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2005年 2月議会 藤沢議員の代表質問(2/24)

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 知事の政治姿勢について
  2. 「信州モデル創造枠」予算について
  3. コモンズ支援金について
  4. 雇用対策について
  5. 高齢者福祉について
  6. 児童虐待の防止について
  7. 信州はぐくみプランについて
  8. 子育て支援について
  9. 福祉医療について
  10. 教育について
  11. 組織・人事について
  12. 情報公開について


日本共産党を代表し、知事ならびに関係部局長に質問いたします。

1 まず知事の政治姿勢について質問させていただきます。

 最初に、憲法9条についての知事の見解をお伺いいたします。
 国連は、国際障害者年の折に「戦争は最大の暴力であり、大量の人命を奪うとともに多数の障害者を作る。平和があってこそ障害者の人権も生活も保障される」と全世界に呼びかけました。この平和のメッセージは障害者のみならずどれだけ多くの平和を願う人々を励ましそして共感を呼んだことでしょう。
 おりしも、世界各地から知的障害者の皆さんが集い、可能性に挑戦し、花開かせるスペシャルオリンピックスがここ長野で開催されます。
 開催地の長野県から、全国そして世界に向けて平和の発信がなされることを心から願い、以下平和の砦、憲法9条を守ることへの知事の所見をお伺いいたします。
 今年2005年は、戦後60年の節目の年、日本の平和憲法が制定されて58年を迎えます。
 日本国憲法は、主権在民、戦争の放棄など平和的、民主的な五原則が明記された憲法ですが、とりわけ武力行使の永久放棄や戦力不保持を明記した9条は憲法前文にもその目的が明記されているように平和な国づくりの根幹であります。
 憲法9条は2千万人のアジアの人々、310万人もの日本国民の侵略戦争による犠牲者の上に築いた国民の不戦の誓いであるとともに、世界に向けての日本は二度と戦争はしないという約束、公約でもあります。そして日本が恒久平和主義のもとにがんばることで世界平和への先駆的な役割を果たそうという決意でもありました。日本軍国主義によって犠牲にされた多くのアジア諸国民にとって、憲法9条は一人、日本の憲法であるだけでなく、共有の財産となっているのであります。
 憲法制定当時、文部省が発行した「新しい憲法のはなし」は憲法9条について「日本は正しいことを他の国より先に行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません」と平和の理念への信念を述べています。
 しかし、悲しいかな、知事もご承知のとおり、この崇高な公約も誓いも投げ捨てて、憲法9条をなくしてしまおう、日本をアメリカに従って戦争をする国に変えてしまおうという動きがかつてない規模と強さで台頭して、国会でも国民投票法案が具体的な政治日程に上るなど、今年は大きな山場を迎えています。
 この改憲の動きに対し、今全国で、二度と戦争は繰り返してはならない。平和の砦憲法9条を守り、激動する世界に輝かせ、生かすという平和を願う広範な人々が立ち上がり、草の根の運動が大きく広がっています。
 長野県も昨年5月3日に井出孫六、小宮山量平、宮地良彦氏ら16名の呼びかけ人により「県民署名をすすめる会」が発足しました。その後、呼びかけに応えて、各地で思想信条の違いを超えて結成、又準備中の9条の会は、合わせると100をこえる地域・職場に及びます。県民人口の70%の地域に広がっているわけであります。
 憲法9条を守る県民過半数署名をすすめる会の代表世話人を務める小布施の桜井甘精堂の桜井さんも、県下各地の集会で心から、憲法9条を守りましょうと訴えています。
 知事も県議会で繰り返し「憲法9条は変更すべきではなく、誇りを持って具体的に世界に定着すべき」とご答弁されております。是非このお考えの下、憲法9条守る先頭に立っていただき、県民を励ましていただきたいと思いますが知事の所見をお伺いいたします。

 次に、県国民保護計画についてお伺いいたします。

 長野県はこの2月定例会に、国民保護法に基づいて新年度中に策定する県国民保護計画の策定にあたる「県国民保護協議会」と「県国民保護対策本部の設置」等にかかわる条例案を提出しましたが、そもそもこの国民保護法は昨年6月に成立した憲法違反の有事関連法案の一つであります。
 国民保護法は、自治体や公共機関、民間企業に戦争に協力する計画作りをさせて、平時から戦争に備えさせる体制をつくろうとするものであります。つまり、米軍が軍事介入したり、イラク侵略戦争のような戦争を起こして、政府がこれを武力攻撃予測事態とみなせば、自衛隊を戦闘地域にまで出動させ、米軍を支援し、この作戦に政府機関、自治体、民間企業、そして国民を総動員できる枠組みを作ったということになります。武力攻撃予測事態を閣議決定し、安全保障会議で総理大臣が判断した瞬間から地方自治体は団体自治としての権限をすべて奪われてしまうことになります。指定公共機関として指定された団体、企業が輸送や医療等における協力要請を受けたとき、もし拒めば罪になるという国民の基本的人権を侵害するものです。
 今後は地方自治体に条例づくりや様々な具体化が求められますが、その場合、県民の基本的人権、財産権を保障していくべきと思いますが、知事のご所見伺いまして1回目の質問おわります。

      【田中知事】
      (答弁はあとで)


 知事に於かれましては、平和のためにこれからもそのお立場でご努力をいただくというふうに私は受け止めたわけでございますが、先ほど知事は若い方の中には平和に対してまだまだ不十分な面があるのではないかというお話ございましたが、私は松本の松商学園高校とか美須々高校の放送部の実践報告をお聞きした機会がございます。本当に平和の問題、若者なりに若者の感性で受け止めて、そして、平和こそ青年たちの未来を切り開くと、この立場でがんばっているわけでございますので、ぜひこういう皆さんとも一度お会いしてみていただければと思います。
 憲法五原則の中に地方自治が位置づけられております。先ほど知事は、過去をしっかり見つめると、このことが大事だとおっしゃいましたが、かつての侵略戦争、中央集権的な軍国主義、これが全国を覆う中で、地方自治体がすべて総動員をされていった、その反省の上に立って憲法五原則の中に地方自治がしっかり明記されたと私は確信をしているところであります。過去の過ちを再び繰り返さない、そのための今地方自治の確立が求められているのではないでしょうか。長野県という自治体のトップに立つ知事がこの危険な国の動き、体を張って阻止をしていただきたい、そしてこの長野県の知事だけではなく、私は全国の自治体の首長さんに是非このお立場を持って平和を守る先頭に立っていただきたいと、心から願う次第でございます。


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 新年度予算と県政運営について提案も含め質問をさせていただきます。

