2013年6月定例会 6月26日 和田あき子

議第11号 若年層の就職支援の充実等を求める意見書(案) 賛成討論

<和田議員>
 議第11号「若年層の就職支援の充実等を求める意見書(案)」について賛成討論を行います。
 我が国においては、バブル経済崩壊後の雇用形態の大きな変化により、全労働者に占める非正規雇用の割合は35%を超え、若年労働者は2人に1人は非正規という事態で、日本社会にとって放置できない深刻な状況にあります。
 そうした非正規雇用の広がりが、若者を、正規雇用を目指す苛烈な競争に駆り立てています。
 先日、私と同年代の女性から「東京で働いている娘が、やっと派遣から抜け出して、正社員になった」と聞いて、親として一安心したのもつかの間で、「最近、夜遅くに泣きながら娘が電話してくる。話を聞くと営業で知らないところへ飛び込みで契約を取ってこい。しかも不可能なノルマを押し付けられている。」娘はいわゆるブラック企業で働いていると感じて「無理しないで、仕事辞めたら」と話すと、いっそう泣きじゃくって「そんなことしたら絶対正社員になれない。がんばるしかない」と言って電話を切る。こういう電話が月に何度もある、心配でならないというのです。
金融危機の影響をうけ、就職難がさらに深刻化した2000年代後半から、新卒の若者を正社員として大量に採用し、度を越えた長時間労働やノルマを課し、耐え抜いた者だけ残し、あとは長時間労働・ノルマに加え、業務とは無関係な研修やパワハラ、セクハラなどで肉体・精神を追い詰め、「自主退社」へと労働者を酷使・選別し、使い捨てにする企業、いわゆる「ブラック企業」が社会問題化しています。我が国の将来を支える若者が社会の入り口でつまずく、すりつぶされる事態です。
 このような中、国において若年層の雇用機会の確保や労働環境の改善などの取組が行われているものの、正規雇用の名のもとに若者の使い捨てが疑われる「ブラック企業」に対して十分な対策が取られているとは言い難い状況です。
 現在、安倍内閣は、産業競争力会議や規制改革会議などにおいて、労働者の雇用を脅かすようなさらなる規制緩和の議論が使用者の論理で行われています。成長戦略の名で政府がブラック企業を容認するようなことがあってはならないと思います。
 よって、国においては、若年層の就職支援の充実と、正社員として就職した若年層の早期離職の防止やいわゆる「ブラック企業」の実態把握をおこない、対応策を強化するよう強く求め、賛成討論といたします。