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2003年 12月議会 小林議員の一般質問(12/9)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。
略部分に関しては、後ほど追加させていただきます。

  1. イラクへの自衛隊派遣について
  2. 公共事業の見直しについて
  3. 高齢者対策について
  4. 障害者対策について
  5. 森林整備について
  6. 廃棄物対策について
  7. 住民基本台帳ネットワークの検証結果について
  8. (再質問)公共事業問題・森林整備問題
  9. (再質問)知事の政治姿勢と憲法問題について
  10. (再質問)政治献金問題
  11. おわりに


1.イラクへの自衛隊派遣について

 おはようございます。
 質問に入る前に、イラクで悲惨な死を遂げた外務省の奥克彦さん、井ノ上正盛さんのご逝去に、謹んでお悔やみ申し上げ、心よりご冥福をお祈り申し上げるものであります。

 それでは質問に入ります。国民に衝撃与えた外交官の悲惨な死は、改めてイラク情勢が泥沼化し、深刻な事態を生み出していることを示しています。世論調査を見ても、今、国民の圧倒的多数がイラクへの自衛隊の派遣反対を表明しております。しかし、小泉内閣は今日にも自衛隊の派遣を閣議決定しようとしており、断じて許されるものではありません。
 このような事態を招いている原因が、米英軍が行った国際法を無視した、無法な侵略戦争であったことは明白です。子ども達をはじめ罪みも無い多くの人々が今なお犠牲になっており、新たなテロも引き起こされています。イラク問題の道理ある打開の方向は明瞭です。
 一日も早く米英軍主導の占領支配を止め、国連中心の枠組みによる、人道的復興支援に切り替える事。その枠組みのもとでイラク国民にすみやかに主権を返還し、米英軍を撤退させる事。この事こそ道理ある解決の道筋です。世界の平和の願いや日本国憲法を無視した自衛隊の派兵について、知事はどのようか考えておられるのかお尋ねして、第一回目の質問を終わります。


      【答弁 田中知事】
       ご質問にお答えを申し上げます。防衛庁長官の石破茂氏は「自衛隊が出かけるところ、活動するとことがすなわち非戦闘地域となる」という見解を示しています。あるいは、官房長官の福田康夫氏は「東京にいたっていつ交通事故に合うかわからんですから」とおっしゃっているわけですから、これは戦闘地域、非戦闘地域というものがいかなるものかという修学論争以下の哲学、人間が疑われるご発言ではなかろうかと思います。私は昨日が真珠湾の奇襲攻撃といわれている日でございました。3年前私はくしくもこの日に初めて議会のこの場でですね、私の所信表明を述べさせていただき、いるわけでございます。私は、恒に戦争というものは最前線の制服組ではなくですね、安全地帯の背広組が起こすというふうに感じております。
       今回のアメリカの行動というものは、まさに先制攻撃を辞さずと、単独行動を辞さずという形でイラクの戦争が行なわれたわけでございまして、これを認めるということは即ち真珠湾の奇襲攻撃をも認めるということになるわけでございまして、これはまさに国家主権の尊重と他国の内政不干渉ということを1648年のウエストファリア条約以来国際関係の基本原則としてきた300年来のこの世界のあり方というものを根底から覆そうという大変に看過し得ぬ状況だと私は思っております。派兵に賛成か反対か、派兵という言葉を使わず派遣という言葉を使われる方がいますが、これは実質的な派兵でございます。派兵に賛成か反対かという面子論や感情論というもので捉えていてはいつまでたっても日本という国は真の独立国にはなり得ないと思っております。派兵をすれば胸を張れるとか、心が痛むとか、派兵をしないと信用が喪失するとか、逆に派兵をしないと一件落着であると、いうようなこのカギ括弧付きの派兵の是非で留まっております。日本は個人の生活というものは必ずしもまだ充実はいたしておりませんが、少なくても数字上ではアメリカに次ぐ第二の経済大国でございます。まさに日本は良い意味で世界の平和と世界の秩序というものをもたらすために日本のお財布としての役割をむしろ胸を張ってですね、哲学を持った上で行なうべきではなかろうかと思います。リアルコルティックス的に申し上げれば、今回の戦争というものは英国とアメリカが単独で行ったものです。イラクの平和をもたらすためには人的なものはこのアメリカとイギリスが責任を持って人的派遣を行い、しかしながら私どもの日本がなし崩し的に決めた50億ドル、5500億円という巨額の復興支援とカギ括弧で記されているものはその10分の一であっても人道的な食べ物であったり、医療であったりこうしたものをアメリカとイギリスが行うことによって平和的秩序をもたらす、その様な条件のもとにおいて日本がお金を出すということこそが国内においてひも付きの補助金という様々な条件をつけながら海外においては悪い意味でひも付きとしていなかった日本の形を改めるものであると私は思っております。そしてまたアメリカと日本が真の友人であるとするならば、その歩むべき道を見失ったアメリカと共に私たちが山で道に迷った時にはその道の分岐点まで戻るという勇気が必要でございます。ここまで来たからユーターンできないということは、ここまで進んだ公共事業であるからユーターンできないと言うことと私は同じではなかろうかと思います。いずれにいたしましても9・11の前から、これはベトナム戦争の時から戦争というものがもはや国と国の戦いではなく国家という組織とそれが良い悪いの判断はあるにせよ個人という集団が戦う構図になっていたということであります。そして世界で最も軍備力を強化していたアメリカにおいてすら9・11事件のようなまさに個人という集団が戦いを挑んでくるものに対しては結果として無防備であったということであります。まさに日本の選択始まるというものが前回の選挙であったとすれば、日本の戦争が始まると言う状況ではなかろうかと私は大変憂慮をいたしております。
       また、私は今回大変にお亡くなりになった方には痛ましいこととお悔やみを申し上げますが、駐イラク大使という日本の大使が   経て東京常住であるというこの事実、そしてお二人のお亡くなりになった方の遺体の収容が米軍によって行われ、日本の表現者であるマスメディアを含めて、日本の外務省も含めて誰一人としてその現場に伺わず、またその遺体はバクダッドではなくクエートへと運ばれたと、このことこそがまさに戦争状態にイラクが全土あるということであります。小泉純一郎氏は「どうしてこんなことがおこるのか」と、川口順子外務大臣は「あってはならぬことがおきてしまった」とおっしゃいましたがまさにそのような状況がおきるということが戦争状態なわけであります。私はドイツやフランスに見られますようにこれらの国は日本と違って軍隊を保有している国ではございますが、少なくとも    裁判において断罪されたのと同じ行為をアメリカが行っているという、そのアメリカと共に本来の私たちの道を間違えた場所まで戻るということ、そして日本の良い意味でお金を有効に用いて平和的な復興というものを作る、米軍と英軍によってその人海的なことが行われる、さもなければ新たなフランスやドイツと一緒に国連決議というものを行い国連のもとにおいてアメリカ主導ではなく、イラクの平和的復興を行うかそのいずれかをリアトリルティックスとしては選択すべきであろうと考えています。以上です。



