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2005年 09月議会
長野県立病院条例の一部を改正する
条例案についての反対討論(9/27)
藤沢議員

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。



 日本共産党県議団を代表し、議第12号長野県立病院条例の一部を改正する条例案について反対の討論をいたします。
 今回の条例改正は、10月1日から施行される介護保険法の一部改正により居住費および食費が介護給付から外され、全額利用者負担とされる、給付方法の変行に伴う木曽、阿南病院などの県立病院の介護事業に関する利用料金の改正を行うものであります。
 この改正によって、利用者は介護サービス費用に含まれていた居住費相当分の一割負担を全額負担に拡大され、基準となる負担額が相部屋で一日320円、一ヶ月一万円、ユニット型個室は一日1640円、一ヶ月 6万円と部屋の形態と所得によって負担額に違いはありますが多額の居住費を新たに負担することになります。
 又、これまで食材費相当分として一日780円負担していた食事代は栄養管理費を除き、食材費と調理費相当分が全額利用者負担となり、基準費用額一日1380円一ヶ月4万2千円を負担することになります。
 政府与党と民主党によって強行された介護保険法の改正は利用者負担の増大と、軽度の利用者は施設入所から外すなどサービス切り捨ての許しがたい改悪であり、現場では大変な混乱がおきています。
 厚生労働省は10月から実施される改正だけでも3000億円の介護保険給付費を減少させることができるとしておりますように、今回の改正がサービスの改善どころか介護への国の財政支出を抑制する発想から出発していることに怒りを覚えるものです。
 又、厚生労働省も県も10月からのホテルコスト導入の理由を、在宅と施設入所者の負担の公平化と介護保険料の引き上げ抑制のためとしていますが、単身者は別として、高齢者世帯は二重の居住費負担を強いられることや小林県議の質疑の中で明らかにされた在宅介護ほど負担が重くなるという仕組みを見れば公平などということは全く筋違いであります。
 保険料引き上げの抑制のためと言っても、県立病院関係だけでも8千3百万円もの利用者の負担を増大させてはその理由は成り立ちませんし、そもそも国の負担分を半減させて、負担を国民に肩代わりさせたことが保険料の引き上げを招いているのです。
 厚労省は低所得者には配慮しているとしていますが、年金7万円で特別養護老人ホームの準個室に入所の高齢者の場合はサービス利用料が2万5千円、食費が2万円、居住費が4万円で8万5千円となり、年金を超える負担となります。そして今回の改正では現在15%の個室割合を70%にまで引き上げて、七割の入居者から高額の個室料をいただくとしておりますから、低所得者は利用を制限されるというひどい中身であります。
 先日訪問いたしました老健施設では、入所者の家族からこれ以上の負担はできないので家に引き取りたいと申し出があったが、在宅での介護体制は不十分としかいいようがない。しかし施設自体の経営も大変厳しくなるのでこれ以上の支援はできない。本当につらいと職員は胸の内を語られました。
 このような国のお年寄りいじめに対し、県が利用者負担の増額分の8300万円を全額県費で見ることは現在の県財政から見ても厳しいことと思いますが、今回の改正に当たり、利用者負担を少しでも緩和しようと努力をしている自治体があることに心してほしいと思います。
 秋田県湯沢市、東京都千代田区、荒川区を始め県内でも松本市や豊丘村が軽減措置を実施することになりました。
 松本市は社会福祉法人が実施する低所得者への負担軽減率を国が4分の1に引き下げたことに対し、独自に年金収入などの合計が年80万円以下の人の軽減率を2分の1に据え置くなど、利用者負担の軽減をはかります。
 県はこれらの市町村に学び、国の負担増をそのまま県民に転嫁することなく県としても負担軽減のための努力をすべきであります。
 16年度成立で来年度から課税される老年者控除の廃止は高齢者に六億六千万円の県民税の増税負担となります。
 せめて、増収分の一部を県独自としての減免にまわすことを提案するものであります。
 本日の赤旗新聞によりますと、共産党国会議員団の申入れに対して、尾辻厚労相は、地方自治体が利用者負担の減免措置を行なっていることについて「国が地方自治体にペナルティーを科すなどの干渉をすることは、全く考えていない」と述べたと報じられております。
 私は、県が社会保障を前進させてきた県政の流れを更に前進させる立場に立ち、県民のいのちと暮らしを守るために努力をしていただくことを強く求め、利用料値上げの条例案には反対の討論といたします。


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