2012年2月定例会 一般質問 2月28日 両角友成

1、放射能汚染から県民の健康と生活をどう守るかについて
2、国民健康保険の広域化について

1、放射能汚染から県民の健康と生活をどう守るかについて

<両角議員>
 日本共産党県議団の両角友成です。私は発言通告にそって一般質問を行ないます。知事の政治姿勢についてです。ひとつ目として、放射能汚染から県民の健康と生活をどう守るかについてであります。
 昨年の最大の出来事は大震災、原発事故でした。この出来事が多くの国民の県民の価値観を、生き方を、政治と社会への見方を大きく変えたのではないでしょうか。これまで政治の責任を逃れるために、『自己責任論』を押し付けられ、ばらばらにされてきた国民のなかに、「絆」の文字に象徴される、温かい社会的な連帯の機運が広がり、原発事故をつうじて国民が『これは我々のせいではなく、政治に巨大なウソがある』ということを見抜き、真実の政治を求めだしたのではと、強く感じているひとりであります。
 私達は、原発ゼロを目指しています。
 1月13日に刈羽原発に、2月に入り7日には美浜・敦賀原発・もんじゅにと現場調査のため出向いてきました。東京電力経営の刈羽原発では、福島原発の事故は申し訳ないとしながらも、渡されたパンフレットそしてその説明でも、いまだに東京ドーム約90個420万m2の敷地に合計7基が運転。合計出力は8212万KWで世界最大ギネスにのっています。ここからスタートでありました。そして、近くに活断層が2本あることを認めながらも原子炉建屋が岩盤まで40m掘り下げて立っていること、福島を教訓に海側3kmにわたり高さ15mの防潮堤を建てるから大丈夫、原子炉建屋の開口部は全てふさぐから大丈夫、非常用の発電機を載せた車・消防車を配置したから大丈夫と、あの中越沖地震のとき、かろうじて全てが冷温停止状態になったのは21時間後。放射能汚染水もプールから流れ出した。巨大クレーンが壊れた原発です。ましてや、福島原発で、取り返しのつかない事故を引き起こした会社であり、これが東電の説明かしらと耳を疑う内容でありました。
 福井県の「もんじゅ」では、1995年12月に2次系のナトリウムが温度計の金属疲労とかで漏れ、火災をおこした件を指摘したところ、驚いたことに職員は「あれは2次系ですから問題なかったんです。燃えてよかったんです。ただ部屋をかたづけるのが大変だったんですが」ひとたび重大事故が起きれば、およそ人間がコントロールできない恐ろしいものを扱っている。こんな感覚はさらにないことがよく分かりました。職員皆がこんな認識であれば大変と空恐ろしくなりました。
 私どもは、次の日2月8日に参議院議員会館で行なわれた、政府への要請行動の中で文部科学省の担当者に対し、もんじゅに係わる方々がこんな感覚でいられたら大変なことにと指摘をいたしました。そんな中「もんじゅ」が新聞記事に。2月16日「もんじゅ」が同日午後、2次系ナトリウムの漏えいを検出する装置が約6時間機能しなかったトラブルがあったと発表がありました。鋼鉄の壁で、厚さ2メートルのコンクリートで覆われているから大丈夫といわれますが。逆に言えばそれだけしないと危険だということです。
 2月23日、信濃毎日新聞の報道。すでに、漏れ聞こえていた内容とは言え大変にショッキングな報道がされました。
 米原子力規制委員会は21日、東電福島第一原発事故発生直後に3つの原子炉の炉心溶融・メルトダウンや、使用済み燃料プールから大量の放射性物質が漏れることを懸念するやりとりを記した約3000ページの内部文章を公表。発生直後から事態の深刻さをアメリカは認識。しかし、日本はメルトダウンの可能性を認めようとしなかった。翌日12日には80キロ圏の米国民の非難勧告を検討しているときに、日本は、半径20キロ圏を避難指示、20〜30キロを屋内退避。3キロ以内の方をバスに乗せて非難。東電との会議も報告され、4号機に砂を投下する話を持ちかけられ「明らかに必要なのは水、水、水」とする記述もあったと。
 事故終息のため世界に頼み、知恵を、技術をお借りするときに、原発製造元の アメリカの支援の申し出さえも「必要ない」と断る。原発事故に関係する議事録も残さない隠蔽体質。いったいなにがあったのか。国民は知る権利があります。いま、多くの県民の思いもここにあると思います。
 無意味な被ばくや無駄な被ばくはしないという放射線防護学の原則に立って、被ばくからどう県民を守るか、その努力と行動が必要と考えます。福島はまだ終っていません。これからどうなるのかも分かりません。事故発生から現在まで、原子炉がメルトダウンしていること、子どもたちに安定ヨウ素剤を飲ませなければならないような汚染状況になっていたのではないか?
 スピーディーによる放射性物質が流れる方向の情報など国は提供しませんでした。およそ考えられないことですが、本日の報道では120億円かけたスピーディーの存在すらしらなかった。これから先も放射能への対応は長期にわたります。チェルノブイリ事故に対応したベラルーシの基準が世界的基準のひとつとされています。その基準に基づいて事故発生から今日までの、これからの汚染状況、そして実際の測定値が基準にてらして、安全の範囲なのかどうかについての情報を正確に国は公表する義務があります。
 知事はこうした情報の公表とそれに基づいた対応を県民の代表として国に迫る必要があると考えますがいかがでしょうか。 知事に伺います。