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2.公共事業の見直しについて

 次に、公共事業の有り方と、住民参加の事業の見直しについてお尋ねします。ダム建設の見直し、同和事業の見直し、事務事業の見直しなど長年の懸案であった様々な事業の見直しは、画期的な前進を勝ち取っています。
 前県政のもとでは、公共事業の決定プロセスが住民に明らかにされない中で、決定機関と住民の意識との間に大きな乖離がありました。計画された現在進行中の事業においても更なる見直しが求められているのも少なくありません。
 たとえば総額240億円の巨費を投じる予定の、上水内北部広域営農団地農道整備計画事業でありますが、その目的で『農産物の流通の合理化』をうたっておりますが、具体的には、「上水内北部の農産物を中野インターから出荷できるように」というものです。地元の農家の皆さんは「他のインターではいけないのか」「高速料金を払って採算が取れるのか。本当に必要なのか」と首をかしげるものです。計画から11年、着工されて7年、私たちは蟹沢トンネルがいかに無駄な事業か指摘し続けてまいりましたが、開通し四年経過した現在も使用されていません。しかも、地元からは早期の開通をとの声も聞こえてまいりません。残された豊野幹線道路の計画は直ちに凍結すべきと思いますがいかがでしょうか。このような無駄な事業が何故見直しできないのか、事業が何故計画されたのかが問題です。
 ダムの問題を見ても、長野県の管理河川が713河川あるのにダム計画のあったいくつかを除けば、整備の実態や整備計画は県民に公表されていません。
 ある日突然、事業計画が発表され、始まったらとまらないということでは住民の立場に立った事業の評価はできません。
 公共事業評価監視委員会の『公共事業のあり方等について』の提言では、事前評価、再評価、事後評価などの事業評価制度の提言がされております。一つ一つの事業の評価としては大変画期的な制度として大いに期待しているものです。
 さらにきびしく事業をチェックするために、計画作成段階での住民参加と事業評価が出来る制度の確立が必要と考えます。
 県が事業をすすめるにあたり、地域別、目的別の事業計画を三ヵ年くらいの実施年度を含めた計画を立体的な完成予想図を加えて公表し、住民及び第三者機関での評価を行い、緊急性、必要性から建設の是非、建設の年度を決める制度です。
 私がスエーデンの視察に行った際に見た町では、町内に建設されるものは計画の段階で現場に実物大の模型をパイプやテープで示して、目に見える形にして住民の意見を聞き建築許可を出す。このようにして景観を守っているとの説明がされた。平図面だけでは理解の出来ない問題が明確になると、住民からは大変好評とのことでした。
 三重県でも計画公表制度を実施しています。三ヵ年の計画を公表し、ABCのランクをつけてAランクは年度計画、Bランクは次年度計画、Cランクは将来計画を示し公表し、住民の意見を聞き、第三者機関が優先順位や計画変更などを行い、再度公表して住民の意見を聞く、このような制度にすれば住民の意見が反映されるだけでなく、住民にとってはどの事業が何年後に出来るのか予測がつきます。陳情や要望を繰り広げるのではなく、自らの意見で計画の変更や、優先順位の変更などができ、計画の段階で無駄な事業のチェックもできます。また特定の企業や団体などの圧力を排することが出来ます。陳情型から参加と提案型へ、『長野モデル』となる今後の公共事業システム作りに生かしてはいかがか知事にお尋ねします。