 田中県政はこの間、公共事業の無駄を見直し、同和特別対策の廃止、県債発行の抑制と縮減をし、危機的な状況の長野県財政の改善を図りながら、福祉や教育・環境などへと県予算を重点投資していく方向に転換してきました。
 一般会計の県債残高は3年連続減少の見込みとなり、特に普通債は5年連続の減少となりました。県の借金である普通債は90年代には毎年増え続ける一方でした。
 90年代の10年間に1兆67億円の増となったものを、知事交替後の4年間で2,218億円減らしたことになります。減ったのは金利が低くなったことや臨時財政対策債の影響だと言うご意見もありましたが、それは残念ながら正しいとは思いません。
 かつて「有利な起債」の名の下に、国からの交付税措置があるからと、大型公共事業優先の予算編成が続けられ、その結果は、措置されて増えるはずの地方交付税が増えるどころか減らされて、予想をこえた借金が地方財政を大きく圧迫する結果となったことは、多くの皆さんがご存知のとおりです。
 臨時財政対策債も、現代版「有利な起債」であり、本来国が地方交付税を増やさなければならないのに、地方自治体に借金をさせると言う点で、借金の先送りであることに変わりありません。
 改めて申し上げるまでもないことですが、1兆6千億円の借金の9割は公共事業で作った借金です。ここにメスを入れること無しに、借金体質からの脱却ができないことは明らかなことであります。相つぐ地方交付税や国庫補助金の大幅な減額、長引く不況の中での県税収入の落ち込み、この困難な事態をのりこえながらも、長野県の借金が減ったのは、決して自然現象ではなく、「財政改革推進プログラム」に基づいて、公共事業の見直しにより、地元業者に優先発注できる生活密着型事業に重点化しながら公共事業の総額を抑え、公共事業予算を災害対策以外は基本的には当初予算で計上するなど、新たな借金を増やさない努力をしたこと、職員が県民の協力を得て、事務事業の見直しをはじめとする節約に努めてきた結果であること。これまでの代表質問ではこの点が触れられましたので、私はあえて党県議団の見解を述べさせていただきました。

2 つぎに、信州モデル創造枠予算の基本的な考え方について伺います。

 私たち日本共産党県議団は、「財政改革推進プログラム」の策定にあたり、「福祉や暮らし、教育のための予算を使いすぎて借金が増えたのではない以上、厳しい県の財政の建て直しにあたっても、すべてを一律削ると言うことではなく、切実な県民要望実現のために、知恵を出してほしい。国の制度にないものでも、県民が希望を持てる予算編成をしてほしい。」と30人学級の実現をはじめとする県民要望の実現について強く申し入れました。
 その立場から、「長野モデル創造枠事業」現在の「信州モデル創造枠事業」については、スタート当初、充分な精査がされずに未執行のものや実情に会わないものがあったことについては改善の努力をするべきと思いますが、厳しい財政状況の中でも、制度の枠にとらわれることなく、できる限り県民の切実な願いに答えていこうと言う基本的な考え方を歓迎するものです。
 先日も、「県民参加の政策作り」にかかわった病気療養児を持つお母さんから、院内学級のない病院で治療する子どもにも先生を派遣するという新年度事業について、「10年はかかると覚悟していたのに、こんなに早く実現できるとは夢のようです。」と期待と喜びのはがきをいただきました。
 まだまだ厳しい財政状況ではありますが、だからこそ、いっそうの節約に努めながらも、知恵を尽くして、事業内容をいっそう精査しながらも、「信州モデル創造枠事業」を充実したものにしてほしいと考えますが、基本的な考え方について、改めて、知事の見解をお伺いいたします。

3 コモンズ支援金の選定委員会について

 コモンズ支援金については、多くの市町村から歓迎された「地域づくり総合支援事業」や「集落創生交付金」を発展的に充実させるものとして、財政力のない自治体が自立してがんばっていこうとする支援などに生かされてほしいと思いますが、決定したのが時期的にぎりぎりだったことや、選定委員会のメンバー構成によっては、その趣旨が正しく生かされるかどうかが心配されるところです。中央集権化、統制されたものにならないように、選定委員会には市町村と県が同じ土俵で協議ができるような仕組みを、例えば市町村長などの代表を入れるべきではないかと考えますがご答弁をいただきます。

4 次に、雇用対策について商工部長に質問します。
 6月県議会において県議会が議決した「緊急地域雇用創出特別交付金事業の継続と拡充を求める意見書」を国に送付しましたが、国はこの事業を今年度で廃止しました。
 緊急雇用ということで、短期雇用とはいえ有効な施策が行なわれてきました。
 県の「産業活性化・雇用創出プラン」のなかには、国の事業を取り入れてありましたが、廃止されたことに伴い、県独自の事業として継続すべきと思うがどうでしょうか。
 また、今年度の「雇用創出プラン」の主な分野別の常勤雇用、短期雇用の達成状況について商工部長にお伺いしまして2回目の質問終わります。

      【田中知事】
       最初のご質問のとき、若い人達が関心がないと言っているんではなくて、そうした気持ちがあるけれども、行動までに至らない、つまり若い人が投票に行かないのと同じで、でも世の中には関心もっているわけですから、そうしたものをやはり広げていくと言うことの中での私はネット社会の可能性、ですからホリエモンを出したのは、私はホリエモンのような人が社会的な発言をしたときにそれはいい意味でオストラシズムとは違う形で広がるならばそうした可能性を求めるべきで、それに対して今まで建前で正義を語ったりしていた人達が今右往左往しているというのが大変こっけいな今の社会でございます。それが長野県においても同じことが言えるのだと私は思っております。
       「信州モデル創造枠予算」に関してでございますけれども、イデオロギーが費えた時代においては、私は石原慎太郎氏が生活保護と義務教育と災害関連というものは、まさに国が行なうか、都道府県が行なうか、市町村が行なうかの実施主体を問わず、国民の生命と財産を守ると言う観点から国が財源保障すべきだと言ったことは、これは非常に慧眼だと思うんです。やはり、行政と言うものが最後に残るのは何かと言えば、それは私は教育であったり、福祉であったり、災害関連であったり、採算は取れない、民間の社会においてはおそらく、取れる福祉はずいぶん増えています。もちろん。そうしたことは私どもはグループホームはじめ宅幼老所はじめ支援しているわけですけども、こういったことに私たちはたずさわるということが、究極の行政の残される仕事だと思っております。「信州モデル創造枠」というのはその意味で3×3(スリーバイスリー)という福祉・医療・教育・環境ということを基軸に据えているのはこうした点であります。そしてこれは提案説明の中でも申し上げましたけれども、このことを実現していくには、いい意味で小布施町が活気づいたように、とがった人、ドンキホーテで終わらないドンキホーテの理想を述べるだけでなくて行動する人がいて、そこにしがらみを乗り越えられる、しがらみとは無縁の人が来てアンシャンレジュームな制度や仕組みや体質をよい意味で溶かしていくと、そのときに今まであきらめかけていた、あるいは声を出そうとしても出さなかった方が世代を越えて、まさに若者としてしがらみを乗り越えていくというときに初めてコモンズは活性化するわけでございます。こうしたことをよい意味で誘発するための予算というものが「信州モデル創造枠予算」であろうと思います。それは昨日の柳田県議もおっしゃっていたように私たちの目指す未来を実現するための誘導とよい意味での誘導策だと思っております。もうそれ以上あらためて申し上げることはないようにも思いますが、個別の予算をご覧いただくと私どものそうした思いというものが入っている、そして昨年に関しても97%ほどの執行率ということで推移してきておりますので、まさに社会に生きること、参加することがわくわくドキドキするそうした本県、信州長野県を形作れる「信州モデル創造枠」にさらにしてまいりたいとこのように思っております。
       コモンズ支援金に関してでございますが、これは昨日もお詫び方々お話をしておりますが、私どもの思いというものは今まで市町村地域の方々に大変評価をいただいておりました事業というものをより充実させていくと、同時にこうしたことが広く知られてまいりましたので、市町村や県民等からさらに求められることを県としてご一緒により促進してまいりたいという形でございます。いわゆる現地機関としての部分は昨日も申し上げましたように市町村長等にもお入りいただいて選定をしていくというかたちになっておりますので、議員ご懸念の点は昨日すでに申し上げたところでございます。以上です。