<阿部知事>
 放射性物質、原発事故への対応についてのお尋ねでございます。国においても原発事故後の対応について検証を行っているわけでありまして、東京電力福島原子力発電所における事故調査検証委員会中間報告が昨年の12月に出されておりますけれども、その中でも急ぐべき情報の伝達や公表が遅れたり、政府発表を控えて説明をあいまいにしたりということで、決して適切であったとはいえないというふうに中間報告されているわけでありまして、私も知事会で国の責任ある、より踏み込んだ対応ということお願いをしてきているところであります。
 まさにまだ福島原発の対応というのは、まだまだ現在進行形のものでありますので引き続き国においてはいま例えばまだ新しく食品の基準が、4月から導入されていくわけでありますけど、他方でそれに対応する農地の作付け基準が現時点では示されていないということで、どうしてもタテ割り的な対応が多いというふうに思っております。
 ぜひ国民の理解を得られるような迅速で総合的で的確な対応を国には求めてまいりたいと考えております。

<両角議員>
 健康福祉部長に伺います。
 放射線による内部被ばくに対しては専門家の間でもよく分かっていないとのことですが、チェルノブイリ周辺では事故の5年後から急激に小児の甲状腺癌が増えたことはよく知られているところであります。25年経った現在もチェルノブイリから遠く離れた都市のデータでも、先天性異常、未熟児、早産、貧血、免疫力が落ち、子どもが風をひくとなかなか治らない、疲れやすいなどの健康被害が続いているとのことです。
 県として、現在も含め、これから長期の内部被爆から、こどもや妊産婦等をどう守っていくのか伺います。

<健康福祉部長>
 内部被爆の対策について、ご質問にお答え申しあげます。
 内部被爆でございますが、これは放射性物質に汚染された食べ物や飲み物、あるいは空気中の放射性物質を体内に取り込むことにより生ずるものでありまして、その被爆量が大きくなると健康に影響を及ぼすというふうに言われているところでございます。県におきましては、空間放射線量や水道水の放射能濃度測定、米、野菜、牛肉など県内産の農畜産物や流通食品の放射線物質の検査など多岐にわたる分野で測定、検査を行なっているところでございます。
 現在のところ、これらの結果のほとんどが不検出ないし極微量となっているところでございまして、仮に規制値以上の放射性物質が検出された場合にはただちに回収される仕組みになってございます。さらに、本年4月からは食品衛生法にもとづく放射性物質の基準が厳格化されます。なかでも子どもの摂取量が多い食品や乳幼児食品についてはより厳しい基準が適用されることとなります。また学校や保育所等の給食食材については県内4ヶ所に新たに検査機器を整備し放射性物質検査体制を拡充してまいることとしております。これらの取り組みによりまして県民の安全確保に努めてまいりたいと思っております。

