません。そして、このことによる多額の財源不足は、「全国の地方公共団体が等しく直面している」どこも同じ痛みが与えられています。朝日新聞が2月12日に「予算足りぬ自治体悲鳴」との記事によれば、お隣の新潟県が850億円。北海道が1730億円。あの元竹下総理の地元で自民党の有力者青木氏のいる島根県でさえ600億円もの財源不足になったことを報道しています。これらの県は公共事業の優等生とも言われた県です。
 平山新潟県知事は、「いきなり12月に収支不足が倍になるやり方はむちゃくちゃ。参院選挙の争点として問題提起したい。」読売新聞が2月7日に報道。と怒りを隠しません。ここでお聞きしますが、長野県が370億円の財源不足と発表した時に、一部の県議会のなかからも、またマスコミからも、国の「情報収集の遅れ」というような意見や、田中知事への制裁ではないかなどというご意見も多く聞かれました。この県の対応に問題があったような主張がありました。早く情報がわかれば、財源不足をすこしでも少なくできたのでしょうか。出納長にお尋ねをいたします。
 県はこの間、「財政改革」推進プログラムによる努力で、670億円の不足を招く事態を、300億円少なくできた点は大変評価ができるものです。
 今後とも、不要不急の事業の見直しと限られた予算を県民益にかなう事業に重点化してすすめることを期待するものです。私たち共産党県議団は、2月16日に知事に対し、「県として国に抗議の意思表示をするよう」求めましたが、今回の地方交付税等の削減の見解と抗議をどのように行われるのか伺います。
 さらに今回の国のやり方によって、県民に少なからず痛みをもたらします。自民党・公明党政権のやり方があまりにもひどい、県民にその実態をもっともっと明らかにすると同時に全国の知事に呼びかけ改めさせるべきではないでしょうか。
 国は教育、福祉に関わる国庫補助負担金を削減あるいは廃止してきました。
 教育では義務教育費、国庫負担金の廃止に加え、先日、南信地方の共産党地方議員の方々と県教育委員会と懇談をもちましたが、そこでは、新年度に耐震補強の対策を講じるため、小学校の校舎改築を予定していたところ、突然、文部科学省が四割程度しか予算がだせないといってきたため、現地では大混乱し、「児童の安全も守れない」との声があがっています。
 また、公立保育所への運営費補助も廃止され一般財源化という言葉で語られていますが、基準財政需要額に算定されているからといって交付税が増えてくるわけではありません。補助金の廃止により、公共サービスの質の低下、つまり、民営化が加速されることによって、自治体は「安価な」保育サービスを用いることになり、公的責任を放棄するおそれがあります。 
 今のままの「三位一体」の改革が進んでいけば、全国のほとんどの地域で自治体サービスが削減されることが予測されています。このような国の悪政のもとでストレートに県民や市町村にしわよせがおこらないよう、県としてどのように努力されるのかおたずねします。

      【答弁 田中知事】
       交付税等の件に関しましてはもう中部圏知事会で国に対して署名を出しております。また、長野県地方6団体においては小林実議長とともに副知事の阿部守一も総務次官、財務省の地方財政担当の主計官にお目にかかって発言をいたしております。この問題にかんしましては昨日も是非小泉純一郎内閣の与党であられる自由民主党と公明党の議員の方もおそらく今回の急激な交付税の削減を良しとはなさってらっしゃらないでしょうから、私は呉越同舟で具体的スケジュールを組んでですね、政権与党また、自由民主党、公明党の方々に地方の実情というものを訴えたく思います。これは昨日議場でもお願い申し上げたところで、具体的スケジュールを可及的速やかに組んでいただけるかと思いますし、また別途、自由民主党、公明党の方にはお願いに上がりますので 快くご同意をいただけることを議場で改めてお願いするところでございます。その際にはまさに私どもの実情というものを余すところなくお伝えいたしたいと思っております。是非両党に所属なさっていらっしゃらない方もご一緒に伺えればと思っております。
       福祉・教育・保育所運営というところでございますが、これはまさに一般財源をきちんと確保できるようなですね真の三位一体という言葉も手垢がついてしまいました。そうした形をそうした場においてもきちんと働きかけてまいりたいというふうに思っております。福祉に関しましても現在の与党が新たにつける福祉の予算というのは少しく首を傾げる地域振興券的な発想がございますのでこの点に関しましてもお話できればとも思っております。


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3. 職員の寒冷地手当削減について

 つぎに、県職員の寒冷地手当ての削減についてお尋ねをいたします。
 小泉内閣の地方交付税と臨時財政対策債の削減により、県の歳入不足が370億円に上るとして、歳出削減のために職員の寒冷地手当てを削減し24億円の財源を求めるとした条例の改正案が提出されました。この間日本共産党県議団は、田中知事にまず職員の寒冷地手当の削減ありきではなく、県政改革の最大のパートナーである職員ともっと話しあって、更なる無駄な事業の見直しと、効率的な予算の執行をつとめ、協力しあって県政の改革と財政再建の課題に全力を挙げて取り組むことを求めてまいりました。
 寒冷地手当の問題は、労使交渉の原則にもとづいて、事前に寒冷地手当ての削減を議題とすることを確認しあった上で労使が話し合いで解決すべきです。話し合いもはじまらない。交渉も合意もないままに一方的な条例の提案には中身の賛否はともかくとして賛成するものではありません。しかもその後の知事の見解、組合の見解などをお聞きしますと今後労使の交渉が再会できる可能性は大きく存在していることも明らかです。
 交渉の再開がなぜ出来なかったかその真相は私にはうかがい知れませんが。もしこのまま交渉も再開されず、労使の合意の無いままに議会にその賛否を問うとしたら。知事にとっても組合にとっても労使交渉を否定することになり。今後職員の労働条件が労使の話しあいではなく議会の議決で決定されると言う深刻な事態を生み出すものであります。労働組合の否定にもつながりかねません。
 知事においては組合と引き続き交渉を行う努力を求めるものでありますが、日本共産党としては、こうした立場からこの条例の取り下げを求めるものです。引き続き労使交渉を行い、合意を勝ち取る努力をすべきと思いますが知事の所見をおたずねします。