      【答弁 農政部長】
       お尋ねの上水内北部の広域農道の件に関しましてお答えいたしたいと思います。上水内北部の広域農道の計画は着工が平成4年で完成予定22年というかたちで進めてきたところでございますけれども、現在、信濃幹線と豊野幹線、両幹線に分かれて進めているわけですが信濃幹線につきましては、16年度までに完了するというかたちで進めています。なお、豊野幹線につきましても、国道18号線との立体交差というのを平面交差といように改めまして16年度に18号線に接続するようなかたちで16年度に完了するようなかたちで進めていきたいというふうに考えております。それから、豊野幹線それ以降のものにつきましては、農業農村整備事業改革ビジョンに沿って地域住民の皆さんと検討しながら対応してまいりたいそう考えております。以上です。
       
      【答弁 田中知事】
       1点目の公共事業の見直し、とりわけ上水内におけます農道に関してのところでございます。今農政部長の鮎沢からもお答えいたしましたが、さらに見直しを行いですね、必要最小限の形でですね事業を終了するということを更に心がけたいとこのように思っております。長野県の公共事業見直しは改めて申し上げるまでも無く、栄村に見られますような「道直し」「田直し」といった形をですね、さらに都道府県でも導入しつつある1.5車線道路というかたち、さらには地元の意欲のある業者の方々を入札においても実績のある方をきちんと優先をするというかたち等を行っています。これらに関して、さらに公共事業改革をですね参事の長尾と共に行って参りたいと思っております。
       事業評価に関しましては、これはすでにご承知おきかと思いますが、長野県公共事業評価監視委員会から具体的な「公共事業のあり方について」という提言を受けているわけでございます。こうした中で企画局の政策評価室において平成15年度から事前評価ということをおこなっております。政策評価室と担当部局の双方で評価シートによりですね、客観評価をするようにしておりまして、この評価結果を予算へと反映させるようにいたしております。また再評価という点では、今申し上げました公共事業再評価 公共事業評価監視委員会また、公共事業再評価委員会において一定期間経過した事業を再評価し事業の内容の見直しを実施をするようにしております。事後評価に関しましても具体的な評価方法を含めて今後早急にあり方を検討いたしたいとこのように思っております。また、地域要望、住民要望いう言葉が従来ございますが、これがまさに自律的なコモンズという長野県の自律的に物事を判断し行動をする住民一人一人の要望に基づいているのか、ともすれば地域要望、住民要望というものが個人に立脚するかたちよりも、従来の流れのなかにおいて組織や団体というものの要望となっていたのではないかという点も今後さらに検討せねばならないと思っております。


3.高齢者対策について

 次に高齢化対策の充実お尋ねします。介護保険の導入の際には「与えられるサービスから選択が出来るサービス」へと国民の大きな期待の中で導入されました。しかし、現状は施設入所待機者は県下で3,884人と保険料を払い続けているのに、入所は選択どころか何年も待機し続けなければならない現状です。
 これでは「介護保険は国家的サギ」と言われてもしかたがありません。長野県の新ゴールドプランの到達と、施設入所待機者の実態、居宅支援サービスの実態はどのようになっているのか。宅幼老所、グループホームの取り組みや運営の実態について社会部長にお尋ねします。

      【答弁 堀内社会部長】
       
      答弁(略)

