2011年2月定例会 一般質問 和田あき子

  1. 教育環境の充実について
  2. 犀南地域の渋滞解消について
  3. 臨時職員の処遇改善について

1、教育環境の充実について

<和田県議>
 昨年は記録的な猛暑、厳しい残暑でした。そんな中で児童生徒はクーラーも扇風機もない教室で、9月になっても連日35℃以上で、「頭がぼーっとして集中できない」環境で、学習していました。また、熱中症などで手当てを受ける保健室にさえクーラーが設置されていないという学校がほとんどという状況でした。
 文部科学省は、学校環境衛生の基準は、教室の空気環境は、「夏期25〜28℃」としています。そこで私たち共産党県議団は県下の小中学校の実態を市町村の党議員の協力も得て調査し、昨年9月、県教育委員会に対して、
1つ、 熱中症による子どもへの影響、各学校の要望などの実態調査を実施し、国に冷房設備設置への補助制度の創設を求めてください。
2つ、 来年度に向けて県立学校の全教室に冷房設置をすすめてください。少なくとも保健室には早急に設置してください。という2点で申し入れを行いました。
この申入れに対して教育委員会は、「夏休みがあり、冷房施設の稼働率も低いことから、他の施設整備の課題にくらべ優先順位が低いが、実態を調査し検討をしてみたい」という回答をされました。県下の学校の実態はどうだったのでしょうか。
 県教育委員会として、県立学校に冷房施設設置をするべきと思いますが、設置するよう検討されているのか長澤教育次長にお伺いします。

<教育次長>
 県立学校における冷房施設の設置についてのお尋ねでございます。県立高校の冷房施設につきましては、本県の比較的冷涼な気候の中で、交通騒音等により夏期に窓を開放することが出来ないといったような特別な事情を抱える教室を中心に設置をしてきた経過がございまして、現在の設置率は6.5%となっております。
 しかしながら、昨年の猛暑はこれまでの考え方では対応は難しいと言った面も認識しております。とりわけ生徒の安全にかかわる保健室については重要な課題と認識しておりまして、今後の設置方針、および設置箇所について研究してまいりたいと考えております。
 また、特別支援学校におきましては、体温調整ができない児童生徒のための教室や保健室など、必要性の高い部屋から順次整備を進めてきておりまして、現在23.6%の設置率となっております。今後も学校からの要望も踏まえ、必要性の高い部屋から整備を進め、児童生徒の教育環境の充実に努めてまいりたいと考えております。

<和田県議>
 あまりにもひどい環境のもと、子どもたちが学校に通っているということが改めて明らかになったと思います。
 県内の市町村では、昨年夏の時点で、佐久市のある小学校では、PTAに扇風機の提供を呼びかけたところ100台ちかく扇風機が集まったそうです。
さらに、長野市では1月臨時市議会で市内小中学校全ての教室に1教室4台の扇風機の設置を決められました。
 県立学校のすべての保健室には早急にクーラーを設置することを求めたいと思いますが、教育次長あらためていかがでしょうか。

<教育次長>
 先ほど、保健室については今後設置方針および設置箇所については研究してまいりたいとお答えさせていただきました。やはり、限られた財源ということもございますので、どんなところを優先していくのか、例えばそれは地域性ですとか、普通学科であるとか普通高校であるとか職業高校であるとか、そういった種別等を含めて研究をしていきたいという意味でございます。

高校再編について
<和田県議>

 須坂商業高校と須坂園芸高校の統合、北佐久農業高校、臼田高校と岩村田高校工業科を統合し、平成27年度、総合技術高校にという提案がされました。それぞれ商業・農業・工業の職業高校として専門性のある教育を担って、地域に人材を輩出し地域経済や農業に役割を果たしてきたことは、いうまでもないわけですが、総合技術高校という新しい学校になっても、いままで培ってきた専門性を保障する教育内容・学校になるのか長澤教育次長にお伺いします。

<教育次長>
 総合技術高校の専門性に関するご質問でございます。総合技術高校は専門分野の科目を25単位以上習得する必要がありまして、これは従来の職業学科の高校とまったく同様でございますが、従いまして総合技術高校となりましても各学科の専門性は十分維持・確保されるわけでして、これまで培ってきた各校それぞれの伝統や実績も継承されるものと考えております。