      【志村商工部長】
       お答え申し上げます。2点、「緊急雇用創出特別金事業」の関連とそれから平成16年度の「産業活性化・雇用創出プラン」についての達成状況ということでございます。
       まず最初に、緊急雇用創出特別金事業でございますけども、これにつきましては、平成13年12月に国から交付金の配分を受けて実施してきているところでございます。この事業につきましては臨時的雇用を創出する目的でございまして本年度末をもって終了するということにしてございます。
       4年間で県事業分として約36億円、市町村事業分として約43億円。合計約79億円の事業を実施してきてございます。16年度末で現時点での見込みでございますが、70万6,884人日の雇用の確保が見込まれているところでございます。この結果、基金創設時に目標としておりました約70万人日の目標を達成できる見込みとなってございます。
       また、基金事業による臨時的な雇用期間が終了した後、新たに正式雇用に結びついた方が15年度末までの3年間で369名になってございます。この事業の大きな効果の一つであろうと考えてございます。
       さらに、人材育成や相談事業など対県民向けサービスの向上が図られるとともに各種のデータベースの整備などの事業も実施され、行政施策のいっそうの充実が図られたものと考えております。加えて巡回パトロールなどの実施などによりまして住みよい地域づくりを進めることができたと考えております。先ほど申し上げましたように緊急雇用創出特別金事業、本年度末をもって終了することとなっておりますが、先ほど事業効果等の面で申し上げましたとおり、いくつかの事業につきましては引き続き対県民向けサービスの向上が図られる事業につきまして17年度当初予算で現在予算でお願いしているところでございます。例えば、木曽路の交通安全を図るための警戒員の配置をする「木曽路交通事故抑止対策事業」あるいは小中学校におけます障害のある児童・生徒等をサポートするための介助員の配置をする「子どもホットサポート推進事業」など11事業につきまして、総額約2億円でございますが、各担当部局で事業の予算化をお願いしているところでございます。
       また、国の方の動きでございますけれども、全国的には雇用・失業情勢に地域間格差がみられることから国において新たな取り組みとして、雇用機会が少ない地域において、雇用創造に自発的に取り組む市町村や経済団体等から構成される協議会が提案した雇用対策事業の中からコンテスト方式により、雇用創造効果が高い地域を選抜しまして、事業実施を委託する「地域提案型雇用創造促進事業」というものの創設を検討してございます。県内でもいくつかの市町村でこの事業提案を検討しているというふうに聞いてございます。県といたしましても、採択の条件となる地域再生計画の  申請等に向けて積極的に支援をしてまいりたいと考えてございます。
       それから2点目でございますが、平成16年度の「産業活性化・雇用創出プラン」の各施策区分別の雇用創出実績についてお答え申し上げます。
       平成16年度につきましては、当初予算平成16年度当初予算に基づきまして常勤的雇用で約4,600人、短期的雇用で約30万人日の雇用創出を目標として掲げているところでございます。
       平成16年度の実績でございますが、平成17年2月15日時点における見込みとしまして、常勤的雇用につきましては4,317人、達成率にしまして93%。短期的雇用につきましては22万1,682人日、達成率にしまして74%となってございます。なお雇用創出プランで扱っております雇用のそうした実績について申しますと、3つの区分に分かれてございます。
       県が直接に人件費を負担する事業、私たちカテゴリAと称してございます。それから施設整備等に伴い施設基準等に基づく職員雇用数が客観的に把握できるものこれをカテゴリBというふうに称してございます。それから民間に対する各種支援策によりまして間接的に雇用創出が行なわれるものにつきましてカテゴリCというふうに称してございますが、このカテゴリCにつきましては事業によっては産業連関表などを使った統計的な手法で推計値を積算しているものもございます。
       先ほど申し上げました2月15日時点の実績の見込みでございますけども、今後公表される統計数値に基づいて実績を算定する事業も、それから11万6,000人日の短期的雇用を目標としました市町村の緊急雇用創出特別金事業などが先ほど申し上げました実績には計上されてございません。これから未計上の実績を最終的に積み上げた段階で私どもとしては概ね今年度の目標が達成できるものと考えてございます。いずれにしましてもこの数字につきましては来年度にならないと正確な数字は、私どもとして来年になりまして新しい正確な数字を改めてご説明申し上げたいと思います。
       主な施策分野別の現時点における見込みでございますが、スリーバイスリーによる新たな産業作りにつきましては、現時点で常勤的雇用で22人、短期的雇用で2万930人日を見込んでございます。なお、常勤的雇用につきましては、今後統計数字に基いて実績の算定を行いますサステイブルインダストリイイン信州事業などによる実績の積み上げが見込まれているところでございます。

       次に福祉・医療・環境・教育関連施策の充実についてきましては、常勤的雇用で2,501人、短期的雇用で8万5,262人日を見込んでございます。
       ブランド力ある産業の発展につきましては、現時点で常勤的雇用で130人、短期的雇用で1万7,410人日を見込んでございます。なお、これにつきましても常勤的雇用につきまして今後統計数値に基づいて算定する観光の関係の事業に関します実績の積み上げが見込まれております。
       続きまして総合的な、創業支援と企業誘致でございますが、常勤的雇用で1,612人、短期的雇用で1,081人日を見込んでございます。
       つぎに、民間活力を発揮させる環境整備につきましては、常勤的雇用で7人、短期的雇用で9,575人日を見込んでございます。就業機会の確保につきましては、こちらは短期的雇用のみでございますが、8万4,235人日を見込んでございます。最初に申し上げましたとおり、これには市町村の緊急雇用創出特別金事業については現時点では計上してございません。
       最後に、建設産業の構造改革の支援でございますが、この分野では常勤的雇用で45人、短期的雇用で3,180人日を見込んでいるところでございます。いずれにしましても、雇用対策につきましては「産業活性化・雇用創出プラン」に基づきまして雇用創出を図るという視点と、緊急雇用基金事業といった事業を使いまして緊急的・臨時的に雇用を創出するという2本の柱で行っているところでございます。今後とも雇用情勢を注意しつつ、適時適切に対応に努めてまいるということとしておりますが、特に雇用創出を念頭においた産業振興はもとより、今後につきましては県産業の将来を担う人材育成策、障害者などの弱者の就業促進、ジョブカフェ信州による若者支援といった長野県の基盤をいっそう強化・充実するような雇用対策を積極的に展開してまいりたいと考えております。以上でございます。



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 「信州モデル創造枠」予算につきましては、今知事からもご答弁がございましたが、また、先ほど私も述べさせていただきましたように、これまでなかなか光の当たらなかった福祉や教育や本当に切実な県民要望に光が当てられ始めたとこういう性格を持っているんだということを私たちも確認をしたいというふうに思います。
 この結果、長野県の民生予算というのは、私が県議になった当初は全国の順位というのは下から数えて4番目とか5番目とか、非常に低い中身でした。先日伺いますと、長野県の民生予算、歳出に占める比率ですけれども15年度で見ますと順位は24位にまで前進が図られております。この結果を見ましても、やはり特別な福祉や教育への手立てということが県民の望むかたちでの予算編成にもつながってきている。このことを私たちもやはりしっかり捉えてながら予算編成については見ていく必要があるかなというふうに思うわけです。
 さて、雇用対策についてなんですけれども、短期とはいっても今商工部長からもお話がございましたように、非常に県民にとってはさまざまな分野で恩恵があったというふうに思います。雇用創出につきましても、その達成の状況を見ますと福祉の分野での雇用の創出が大きかったと今受け止めたわけですけれども、やはり福祉はマンパワーと言われます。この事業が継続されるということがどれだけ大事か、残念ですけれども国は今年度末をもって打ち切ってしまうということでございまして、是非県からもこの継続・復活を求めるよう国に強力に働きかけをしていくべきだと思いますが知事のご見解をお伺いいたします。
 