 次は知事にお聞きします。
 先日、駒ヶ根市にある千寿園の竣工式に参加してまいりました。大変素晴らしい施設に驚きました。建設費21億円、一人当たり1500万円と、これにも驚きました。更にサンハート美和では建設費28億8千万円。ホテルコストの導入で入所者の新たな負担は月額4万5千円にもなります。待機者から入所を辞退しなければならないと深刻な訴えも寄せられています。
 一方、同じ介護保険の施設利用認定者でありながら、何年も待機を余儀なくされている人、民家を改造した宅幼老所で介護を受けている皆さんもおります。
 こうした事態を生み出している原因は、国の財政出動が半減されたことで、復活を強く求めるものですが、目の前で増大している待機者を解消するための対応策が求められています。
 そこで提言したいのは、長野県が全国に先駆けて「入居待機者ゼロ宣言」を行うことです。緊急に対策を求められることですが、待機者ゼロにするにはどんな施設や、どんなサービスがどれだけ必要かまず明らかにし、特別養護老人ホーム(1ケ所21億円)の建設で、待機者ゼロにするにはどのくらいの予算が必要か明らかになります。宅幼老所や在宅支援サービスなら何がどれだけ必要か明らかにしていく。
 栄村では下駄履きヘルパーなどの在宅支援サービスの充実で、現在待機者は四人、宅幼老所一ヶ所で待機者の解消ができます。長野県全体では3,884人、すべての皆さんを特養でと考えれば、100人定員のものが新たに40箇所も必要となります。仮に宅幼老所や在宅支援サービスなどを充実すれば早期に、数分の一の予算で解消が出来ることは間違いありません。県として「待機者ゼロ宣言」を行い立ち向かうべきと思いますが、知事の見解をお尋ねします。
 また、宅幼老所に建設補助がありますが、関係者の願いである運営費補助の創設が出来ないか合わせてお尋ねします。
 

      【答弁 田中知事】
       続きまして、高齢者対策の部分でございます。いま議員がおっしゃられましたように私どもは宅幼老所というものを全国でも先駆けて長野県で充実をさせるということを図っているわけでございます。これは私たちがコモンズというそれぞれの地域というもの、とりわけ駅前の商店街、農山村の集落というなかに、栄村の例を挙げましたが、そのご自分の原風景の中でお年をめした方も宅幼老所等でですね尊厳のある日々を送っていただくと、このことが長野県が今後さらにが目指すところであります。こうしたなかで宅幼老所、グループホームなどを地域福祉の拠点として積極的に支援をするものであります。特別養護老人ホームに関しましてもまさに土地とお金というかたちでできるのでなく、その後の運営の志と、経営者やあるいはスタッフの理念や志というものがとりわけ大事になるわけでございます。社会部では私がコンシェルジュというかたちで福祉施設を社会部の職員、地方事務所の職員が二つ三つ担当するというかたちをしております。必ずしも日々の仕事に忙殺されて、それがまだ成果として反映されるというかたちにはなっていないてん私たちの大きな反省点でございます。実は先ほど公共事業のお話がございました。これは砂防課長の堀内とも常に話しをすることございますが、日本の都市計画法というものがございます。この33条には開発地域には災害危険区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域を含まないという許可基準を設定をするということが開発許可の基準として記されているわけでございます。しかしながら29条の開発行為の許可というところにこの基準は自己用の開発、ご自分の開発、ご自分の私のものでございますねには適用されず、社会福祉施設・医療施設等のための開発行為はこの災害危険区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域の適用除外であるという大変に摩訶不思議な記述がございます。すなわちこれは大変に危険な場所、私も知事になったときにですね老人の施設が宅幼老所のように商店街の中、集落の中ではなく、遠くはなれた田んぼの中、あるいは崖っぷちというような所に建っているのは何ゆえかというふうに思ったわけでございます。これはすなわち地附山の悲惨な例を挙げるまでも無く、逆に危険な場所に老人施設、福祉施設を設けるという、何か大変に嘆かわしき姨捨山の発想でございます。これに対して小渕恵三大臣のときに土砂災害防止法というものができていかにも危ない地域の宅地開発等を法律で規制できないかということで土砂災害防止法が作られたわけでございます。しかしながら災害対策基本法のなかでは土砂災害を警戒すべき区域や措置についてはですね行政対応は市町村で警戒避難に関してもバラバラであるというような形でございます。そして、建築基準法39条のなかでも災害危険区域の指定ということを行なうわけでございます。急傾斜地崩壊危険区域に指定されるとほとんどの場合がそれに対しての対策工事によって安全が税金を投入されて確保されていくため実際に災害危険区域に指定されることは極めて少ないという不思議な形がございます。長野県は新しいケインズ、新しいニューディールということを公共事業に関しても掲げているわけでございます。私たちはむしろこうした場所にお住まいの方々にお移りいただくことによって新しい私たちは公共投資を行なうべきだと思いますし、これらの老人施設というものを私は宅幼老所いうものをとりわけ重点を集落の中で置くということは、大変危険な場所に特別養護老人ホームができるこのようなかたちは残念ながらいくつかの長野県の市においてもですね、私が育ちました市においても厳然とそういうかたちが存在しているわけでございまして、この形を皆様のご意見を聞きながら早急に改めていかねばならないとこのように考えております。いずれにしても新しい視点による分散型、地域密着型の地域福祉の充実ということをおこなう中で待機者ゼロ宣言というかたちを目指して参りたいと思っております。宅幼老所の運営費補助という点でございますが、この点に関しましては現在私どもとしては議論の対象としてはしていないところでございます。


