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2003年 5月臨時議会
 毛利議員の「有事法案慎重審議求める意見書」賛成討論
(5/23)
 議第1号 有事関連三法案の慎重審議を求める意見書案に賛成の討論をさせていただきます。

 有事法制は言うまでもなく日本の進路、国民の生命と安全、基本的人権など憲法の平和・民主の原則に大きくかかわる重要な法案であり、徹底した審議を行なうことが不可欠ですが、十分な審議も尽くされないまま衆議院で強行採決され、いま参議院で審議中であります。

 日本は平和憲法を持つ国として二度と再び戦争をしないと固く誓った国ですが、今度の有事関連三法案はこの原則を踏みにじり、政府の要人も言っているとおり、日本が攻められることは万々々が一ないといっている時に日本が攻められた場合の対応ではなく、アメリカの行なう戦争に日本を本格的に参戦させ、初めて自衛隊の海外での武力攻撃に道を開くものであり、日本を戦争をしない国から戦争をする国へと導く許しがたい法案として、「いつか来た道」につながると国民の間で大きな反対や不安の声となっています。

 また国連憲章では先制攻撃を禁止していますが、イラク問題で示されたようにアメリカは世界の平和のルールを無視してイラクへの先制攻撃を行いました。どんな国の人々も家族の団欒や幸せ、安心を求め、夢や希望を抱きながら生活しています。私は命を生み出す性ですが、命は奪われるために生み出すものではありません。他国を侵略した第2次世界大戦では世界とアジアの人々に言い知れぬ犠牲をもたらしました。それへの反省もない一方的な先制攻撃には、どんなことがあっても加担するわけにはいきません。しかし、米軍の先制攻撃の戦争にも、この法制が発動され、日本が参戦することが国会で明らかになりました。

 さらにこの法案の重大な問題点はアメリカの行なう無法な戦争を支援するために、国民を総動員する仕組みをつくろうとすることであります。戦争への協力を罰則付きで強制し、人権を抑圧するところに本質的な狙いがあります。首相に強大な権限を与え地方自治体や指定公共機関を思いのままに動かして動員し、戦争放棄を定めた憲法九条を持つ国で戦争に反対するものを犯罪者として取り締まるというのです。こんなひどい話はありません。私は「教え子を再び戦場へ送らない」を信念に憲法に沿って子どもたちに平和と民主主義を教えてきた立場からも、このような危険な法案を断じて成立させるわけにはいかないと思っています。

 マスコミの全国知事へのアンケート結果によっても、8割の知事が政府の説明は不十分だと答えています。国民からも自治体の長からも十分納得を得られていない段階で、法案の成立を急ぐことは避けるべきであり、さらに慎重な審議を行なうよう求めて意見書案に賛成の討論といたします。


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