 つづきまして、党県議団は新年度予算編成にあたりまして、県民の熱い期待に応え、暮らし、福祉、教育、環境、雇用などの施策の前進を太い柱に据えた約150項目の予算要望をしてきたところでありますが、その中でもとりわけ県民にとって切実で必要な施策を提案いたしますので、真摯なご答弁をいただきますようお願いいたします。

5 県民にとって安心できる老後は切実な課題であるということです。

(1)長野県が昨年度実施しました県政世論調査によると老後への不安を、かなり感じるが45.2%、少し感じるが39.4%。合わせると8割を越える人が感じていると答えています。
 何に対して不安を感じるのかでは、寝たきりや認知症など健康のことが7割、同じく7割が収入など経済的なことと答えています。そして行政に対して望むことは、安心できる年金制度が80.5%と最も多く、次に多いのが4割の高齢者が介護を受けられる施設の整備です。年金の充実で安心できる暮らし、そして安心して介護の受けられる社会を多くの県民が切実に望んでいる結果を世論調査は明確に示しています。
 日本共産党は年金充実を願う国民の皆さんの声に応え、年金大改悪は実施を中止し、道路特定財源の一般財源化など歳出の無駄をなくす改革によって財源を確保し、国庫負担をただちに2分の1に引き上げて年金保険料の引き上げを凍結、全額国庫負担による最低保障年金制度の実現を目指していますが、田中知事も平成15年には国に対し、保険、医療、福祉これらの施策に関する提言をされています。長野県は全国でもトップの長寿県だけに高齢者の生活保障は重要であります。国が打ち出した年金課税強化、少なくとも100万人の高齢者が非課税から課税になる高齢者の住民税非課税限度額の廃止、介護保険料などの引き上げが次々と実施されようとしています。
 さらに、特養入所者など施設利用者負担も今年10月から値上げがされ、居住費や食費を保険からはずすことで年に3千億円の負担がお年寄りや家族にかぶさり、入所者一人40万円もの大幅負担増になります。
 高齢者の暮らしを脅かす国の一連の「改悪」を知事は、高齢者の社会保障との関係でどのように捉えられるのかご所見を伺います。また、県民の代表として長野県から中止を求める提言をしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。あわせて知事のご答弁をいただきたいと思います。
 
(2)私は先日、「娘さんの出産のお手伝いに行きたいのだが、介護をしているおばあちゃんを預かってくれるところがなくて困っている。何とかならないでしょうか」との相談を受けました。ケアマネージャーの方も本当によく捜してくれたんですけれども、見つからない、困り果ててのご相談でした。私も何とかしなくてはと老人福祉施設をあたりましたが、案の定どこもいっぱいで受けてはもらえませんでした。冬場は特に預ける人が多くなり、ベッドはどこも満床なのです。仕方なく、知り合いの施設に2〜3日でいいからと半ば強引にお願いしたのですが、この方は結局娘さんのお手伝いを充分してあげることなく、帰宅せざるを得なかったということです。
 もう一例です。老老介護という言葉を耳にいたしますが、高齢の夫を介護されていた70代の女性がおむつ交換などで、腱鞘炎になって腕が動かなくなってしまいまして、緊急の手術が必要ということになりました。夫を預かってくれる福祉施設をケアマネージャーと探しましたが、やはりどこも空きのベッドはなく受け入れてもらえなかったのです。
 万策尽きて仕方がないので、この女性が手術を受ける病院にご一緒に預かっていただくことになりました。この方は、「介護保険っていうのは何なのでしょうか。私たち夫婦は老後のことを考えて、ささやかな年金の中から一生懸命介護保険料もお支払いしてきました。でも困った時にこんな仕打ちを受けるなんて本当に悔しいです。」と怒り心頭でした。
 このような状況は頻繁に発生しています。介護の社会化が叫ばれ、介護サービスを自由に選択できると宣伝されて導入された介護保険ですが、高い利用料が重荷になり、サービスを自ら縮小せざるを得ない高齢者世帯の悲しみをはじめ、不自由なお体のまま退院を迫られ、在宅での介護体制が作れないご家庭の皆さんが入れる施設がないか必死で探し回っている現状は相変わらずであります。このような現実を見ている県民にとって安心できる介護体制は切実で緊急の課題というのは当然のことであります。
 現在、特別養護老人ホームの待機者は松本市では約600人、長野県では在宅だけでも3千400人近く、社会的入院・ショートスティなど短期施設入所者、合わせると約8千人の方が待機しています。
 また、入所待ちをはじめ在宅での介護をされているご家庭にとってショートスティは欠くことのできない在宅福祉の柱であります。今ご紹介したように緊急の場合はほとんど利用ができないのが現況です。特に登録されていない新規の場合は取り分け難しいのです。
 長野県は全国でもトップクラスの宅幼老所の設置、そして新年度からは宅幼老所での緊急時の夜間介護へのとりくみをはじめ、新年度の老人福祉施設整備は特別養護老人ホームの新規4箇所の創設など新規分10箇所、継続3箇所の整備がされることになりましたが、これは社会部の大変なご苦労があったなかでの対応ではないかと言うふうに思います。緊急夜間介護支援事業は高額の自己負担でやむなく施設にお願いしていた介護者にとっては本当にありがたい施策でありまして、このことも高く評価をするものです。 
 今後、県民の切実な思いに応えてショートスティの整備促進をはじめ特別養護老人ホーム待機者解消の為の改善、これを本当に一生懸命やっていただきたいと思うわけですが、新年度は第3期介護保険事業支援計画、この見直しがございますが、この計画と計画の中でこのことをしっかり現状を反映させて、いい計画にしていただきたいと思いますが社会部長のご所見をお伺いいたします。

6 つぎに安心して子どもを育てられる、長野県にしていきましょうという提案でございます。児童虐待の防止について伺います。

(1)昨年暮れの松本市内での母親がわが子の命を奪うという事件に県民の皆さんは大変なショックを受けたのではないでしょうか。
 子育て中のお母さんたちからは、絶対に起こしてはならない事件ではあるが、全く理解が出来ないとはいえないという言葉が寄せられています。
 あの事件以来、児童相談所には相談の電話が増えたとお聞きしました。
 長野県衛生部による3歳児検診時の保護者へのアンケートの結果も、子育てがつらいと感じる頻度は「いつも」と「時々」を合わせると、6割に上っており、子育てへの不安が顕在化していることが見て取れます。児童相談所に届く虐待の裾野には子育てと虐待の不安を感じている家庭がたくさん存在しているということになるのでしょうか。
 県は虐待相談件数の激増などに対応して、児童相談所については通年での一時保護体制の整備、新年度での児童同福祉司の増員、24時間ホットラインなど前進させてまいりました。相談所に到達するまでの予備軍のケア、つまり虐待予防に対して積極的に取り組むことが虐待を未然に防ぐと言うことからも、これまでの前進にさらにこの点を位置づける必要が重要ではないかと思うわけでございます。児童相談所にまでは勇気がなくて相談できない人もいるといわれますし、保護のための強制力をもった児童相談所を受け入れられない親もいると聞きますので、児童相談所との間にクッションとなる相談のできる第3者機関の体制作り、このこともお考えになってはいかがでしょうか。そしてあわせて、乳幼児検診の時に子育ての環境がどうなか身体的な発達、加えて家庭環境もどんなようすか、これを把握できるような、そしてその結果、個別に支援の出来る体制作りも児童虐待予防対策として必要だと考えますが、社会部長の所見を伺います。
 