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4.障害者対策について

 次に、長野県の障害者福祉対策は全国から注目を集めております。西駒郷改築に伴う基本構想素素案では「10年間で障害のある方も無い方もあるいは経歴や肩書き、また国籍や障害の別を問わず誰もが人の息吹や温もりというものを感じ、人の姿、顔の見える社会を形づくることを目指すとしております」と述べています。この基本計画を実現するには障害者自律支援室の人的体制強化と、あらゆるニーズに応えられるサービス提供者の育成。総合的な支援センターを圏域ごとに整備することが決定的に重要と思いますがいかがでしょうか。更に県営住宅や民間ではじまったグループホームへの支援の一層の充実が求められているのではないでしょうか。西駒郷の現状は素素案で述べられている目標から見たら、施設は老朽化し八畳間に四人の入所は深刻です。一刻の放置も許されません。直ちに改善が求められております。引き続き施設入所が必要な皆さんも居る中で、全面改築はともかくとして、一定規模の新築をすることが入所者の環境整備の唯一の対策ともなります。西駒郷の地域移行にともない改築をどのように考えておられるのか知事にお尋ねします。

      【答弁 田中知事】
       障害者の対策に関してでございます。ご存知のように長野県は障害者の方々に関しても社会全体で支えあって地域の方々と暮らしていけるようなかたち、個人というものを尊重したサービスが行なわれるべきと考えております。この中で昭和43年の開所以来35年を経過いたしました西駒郷に関しても「西駒郷改築検討委員会」から利用者の地域生活移行の促進と、居住棟の建替え等により4人部屋といった環境の解消という今日住環境の早急な改善について具体的な提言を受けております。当面の間地域移行ということが可及的速やかには難しく、西駒郷に残られる利用者の方々もいらっしゃるわけでございまして、必要最小限の新たな居住棟の建設、既存居住棟の改修というものが必要ではなかろうかと思っております。利用者の地域移行については15年度から19年度の5年間で250人程度を予定をいたしております。西駒郷の改築に関しましては具体的には40人から60人規模の居住棟を1棟を新設、また、既存の居住棟の改修によって4人部屋の早期解消を図るということを考えているところでございます。いずれにいたしましてもこれらの点に関しましてもさらに詰めて、またご報告を申し上げていくところでございます。
       グループホームの促進という点に関しましては、これは先ほどの宅幼老所と同様に地域の中に障害者が暮らすという点から大変大事な観点でございます。総合的な支援体制ということで身体・知的・精神、社会部と衛生部にも分かれておりますし、各障害の相談窓口が別個になっております。長野県は今後こうした障害をお持ちの方々の相談をワンストップで受けとめ支援できるかたち、障害者総合支援センターというかたちを各圏域ごとに整備することが可能であるかどうかというような点を今後検討をするところでございます。


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5.森林整備について

 次に、森林整備の一層の充実についてお尋ねします。田中知事が就任して以来、森林整備に本格的な取り組みが始まったことには高く評価するものです。この間の予算の推移はどのように変化しているのか、同時に一層の拡大を求められておりますが、林務部長にお尋ねします。

      【答弁 鷹野林務部長】
       答弁(略)

 森林の特性から入札制度の改善についてお尋ねします。森林は百年の計と言われます。単年度の事業別の入札制度は山作りには適しません。山作りには長期の情熱が求められます。りんご作りの農家の皆さんも、苗木を植え何年か木作りをする、どんな枝にするのか木作りをするかで収穫が大きく変わります。
 山作りも同じです。地ごしらえから植林はその山の将来を決めるきわめて大切な過程です。下草刈り、つる払いから除伐、枝打ち、間伐などのサイクルがあります。作業道の取り付けも一体のものであります。一定面積を数年間のサイクル単位での入札制度がどうしても必要です。森林業者も成果を見ながら仕事ができる。手抜きが出来ないなどの結果が見えることにより、森林整備に情熱を持って仕事が出来る。何よりも森林整備に情熱を持ち働いている現場の作業に従事している皆さんの声を十分に反映することが森林整備にとって大いに役立つ制度と思いますが入札制度の改善の考えについて知事にお尋ねします。

