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2003年 9月議会 備前議員の一般質問(10/2)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 青年の雇用対策について
  2. シックハウス対策について


1.青年の雇用対策について

みなさん、おはようございます。日本共産党の備前光正です。質問に入らせていただきます。
 まず、青年の雇用対策について伺います。
 わが国の雇用不安の拡大は、国民の暮らしと日本経済に深刻な打撃となっています。ところが小泉内閣は大企業の身勝手なリストラを応援し、労働法制の改悪をはじめ正社員を減らし、パートや派遣、契約社員などいつクビになるかわからない不安定な労働者を増やし、雇用不安と失業をひどくするばかりであります。現在、完全失業者の半分が34歳以下の若者であります。417万人もの若者が「フリーター」と呼ばれるアルバイトや派遣や契約社員などの不安定な就労と失業を繰り返す状態におかれています。長野県も例外ではなく、県内高校生の求人倍率は7月末で0.59倍となっており、この時期としては過去最低となっています。
 こうした中、長野県は「産業活性化・雇用創出プラン」を策定し、県の基幹産業である、農業・製造業・観光業とこれらから成長性が高い福祉、医療、環境、教育の分野との連携・融合による新産業づくりなどいわゆる3×3によって産業構造を転換し、自律的で持続可能な長野県の社会・経済を構築することで、今後4年間で2万人の常勤的雇用と111万人日余りの短期的雇用を新たに創出する数値目標を掲げています。この分野での青年の雇用の前進をはかることも画期的で重要な施策であると考えます。
 私たち日本共産党は、この9月「安定した雇用を増やし、雇用危機を打開するための4つの緊急提案」を発表しました。そしてこの中で特に「未来を担う若者の仕事を政府と大企業の責任で雇用拡大を」と深刻な若者の雇用問題の提起をしています。
 それは、第一に長時間労働やサービス残業を無くせば160万人の雇用の創出ができる。第二に福祉・医療・防災・教育など国民生活に必要な分野での人手不足の解消を計画的に行うこと。
第三に国が自治体の雇用対策に財政支援をさらにいっそう行うこと。などであります。
 そこで産業活性化・雇用創出推進局長にお聞きしたいのですけれども、この間、雇用創出プランでは「長野労働局、県などの行政機関や経済団体、労働団体、学校関係者、NPO関係者による若年者雇用問題検討会議を開催することを検討する」と述べていますが、この検討会議の開催はいつ予定されているのでしょうか。また私たちは9月、知事に対して青年雇用対策の総合的対策部署の設置も含めて申し入れを行いましたが、これらについての具体的なお考えをお聞かせください。
 先日松本のハローワークで同管内での雇用の実態について話を伺ってまいりました。特にフリーターなどの多くは雇用保険には未加入であり、この年代の求職者の過半数が失業保険の給付が受けられていない事態も深刻でした。
 未来を担う若者に仕事を保障することを、政府と大企業の責任でおこなうこと、人減らし応援の政治を根本から見直すことが急務であります。しかし「産業活性化再生法」これはリストラを行う企業を国が承認し、金融税制上の優遇措置をあたえるという仕組みであり、世界にも例がない全く異常なものです。人間はモノではありません、いつでも解雇でき、低賃金で働かせ、教育訓練もしない・・そんな「使い捨て」にする労働から、明日の長野県や日本をになう力が生まれるでしょうか。若者を「使い捨て」にする企業と社会に未来はありません。
 そこで知事にお伺いしますが、今議会に共産党県議団より意見書の提出もしていますが、フリーター等に対して、一年間同じ事業所で勤務した派遣労働者を常勤雇用する、労働者派遣法による努力義務の義務規定化、有給の職業訓練制度の創設や訓練費貸付制度の充実、奨学金返済の繰り延べや減免制度の創設などを国に働きかけることを提案しますが、これについてのお考えをお聞かせください。以上で1回目の質問といたします。