(2)次に一時保護の児童生徒の教育権保障について、教育長職務代理者に伺います。
 現在、長野市と松本市に設置されている一時保護所では教員配置による教育体制の整備がされておりません。最長で2ヶ月の一時保護ですが、長期の児童が増えているとのことで、子どもたちへの教育保障の必要性は相談所からもあがっていると伺っております。困難を抱えた子どもたちだからこそ、あたたかい教育保障が特別必要ではないでしょうか。
 院内学級のない病院に入院している児童への訪問教育も新年度から開始されるようになり大変喜んでいるわけですが、一時保護児童への教員の配置も当然成されるべきと思いますが、小林教育長職務代理者のご答弁お願いいたします。
 
7 つぎに少子化対策としての「信州はぐくみプラン」について伺います。

 長野県は平成13年3月に策定した子育て応援プランを1年繰り上げて新たな支援策を盛り込んだ「信州はぐくみプラン」の策定に取り組んでおります。
 このプランは、国の少子化対策法と連動した次世代育成対策推進法に基づく県の行動計画として位置付けるとしています。計画期間は平成17〜21年の5ヵ年でありますが、次世代育成対策推進法が今年度中に自治体と301人以上雇用している事業所に行動計画の策定を義務付けたことによるものであります。
 そこでこの行動計画策定と子育て支援についての党県議団としての考えと今後の取り組みについて提案をさせていただきますので教育長職務代理者からご答弁をお願いいたします。
 出生動向基本調査によると、夫婦が理想の数だけ子どもを持てない理由のトップが子育てや教育にお金がかかりすぎるからが63%と群を抜いています。妊婦検診や出産に多額の費用がかかり、まとまったお金がなければ子どもを産めないのです。
 家計に占める教育費の割合も約10%でアメリカやイギリスと比べても約5倍です。子ども一人の養育費に平均2千万円かかるとも言われていますが、こうした子育てコスト、費用を考えるだけでも生みたくても産めないわが国の実態が浮かび上がってきます。
 しかも乳幼児期の子どもを持つ世代の男性は、サービス残業を伴う長時間労働の上に低賃金やリストラ、就職難など収入や雇用も不安定な状況におかれています。
 日本が国際的に公約している労働時間は、年間1800時間ですが、現状はその倍の3600時間となっているように、8時間労働のはずなのに、毎日13時間・15時間も働いている。帰宅時間はいつも9時、10時を回っている。子どもの寝顔しか見たことのないというお父さんたち、家庭崩壊になりかねないと言う悲痛な叫びであります。
 そこで、この度の行動計画には二つの位置付けが必要であると考えますが、一つは子育てや家庭と両立できる人間らしい働き方をしていくための計画にしていくと言うことです。このわが国の異常な働き方を見直そうと次世代育成対策推進法には、企業に改善のための行動計画を義務付けました。長野県の対象企業は300社、行動計画策定指導は長野労働局が担当するということですが、県はどのようなかかわり方をしていくのかお聞きします。尚、地方自治体は職員対象の行動計画をこの3月までに策定しなくてはならないことになっておりますが、どのような検討がされているのでしょうか。庁内の検討会議等の現況もあわせてご答弁をお願いします。

8 二つ目は子育てへの重い負担を軽減する子育て支援策の強化です。

(1)県社会部の調査でも子育てに対する不安の中で高い比率を示しているのが進学など子育てへの経済的負担です。はぐくみプランの素案にはこの点が入っておりません、欠如しております。ぜひ経済的支援を明記していただきたいと思いますがご所見を伺います。

(2)つぎに切実なそれも緊急の、子育支援についての提案をさせていただきます。
 ご承知のことと思いますが、公立高校の授業料が払えない家庭が急増しており、滞納への対応策として利用拡大を図ってきました授業料減免額は7年前からみると約2倍になっており、授業料総額の1割以上の11%になっています。 
 それなのになぜ、あえて授業料引き上げを今議会で提案するのでしょうか。説明によれば、「国の地方財政計画算定の基礎額および他の都道府県との均衡等を考慮して」とのことですが、国の考えに沿っての値上げではなく、県の独自性を発揮すべきではないでしょうか。
 昨年の予算議会でも私たち県議会は引き上げに反対したように、授業料の引き上げは県民の共感は得られません。私たち党県議団は引き上げを撤回するよう求めるものですが、教育長職務代理者の答弁をいただきます。

9 次に乳幼児医療費の窓口無料化をぜひ実現していただきたいと言うことについてであります。

(1)私は一昨年の9月県議会で県が一部負担金を伴う自動給付方式を導入したことに対しての、窓口での無料を望む子育て世代や母子会長さんの訴えなど切実な声をご紹介し、早急な見直しと、見直しにあたっては、必ず当事者、受益者が係ることを求めましたが、知事は見直しの年に向けて、現状を調査して対応したいと答弁されています。
 また、昨年の12月県議会でも高村県議が1レセプトあたり300円の一部負担金は福祉制度にそぐわないとして、一刻も早い見直しを求めたところであります。
 とりわけ、罹病しやすい子どもたちです。1レセプトあたり300円の負担金はせっかくの無料化の施策をゆがめるものとなり、子育て世代からは支持されていないのが現状であります。子どもさんが2人インフルエンザにかかって病院で治療中のお母さんのお話を伺いました。「病院で2人分の600円、薬局でやはり2人分の600円、合わせて1200円の負担金が2ヶ月後に戻る支払った医療費から引かれてくるんですよ。これって無料化ではないですよね。それも窓口でいったん支払わなくてはならないんですから。私のお友達たちもこんなことなら自分で申請したほうがまだよかった。」こういうことを言っているというお話でした。この声に知事はどのように応えられるのでしょうか。
 
(2)乳幼児医療費の窓口無料化を求めた高村県議の質問に対し、知事は「それまで例えば窓口の無料化を行なっていたような市町村が、そのときの状況をより前進した姿勢というふうに仮に仮定すると、それよりも後退してしまったというところもあるわけでございます。この点は、大変私としてもじくじたる思いの点でございます。」これは多くの県民のニーズもあり、きめ細かい検討を行うべきであるとお答えになっています。知事は今のままでは問題ありという認識に立っておられ、見直しは必要とお考えになられていると受け止めてよろしいのか、改めてお伺いをして、そして、この一部負担金ぜひ早急におやめをいただきたいと思うがどうか。
 また、見直しの年を迎えたわけですが、見直しにあたっては当事者である受益者の皆さんの参加のもとに進められるべきであるとこのことを強く求めるわけでございますが、このことについての知事のご答弁をお願いいたしまして3回目の質問を終わります。