      【答弁 田中知事】
       森林整備に関してでございます。「森(しん)世紀」森の世紀ニューディール政策の推進のいうかたちを掲げているわけでございまして、従来の信州きこり講座に留まらず、環境と雇用に軸足を置いた新規事業を総合政策パッケージにしたものが「森(しん)世紀ニューディール政策」でございます。また、「長野県ふるさとの森林づくり条例」という仮称としてのものでございますが、これを2月県議会の提出に向けて策定作業を進めております。また、ご存知のように私どもの林務部の予算の約7割は治山事業というかたちで、またその予算の大半は谷止め工というようなかたちでございます。先に直轄事業に関しましても、これはすでに中部森林管理局の側と話し合いをしておりますが、人家も無く、いわゆるそこの通行車両も道路に無いというような地域に何十年という単位で何百億円というお金を投じて
       形成外科や整形外科の領域ではないのではないかということであります。長野県の森林の形ということをこれは直轄に関しましても真の意味での森林整備というかたちに改めていきたいということを中心に管理局または林野庁に強く申し入れをしておりますし、またこの点も具体的に図っていくところです。


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6.廃棄物対策について

 次に、産業廃棄物及び一般廃棄物処理の対策について知事に質問します。ゴミ問題は放置できない緊急課題です。しかし、産業廃棄物処理は排出者の責任で処理すべき課題です。公的機関が請け負うことでは問題解決にはなりえない、多額の税金を投入して安価な処理を行えば優良な業者の育成は出来ず、ゴミの減量化は進みません。行政のやるべき仕事は当面は産廃業者の指導と監督の強化で積極的な支援をすることですが、根本的には産廃の減量化です。
 すでに県下でも、脱産廃宣言の企業もたくさん生まれています。我が党議員団の視察でも社会衛生委員会の視察でも、企業がゴミゼロを目指して様々な取り組みをしておりました。あるハム製造会社では大量に出ていた骨などの廃棄物を堆肥化に成功している。県内の豆腐製造工場では、多量に出ていた「おから」や廃油を産廃として捨てていたが、今は「おから」を使う新しい製品を開発して、捨てるどころか足りなくなってしまったとのことです。さらに廃油は燃料化してリサイクル、大量に出る汚水もガス化してエネルギーに活用し、現在は廃棄物ゼロを実現しています。このように様ざまな工夫と努力を行っていることについて行政が光を当てて一層の促進を図ると同時に、県税の免税措置などで支援することが、行政としてやるべき事ではないでしょうか。
 行政の責任で処理している家庭から出る一般ゴミの減量化も緊急の課題です。
 社会福祉法人たかずやの里は、36人の入所者がいる中で、生ゴミをバイオ式処理機の導入で排出ゼロの成果をあげています。家庭でもこうした処理機などの導入で、排出ゼロの成果を挙げている家庭が増えております。さらにいくつかの学校でも残菜、残飯の処理を自校で行っている学校も増えております。ゴミの減量化について知事の所見を伺いたい。
 また、多くの市町村で大型焼却炉を建設しようとしておりますが、大量消費、大量焼却の時代は見直すことが必要です。廃棄物処理と大型焼却炉建設による広域化計画を見直しする必要があると思いますが、どのように考えておられるか知事にお尋ねします。

      【答弁 田中知事】
       廃棄物の対策の点でございます。廃棄物の排出抑制ということは従来は広報啓発活動というようなかたちを市町村や関係団体を通じて減量化に向けて行なってきたわけでございますが、あわせて産業廃棄物では減量化やリサイクルの計画の策定対象とする大量排出事業者の基準を1000トン以上から500トン以上に引き上げたところであります。また、長野県ゴミ処理広域化計画というものに関しましては平成11年3月にごみ焼却施設の整備計画について広域圏ごとに策定をし県が取りまとめてきております。しかしながら、施設整備が必ずしも広域化計画どうりには進んでいないという状況もございます。この中で広域化計画を実態に即して見直しをしていくことに関しても検討をしております。また、優良事業者の育成ということで本年度に産業廃棄物減量化適正処理実践協定制度というものを創設をいたしましてダイオキシン類排出基準に適合する焼却施設の設置、改修を行なう中小事業者に対する融資制度というものを設けております。また、不法投棄の監視状況に関しましても森林組合連合会、また漁業共同組合連合会と通報基本協定というものを締結をいたし、また不法投棄の夜間や未利用の別荘地などにおいて警備会社に監視パトロールを委託をいたしております。また廃棄物に関しても現行の法による規制や要領等による指導だけでは限界の部分があるわけでございまして、廃棄物に関する新たな県民の目線に立った条例というものの制定に向けて現在議論を内部でいたしているところでございます。以上です。


