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2003年 12月議会
「イラクへの自衛隊派遣中止を求める意見書案」(議第3号)
毛利議員の賛成討論(12/12)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。


イラクへの自衛隊派遣中止を求める意見書賛成討論  毛利栄子

 日本共産党県議団の毛利栄子でございます。
 連日自衛隊のイラク派遣報道が行われるなかで多くの国民・県民は派兵はぜひやめてほしいと祈るような思いでいます。このような皆さんの思いを代弁する決意をこめて議第3号「イラクへの自衛隊派遣中止を求める意見書」案に賛成の立場から意見をのべます。
政府はイラクの状況が悪化し、日に日に泥沼化の様相を深めている中で、自衛隊をイラクに派兵する「基本計画」を決めました。イラクの状況は米英軍当局自身が「全土が戦争状態」と認めざるを得ないほど深刻化の一途をたどっており、テロの標的とされた国連も赤十字も「復興支援の前提が崩れた」としてすでに撤退してしまっています。
11月29日には日本人外交官2人が殺害されるという痛ましい事件もおこっており、米英軍以外の駐留軍もイタリア、スペインなどに多くの犠牲者がでています。
国連決議によらない無法で大義のない米英軍によるイラク戦争とその後の占領支配が続けられているこのような所へ完全武装、重武装した自衛隊をおくることは憲法にも政府与党がよりどころとしているイラク特措法にも違反するものであり、到底認めるわけにはいきません。
 そもそも自衛隊は国民を守るためにあるのであって、戦争と占領支配を続ける米英軍の支援をするためにあるのではありません。加茂市長がいっているように自衛隊員にとってみても著しい契約違反であります。
共同通信社が過日おこなった全国緊急世論調査の内容につきましては、先ほど提案説明の中でもご説明がありましたが、慎重・反対が9割に及び、早期に派遣すべきだは7.5%で圧倒的多数の国民は派遣を望んではおらず、たいへんな不安や心配にさらされています。
 このまま波兵を強行するなら日本の自衛隊が戦後初めて他国の領土で他国民を殺害するという恐ろしい道に日本を引き込むことになり、自衛官のなかから死者をだすという事態に道を開くことになります。
 自衛官を家族や恋人に持つ関係者の心中はいかばかりかと察するにあまりあるものがあります。
 先日も交際相手が自衛隊のイラク派遣要員に選ばれたという札幌の23歳の女性が「どうしたら派遣をやめさせることができるのか」と苦悩の末に署名活動を思いつき、たったひとりで零下2.5度の雪の舞う商店街で「恋人を奪わないで」と手書きした板を首にさげて一生懸命訴えている記事が写真いりで紹介されていましたが、胸の詰まる思いです 。
 イラク問題の道理ある解決の方向は明瞭ではないでしょうか。一日も早く米英軍の占領支配をやめ、国連中心の人道支援にきりかえること、その枠組みのもとでイラク国民に主権を返還し、米英軍を速やかに撤退させることだと思います。日本はそのための自主的な外交努力をするべきであって自衛隊を派遣すべきではありません。
 先日、岩手県議会では県段階ではじめて派遣に反対する意見書を可決いたしま。満蒙開拓団を日本一送り、戦争の悲惨さを他のどの県より肌身に感じている長野県だからこそ、この県民の皆さんの思いにぜひ県議会として率先して応えていこうではありませんか。地方議会も県議会の動向を注目しています。
 議員の皆さんのご賛同を心から訴え、派遣反対の意見書が可決できますことを切に願いながら賛成の討論といたします。


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