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      【田中知事】
       まず、高齢者福祉のところでございます。これは今回改めて予算の積算の根拠の書類を職員と午前3時、5時というような時間までずっと見まして、改めて感じたのは福祉も人件費への補助というようなものが多いんです。これはあるいは残業手当的なところにまで踏み込んでいるようなものまであるわけでございまして、これは社会福祉の団体への人件費あるいは授産施設を建設するといったハコモノ、こうしたものは国の大きな補助が沢山ありまして、この中でやっています。しかしながら授産施設を作ったと、それが無論低価格の商業施設と拮抗しあえるというところまでは難しいかもしれませんが、少なくともお豆腐を作るとか、お豆腐の場合の商圏というものはおそらくパン屋さん同様に非常に狭い範囲でありまして、こうした市場調査をしてどのようにその後運営していくのかというようなところまでご一緒に考えた上でそうした授産施設のハコモノ建設に国から例えば補助金がつこうとも考えていかないと、出来たとそこに毎日障害をお持ちの方等が集うと、けれども変らず自律していかないと、むしろ負債を抱えていってしまうというようなかたちではいけないので、今回あらためてそうした国の補助金の制度をみないと、まさに社会福祉の今までの実績のある団体の人件費やあるいはハコモノ。このあたりを高齢者福祉も同様でございまして変えていかないといけない。これは昨日出納長の青山もいみじくも申し上げたように、団体を維持するための支援ではなくて、事業を充実させるための支援でなくてはいけないわけです。これが福祉においても本県の基本認識で、こうした認識にお立ちになれない方は逆に福祉予算が増えても、逆に福祉に長らく携わっていた、また古いOSであるがゆえに逆に反発されているというお話も聞いておりますが、これは私どもが一緒に乗り越えなくてはいけないことだと思っております。
       戻りまして、高齢者の様々な国の議員は「改悪」とおっしゃられました、これはやはり国の努力というものが行われないで財政破綻をきたしているこの赤字国債の社会の中でか弱き者の部分から切り崩していくということだと思っていますから、これは本県が相対的少数者あるいは弱者、あるいは県境(けんざかい)や山間(やまあい)にお住まいの方々も同じ県民で、しかもそうしたところにこそ従来型の発想ではない支援をしなきゃいけないということとつながってくると思います。まして石原慎太郎氏の話をいたしましたが、生活保護ということに彼は象徴的に述べておりますが、そうしたか弱きものへの気配り、目配りということは予算の上でもより行わねばなりませんから、この点非常に国は努力がいささか足りないまま、医療や年金や介護等社会保障全体の見直しの議論をされている気がします。本県としてもきちんと提言をしていくと同時に、私も様々な場で問題提起を分かりやすくしてまいるということが課せられていると思っております。
       いわゆる「信州はぐくみプラン」に関してでございますが、これは県は平成13年3月に議員ご指摘のように「子育て応援プラン」というものに基づいて、働きながらも子育てしやすい環境作りを中心とする少子化対策を進めてきております。あるいは、あとのほうでのご質問にもありますでしょうか、男女共同参画の社会と言われておりますけれど、これは逆に私はなんと申しますか、子育てというようなことに関しては前から条例ができただけで男女共同参画条例ができただけではこれはひとつの理念の条例でございますから、まさしく具体策条例がないといけないんじゃないか、あるいは施策がないといけないんじゃないかということを述べてきております。子育てに関しては私はとりわけ公務員の世界でジェンダーとしての男性も育児の休みを取るということがきちんと確立していかねばならないというふうに思っております。「信州はぐくみプラン」というものは17年度までの計画になっているわけでございますけれども、15年7月に次世代育成支援対策推進法が成立をしておりますので、これを前倒ししてプランを、次なるプランを策定していくことが必要であるというふうに考えております。これがより実効性があるものにせねばというふうに思っております。
       また今すでに申し上げたところでもございますが、職員対象の行動計画というものに関しまして、これは庁内で検討をしているわけでございます。関係各課によりまして、特定事業自主行動策定推進委員会というものが設置されまして13名のメンバーでございまして議論いたしているところでございます。またワーキンググループも開催をし、職員へのアンケートというものもとっているところでございます。この点に関しまして今も申し上げたように様々な子育てという点に関してはジェンダーをこえたかたちで支援をお互いがしあえるという形が大事であろうと思いますし、また同時にコモンズと申し上げていること、これもやはり地域の中でともにおじちゃん・おばあちゃんが一緒に育てあっていくと言うことは大事だろうと思います。いずれにしても検討会議の内容をあらためて私も見て、年度末を目指して策定作業を進めているというかたちでございます。組合交渉の中においては地公労の要望等も聞いていくということをお話しているところでございますのであらためて私もこれを確認をいたしまして、より具体的なものにせねばとこのように思っております。
       つづいて、いわゆる「信州はぐくみプラン」に経済的支援を明記すべきではなかろうかというお話でございます。今年度の策定の予定の「信州はぐくみプラン」では多様なより保育サービスの提供や小児医療や母子保健の充実をはじめとした支援策を盛り込む予定にはなっております。子育て家庭に対する経済的な支援というもの、これはフランスやスウェーデン等が非常にすすんでいると言われておりますが、この点に関してはプランの中において位置付けていくということが必要であろうというふうに思っております。ちなみにヨーロッパ、今申し上げたようなスェーデンやフランスでは家族分野への社会的支出というのは多いわけでございます。いずれにしてもこれが新たなハコモノや人件費ということではなく具体的事業での充実というかたちになる予算という発想が必要かと思っております。

       福祉医療のところでレセプトの問題でございます。議員が今高村議員からのご質問に対して私がお話をしたところとも重なってくるかと思っております。この問題は現場のそうしたお母様方からや父親からも多くのそうしたご意見があるということは十二分に私は承知しているところでございます。
       実は窓口無料化は現在、秋田、群馬、東京都、愛知、山口、愛媛、高知の7都県で完全実施というかたちでございますし、また25府県が対象年齢や保険者等限定はいたしておりますが同様なかたちを行っているわけでございます。全国の自治体は、様々な仕組みで乳幼児の窓口無料化を実施しているわけでございますから、この点は前回も大変じくじたる思いということをお伝えいたしましたが、やはりそれぞれ地域の要望があり、またその地域の要望を敏感に感じていらっしゃる市町村の方々もいらっしゃると思うんですね、こうした方々とよりお話を私させていただいて、この点に関しては、私は現状の形でよいというふうには思っておりません。
       先ほど申し上げたように究極は私どもはスリーバイスリーの中で示したような福祉・医療・教育・環境あるいは災害関連というようなこと、それは治安というようなことにもかかわってくるわけでございますが、こうしたことにいただいた税金を使うというのは本来であろうというふうに思っておりますので、さらに具体的な検討を私としても加える努力をしてまいりたいと思っております。