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7.住民基本台帳ネットワークの検証結果について

続いて、住民基本台帳ネットワークの検証結果を早期に公表するべきではないか知事の所見を伺い第二回目の質問を終わります。

      【答弁 田中知事】
       いわゆる住基ネットの問題に関してでございます。長野県は住基ネットとよばれますものが、その投じられた金額のみならず、一人一人の県民のプライバシー、個人情報の保護という点から大変に大きな懸念を抱きこれらの検証を行ってきているところでございます。今後さらに第三者の客観的な評価を得たうえでですね私どもの調査の内容に関してつまびらかにさせていただきたいとこのように思っております。


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8.(再質問)公共事業問題・森林整備問題

  引き続いて質問をいたしますが、公共事業の関係で蟹沢トンネルが開通し、すでに4年経過をしているわけですが、いまだに利用がされていない。その原因はあまりにも無謀な計画であったのではないか、国道交差点を立体交差にする、今は解消されているわけですが、このような無謀な計画を見直すために私は計画段階に住民の意見を取り入れる制度を創設をしたらいかがか、個々の事業計画ではなくまた具体的な実物大の完成、あらゆる方法を駆使してどういうものができるのかということまで住民に明らかにすれば計画、仕事が始まったときに、多くの地域でこんなものができるのか、こんな無駄がおこなわれるのかこういう意見がたくさんあるわけですから、こういう計画の段階での事前評価、住民参加の制度を取り入れるべきとお尋ねをしているわけですが、知事の所見をもう一度お聞かせいただきたい。
 また、森林整備では、サイクル、一定年数のサイクルの期間こういうものを取り入れた入札制度に改めるべき、そういう制度に改善は図れないかいう質問をしているわけですから、そのへんの見解をお尋ねをいたします。
 更に、西駒郷の改築の問題ではいつごろをめどに改築をしようとしているのか、そのへんについてもう一度お尋ねをいたします。

      【答弁 田中知事】
       答弁(略

 公共事業の入札、計画の問題でありますが、私が言っているのは計画を公表するということです。計画を住民要求でつくるっていうんではなくて、県が作った計画を公表する、そしてその計画そのものを住民に公表して、住民の意見を反映させる制度をきちっと作るべきだということでありますので、そのへんもう一度お願いしたい。それから、森林の入札制度の問題は単年度入札ではなくて、複数年度の入札、こういう制度に切り替えるべきではないかと、もう一度ご答弁をいただきたいと思います。
 

      【答弁 田中知事】
       
      答弁(略)


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9.(再質問)知事の政治姿勢と憲法問題について

 それでは引き続いて、知事の政治姿勢と憲法問題についてお尋ねします。
 知事はこれまでに議会答弁のなかで憲法にふれ、「二十世紀に人類が起こした戦争という数々の悲劇を繰り返してはならない。憲法9条の理念を継承し、安全保障の概念を創造すべき」として、「現行憲法は多くの犠牲を払った第二次世界大戦の反省の上に立って制定されたもの。様々な意味あいにおいて豊かな現代日本の出発点。とりわけ前文及び第9条にかかげられた現行憲法の平和主義に関しては、世界に類のないものであり。世界の平和を維持することにおいて、私は多大な貢献をしているものとして認識をいたしております」さらに、「日本国憲法は日本の制約ではなく、本来世界に広がるべき普遍的な実体性のある理念であると思う」とのべておりました。
 このような知事の憲法観にたいして、私だけでなく多くの県民のみなさんも共感をされたのでしょう。
 ところが、今回の総選挙で民主党はマニフェストで、論憲から創憲が掲げました。憲法9条に手をつけることではないか。これまでの知事の憲法にたいする見解が変わったのではないのかと、多くの県民みなさんが大変心配されているところです。
 これらについて知事の憲法に対する見解と関連性をお尋ねします。

      【答弁 田中知事】
       私は今回、まさに長野県の改革というものがでずね国全体の制度や仕組みを根底から変えなくてはですね、長野県においてもいかに県民の方々のご理解があり、努力をしても限りがあるというところがあると、ましてや、長野県以外の自治体においてですねこれらのことを導入するにはかなりの覚悟が必要であるという中で、私は自由民主党によるですね、政官業の癒着と利権分配のトライアングルというものを断ち切らねばならないという信念により、これは県民益をもたらすために私は今回の総選挙において民主党を応援したわけでございます。
       私が敬してやまない小沢一郎氏はですね国連中心主義、専守防衛と、そしてこの8月15日においてもですね、日本が二度と悲しい悲劇を心に誓う日であるということを述べて、憲法9条の理念に関しても彼は高く評価をしているわけでして、この点において、私の考えに揺らぎはないわけでございます。しかしながら、その民主党の中には松下政経塾という戦争ごっこが好きな坊やのえてして   しがちな集団の方々も自由民主党に本籍を移したいにもかかわらず現住所としてお書きの方もいらっしゃいますし、あるいは長野県の民主党県連のように、私が茅野實氏とともに民主党のしがらみの無き候補者の応援に立つことを必ずしも、に関していささかご不快の念を示されているというような集団もございます。ましてや、民主党は自治労をはじめとするまさに労働組合の組織率は2割というかたちでありますが、組合員であるもののみが労働者であると、私から、少なくとも、みればですねいささか古い考え方お持ちの方々の連合はじめとしていらっしゃるわけでございまして、自由民主党が変わらなければならないようにですね、民主党も変わらねばならないところが多大にはあろうと思っています。
       しかしながら、日本においてですね、政官業の利権分配構造というものを変えねばならないということから、私はやっているわけでございます。