      【答弁 田中知事】
       職員の寒冷地手当の削減についてでございますが、まさにこの点私は日本共産党とも是々非々なわけでございます。この問題に関しましては、地公労共闘会議の中島武議長にもずっとお願いをしてまいりました。文書でもお伝えをしてきておりますが、残念ながらですね、そうした話し合いの場というものを設けていただけない形になってきております。この点に関して6項目をですね議会の方々にご議論をいただくとうこともお伝えいたしてきております。地方公務員法においてはですね、組合側といわゆる執行部側、雇用者側がですね合意をしなければ議会に上程できないというようなくだりがあるわけではございません。あるいはこれに類したくだりも一切ないわけでございまして、私たちは今後も真摯な思いで話し合いを続けさせていただきたいということは文章においても口頭においてもお伝えをしているところでございます。従いまして、私たちは話し合いを続けると同時に議会においてもこの寒冷地手当の問題というものは県内の事業所で寒冷地手当を支給しているというところは3割に満たないわけでございます。こうした点もご勘案いただきご議論をいただければというふうに思っております。

 つぎに政務調査費についてお尋ねいたします。
 来年度予算に議会政務調査費が4ヶ月のみ予算化されているがこの真意についてお尋ねします。
 外部監査の中間報告では、一部会派の支出に不当な支出があった事と、領収書などの証拠書類の提出に協力を得られず監査が十分出来なかったとの報告が出されております。日本共産党は政務調査費の全面公開を求めてまいりました。しかし残念ながら、議会の同意を得られず議会としての公開は長年実現できませんでした。我が党は県民が納めた税金の支出を県民に公表することは最低限の責務として、党単独で2001年から支出の内訳を1円に至るまで領収書をつけて、党議員団のホームページで公開しています。
 政務調査費とは、議員にとって県政のチェックと同時に政策提言に必要不可欠な財政的裏づけです。浅川ダムの建設が地質的に見ても極めて危険性を明らかに出来たのも政務調査費で我が党が独自に地質調査を専門家に依頼するなかで調査を行った結果、地すべり箇所を発見し、指摘し、県当局もこの事実を認めて地すべり対策を講じたことも明らかであります。県議会のチェックの重要性を明らかにした事例です。また、私が質問した駒沢ダムの流域面積の調査も政務調査費で測量業者に委託して明らかにしたものです。30人学級の問題でも、すでに実施している先進県の行政を視察、その具体的成果を示し実現を求めてまいりました。
 このように、政務調査とは県政のチェックのみならず政策の提言にも不可欠であります。その財政的裏付けが調査費であります。包括外部監査人が中間報告で指摘したコンパニオンを呼んでの宴会等は言語道断。こうした行為とまじめな政務調査を同列に置くことは断じて認めることは出来ません。こうしたことは監査人に指摘されるまでも無く議員自ら調査して不当な支出は全面的に明らかにし直ちに返還すべきであります。我々は、議会としても自浄能力をおおいに発揮すべきものと提案もしているところです。
 しかし来年度の予算案は政務調査費を4か月分しか計上しないと言うことであります。これでは一部の不正があれば全て否定すると言うことになり、県政のチェックや政策提言を拒否するものになりかねないと心配するものです。必要な事務局職員の人件費の保障もできません。知事の真意をおたずねします。

      【答弁 田中知事】
       政務調査費に関してでございます。
       政務調査費に関しましては、現在、包括外部監査人により監査が実施されているわけでございます。近く最終的なご報告をいただけるものと思いますが、こうした中においては報道等で伝えられておりますように、不適切というふうに多くの県民が認識するところの支出もあろうかと思います。こうした点におきましてですね、政務調査費に関しては議会の側が自律的にそのあり方というものもお考えいただけるというふうにも伺っておりますし、その点からも監査報告が提出され事実関係明らかになり、また、政務調査費の新たな使途というものに関して議会の側からも方針といいますか、決意の程がお示めしになられるということが必要かと思いまして、4ヶ月分の計上の予算を提出しております。なおこの点に関しましてはすでにお話をしておりますように4ヶ月分という形は皆様の政務調査に、次に6月の議会の議会もございますし、何ら支障があるという形ではございませんで、皆様の議会の調査というものが滞りなくできるということをおもんぱかったうえでのご提案でございます。