      【答弁 丸山産業活性化・雇用推進局長】
       順次お答えいたします。
       まず初めに、労働局・NPO・経営者協会等が横断的に、雇用者特に若年層の雇用も含めまして検討する会を発足いたしましたが、ここには県からオブザーバーでございますが参加して数回の会が開かれたということでございます。ここでは、私どもはオブザーバーという立場ではございますが、今後、いまの若年層に対する雇用、県は主に就職情報の提供等とこれが第一番目でございます。第2番目としまして職業能力開発というさまざまな講座や技専校、工科短大通じました職業能力の開発の機会の提供をしております。それから、3番目にですね、具体的に企業等で一定期間就労していただきましてミスマッチの解消のためにですね、企業と個々人の相性を見ていただくとこのトライアル雇用ですとか、求人セット型の事業をしております。課題といたしまして、国・県それから先ほど議員のお話にもありましたようにNPO等がですね様々な雇用対策をしております。利用者からみますと例えば講座にいたしましても、様々な講座がございますし、さまざまな場所で行われていますので、まず、どのようなですね施策がいま言ったように主体から主体で行われているかということをまとめて提供する必要があると思います。そのような言ってみればワンストップの職業に関する情報の提供というものをですねこの会議等でも今後主張していきたいと思っております。
       それから、庁内のなかでですね横断的な部門をというお話しでございますが、もともと今年の4月に私どものですね産業活性化・雇用創出推進局というものができました趣旨は、これまでとかく縦型、各部門ごとに分野が決まっていましてその間に入るような  分野に対しましてともすればですね手が届かなかったという反省のもとにできたものだと思っております。例えばいま言いましたその雇用対策にいたしましても私どもだけではできないことでございまして、社会部あるいは当該の現局の部局が集まりませんと総合的な雇用対策ができないわけです。建設業に関しましても私どもと土木部が中心になっておりますが、実際にですね参加しているメンバーは農政部あるいは林務部・社会部・衛生部等ですね、うちの商工部も入りますが、部局横断的にですねやるようにしております。そういう意味でですね産業雇用局は今後もですね、この失業対策に関しましては雇用対策につきましてはきめ細かくですね、テーマごとに関連部局あるいは地方事務所等ですね現地機関等も巻き込みまして仕事をしていきたいと思っております。
       いまの若年層に対するご質問でございますが、若年層に関しましては私どもと特に社会部、あるいは高校生等におきましては教育委員会というところも関係するわけでございますので検討会議、初めに形を作るということではございませんで、テーマに応じてですね、部局横断的に柔軟なチームを作りましてその中でプロジェクトを優先的に選択しまして、施策をやっていきたい、行っていきたいというふうに思っております。以上でございます。


      【答弁 田中知事】

       世間では厚生労働省等もですねライフスタイルが多様化して、青少年の考え方にも常勤雇用にこだわらない傾向あるというようなことを言っているわけですけどね、このお題目でない多様化ということを認めないといけないと思うんです。多様化しているからという形でですね、それを役所の側の責務を回避する形では絶対いけないと思っております。しかしながらですね、日本共産党県議団ともあろう方々がですね、どうもお聞きいたしたておりますと正社員になることがすばらしいというのは、これはですねある意味では正社員ではないフリーターの中にも、あるいはアルバイトの中にも大変なマイスターの子はいらっしゃるわけでして、正社員という身分にこだわるということはこれは逆に私はあえて申し上げれば、身分差別ではなかろうかと思うわけでございます。私ども長野県においても県庁舎におきましては学生のインターンシップ、あるいは私が申し上げておりますのは緊急雇用のですね県庁内で雇う方は若年層になっていましけど、むしろこれは40台50台60台あるいは60を過ぎてもですね、社会貢献できる立派な方が多くいらっしゃるわけでございまして、その中身が問題でして、私はこうしたことを担当しているところにも是非若い方だけでなくそうした年代の方、私どもの係長や課長と同じ年齢の方がですね、給与が違うのにそれ以上の働きをしていれば良い緊張感になるわけでございます。議会も私も皆様、まあ私2年で1度首になりましたが、4年間という任期があるから逆に緊張感を持ってですね仕事をするわけでございます。これは多くの職員が非常にすばらしい資質を持って意欲を持っているということを認めたうえで申し上げるんでございますがやはり60まで首にならない職員という形になればこれは人間はそういう身分が安定してもなお高い志を公共のために持ち続けるというのはある意味至難の業なわけでございます。社会人とて同様でございまして、身分が60まで安定している中でですね、やはり1人の市民として尽くし続けるということは非常な個人の中の相克でございます。その意味では私は職員というものもですね何年かに1度   雇用を危うい状況に置くというようなことじゃなく、何年かに1度やはり公務員として本当に相応しいかというようなチェックが行われるようなことが日本全体で行うことがですねこれは、雇用を無視するということではなくて社会の活力になると私は思っております。その意味では県におきましては今後ですねこうしたインターンシップというようなものを導入する。年齢に関わり無く入れてですね、一般の県民の方が共に働くことでぬるま湯状態である職員がですねもっと危機感を持つというようなことも必要かと思っております。
       話を戻しますればですね、ですからフリーターという状態とかというようなことじゃなくて一人一人がどのような望みを持ち、またそれがどのようにそれぞれの資質や努力が的確に社会全体で把握され評価されるかということが大事でございまして、こうした心意気を持って私たちは産業活性化・雇用創出推進局がですね多く、これは皆様が働きたいと言う方が社会貢献できる社会をもたらすことが大事ことでありまして、こうした心意気で私は行う所存でございます。