<両角議員>
 健康福祉部長に再質問いたします。
 学校給食にもふれられ答弁がありましたが、市町村が運営主体の保育園等の食材も含めて検査をしていくとのことで、これは歓迎をするものです。
 しかし、いかんせん検査機器の台数が4台と少ない。そもそも事故を起こしたのは東電です。検査機器の購入資金を又運営費を国・東電に求めるべきと考えますがいかがでしょうか。
 学校数、保育園の数等々からいくと、500台以上が必要とも、また経費が30億円以上必要ともいわれています。ひとつ付け加えますが、現場の栄養士さんの話ですが、「使う食材は安全として調理しているがサンプリングでの検査なのでどこか心配です。」とされ、学校給食・保育園等の測定予算の増額を望まれておりました。付け加えておきます。

<健康福祉部長>
 お答え申しあげます。先ほどご答弁申しあげた中で、学校や保育所等の給食食材についての再質問というふうに承りました。
 この中で、県内4ヶ所で、確かに議員ご指摘の通りサンプリングによる調査と、あるいは検査となるわけでございますけれども。まずはこれを確実に始めさせて頂いて、その中でどのような結果になるか、こういうことも踏まえまして、今後の新たなる増設なり、予算要求なりということを検討させていただきたいというふうに思っております。

<両角議員>
 続きまして、教育長に伺います。
 今回の福島原発の事故を経験し、放射能や放射線の影響について、国民の知識が非常に乏しいことが明らかになりました。もちろん乏しいのは、国民が不勉強だからではなく、小、中、高、大学で放射能・放射線についての教育が不十分だからと考えます。そんな中で、原発だけはつぎつぎ54基も国内に建設されてきました。
 この現実を見たとき、とりわけ学校教育について、どのようにあるべきと、考えておられるか伺います。

<教育長>
 学校教育における放射能・放射線教育についてのお尋ねでございます。
 今回の震災を受けまして文部科学省は放射能や放射線について正しく理解されるよう小学校、中学校、高等学校別に、放射線に関する副読本を作成いたしました。県教育委員会といたしましては来年度県内のすべての児童生徒がこの冊子を活用しまして学ぶことができるようすすめております。
 また、総合教育センターにおいて教職員の研修について計画しておりますので、それについて触れさせていいただきます。小学校中学校高校の教員を対象としました放射線の理解と学校の安全管理等の研修、それから中学高校の理科教員を対象としまして放射線量の測定等の研修の講座を開設いたします。その際、被災地で放射線教育を実践している先生を講師として招き、その取り組みに学ぶとともに本県の放射性教育の推進に生かしてまいりたいと考えております。
 学校教育におきましては自然放射線の存在や放射線放出の仕組み、医療や科学技術への放射線の利用、そして人体への影響や大量被爆からの防護等について小中高と発達段階に応じてより深く学び、児童生徒が放射線に関する知識を得まして正しく理解することがなによりも肝要であると、こんなふうに考えております。

<両角議員>
 教育長に再質問いたします。
 文部科学省が昨年発表した、いま答弁にありました副読本を、私も小中高と読んでみましたが、原発の危険性に深くふれていません。このように私は理解しております。「原発や放射能の危険性について正しい認識を子どもたちに育てる教育が求められている」そうゆう意味もあって作られた副読本だと思っていましたが残念です。
 高校生用の副読本の学習のポイントをみますと、事故後しばらくたつとそれまでの対策を取りつづけなくても良いことを学ぶ。
 指導上の留意点では、事故後しばらくすると、放射性物質が地面に落下することから、それまでの対策を取らなくてもよくなることを理解できるようにする。
 25年たったチェリノブイリの現状を見ますと、地図からなくなってしまった村。ホットスポットはなにも変わっていない。「稲わらも、石も外にあったら汚染される」あたりまえのことを学ぶ必要があると思います。
 福島第一原発では、放射性セシウムで広島原爆の168個分の放射性物質が大量、かつ広範囲に放出、甚大な被害を与えている。こんな記述はどこにもありません。残念ながら日本は、汚染国になってしまいました。これからどう日本を再生させるか、ここからスタートする必要があるのではないでしょうか。
 正確に知らせていくためにつくられた本もありますし、県として、独自の学習も検討する必要ありと思いますがいかがでしょうか。