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4. 「産業活性化・雇用創出プラン」について

 つぎに雇用確保について、県の産業活性化・雇用創出プランの進捗状況と課題、今後の見通しと雇用効果や経済波及効果をどのように見ているのか、丸山産業活性化・雇用創出推進局長にお伺いします。
 県内の毎月勤労統計地方調査によれば、昨年12月の従業員5人以上の事業所で労働者数は64万6,000人余となっています。これは「雇用プラン」が始まった昨年4月に比べて実数で1万900人余、率にすれば1.7%の減となります。依然として雇用情勢は厳しい状態が続いていることを示されています。
 全国的な傾向としては、大企業によるリストラ競争と海外移転に伴う産業の空洞化の促進、それを応援する政治のもとで、雇用をめぐる状況はかつてなく深刻であり、長野県も例外ではありません。
 失業者が戦後最悪になっただけでなく、国民の所得が急激に減り始めています。大企業は競い合って、ベテランの正規雇用労働者を減らし、青年労働者をパート、アルバイト、派遣・契約社員などの不安定雇用におきかえることは、企業のノウハウや技能の継承が断ち切られ、物づくりばかりでなく様々な産業の未来を危うくするものです。
 そのようななかにあって、長野県では「産業活性化・雇用創出プラン」のスタート年度となった2003年度当初予算案において、常勤的雇用を約4,500人(その後、4,510人)、短期的雇用を約31万7400人日の雇用創出を見込んだわけですが、1年を経過するなかで、常勤雇用の創出については先ほど答弁されたように4,286人で、目標に対し95%となると見込まれるようです。
 内容的には、小学校の30人規模学級導入による教員の増員等の直接雇用が500人余、補助金による社会福祉施設等の設置での間接的雇用が1,420人等、県が関連する部分は、おおむね計画通りになりそうですが、それぞれの分野の達成状況についての見込みはどうなるのでしょうか。
 雇用が確保されることは、一人の生活が保障されるだけでなく、消費活動も旺盛になり、地域経済も活発になっていきます。雇用の7割を支えている中小企業の経営基盤に踏み込んだ支援を拡大することなどが急がれると思いますが、一年間取り組んだ上での課題と今後の見通しをどのように考えているのでしょうか。

  次に新年度当初予算案における「雇用創出プラン」の分野別予算額や、雇用創出の目標、消費活動への経済波及効果をどう見ているのかお伺いします。


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5. 建設業の構造転換について

 次に建設業の構造転換の促進について土木部長にお尋ねをいたします。
 県は建設業の構造改革支援の一環として、先進的な取組みを行う建設企業の事例集をまとめ、県のホームページで公開をいたしました。県内建設業の構造転換の進捗状況をどう見ているのでしょうか。特徴的な動向と、課題や改善点についての見解をお尋ねいたします。
 長野県ではこの間、建設業の構造改革をすすめてきましたが、例えば木曽の上松町の企業の経験によりますと、老人デイサービスセンターの福祉分野に進出したことによって、サービスを利用してくれる老人やその世帯との新たな関係ができ、住宅改造とか、リフォームへの要望がつかめるようになって、副次的な建設需要が見出せたとの声を聞いています。
 今後とも公共事業は減少することが確実ななかで、今までと違った視点をもって建設業の構造改革を促進する上で、当初予算でどのような促進策を盛られたのかお伺いします。


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6. 県産材の利用拡大について

 つぎに県産材の利用拡大についてお尋ねいたします。
 稲荷山養護学校の木造化や、木の香る学校推進事業による小・中学校、養護学校、幼稚園・保育所などで県産材の机や椅子の導入、木造・木質化の促進、木質ガードレール導入など、様々な施策が進められていることはおおいに評価できるものであります。更にこの不況の中で地域の活性化を図るうえで住宅の建設は様々な業種に仕事が回ります。
 しかし現在の住宅建設の主流は大手建設メーカーのプレハブ建築が占めております。地域の建築産業は衰退の一途をたどっております。建具組合の皆さんとの懇談会の席でもこの長野県の素晴らしい環境の中で県産材の住宅の促進を希望しているお客さんが沢山いるが、割高のために見送るケースが多く、支援策が強く望まれています。県としての施策についてお尋ねをし、第1回目の質問を終わります。


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7.(再質問)治水対策について

 それでは2回目の質問に入ります。先ほどいろいろご答弁いただきましたが、実は、職員の寒冷地手当の問題で、知事は共産党とは是々非々で対応されると、私ども是々非々でやっているわけですが、みんな是々非々と言っていながら何が是なのか非なのか迷うことが多いわけです。私は今回の寒冷地手当の問題では本当に話し合いをするということを是非やってほしいと、労使交渉をきちっとやってほしいと、知事も組合の側に謝罪をして話し合いを是非やって欲しいと申し入れたと聞いております。また、組合も意が伝わらなくって申し訳なかったと謝罪して交渉を始めようとした。こういうふうに聞いております。こういう中で私は話し合いを再開することは決して可能性が無いということではないと思います。是々非々の立場ではなく、成せばなるという立場でから、是非交渉の再開をしていただきたいというふうに思います。
 政務調査費については、知事はこの間、当初予算主義を強調し、我々も大変いいことだと、しかしこの問題については当初予算主義からちょっと逸脱をしたのではないかと、いうことを申し上げておきたいと思います。