 
備前議員
 いま、知事の方からもパート労働者の実態、こういった不安定雇用労働者の実態をやはり全く見ていないんではないかなという発言が私としてはとらざるをえない。やはり、本当にいまパートの皆さんがどういった事態で働いているのかこの点をやはりきちんと認識されなければこのことについてはお答えができないんではないかと私自身は思うわけです。また、フリーターの多様性とこれはやはりそういうことはそれぞれ個人の非常に知って生きてきた中でそういった身分の望むところもあるかもしれません。しかし、こういった方々が本当に不安定で、低賃金で働かざるを得ないというところを、そのことについても認識をぜひともしていただきたいと思います。私はやはり活力を活性化ということはまったく   ではないわけですけども、このことはやはり生活ができないでいる、自殺にまで落ち込んでいるということを知っていただきたいというふうに思います。それについてもう1度答弁をお願いしたいと思います。
 



2.シックハウス対策について

 引き続きまして、時間がありませんのでシックハウスの判断について伺います。
 国内はもとより県内自治体でも小中学校におけるトルエンやホルムアルデヒドなどの揮発性有機溶剤による深刻な環境汚染事件が発覚し社会問題となっております。
 塩尻市での昨年2月に全面新築した小学校における高濃度トルエンの問題では、新校舎への移転を契機に児童の中には、目や喉の痛みや皮膚のただれなどの訴える者もいました。そして新校舎利用開始から7ヶ月たって始められた健康診断は、実際にシックハウス症候群を診断する能力のある医師がいない中での健康診断であり、今年になって出された医師団からの発表は「シックハウスの可能性もあった、要経過観察」というあいまいなものでした。そして現在は4名の児童が東京の専門病院に通院しているという状態です。これと並行して施設の問題箇所の特定が行われようとしましたが、市教委では測定技術や対策技術を持ち合わせているわけもなく、試行錯誤の末、問題教室の床の張替えをおこなったものの、結局高濃度トルエンは十分には下がらず1年以上たった今年の夏にも基準を超えるデータが出ております。また、塩尻市ではこの問題を深刻にうけとめ、本年7月、市内のすべての学校・保育園や公共施設などを含めて測定を行いました。とくに学校では昭和50年建築のものも含め、すべての学校で基準値を越す濃度のホルムアルデヒドを検出したため、この9月より全校に換気扇を設置することになりました。そこで住宅部長におききしますがこのような事例は対応の差こそあれ昨年の松本市、長野市などの学校現場でもおきていますけれども、県は現在多発するこのような高濃度の揮発性有機化合物による施設の汚染に対しどのような手段を講じてきたのかお聞きしたいと思います。また県施設での対策はどのようになっているでしょうか。また教育長にお聞きしますが、特に県立学校の環境調査はどうであるのかお聞きしたいと思います。
 以上で二回目の質問とします。

       
      【答弁 田中知事】
       私はいささか自負しておりますが、全国の現在の知事中でも一番本来の労働組合の活動の理念、目指すべきもの、あるいは社会主義というものに関しても理解を示している風変わりな県知事ではないかと思っているわけでございます。しかしながら、そのわたしが大変に長野県の県職員の組合ともですねお話するとき、職員にご理解いただいて給与の削減をさせていただいたことは感謝しておりますが、何か組合員のためだけ、組合員がよければというような発想はけしからんと思うわけでございます。組合と、私は組合は認められておりますし、つまり雇用者側が大変に非人道的であったときにですね、組合の方は組合員のみならずですねその多くの市民のために発言をし闘うべきなわけであります。ですから私はぜひ多くの組合の方々は共産党の方々とは競合関係にある連合にも強く申し上げたいわけでございますが、やはりその身分が安定していないような方々も含めてですね、共に人間的生活ができるように闘われると、雇用者側と闘うと、いうことが本来の活動でございます。組合員として認められた者のみのために働くということはこれは社会から理解されない活動でございます。その意味ではそうしたつまり、意欲の、私ども申し上げているように生きる意欲のある県民に対して年齢・性別や経歴や肩書、国籍や障害の別を問わずですね、私たちは自由な開かれたチャンスを与えるということでございます。しかしながら、人間はそれぞれの適正や努力というものがございます。あるいはいささかの運不運ということもございます。その中で表れたそれぞれ人に異なる状況というものもまたそれに諦めずに更に挑戦するそういう方々には門戸を開くという良い意味での競争関係というものをもたらすわけでございます。長野県が今後年齢に関わらずですね、多くの方々にも県の職員と共に働く、県の職員もですね半年の期間を経て正職員という身分に安住することがないような意欲を持たねばこれは県民から愛想をつかされるわけでございます。私たちが市民政府特区というようなことを目指しているというものこれは単に行政のコストカットということではございません。市民が職員と共に働くことによって職員も襟を正せるということです。ぜひ私はそうした考えをですね、日本共産党の方々には、まさにか弱き身分が不安定な方々とも共闘をするとそのような新しい組合活動というものを日本でもたらしていただける労働活動という、労働運動というものをもたらしていただけることを私は切に熱望するところであります。
       