<和田県議>
 私自身、長野商業高校に学び商業一般から簿記や珠算、コンピューターによる情報処理など、商業系の専門教育を受けさせて頂きました。また、伝統ある長商デパートで流通・販売、サービスの一端を学ぶという、大変貴重な機会を得ました。ぜひ、専門性を維持しながら今までの役割を果たせるように、お願いしたいと思います。
 山形県長井市の長井工業高校では大変興味深い取り組みがされておりますので、その一端をご紹介したいと思います。
 高校生たちも、地元の農家から依頼を受けて合鴨農業の「合鴨」に代わる「デジガモ」を3年がかりで製作したとか、福祉器具を工業の視点から作るなど、独創的な課題に取り組んでいます。そして、生徒たちは卒業までにいくつもの資格取得をするために、長期休暇や放課後も真剣に取り組んでいるといわれました。「長井市は新幹線も高速道もない」けれど、高校と地域を結ぶために行政が接着剤になって、地域に根付いた人たちの前向きながんばりでものづくりをしています。
 ここに、工業高校がいかされているわけでありますので、平成27年度開校に向けて、総合技術高校では施設整備の予算の確保と、また地域や高校生の声も聞き、教育内容の充実の図られるよう要望しておきたいと思います。

2、犀南地域の渋滞解消について

<和田県議>
 長野市犀南地域からの通勤時間帯の渋滞解消について、昨年6月県議会で、長野真田線、小島田地籍のバイパス整備が完了してバイパスの供用が開始されたとしても青木島交差点で主要地方道長野上田線と合流するところで、バス専用レーン一車線が規制されているため、午前7時から9時は、渋滞は解消されないのではないか、犀川に架かる新たな橋が必要ではないかと私は質問しました。
 そこで、県警本部長に2点お聞きします。

1、まず、長野真田線、小島田地籍のバイパス整備が完了し、昨年11月に供用開始されて以降、交通渋滞は緩和されたのか。実態についてお聞きします。

2、2点目は、渋滞緩和のためにバス専用レーンの規制の見直しについて、県・国、事業者、地元自治体、地元地区などによってこの規制のあり方等の検討がされたとのことですが、検討はどのようになっているのかお聞きします。

<警察本部長>
 小島田バイパスが昨年11月に開通した後の交通状況に関するご質問についてお答え申し上げます。
1、小島田バイパス開通後の本年1月中における一日あたりの平均交通量を、昨年同期と比較したところ、バイパス方面から県庁方面への平均交通量は増加したものの、バイパスと青木島交差点、これは三叉路でございますが、ここで合流する篠ノ井方面からの交通量は減少しており、この結果、2つの合計である青木島交差点における県庁方面への交通量は、3.1%の微増にとどまっております。
 バイパス開通に伴う交通量の増加を予測した事前対策として、青木島交差点から中御所交差点に向けた広範囲の各信号機の秒数調整や、信号機同士の連携調整をしたほか、バイパス開通直後から交通量の増加に対応したきめ細やかな信号秒数調整を継続して行ったところ、現在バス専用レーンの規制時間においては、これまで以上の渋滞の発生は認められず、それ以外の時間帯においても目立った渋滞は認められない状況です。

2、次に、バス専用レーン規制のあり方等の検討状況についてお答え申し上げます。昨年1月に開催した道路利用者を含めた関係機関、団体等による、長野市内バス専用レーンのあり方検討会において、規制時間短縮のシミュレーションの結果等をふまえた検討が行われ、現状の時間、及び区間の規制を維持することが妥当とされました。これを受け、警察ではバス専用レーンの交通規制を維持することとしましたが、以後もきめ細やかな交通量調査と、交通量に応じた信号秒数調整を継続して行っております。
 こうしたなかで、昨年11月に小島田バイパスが開通しましたが、さきほど申し上げました通り、これまで以上の交通渋滞は認められていません。さらに、本年にはいり、運輸関係団体から観光と経済効果、地球温暖化の観点からバス専用レーンの充実・維持等についての要望がなされるなど、バス専用レーンは路線バスの定時性の確保に貢献しており、広く道路利用者にも定着している状況にあります。
 今後ともバス専用レーン規制について、道路利用者をふくむ関係者の意見を広くうかがいながら、円滑な交通の流れを確保するよう努力してまいりたいと思います。

<和田県議>
新たな交通渋滞にはならなかったということでありますが、いずれにしても慢性した渋滞が続いているという現状のなか、冬季間は雪道での渋滞を避けるため、独自でバスや電車など公共交通の利用も窺えます。いずれにしても、丹波島橋以外の長野大橋、小市橋など、さまざま犀南地域からの渋滞は連日起こっておりますので、関係部局、地元自治体等と今後も、慢性化している渋滞解消のための対策を、私は橋が一番いいと思っておりますが、今後とも検討していただきたいとご要望をしておきます。