 続いて、河川整備計画とダム中止後の流域の安全対策についてお伺いいたします。
 この間、新しい時代にふさわしい公共事業のあり方をめぐって、多くの事業が見直されてきました。公共事業は始めたらとまらないと言われ続けた時代から、日本共産党は、浅川ダムや下諏訪ダム、蓼科ダムなどに一貫して反対してきました。
 十数年来にわたるダム反対運動にこめられた県民の思いや、田中知事の「脱ダム宣言」、その後の治水・利水ダム等検討委員会や流域ごとの部会での議論、県民上げての議論の中で見直しが行われました。これはまさに長野県からの改革の始まりとして全国からも注目となりました。
 この間ダムの中止に伴う河川整備計画を巡って様々な議論が行われました。我が党は一貫してダムに変わる河川整備計画は時間をかけ、様々な事業と組み合わせ長野モデルとして新しい対策を講じるべきと主張してまいりました。ここで、一言申し上げておきたいのは、われわれは、いわゆる「ダム代替案」という表現については適当ではないと考えています。安全性や費用対効果、治水利水効果へのさまざまな疑問から、住民がダムの選択を望まなかった流域で、ダム建設が中止になったあと、検討しなければならないのはダムに替わる治水対策ということだけにとどまらない、新河川法の精神を生かした総合的な治水対策です。
 単なる「ダム代替案」ではなく、総合的な治水対策に、専門家や住民の英知が結集されるように努力を重ねていくことこそ、今求められているのではないでしょうか。そこでお伺いします。長野県でも、議論が重ねられてきた基本高水についての考え方ですが、ダム建設による河川整備計画では基本高水をどう見るかということがきわめて重要な課題となっています。基本高水は100%クリアしなければならない、基本高水を1トンでも下げれば、住民の命の安全がそれだけ脅かされる、というような議論が延々と繰り返されてきました。しかし、もともと、基本高水は、いくつかの洪水パターンからモデルをとり、引き伸ばしたり、係数をかけたりして算出したものの中から選ばれており、それぞれの河川の100年確率、50年確率の雨が降った場合のひとつの可能性の数値であり、ただひとつしかない答、唯一の答ではありません。
 しかも、すべての重要河川で、この基本高水を100%クリアすることはきわめて難しいものです。現に、国の直轄河川でも、いまだに、算定した基本高水を100%クリアする整備計画はほとんどありません。長野県の管理している一級河川は738河川と言われています。これらの河川改修の進捗状況は基本高水との関係ではどうなっているのか、また、長野県内の国直轄河川の改修状況はどうなっているか土木部長にお尋ねします。何故お尋ねするかといえば、日本共産党県議団は、先日、宮城県に、新月(にいつき)ダム中止後の大川の河川整備計画がどのように作られているのか調査にいってまいりました。また、長野県土木部の聞き取り調査により、ダム中止後、新しく河川整備計画を策定し直したといわれる、全国四流域の河川整備計画の策定状況や、河川整備計画そのものを取り寄せて検討してみました。
 私たちの調査の結果、宮城県でも全国でもダムを中止した河川で、ダム計画で算定した基本高水を100%クリアした新河川整備計画がすでに策定されておる河川は皆無に等しい状況です。それどころか宮城県でも県管理河川の整備計画はわずか35%程度に過ぎないということです。
 ダム計画のあった河川だけが、ダム中止後も、基本高水を即刻クリアする計画をあくまで求められ、ダム計画がないところでは、基本高水は河川改修や河川の治水安全度を高めていく将来的目標と位置づけられていると言う扱いの違いに、私は常々疑問を持っているところであります。
 一昨年私は千曲川等の国直轄河川整備計画について土木部長にお尋ねしました。県管理河川でないので承知していないとの答弁でした。そのときに私が千曲川の工事事務所に問い合わせ調べた内容も報告させていただきました。
 それは次のようなものです。現在の千曲川の長野市内で最も流下能力の低い地点は岩野橋付近であり、この地点の基本高水は7000トンであります。現在の流下能力はわずか2000数百トンであります。河川改修計画は5500トンの目標で現在進められております。残りの1500トンは、今後さまざまな方法で解消を考えていると同時に、当面の対策としてはハザードマップを作成し、水害時のシミュレーションを作成しテレビで放映し、市民に避難対策を徹底していくとの説明でした。宮城県でもハザードマップなどのソフト面を重視しているとの説明でした。千曲川は、現在の計画どおりの改修が完成しても1500トンが解消されません。長野市を流れる最大の河川、千曲川は国土交通省の直轄河川です。千曲川上流ダムが事実上建設中止になりましたが、岩野橋地点の改修計画はなんら変更されていません。この千曲川の増水時に、浅川の上流からの水が流れ込めなくなり、また、千曲川からの逆流で、浅川の水害は繰り返されてきたのではないでしょうか。そのことを考えると、まったく、私は納得ができません。
 伊那谷を流れる天竜川の上流、諏訪湖の釜口水門地点での基本高水は600トンであります。現在天竜川の改修は400トンで河川改修が行なわれております。国の管理する川は基本高水を100%クリアする改修で無くても何ら問題にならないのに、浅川と砥川だけが100パーセントの改修で無ければまかりならないというのは、私にはどうしても理解ができないわけであります。
 こうした疑問をどのように考えておられるのか知事にお尋ねします。千曲川、天竜川などの県のダム計画ともかかわりがある国直轄河川の改修計画や基本高水の位置付けについて地元長野県にどのような説明が国からされたのか、あわせてお尋ねします。 
 また、一昨年の2月議会で私が駒沢ダムの基本高水は算出根拠に重大な誤りがあることを指摘しました。駒沢川の集水面積は4.4平方キロメートルとありその雨量が基本高水として算出され、この流量を100%クリアするためにはダム建設しかないとの説明でした。私たち議員団は現地調査を行った際に、集水地域の中に他の流域が含まれているのではないかということに気づき、正確さを期すために政務調査費で測量会社に調査を依頼して調査をしました。調査の結果、集水面積の約1割、0.4平方キロメートルが本来小野川には流れ込まない地域が含まれていることが明らかになりました。知事に質問をしました。知事は「分水嶺を乗り越えて水が流れるということは南極、北極が全て溶けた場合にこのようなことも地球沈没であろうと思います。一般科学では考えられないことです」と答弁されました。松本市のすすき川に建設が計画されていた大仏ダムが中止となり、その後基本高水が見直され、雨量、流量など最新のデータを使って計算し直した結果、580トンから470トンへと引き下げがされました。なぜ、浅川や砥川は計算のし直しができないのでしょうか。下諏訪ダムの建設予定地流域には基本高水の算定根拠となった百年確率の雨が降ったにもかかわらず、算定しただけの水量にならなかったことも問題になりました。こうしたご都合主義としか言いようのないルール無き基本高水の策定に多くの県民は疑問を感じております。
 駒沢ダムの流域面積の調査の結果はどのようになったのか土木部長にお尋ねします。これは、昨年の質問の時に使ったパネルであります。これは駒沢流域の総面積、私が見て明らかに駒沢川の流域に入らない面積がこういう形で存在をしている。これは政務調査費を有効に使わせていただいて測量会社に調査をさせていただきました。その結果いまどうなっているのか土木部長にお尋ねします。
 同時に、浅川ダムについては、ダム中止後、初めて流量調査を始め、近い将来基本高水は再検証されるとされているわけですから、調査中の現在、ダム計画時の基本高水450トンを根拠にした「枠組み案」の2割にあたる90トンに、ため池や遊水地などの対策を無理やり数字で当てはめようとすることは、いささか拙速さと無理があるように思われます。
 国土交通省も、「合理的な理由があれば基本高水を引き下げることもできる」という見解があります。また、すすき川のような事例もあるわけですから、正確なデータを揃えて、じっくり再検証するべきではないかと思いますが、知事の見解をお尋ねいたします。
 以上、基本高水の考え方について何点かおたずねしましたが、平成9年の新しい河川法の改正を受けて、いま全国で河川整備計画の策定が検討がされています。治水への住民参加やハザード・マップの作成、環境重視や費用対効果など総合的な考え方を盛り込む計画であるために、どこでも時間をかけて検討されており、先ほどお話した千曲川でも、まだ河川整備計画はできていないのです。
 現在、浅川の河川整備計画は、今年の8月に国の認可を受けることを前提に、基本高水の2割にあたる90トンをため池や遊水地などをはじめとする流域対策でクリアできるよう、詰めの検討に入っていると説明されていますが、現在までの検討状況では、果たして8月の認可に間に合うのかどうかが心配されるところです。
 浅川について言えば、「恒常的、永続的」な対策でなければ90トンの勘定に入れることはできないとされる水田への貯留や、有効貯留量が数値化できないとされている森林整備や雨水の各戸貯留をはじめとする都市型水害対策などは日常的におこる浅川の水害に極めて重要な対策であり、流域対策のあれこれのメニューを何とか90トンに当てはめようと言う検討には、かなりの無理があるように思えます。
 なぜ、そんなに急がなければならないのでしょうか。
 ここまで積み上げてきた議論や検討の上に、検証中の基本高水問題もふまえ、新しい河川整備計画は、さらに英知を結集されたものとするように、じっくりと慎重な検討を重ねるべきではないでしょうか。基本高水だけにとらわれない、新しい発想の転換が必要ではないでしょうか。土木部長の見解をお尋ねいたします。
 また、12月県議会で石阪議員の一般質問でも問題提起をさせていただいていただきましたが、全体としての河川整備計画の検討と切り離して、河川改修や浚渫をはじめとする河川管理で具体的な治水対策を一歩一歩高めていくことが、住民の安全を守っていく上でも極めて重要だと思います。
 その立場から、河川整備は、残された2割の改修を現行計画で進めることがより現実的な効果をもたらすものと思いますが、いかがでしょうか。土木部長におたずねします。