      【答弁 中村住宅部長】
       シックハウス対策についてお答えいたします。
       まず、最初の一般建築に対する対応についててございます。平成10年に国土交通省が作成しましたシックハウスに関する設計施工ガイドラインそれとユーザーズマニアルというものがございます。
       また、平成12年には厚生労働省でございますが揮発性有機化合物濃度指針値が示されました。これらに基づきまして、指導をしてまいりました。また、地方事務所に窓口を設けて相談に応じたり、県住宅センターが測定器の貸し出しを行うなどしまして対応をしてまいりました。
       平成14年、昨年ですが建築基準法が改正になりまして、この平成15年7月15日から施行になっているわけありますけれども、特定の化学物質を発散する建築材料の使用禁止や制限が設けられました。また一方、研究設備の設置を義務付けられたところでございます。今後適正な執行を図るために説明会を開催するなどしまして設計所や工務店、そして直接家を建てる大工さんなどに周知を図っているところでございます。
       一方の県有施設を建設する立場にあります私たちどうするかということでありますが、建築工事共通仕様書等に基づきまして化学物質放散量の最も少ない建築材料・塗料・接着剤を使用することとしております。また、新工事におきましては化学物質濃度測定機関に測定を依頼したしまして、化学物質濃度が厚生労働省等の濃度指針値以下であることを確認して施設の引渡しを受けているところでございます。以上であります。
       

      【答弁 瀬良教育長】
       お答えいたします。県立学校等のシックスクール対策でございますけれども、7月に文部科学省の通知におきまして考えうる最悪の条件を設定した環境下で数値を把握するようにということで、現在29時間教室を密封した形でもって測定する方法に代わっております。そこで県立高等学校等89校、それから盲聾養護学校18校あわせて107校560教室につきましてこの方法により検査を実施いたしたところでございますけれども基準値を上回る施設はございませんでした。昨年度検査いたしまして基準値の2分の一以上の教室、高等学校11校17教室、養護学校7校13教室につきましてこの改定された厳しい基準でもってですね検査を行っているところでございます。また、県独自でもってですねこの六月に「学校環境とシックスクール問題の対応について」というマニアルを作成いたしまして、これに基づきまして対応しているところでございます。以上です。

 
備前議員
 シックハウスの問題についてですけれども、私もあらかじめデータを見せていただいたわけですけれども、この測定は昨年11月から今年3月までといういわゆる揮発性有機物質の発散は必然的に非常に少ない時期にやられているということで確かに二分の一を超えているところを測定されるということはいいわけですけれども、本来でしたら完全密閉状態での夏期での測定を行う、これは塩尻でも踏襲しているわけですけれども、そのことをしていかなければならないと思います。またこういったデータをホームページ上などへの公表していくこういった気はないか、この点について再度教育長にお伺いしたいと思います。
 次に診断治療などについてですけれども、衛生部長にお聞きしたいと思います。現在県内にはシックハウスへの診断治療の可能な医療機関というものはないわけで、国内では6医療機関しかないと言われています。また一部診療には保険が適用できず、また認識のない医師にかかれば「知識がない」「対応方法がわからない」などの理由で診察を拒否されることも少なくないそうです。このようなこともあり塩尻の場合は東京の専門病院にかかっていたわけですけれども、そこでやはり県立の病院にこれへの対応のできる医師や検査設備等の配置も考えるべきだと考えますけれども、これに対しての部長のお考えを伺いたいと思います。
 また、今回「木の香る学校推進事業」におきまいても机・椅子を学校に配置している、それについての実態と安全についての調査について林務部長にお伺いいたします。
 
 



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