<教育長>
 ご質問いただきました件でございますが、文科省の放射線に関する副読本を、私も通読いたしました。「これでいいのかな」という部分も感じたところもあります。
 この放射線の学習についてはですね現在福島原発の放射線の汚染が今後どうなるかというふうな段階にあってですね。これからはじまるというぐらいに考えております。先ほど申しあげましたように国のほうでもこの「副読本」につきましては、放射線の学習の一助にするというふうな位置づけで作ったという風な断りがございまして、私どもとしますとやはりこの放射線の学習に対する教材をどんな風につくっていくかというふうなことはですね。これはもちろん国の副読本も含めての話でございますが、今後の一つの課題とこんな認識をもっているところでございます。
 私は最後に申しあげましたけれども放射線の問題についてはですね、息の長いこれからの立ち向かいと申しますか、そういった姿勢が大事であると、そういった観点に立ちまして、やはり正しく知り、そして警戒すべきところは、警戒する、対策において誤ってはいけないと、こんなふうに考えておりして、しっかりとこの教材化については取組んでまいりたいと、そんなふうに考えております。

<両角議員>
 次に、知事に伺います。
 今定例会代表質問、高村京子議員の全日本仏教会の宣言を引用しつつ、人類のすべての命と環境にとって共存できない原発を地球上からなくすために、知事には、毅然として国と電力会社に原発ゼロに向けての転換を求めていただきたいと思いますとこのように高村議員は知事にその決意を伺いました。しかし、この質問に対し答弁がありませんでした。そこで、あらためて、自然エネルギー元年を唱える知事として、原子力行政についてどのように考えているのか。現在の原子力行政は、根本から見直すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

<阿部知事>
 原子力行政に関する見解というお尋ねでございます。
 私は、原子力エネルギー原子力発電に依存しない社会をつくっていく必要があるというふうに考えております。いま国においてエネルギー環境会議の中で、これからの望ましいエネルギーミックスどうするかという議論が行なわれているところでありますので、これはぜひ感覚的、感情的議論になってはいけないというふうに思います。具体的実証的なデータを踏まえた国民的議論を行なったうえで、将来へ向けてのエネルギー政策が確定されるということが必要だというふうに思っております。原子力発電について私はやはり永久に原子力に依存するということは、これは物理的にも不可能だと思っておりますし、廃棄物の処分も定まってない、国内でどうするのか定まってないわけでありますから原子力エネルギーに依存しない方向性という中で検討されることが私は望ましいというふうに考えています。

<両角議員>
 知事に再質問いたします。
 いまも福島の原発から追われ多くの方が非難したままになっています。また、地震が多発しており、いつどこで同じような事故がおこるかわかりません。
 日本人は、つらい事でも忘れやすいといわれています。今回の事故は、決してわすれてはいけないことです。いまが大切なときです。54基中現在稼動しているのは2基だけです。3月中には刈羽が、4月には泊原発が止まりすべての原発が止まります。福島県の佐藤知事は「原発をなくす」と地元で先頭に立って頑張っています。阿部知事にもその立場に立っていただきたいがいかがでしょうか。再度伺います。

<阿部知事>
 先ほどもお答え申しあげましたけれども、これはやはり実証的なデータのもとに議論すると安定的な電力供給、エネルギー供給ということを全く度外視するということはできないと思いますし、原発の再稼動にむけては地元の理解あるいは安全性ということで、これは相当なハードルがあるというふうに思っております。私としては国における将来見通し、具体的なデータ、そういうものを踏まえたうえで、やはりエネルギー政策のあり方というのは論じられるべきだというふうに思いますので、もう少し具体的な段階になってデータとか示されれば具体的な道筋も明らかになるというふうに思いますが、いまの段階では政府のなかでのしっかりとした検討を待ちたいというふうに思っております。