      【小市土木部長】
       治水対策について順次お答えいたします。
       最初に県管理している一級河川、河川改修の進捗状況は基本高水との関係でどうなっているのかとのおたずねでございますが、先ほどお話にありましたように県管理河川は全体で738河川、4812.9キロメートルでございます。前延長のうち要改修総延長これは2237.7キロメートルになっておりまして、このうち改修済み延長は804.9キロメートル、整備率は36%の状況でございます。基本高水が設定されている河川の進捗状況でございますが、この県管理する738河川のうち基本高水流量が設定されている河川は527河川ございます。このうち改修が完了した河川は87河川となってございます。 
       つぎに、県内の国の直轄河川の改修状況はどうなっているのかというおたずねでございますが、県内の千曲川河川事務所および、天竜川上流河川事務所から得た情報でございますが、信濃川・天竜川水系の長野県内における直轄管理区間全体での改修状況でございますが、直轄管理区間の管理延長が全体で265キロメートルございます。このうち堤防必要区間が、左右併せての延長でございますが、約360キロメートルでございます。平成15年3月末現在で現在の計画での完成堤防延長は195キロメートルでありまして、これは全体の54%にあたります。
       つぎに駒沢川の駒沢ダムの流域面積の調査についてでございますが、駒沢川下流および隣接する高橋川の下流、この2ヶ所に流量観測所を設置をいたしておりまして、おおむね5年間流量観測を実施して検証を行うという方針を立てたところでございます。設置につきましては平成15年の9月補正で予算化していただきまして、設置をいたし、観測業務を開始したところでございまして、現在データの蓄積を進めているところでございます。
       それから、基本高水についての考え方ということでございますが、基本高水につきましては河川砂防技術基準に示されています最低の基準に基づきまして決定をしてきているとこでございますが、ご案内のように河川ごとにランクをつけまして、県の管理する規模の河川におきましてはCDEと言う3つのランクがございますが、それぞれの河川のランク、一番上のC級というのは都市部、一番人口が集中しているようなところを流れる河川がC級となっておりますが、それぞれランクに応じて一つの高水の規模というものが決定いたします。高水の出し方につきましては、一般的に雨量データを基に算定をするわけでございますが、本来ですと雨量データと流域の実際の河川の流出流量データというのが両方あって、それで雨と流量の相関関係というものを基に一つの確立で一つの流量を出すわけでございますが、   実際にそれぞれの河川で流量観測というのはあまり行なわれておりません。例えば発電所があるとか、いろいろ農業施設で流量観測があるという特殊なところにですね、流量観測がある実態でございまして、今まで流量データというのは少ない状況にございますが、そういう河川の状況によって違いますけれども、基本的には雨量データを基にして確率的に処理をいたしまして基本高水というのを出します。ルールなき基本高水というお話ございましたが、砂防基準に基づいたルールに従って算定いたしますが、とはいえ確率の世界でございますし、自然現象の世界でございます。それが絶対ということはないわけでございますが、少なくてもそういうことによって決めまして河川改修を進めなければ、ある値がなければ基本高水ないわけでございますのでそういうことから決めてはございますが、一旦基準によって基本高水を各河川ごとに決めております。基本高水におきましてはその後、雨のデータが追加されたとか、または周辺の状況よって例えば確率を100から50に落としてもいいとか、50から100に上げるとかいろんな要素によって合理的な理由があれば上げたり下げたりはできるとこういうことになってございます。
       浅川につきましては、雨量観測データを更に付加をして検証していくことにしております。他の河川でもそうでございます。先ほどお話にありましたようなすすき川につきましては奈良井川水系全体の確立雨量出しましたが、48年というそれ以前の非常に古いデータ出してきた経過で580トンという量を拾ったわけでして、その後のデータを付加して見直しをしたところ先ほどお話にあったような結果になったということでございます。これは経過によりまして上がるか下がるか検証のかかわりでございますけれども、できるだけ雨量データがあるにこしたことはないわけでございますが、既存のデータの中で基本高水を決めることにしてあります。
       新しい河川整備の中で総合治水という考え方ございますが、いわゆる各戸貯留であるとか、森林であるとかこれは100年とか50年というような大きな水が出る対象にするのではなくて、例えば1年に1・2度降る小降雨とかそういうものも対応していくことが大事でありまして、そういう意味では大小併せた洪水に対してできることからやっていくということが望まれるわけでございまして、それが今回の各戸貯留について浅川流域でやろうとしておりますし、いろいろ施策を組み合わせているところでございます。
       浅川の河川改修の考え方でございますが、これにつきましてはすでに代表質問でございまして、知事の方から現行の河川改修を再会するという事に決めたわけでございますので、よろしくお願いをいたします。あと流域対策につきましてはひき続き流域協議会、市町村と連携をとりながらさらに検討を進めるということでございます。以上でございます。


