2013年11月定例会 11月29日  高村京子

議第5号「社会保障制度改革プログラム法案の慎重な審議を求める意見書(案) 提案説明

 議第5号「社会保障制度改革プログラム法案の慎重な審議を求める意見書(案)について提案説明をいたします。   

 社会保障制度改革の手順を定めるプログラム法案が、11月15日衆議院厚生労働委員会で審議継続や反対抗議の中、採決が強行され衆議院で可決となり、現在この法案は参議院で審議されています。

 この法案は、年金・医療・介護・障害者福祉・生活保護・保育など社会保障全般に関わる大改革を2014年から2017年にかけて順次行うことを明記したものです。
すでに年金は今後3年間で2,5%も削減することや生活保護費の削減などが実行され、「これでは生活ができない」と不安の声が全国で沸き起こっています。その上さらに、医療では、来年度から現在1割となっている70歳から74歳の医療費を2割に引き上げる、200床以上の病院受診は初診料の値上げで制限する、市町村によって3倍もの格差がある国民健康保険の運営を、財源をしめすことなく都道府県に移す、などがあります。

 介護保険では、要支援1・2の方は全国で150万人長野県では2万3330人おられますが、訪問介護や通所介護を市町村事業のボランティアー等の対応で介全国一律のサービスからから外す、介護度3・4・5度でないと特別養護施設に入れなくする、県内要介護1・2の方3万8千人の方が入所できなくなる。所得に応じ介護保険料を2割負担にする。などの内容がもられています。
 重度障害者の方に利用料負担を求めるなど、憲法25条に謳われている健康のもとに生きることへの支援、国の責任によって保障すべき、差別のない公平な社会保障がつぎつぎと切り崩されることになります。

 利用できる医療・福祉サービスを縮小し、保険料や利用料を増額する一方で、病院や施設から追い出し、自助・自立・家族責任を求め、地域・在宅へ追へと誘導されます。真に必要なサービスを受けられずに、医療難民介護難民が増加することが危惧されます。
 社会保障の公的財源負担を縮減することを第1目的としているための改悪と言わざるを得ません。消費税増額を決めながら一方で、社会保障を改悪するのでは、国による詐欺行為ではないでしょうか。

 このような内容に、国民や関係者の世論と運動の前に厚労省は、方針見直しを余儀なくされています。要支援では医療関係の訪問看護リハビリは今までどうりの存続と見直しされました。しかし介護と医療を切り離すところに何の道理もありません。

 訪問介護、通所介護を丸投げされる市町村からは、「民間も来ないNPOもない財源の保障もない市町村の格差が広がり住民が困ることになる」と反発が広がり「国は人的・財政的に責任を果たしてほしい」との声が上がっています。

 高齢化社会が進行し、高齢者の独り暮らしや高齢者のみの世帯がますます増加しています。

 長野県は全国一の長寿県です。戦中戦後と大変なご苦労をされてきた高齢者の方が安心して老いてゆかれる長野県へ、みんなが国民が健康で安心して暮らせる社会にしたい、すべての皆さんが願う方向ではないでしょうか。
 この方向とは反対の方向へ諸制度を変えようとする社会保障プログラム法案は、多くの人々を悲しませ不安にしています。当事者や関係者の方々の声が受け止められていないのです。

 国の責務である社会保障の充実のため、慎重の上にも慎重に審議を尽くすことを国会と政府に強く求めようではありませんか。
 議場のみなさまのご賛同を心よりお願い申し上げ、提案説明といたします。