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10.(再質問)政治献金問題について

 次に政治とお金の問題について知事の所見をお伺いします。財界首脳は、自分たちの気に入った政策をもっている政党に政治献金を出す。まさに政策を買収することを公然とうちだしました。
 自民党も民主党もこの政治献金をうけとろうとしていることは天下周知のことです。県政の改革の大きな柱は、政治を腐敗させる根源ともなってきた、企業・団体からの政治献金をやめさることこそ、清潔な政治の第一歩であると考えますが、知事のお考えをお聞きし質問を終わります。

      【答弁 田中知事】
       二点目には、政治献金に関しましてはですね、今回の民主党が最初は強い日本を作るなどというアメリカの代理店に巨額のお金を払って何か私としては違和感を感じるかたちでございましたが、最終的には日本の選択はじまるというかたちで「5つの約束・2つの提言」というかたちでございます。このなかで政治献金の全面公開というかたちで示されておりますが、この点に関しましても私と小沢一郎氏は政治献金の1円からの全面公開という事を最後まで強く述べたわけでございます。これに対して旧来からの民主党の方々はそのようなかたちでは事務手続きが煩雑になるというようなことをおっしゃられましたので、私はすくなくともこれは企業献金・個人献金というものは1円から全面公開すべきと小沢氏とともに強く述べたところであります。街頭等でいただいた募金というものは、例えば数寄屋橋の交差点で何時何分から何時何分までいくらという形で明かすことによって匿名の方々の献金がいくらであったかということは明らかになるわけでございます。やはり役人的、あるいは組合的な発想は事務が煩雑、あるいはひとたび変えたことを良い意味でユーターンできないというオペレーションシステムから脱却できないところがございまして、私は、今ご指摘ありましたように政治献金の1円からの全面公開というところを強く望むところです。これは企業あるいは労働組合あるいは様々な集団組織からNPO等もあるかもしれませんし、ボランティア団体もございます。それぞれの思うところをですねお金に関しても包み隠さず出し、そしてそれぞれの望むところをまさに主張をするということはこれは大事な政治の参加でございます。そしてこれは多くの市民・国民・県民がですね、その主張が私利私欲やあるいは取り巻きの方のためのものにとどまっているのかと、真の国民益・県民益にかなっているのかということはこれは1人1票を持つ国民のみならず、未成年の方々、日本にいわゆる国籍こそ日本になけれども永住なさっている方々、これらの方々によって評価をされるところだと思っております。


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11.おわりに

 核兵器・核戦争をめぐる問題も、民主党のマニフェストでは、ミサイル防衛構想がうたわれています。ところで毎日新聞のアンケ−トによると、今回当選した衆議院議員の自民党で2割、民主党で1割の議員が核武装は必要であると応え、県内でも自民党の議員一名と知事の応援した民主党の新人議員も核武装は必要と応えています。 非核・平和を願う県民の気持ちをあまりにもかけ離れたものではないでしょうか。
 長野県では核廃絶のアピール署名は人口の59%、140万人を超える署名が集まり、県下の全ての市町村で非核平和都市宣言が行われ、県民の平和への願い、核戦争反対の願いは大きなものがあります。憲法でも平和の問題でも県民に期待にこたえる知事の一貫した態度に期待をしているものは、多くの県民の皆さんと共通すると思うわけであります。また、今の知事の答弁にあるように民主党の中でも様々な意見がある、こういう中で知事の考え方と共有する部分も確かに私はあると思います。しかし、部分的に共有できるからということでは知事の今までの理屈からちょっとかけ離れるのではないかなと強く感じているわけです。私は決してどの政党を押してはならないということを言おうとしているつもちは全くありません。自民党の知事もあれば、他の政党の知事もいるわけですから、政党を支持することを私は問題にしているわけではありません。知事の県民と共に県政を明確な方向に導いていくこの理論的な根拠が統一されてこれから一層県民の期待に応えることを切望して質問を終わります。


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