      【答弁 田中知事】
       順を追ってお答えいたします。
       まず最初の治水の対策に関して、本県が管理する、本県に限らず、都道府県管理の中小規模河川では事業の効率上という点から基本高水を100%満足させる計画を立てて実施するのが一般的だったわけでございます。また、河川状況等によっては段階的に対策を行なうなどの暫定的な整備手法をとることもございます。他方で国が管理する大河川と呼ばれるものにおいては安全度の向上を着実に図るという観点から段階的な整備を行なうことが多いということだそうであります。千曲川・天竜川の基本高水および改修計画もですね、これはそれぞれ本来信濃川水系工事実施基本計画、天竜川水系工事実施計画に定められているわけでございます。

 それではお尋ねいたしますが、一つは駒沢川の流域面積問題をお尋ねをいたしましたけれども、流量調査をやっていると思われますが、流域というのはそう何年間もかけなければ調査ができないものではない、分水嶺から分水嶺が流域面積になるわけですから、流れる量を調べて流域面積がでるというものではないと思うんですが、流域面積というのは固定されているものだそういうふうに思うんですがいかがでしょうか。
 ここに信濃毎日新聞があります。ここに、知事のあまり好きな新聞ではないようでありますが、国土交通省はダムを中止するにあたり従来の整備計画に沿って改修することを続けることと矛盾しないというふうな見解を信濃毎日新聞に掲載がされているわけであります。積極的に改修を急いでいただいて、流域住民の安全を確保していただきたい。


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8.(再質問)公共事業について

 つぎに、公共事業のコモンズからの見直しについて。
 まだまだ県の事業の中に無駄な事業を見直し、優先度合を県民の目線で決める基準づくりについて提案します。
 先日、私たちは御代田町の住民の皆さんの要請で、急傾斜地の改良工事現場を調査にいってきました。最初に調査したのは御代田町上尾崎(かみおざき)で実施されている急傾斜地崩壊対策事業でした。総事業費が2億3千万円です。11年度に始まり、今年度で完成の予定です。なぜ、この事業を調査したかというと、必要以上に工事規模が拡大されているのではないかという声です。実際に現地を見ると、ものすごいコンクリートのアンカーが造られ、総延長が155メートル高さは20メートル以上。現地の方の意見では、災害の危険にあったのは一軒なのに、なぜあのように巨大なものにする必要があったのかと疑問の声です。
 次に調査したのは、上尾崎以上に危険な箇所である豊昇(ほうしょう)地区の現場でした。ここは町道の拡幅のために法面を直角に削り取ってしまい、その側面から岩がたえず崩れ、その上にある民家のフェンスの一部が落ち始めている。真下の道路から民家の屋根裏が見えるほどである。ここが崩落すれば日常の生活道路として使用している唯一の道路がふさがれ、陸の孤島となってしまう。町では費用がかかりすぎて手がつけられないと言っています。
 しかし、今も言ったような大変危険な場所ですから早急な対策が求められている場所です。
 3ヵ所目の現地も、数年前に大雨の時に県道に土砂が崩落してきて通行中の、ベンツが押し流された所であります。そのわずか下には豊昇園という、特別養護老人ホームがあり、梅雨時期には大変不安と言うことでした。しかし、ここも恒久的対策は立てられていません。
 4ヵ所目は道陸神(どうりくじん)地区の急傾斜地崩壊対策事業を見てまいりました。この事業の整備目的によれば「斜面は急峻で雨水等による崩壊が発生する危険があるため早急に対策を講じ、民生の安定を図りたい」というものであります。危険があるためと想定していますが、ここは戦時中に横穴が開けられ、物資を保管した横穴が現在もいくつか残っているように、とても硬い地質の所です。
 地元のみなさんも、どうしてあんな所が2億円もの予算をつけるのか、先ほどあげた危険箇所こそ優先すべき整備箇所ではないかと言っておりました。事業中の2ヶ所とも同和事業で優遇されていたことが佐久では有名なTという建設業者が受注をした事業です。県の同和対策事業はなくなりましたが、このような形で同和特権がまだ生きているのかと現地の人々は非常に厳しく見ています。
 はじめから関係住民の意見が反映されていればこのようなことは起こらなかったのではないでしょうか。地域の住民の皆さんはこれでは「コモンズからの改革ではなく。コモンズの切捨てではないか」とのご意見でした。県はぜひ現地にでかけていただき、地域の皆さんの声や事業の効果等について直接受けとめるよう提案するものですがいかがでしょうか。ここに持ってきたのはその時に撮った写真であります。(パネル指して)これは竹やぶを切り拓いて土砂盛りをやった地域であります。これは2億円の事業であります。一方このような危険な箇所を道路が下にあるにも関わらずまったく改良の手が加えられないこういう状況になっているわけであります。