<両角議員>
 県民を代表する知事として、ぜひ原発ゼロにむけてがんばっていただきたいということを重ねて要望しておきます。

2、国民健康保険の広域化について

<両角議員>
 2月21日にNHKニュースで報道。なかみは、全日本民主医療機関連合会が20日発表した数字。昨年1年間で「手遅れ死亡者」が67名。67名中42名が国民健康保険料を滞納したことにより正規の保険証を交付されず、無保険や短期保険証、資格証明書となり病状が悪化したと考えられるとのこと。事例で25名が正規の保険証を持ちながら窓口負担金が払えないなどの経済的理由によって受診が遅れたと考えられるとのこと。
 非正規保険者群のうち25名が無保険者。67名の72%が50〜60歳代の我々年恰好の男性で、最年少は29歳。休めない労働環境や重い窓口負担などの経済的理由の影響が考えられるとされています。死因は癌が37名と最も多く、次いで心臓や肺、肝臓疾患など。早期受診していれば命が助けられたと思われる肺結核の方も。
 全日本民医連の患者数から推計すると、全国の医療機関でも5,500名を超える「手遅れ死亡者」が推測されるとのことです。国民皆保険制度のもとで、全く保険にはいっていない「無保険者」が増えており、正規の保険証を持っている人も「重い窓口負担」が足かせとなって、受診が遅れる事例が多いとのことでした。
 こんな現実のある中で、他方、保険者の市町村も大変な思いをして国保を運営しています。基金を切り崩し、それがなくなると保険料の値上げ。値上げを抑えるために一般会計から国保会計への繰り入れを行なっている市町村もあります。滞納者も増えています。
 この国保、市町村国保制度の都道府県単位化が進められています。全国知事会でも議論され国保制度を都道府県で運営することに同意していない状況であります。
 県としては県内市町村の国保運営を援助することが大切であり、運営が行き詰まって一般会計から繰り入れまでしている市町村国保を県が請け負うことは困難と考えますがいかがでしょうか。むしろ国において責任を果たすよう求めて行くべきではないでしょうか。健康福祉部長に伺います。

<健康福祉部長>
 市町村国保の広域化についてお答え申しあげます。
 国民健康保険制度でございますが、これは市町村を保険者とする社会保険方式で運営されております。保険者の規模が大きいほど景気悪化や疾病の流行等による影響がおきにくく財政運営は安定するというふうにいわれております。こうしたことからいま国は社会保障税一体改革におきまして財政運営の都道府県単位化をすすめることとしておるところでございます。
 しかし、県内の国保の状況をみますと被保険者の34%が高齢者でありますこと、それから一人当たり医療費が年々増加傾向にあること平均所得が年々減少傾向にあること、保険料の集納率が92%というところにとどまることなどを背景に、半数以上の保険者が赤字となっておりまして、厳しい運営が続いているところでございます。その結果、ご指摘のように市町村の一般会計からの赤字繰入額は増え続けておりまして、平成22年度で申しあげますと合計30億円を超えている状況でございます。くわえて保険者間の格差も大きく例えば医療費で申しあげますと1,9倍、保険料でいいますと2,7倍の開きがございます。こうした違いをどのようにとらえ対応していくかなど広域化について事務的に検討しますと課題は多いというふうに考えております。
 国に対しては従来から県の独自要望や全国知事会を通じて、国の責任において国保の構造的問題の抜本的解決を図るよう強く求めてきたところでございますけれども、引き続き国と地方の協議の場など様々な機会をとらえて国に要望してまいりたいと考えております。

<両角議員>
 知事に伺います。
 今の質問・答弁をふまえ国に対し、しっかりとものを言っていただきたいが、知事いかがでしょうか。所見を伺います。

<阿部知事>
 国民健康保険、これは従来から構造的な問題が指摘されてきているわけであります。まずは財政的な観点では、国がもっと責任もって、しっかり対応していただきたいとそういう要請は知事会等でも行っているところでありますし、他方で全部国まかせということでいいのかという問題意識を私は持っております。むしろ市町村が保険者で大変苦労されているわけでありますが、県民の健康を守るということと合わせて、この国民健康保険の広域化ということは、私は前向きに、制度的な部分については受けとめていいのではないかと思っております。ただいまの状況を放置したまま単純に広域化しますということで問題が解決するというふうには思いませんので、そうした点についての国の取り組みは強く求めていきたいと考えています。

<両角議員>
 最初の質問項目に関係して、今の私の気持ちにぴったりな、ある書家の言葉を紹介いたします。それは、「戦後日本人が、心おきなく復興に専念できたのは、戦争は二度とごめんだという意識を憲法前文や第9条に明文化し合言葉にしたからです。それにならい『原発は永久にこれを放棄する』と宣言できれば、世界は明るい方向に変わるでしょう。わだかまりから解放されてこそ、未来への希望がみえてきます。」 以上申し上げ私の質問を終わります。