      【堀内社会部長】
       お答えいたします。
       まず高齢者福祉の関係で、ショートスティをはじめ、特養待機者の改善についてのおたずねでございます。長野県では平成15年度から19年度までの5カ年間の計画を年度とする「長野県高齢者プラン」に沿いまして、高齢者の方が過度に施設に頼ることなく在宅サービスを最大限活用して住みなれた地域で生活が送れることの出来るよう宅幼老所や認知症高齢者グループホームを積極的に整備を進めております。
       特別養護老人ホームにつきましては在宅サービスを最大限活用してもなお家庭生活をおくることが困難な方のために必要数を計画的に整備することとしております。それで特別養護老人ホームの整備状況についてですが、「高齢者プラン」の平成19年度整備目標、9,197床に対しまして現在整備中のものを含めまして8,471床が整備されることになっております。17年度におきましても、創設、増改築も含めまして合計5箇所で300床の整備を予定しております。
       また、ショートスティの整備状況でございますが、「高齢者プラン」の平成19年度整備目標につきましては、1,892床に対しまして、今年度末までに1,717床が整備済みとなります。また、17年度におきましては特別養護老人ホーム等に60床併設を予定しているところでございます。
       なお17年度からこれまでの施設ごとの補助金に変りまして、県や市町村が策定します施設整備の計画を支援するという交付金制度が創設されることになっております。特別養護老人ホームおよび併設するショートスティにつきましては県が策定する施設生活環境改善計画によりまして計画的に支援することとなっております。
       つぎに、第三期介護保険事業支援計画についてでございますが、平成18年度から20年度までの3ヵ年にわたる高齢者保健福祉施策全般について市町村と緊密な連携を図りながら長野県の計画を平成20年度において策定することとしております。このプランの中では、住み慣れた地域で暮らし続けたいという高齢者の願いに沿いまして特別養護老人ホームにつきましても大規模なものから地域に密着した小規模なものへの転換という方向を示すこととしております。
       つづきまして、児童虐待防止に関わって第三者機関の体制作りについてのお話でございます。児童相談所における虐待相談件数が年々増加しておりまして、虐待の防止にはなによりも予防が重要であるというふうに考えております。このために議員の提案にありましたように、第三者機関の体制作りにつきましては、行政のみではなく多様な相談窓口として民間団体との連携そして協力に努めていく必要があると考えております。県内においても児童虐待防止に関わる民間ネットワークとしましてはすでに3団体ございまして、講演会や事例検討会の開催それからまた児童虐待に関わる電話相談などの活動を行なっており、児童相談所がその構成員となるなど連携を図って取り組んでいるところでございます。またこのたび4つ目の団体として、松本地域を中心とした子どもを虐待から守る会松本の発足にあたりまして、松本児童相談所が今現在支援しているところでございます。今後とも民間団体と児童相談所が連携協力しながら児童虐待の予防に努めてまいりたいと思っております。
       それから、乳幼児健診時の支援体制についてでございますが、産後間もない時期の養育者、育児不安に陥ったり、育児困難な諸課題を抱えている状況も多いことからこれらの家庭の諸問題を解決したり、軽減することが虐待の未然防止につながってまいります。このため、育児ノイローゼ等の虐待リスクのある家庭、それからまた家事育児の援助が必要な家庭に対しまして、子育て経験者とか保育士、保健士を派遣し、育児指導、発達相談など具体的な援助を行なう「育児支援家庭訪問事業」を今年度から実施しているところでございます。長野県ではこの事業を実施している市町村に対しまして助成支援を行なっておりますが、今後さらに実施市町村の拡大を図り、虐待の未然防止に努めてまいりたいと考えております。
       また、議員がご指摘のとおり、乳幼児健診時に子育ての環境を把握することは虐待の未然防止に大変有効な方法であることから、受診率の高い1歳6ヶ月検診それから3歳児検診に合わせまして乳幼児健診における児童支援強化事業、この事業で育児不安の解消の観点から子どもの健康、育児に関する不安・悩みに対する個別相談やそれからまたレクレーション等を通じ子どもの状態や親子関係を把握することなどにより、個別の家庭に対して育児不安の解消を図っております。今後ともこれらの事業を通じまして虐待の予防対策の充実に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

      【小林教育長職務代理者】
       私からは、児童相談所における一時保護児童生徒の長期化に伴う教員配置と、高校授業料の引き上げについてお答えしたいと思います。
       まず最初の児童相談所の一時保護につきましては、現在長野の中央児童相談所、松本児童相談所の2箇所で対応しておりますが、中央児童相談所1人あたりの平均入所日数を平成14年度と15年度で比較してみますと、15年度は10.3日、14年度より4.0日長期化しております。現在、児童の入所期間中の学習指導につきましては、児童相談所の児童指導員が例えば午前を読書や学習に、午後を創作活動やスポーツ等にあてて学習指導を行なっているのが現状であります。
       全国的な状況を見てみますと、児童相談所に教員免許を有する者を配置している都道府県は14県ございますが、考え方は様々でございまして、20名を超す教員を配置をしている県もあれば、大きな都県で配置していないところもございます。また、配置された教員の従事する業務につきましても、学習指導に重点を置いたり、学習指導に限らず児童相談所の幅広い仕事をお手伝いしたりと様々でございます。教員あるいは教員免許を有する者が児童相談所に配置された場合、児童の学ぶ意欲に応えることができるとともに、教育上の知識やノウハウを児童相談所の職員が共有でき、また児童相談所自体に教員等が入ることにより学校と児童相談所との連携がいっそう密になるといった効果が期待できますが、どのような役割を担うのか、また入所児童の状況をふまえた場合どのような勤務形態、派遣形態とするかなど研究課題も多々ございます。いずれにいたしましても、一時保護とはいえ入所期間が長期化しておりますので、教育委員会としても社会部と連携をとって検討していくべき課題であると考えております。
       つづきまして、授業料の引き上げの点でございますが、高校進学率が97%を超えるなかではありますが、高等学校授業料等につきましては、これまでの授業料等の改定と同様に受益者負担の適正化の観点から地方財政計画の算定の基礎とされている額、および他の都道府県との均衡を考慮し改定するものでございます。改定の内容は昨年の2月定例県議会に提案したものと同様の内容になっておりまして、改定の周期につきましても昨年の2月定例県議会でお認めいただけなかったことから結果的に従前と同様の周期となっております。全国では地方財政計画が改定されたと同時の昨年に28都道県が改定しておりまして、本県と同様17府県が1年遅れの改定を予定しております。なおこの改定がなされない場合の歳入の影響額は5,942万円の減となるところでございます。確かに子育てに関わる経済的負担が大きく感じられる時代ではありますが、今後とも授業料減免制度および奨学金制度の周知を図り世帯の収入状況により就学が困難な方々に対しましてはこれらの制度を活用することによりまして保護者の方々の負担軽減に努めてまいりたいと思っておりますのでご理解を賜りたいと考えている次第でございます。以上でございます。



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 それでは、高齢者福祉の施設整備の件についてお伺いしたいと思いますが、今までの到達点とこれから計画していきます支援計画とこの展望については一応お話は伺ったわけですが、この問題は単なる数字でとらえると言うことはやっぱりまずいと、先ほどわたし本当に困っている皆さんのことをお話しました。これはほんの一例です。ですから今現実こういう問題が起きているんだと、本当に困っているんだと、安心して老後が支えられていない。このアンケートが高齢の方だけのアンケートではなく不安だと思っている皆さんの層は若い方のほうがむしろ多いんです。やはりこういう状況を見ていれば自分が年取っていった先のことが本当に不安で仕方がない、ここをどうやって解決していくのか、いろいろ施設は作られてきています。特別養護老人ホーム、老健施設、それから身近な地域で老後を過ごすというための長野県では宅幼老所・グループホームとか様々ありますが、この施設もそれぞれの使い道、役割が違うんです。だからそのはざ間に置かれている皆さんは利用できない方たちもおります。この実態をどうやって現場でつかんで、そして市町村もちろん福祉施設の対応は市町村が事業主体になったり、それから社会福祉法人が事業主体になったり、県は補助金という対応をするわけですけれども、しかし、長野県の各市町村、都市であっても小さな村であっても同じように老後は保障される。このことを県が責任もって支援計画を作っていくということが必要ではないかというふうに思うわけです。ですから改善についてこういう現実をふまえていく、この中にはケアマネージャーさんとか是非今の状況をつかんでの対応をしていただきたいと、私ここで一つ一つの追及をいたしませんが、その立場での計画をしていただきたいと、ただ1点、ショートスティは今の現実にあわせて抜本的に対応をすべきだと思いますので。この点について再度社会部長のご答弁をいただきたいと思います。