 つぎに事業の計画段階での公表と、住民参加のシステムについてお尋ねをいたします。
 先に質問した事例のように計画の段階で住民の意見や、要求が反映されていないことが無駄な事業の見直しが進まない大きな要因となっていると思います。そこで12月の議会で私が質問しましたが公共事業の計画の公表と住民評価制度の導入について再度お尋ねします。公共事業評価監視委員会の『公共事業のあり方等について』の提言では、事前評価、再評価、事後評価などの事業評価制度の提言がされております。一つ一つの事業の評価として大変画期的な制度として大いに期待しているものです。今回の御代田町の現地調査でも痛感をいたしましたが、公共事業に住民の意見があまりにも反映していないことです。
 地域住民に計画の段階から公表し、住民の意見によって計画が変更される制度があればおきない矛盾です。あの浅川ダムも下諏訪ダムもその他のダムも計画の段階ではほんの一部の人しか知らされず、実施の段階でダムを作るから土地を提供して欲しいとの話し、先日駒ヶ根市と飯島町に計画された国道バイパス計画を一時停止も、沿線農地の利用計画を検討すべきとの県の方針に地権者の皆さんから大変大きな怒りの声が寄せられております。
 その主な内容は作るときも勝手に進め、見直すのも勝手、我々は1000メートルもの長大橋は必要とは思わないが御上が勝手に計画したもので、我々はそれに協力しろといわれて土地を提供し、家を移転せざるを得ず準備している矢先に見直しとはあまりにも勝手なやり方との意見が多数出されているのです。
 実施段階での見直しはこうした矛盾が生まれることはやむを得ません。しかし今後の問題として、田中知事が理念としているコモンズからの改革とはまさに地域の皆さんが自らの地域をどのように作るのか、計画段階で参加することではないでしょうか。
 県が事業をすすめるにあたり、地域別、目的別の事業計画を3ヵ年くらいの実施年度を含め計画を立体的な完成予想図を加えて公表し、住民及び第三者機関での評価を行い、緊急性、必要性から建設の是非、建設の年度を決める制度です。このような制度にすれば住民の意思や意見が反映されるだけでなく、住民にとってもどの事業が何年後に出来るのか予測がつきます。
 陳情や要望を繰り広げるのではなく、自らの意見で計画の変更や、優先順位の変更などができ、計画の段階で無駄な事業のチェックもできるわけであります。また特定の企業や団体などの圧力を排することが出来ます。陳情型から参加と提案型へ、『長野モデル』としての今後の公共事業システム作りを提案させていただき、知事も前向きに検討したいとの答弁をいただいたわけですが、その後どのように検討がされたのか知事にお尋ねします。
 
 つぎに、住民参加の生活密着型の公共事業への転換についてお尋ねいたします。
 私の住む上伊那地方は、数年後に権兵衛峠にトンネルが開通し、木曽谷を通る大型車両が大量に伊那谷に通過するわけであります。この交通対策は緊急の課題として一般質問でも対策を求めてまいりました。とりわけ、国道153号線の辰野町宮所地区は、県下の主要国道の中でもおそらく最も幅員の狭い地域です。とりわけ徳本水と言う名水の出ている箇所は歩道も狭く通学する子供たちが、歩道から車道にはみ出すほど歩道も狭く、道路改良と言うより安全対策の対象ではないかと地域の皆さんの長年の懸案であったところです。しかしこれまでの計画は横川川の一級河川に2つの橋を架けてバイパスを作るという大型事業を計画しておりました。
 しかし最近、伊那建設事務所は「県の財政改革プログラムで、公共事業が削減される中、多額の費用がかかるバイパス案の採択は困難として、より安く採択されやすい現道拡幅で改良を計画変更したい」との説明に、バイパス建設を前提にして天神原開発を進めてきた一部の地権者の皆さんからは難色が示されましたが、地元の住民の多くの皆さんは大変喜んでおり、これこそコモンズからの改革の始まりと私のところに評価を寄せていただいております。
 また、先日高遠町の県道芝平高遠線期成同盟会の総会にお招きをいただき参加をしてまいりました。早期改良の要請を受けたその際県財政のひっぱくにより中々工事が進まない、鋭意努力をするとの苦しい説明を伊那建設事務所はせざるを得ませんでした。
 私も財政逼迫中で県としても県規格の1.5車線道路の導入など、県も様々な工夫をしているとの説明をさせていただき、抜本的改良工事は大いに進めていただきたいが、工事が進まないからといって放置せず、車の待避所を数箇所作るだけでも地域の皆さんの安全は大きく前進する是非待避所を設置して欲しいと、伊藤町長さんからも要請がされました。
 こうした地域の皆さんの財政危機の中での工夫、伊那建設事務所などが工事の見直しを大胆に提起されるなど、まさに県政改革の始まりを感じるものであります。こうした改革の提案に積極的に応えることが、コモンズからの改革の具現化と思いますが知事の所見をおたずねします。
 


