2013年6月定例会 7月5日 和田あき子

議第1号 平成25年度長野県一般会計補正予算 (第1号)案に対する賛成討論

<和田議員>
 議第1号 平成25年度長野県一般会計補正予算 (第1号)案に対する賛成討論を行ないます。
 はじめに、4月中旬以降の凍霜害による甚大な被害が発生したことに対し、市町村・生産者団体と連携し当面の緊急課題に対応していただいております。今後、果樹・野菜などの生育状況によっては、さらに支援が必要になると思います。県として引き続き対策を強化されるとのことですので、一層の支援の強化を要望するとともに、自然災害によって農業経営に受けた打撃と、先々の経営に不安を抱かせるTPP交渉参加で、生産意欲を失わせることがないよう、生産者の立場に立って県が十分な支援をしていただくよう要望します。

 信州F・POWERプロジェクトの推進によって、森林県から林業県へと飛躍するため、今回の補正予算で28億5831万5千円が計上されています。
 木材の大規模な製材施設と併せ、製材端材や未利用材等を活用して、電熱供給型のバイオマス発電施設を併設するもので、全国的にも事例の少ない取り組みであります。施設の意義については十分承知し、バイオマス発電という自然エネルギーの分野でも、大いに期待しています。それだけに、期待通りの結果が得られるのかという疑問を繰り返し申し上げているところです。長野県の林業労働者は約2500人で減り続けており、林業就業支援事業にも取り組み、新規就業を確保しても、現状を維持することも困難ともいわれている状況です。路網整備や機械化などの林業基盤づくりを集中的に進めることで、信州F・POWERプロジェクトの入口、木材供給・確保が安定化するのか、林業関係者、自然エネルギー関連の専門家などから様々な疑問があるのですから、適正な規模について十二分にご検討いただき、当初の目的が達せられるよう願うところです。

 昨年度から教職員の不祥事が相次ぎ、教育の信頼を回復するために、地域に開かれた信頼される学校づくりの提案は、学校と県民の協働による、学校の運営、支援、評価機能を一体的に実施する「信州型コミュニティスクール」ということであります。しかし、義務の教員勤務実態調査によると、平日の平均残業時間等(2011年)は平均2時間25分、休日の平均残業時間等は2時間38分です。あくまで平均であり、過労死ラインといわれる月80時間を超えていないか、休日の保障がされているのかという問題を見逃すことなく教育環境・条件整備とあわせて、開かれた学校づくりを進めてほしいと思います。

 今回の補正予算に示された「地域の元気臨時交付金」の活用事業は、産業支援から教育環境の整備、県民生活の安全安心の確保など、多方面にわたり有意義な事業が実施されます。
例えば、子どもの通学路の安全対策は昨年度、行った緊急総点検に基づく安全対策を、警察本部・建設部などでそれぞれ、今年度中に着手率・整備率が7割近く進むことや、高等学校など県有施設の耐震対策、老朽化している学校校舎の緊急性の高い修繕工事が計画を前倒しして実施されることを歓迎するものです。
県民生活の安全・安心の確保に関連する事業の100%達成に向けてさらに進捗度を上げていただくよう要望するものです。「地域の元気臨時交付金」が継続されるのかも含め、今後も安定的な財源が保障されるよう国に対して要望していただきたいと申し上げて賛成の討論とします。