3、臨時職員の処遇改善について

<和田県議>
 日本共産党県議団は、繰り返し非正規職員の処遇改善を求めてきました。私自身も昨年2月県議会代表質問で改善を求めました。再度、臨時職員の処遇改善について総務部長に伺いします。

 国はじめ地方公共団体で行政改革が行われるなかで全地方公共団体の「臨時・非常勤職員」が平成20年には50万人にものぼり、「臨時・非常勤職員」であるにもかかわらず、
 1つとして、常勤職員と同様の本格業務に従事しているケース。
 2つとして、報酬水準や手当の支給について「常勤職員との均衡を図る必要があること」。
 3つとして、臨時・非常勤職員の任用が長期化している。
などの問題が指摘されたことを受けて、総務省が臨時・非常勤職員及び任期付き短時間勤務職員の任用について通知を出しました。しかし、長野県ではこの間、総務部長は非常勤職員の任用形態、あるいは職務の内容は、国あるいは地方公共団体ごとに異なる。国の指針どおりに同様に扱う状況にはない。と答弁を繰り返すばかりでありました。

 私は、あらためて、臨時職員の処遇改善を求めるわけですが、今日は1点に絞って、処遇の改善を求めたいと思います。総務省の通知で臨時・非常勤職員の勤務条件について、報酬等では、報酬及び費用弁償を支給と明示されています。
 しかし、長野県の非常勤職員の通勤費は交通用具を使用する方には一日につき100円。交通機関を利用する方は一日300円と、余りにも実態とかけ離れた処遇になっています。せめて通勤にかかる経費は実費、費用弁償に改善をすべきではないでしょうか。総務部長の答弁を求めます。

<総務部長>
 非常勤職員の処遇改善についてお尋ねでございます。
 非常勤職員の通勤にかかる費用につきましては、ただいま和田議員ご指摘の通りでございまして、交通機関を利用する場合には一日300円、車等の交通用具を使用する場合には一日100円、これを報酬に上乗せしてお支払しております。非常勤職員の処遇につきましては、平成20年4月から報酬額の引き上げを行いまして関係法令の改正に伴いまして、昨年6月から、看護するための休暇や、あるいは介護するための休暇を新たに設けるなどの改善を順次図ってきたところでございます。
 また、総務省からは平成21年4月に臨時・非常勤職員に任用等に関しまして、任用の際の勤務条件の明示であるとか、あるいは休暇その他の勤務条件に関して留意すべき事項が示されたところでございます。
 非常勤職員の通勤費用につきましては、報酬額なども含めて勤務条件全体の中でとらえていく必要があるのではないかと考えております。
 いずれにしましても、総務省の通知の趣旨を十分に踏まえて、適切な処遇のあり方を検討していきたいと考えております。

<和田県議>
 長野県ではすでに行政改革で1550人以上の職員の削減が行われたわけです。非常勤職員が常勤職員同様になっているのではないか、さらに非常勤職員は官製ワーキングプア状態で放置されているのではないか、こういう危惧、現実に起こっているわけです。ですので、ぜひこの臨時職員の方々の処遇の改善を真剣に行ってほしいということです。
 今部長は、総務省の通知を十分に踏まえということでしたが、何度この通知を読んでも、その総務省の通知で、臨時・非常勤職員の勤務条件について、報酬等では報酬および費用弁償の支給ということが明示されているわけでありますから、通勤費は費用弁償で、実費の支給を実現していただくように、総務部長、繰り返しになりますが、お願いをしたいと思いますがいかがでしょう

<総務部長>
 繰り返しでございますが、先ほど申しましたとおり、総務省の通知の趣旨を十分に踏まえまして、適切な処遇の在り方について検討してまいりたいということであります。

<和田県議>
 通知を十分に踏まえということですので、これは解決にむけて、前進させるために、きちんと対策をしていただくということを引き続き要望しておきたいと思います。
  去年、あの猛暑のなか子どもたちは、夏休み以降は学校の文化祭の準備ですとか運動会の準備ですとか、体力的に大変消耗する。教室にただ座っているだけで汗がポタポタ落ちてきて拭っても拭っても大変だったと。そしてノートにも汗がポタポタと滴り落ちたと聞きました。
 また、ある子どもは学校にいったら、あまりの暑さに食欲をなくして給食もほとんど食べられなくて体調を崩したという声もお聞きしました。
 環境を整えるという最低の条件でありますので、この教育環境の整備は、子どもたちを安心して迎えるためにも、ぜひとも県立学校の環境整備は、知事部局でも真剣に受け止めて改善をしていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。