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9.(再質問)稲荷山養護学校について

 つぎに、稲荷山養護学校の改築問題についておたずねいたします。
 老朽化した稲荷山養護学校の改築は関係者の長年の悲願でした。吉村県政の下で中期総合計画に盛られましたが、延ばしにのばされ、田中知事になって、知事自ら視察、その劣悪な環境にようやく光が当てられ、今まで中々改善がされなかった設備の改善なども進められるようになりました。
 長野市南部に知的障害者のための養護学校の実現を求める県民世論が高まる中で、肢体不自由児と知的障害児を併せて対応する養護学校として建設計画が具体化したものであります。子供たちも父母の皆さんも互いに胸膨らませていたものであります。
 昨年12月議会で稲荷山養護学校の改築事業に関わる債務負担行為の補正2896万5千円が計上されました。この事業は知的障害、肢体不自由児の養護学校を長野市の南部地域に建設してほしいという切実な父母や関係者の長い間の運動に応えて、18年の4月開校に向け建設をすすめるために出された債務負担でありました。一日も早い建設を願う関係者や県民の願いに応えていくために県議会としても、請願採択や、事業予算承認と積極的に推進を図ってきたものであります。
 更に県産材の木材活用して、ぬくもりのある学校をとの強い要望を受け設計変更などが行われ、このままでは18年4月開校目指すには、一部の構造材を事前に確保が必要となり、債務負担で県が材料を確保するために提案したものでした。
しかし残念なことに18年開校の為に提案された債務負担2896万円を削除する修正案が、日本共産党やトライアルしなの、無所属のみなさんなどが反対しましたが、押し切られて可決されてしまいました。その主な理由として挙げられているのが、実施設計のないままに予算を組むことは認めることができないというものです。
 しかし、この点についても違法性もなく削減の修正には当たりません。又、実施設計のおくれの要因となったRC工法から木造建築への転換は県議会としてもこれまで、林業活性化の視点からも公共事業での県産財使用の積極的な推進を求めてきたところであります。ましてや障害児にこそ木のぬくもりと健康に配慮した学校づくりをという県教育委員会の配慮に対しては、おおいに評価されるべきものです。削減すれば明らかに18年4月開校が不可能となる債務負担行の予算を削減するというやり方こそ県議会の姿勢が問われるものです。
 しかし施設の現況は老朽化が進み、床はウグイス張りといえば素晴らしいひびきですが、実際にはひずみが激しく車イスがスムーズに動けないという、とても障害ある子供たちの学ぶ環境とは言えないものです。子供たちは18年4月開校を待ち望んでいたものです。この子供たちの期待に少しでも応えるために、教室など子供の利用するところを最優先するなど建築工程などを十分再検討され、できるところからでも子供たちの期待に応えられるよう配慮すべきと思いますが教育長の所見を伺います。

      【答弁 略】

 それから、養護学校の問題でありますが、多くのみなさんは開校を待ち望んでいたにもかかわらず、残念ながら18年が延期された  様々な工夫を凝らして子どもたちが  して勉強できる、そういう環境をつくるためにも部分開校でも努力をすべきではないかというふうに思いますので再度その点をお尋ねいたします。


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10.(再質問)廃棄物対策について

 つぎに、産廃問題についておたずねいたします。
 県は阿智村に計画中の産廃処理施設の建設見直しを発表されました。日本共産党議員団は産廃処理に県が直接関与すべきではない。産廃は排出者責任で行うべきであり、県の役割は産廃の減量化への指導と、不法投棄などの監視、業者の指導と優良業者の育成にあることを提言してまいりました。
 一般ゴミも含めゴミ問題の基本はリサイクルなどによる減量化にあり、これまでの大量排出、大量焼却の転換を訴え続けてまいりました。現在、ゴミの処理は大型焼却炉を建設して大量に焼却することが推進されようとしています。松本市の大型焼却炉導入の結果が示しているようにゴミの減量化は後景に押しやられ、環境上からも問題である、プラスチックやビニールなども焼却に回すなど、分別収集に取り組んできた、住民の中から怒りの声が寄せられております。
 しかし現在でも多くの自治体が広域化計画の名のもとに大型焼却炉を計画しており、ゴミの減量化につながる抜本的な施策の転換がもとめられておりますが生活環境部長にお尋ねします。
 先日御代田町の産廃業者、東亜環境の施設を見てまいりました。この業者は産廃の収集運搬の許可を有する業者です。しかしこの業者の一時保管施設を見てまいりましたが、産廃が道路にはみ出し山と詰まれておりました。豊昇地区区民の総意で13年5月に、佐久保健所に業者の指導と改善を求める要望書が提出され、その後何度となく改善を求めています。このような住民運動を受け、保健所は立ち入り調査を行い、過剰保管の是正と適正な管理を指導したとのことですがいっこうに改善されていないと怒りの声が寄せられました。
 現場を見て驚いたことに一般ゴミが大量に放置され、臼田町や佐久市などのゴミ収集袋が散乱している。これでは、県がやるべき廃棄物の減量化促進と、排出者及び処理業者の監督、優良な処理業者の育成を県も市町村も放棄していると言われても仕方がありません。
こうした実態を把握され、指導されているのか、生活環境部長にお尋ねします。


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