 児童虐待の防止についてでありますが、教員の配置、一時保護の児童生徒に対する長期化に伴う教育権保障と言う問題ですが、社会部とも相談して検討をしていきたいというご答弁でございましたが、私はもう検討する段階ではないと思うんですよ。これはご承知のとおり教育基本法の中でも、児童生徒はいかなる時もいかなる場所にあってもその教育権は保障されると明記されております。だから2ヶ月間先生が学習指導をされないと言うこと自体がおかしなわけでございますし、それからこのたびの法改正で、今までは学習教育という問題が生活指導の一部として規定されておりましたけれども、新しく改正された法律の中では学習教育の実施ということが明記をされております。長期に保護する場合、特段の配慮をしなくてはならないということでございますので、私は願わくば、今年度から実施をしていただきたいというふうに再度求めるものですが、教育長職務代理者の再度のご答弁をお願いします。

 次に、次世代育成対策推進法に関連しての行動計画でございますが、経済的支援の明記ということでお願いしましたら、これは明記をしていく方向でお考えいただくということでございますので良としたいと思います。
 それから、私は先ほど企業に改善のための行動計画これが義務付けられていますが、県はどのように関わっていかれるのかと、これをつくるのは長野労働局でございます。しかし、これは少子化の問題、子育て支援の問題からすれば労働局だけにお任せしていいということではございません。ですから具体的にどのように関わって県としての意見を反映させていくのか、このことについて再度ご答弁をいただきたいと思います。

 それから、高校授業料の引き上げの問題。これは引き上げ額というのは、増収は約6千万円ですね。この額ですと、私は長野県の事業いろいろございますが、見直す中で生み出せない金額ではないというふうに思います。ですから、この点については、もう一度ご検討を頂きたいと、強く申し上げておきたいと思います。

 福祉医療につきましては、私は知事はもう少し踏み込んだご答弁をされるのではないかと期待をしておりました。いずれにしましても、今の現状に問題ありということでしたら、これは問題があるということは見直す、変えていくとこういうふうに受け止めさせていただきますがよろしいでしょうか。つまり、見直しの中で、この一部負担金300円は見直す、つまり廃止の方向でお考えになっていただくということと受け止めさせていただきたいと思いますが、もし、ご異論がございましたらご答弁いただければと思います。
 それで、先ほど新年度予算に入る前に、緊急雇用対策の国に対して復活を求める要請をしていくべきではないかと知事にお伺いしたわけでございますが、ご答弁いただいてございませんので、これもよろしくお願いをしたいと思います。以上4回目の質問を終わります。


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      【堀内社会部長】
       お答えいたします。ただいま議員のご指摘でございますが、ショートスティの関係についてはいろいろ現場では探してみるけれども埋まっていてだめじゃないかと、1回使うとその人が次の予約を入れていく関係でなかなか初めての人は使いづらいというお話はいろいろお聞きしているわけでございます。それで私は先ほど申し上げましたんですが、3期の計画をつくるわけですが、これからはやはり大型施設といいますか、特養施設を作るということじゃなくて地域・地域にそれぞれ皆さんが顔を見えるような範囲のところで市町村に作ってもらうわけですが、そこで顔なじみといいますか、行けるようなところに小規模ながらのそういうところに生活  福祉の里というものを、居場所を作ったり、それからなんといいますかソフト事業といいますか、いろんなサービスを地域で展開していくと、そういう意味において宅幼老所で展開している今現在も緊急時に宿泊等お願いしているわけです。それについても一定の支援をすることによって、もっとまたショートスティに似たようなことができるじゃないかと、大規模施設に入れることなくそこで過ごせる状況をつくっていくそういう方向を目指しております。これを作るに当たっては先ほど議員ご指摘のようにもともと市町村の皆さんがいかにこの圏域、自分の町・村の地域・地域をどうこれから目指していくかということを私どもと連携を取りながら一緒になってやっていくと、ですからそういうものを3期の計画の中で組み入れた計画をつくってそれぞれのご要望にお応えしていくと、ですから大型施設の方へ併設するショートをどんどん作っていけばいいということじゃなくて、できるだけ地域で過ごせる状況を作り上げていく、これが目指す姿というふうに思っております。以上です。

      【小林教育長職務代理者】
       児童相談所への教員配置に関わってでございますけれども、児童相談所で一時保護機関は目的を達成するために最小限の期間とされておりますけれども、様々な事情があって先ほど申しましたように、長期間になる場合でございます。1例申し上げますと、親が施設入所に合意せずに親との調整に時間がかかるとか、被虐待児等行動観察に時間を要すケースが多くそのための処遇方針を決定するために時間がかかるということが考えられるわけでございます。私ども、教育委員会の本年度の行動指針の中ひとつに「いつでも、だれでも、どこでも学ぶことのできる教育」ということを掲げておりまして、まさにここに入所している子どもさんたちにも学習権としての保障しなければならない範疇であると言うことは承知しております。しかしながら、この子どもさんたちへの教員の派遣に対しましてどのような課題があるか、どのような派遣形態がいいのか、もう少し調査をさせていただきながら、前向きに検討させていただきたいと考えておりますので、ご理解いただきたいと思います。

      【田中知事】
       まず、緊急雇用基金に関してのところでございます。これは私どもこの基金が今年度末で終わると言う中で、すでに今回の予算もご覧いただくとわかるかと思いますが、一般財源の中でも同様のことを行なうと、まさに自律的な踏み出しをしております。こうした中で現時点は国の側はこうしたことをお考えでないというかたちかと思いますが、小泉純一郎さんもテレポリティックスな時代ですから一夜にしてこういったことを補正予算で組むというようなこともあるいは僥倖としてあるかもしれません。いずれにしましても、一般財源の中で私どもは進めて参りますし、こうした中で要望も他の都道府県や様々な方々からも国に対してあるかと思いますので、そのようにいたすとこです。
       それから、企業の行動計画ということ、これは「信州はぐくみプラン」というものの策定の中で位置づけていくところでございます。事業主の取組みというのは大変大事なことでありますから、長野労働局やあるいは長野県経営者協会とも一層連携して、こうした点をより具体的に位置づけていくということだとこのように考えております。
       それから、いわゆる窓口の無料化の件のお話でございます。これは、私これにとどまらずひとつのトラウマがございまして、私はよりよき県にしようと思って言うことが時としてこの議場等から市町村自治への介入ではなかろうかとか、あるいは説明責任がないとか、思いつきだとかいろいろ言われるわけでございまして、その都度私のような者とて少しは心臓が痛むわけでございます。
       先ほど、議員がお話のときには議場で私が拝見している限りでは皆様むしろ、そのようなことは市町村自治への介入だとか、けしからんというようなご意見ではなく、むしろ皆様微笑ながらお聞きでございましたので、いかがなのでございましょうか、議場の皆様もそのようなことを県民の代表としてお望みであられるということが今日この場で確認できれば、例えば拍手等をいただければ(拍手)拍手をなさらない方もいらっしゃるわけでございますが、でも取り立ててのそれが市町村自治への介入や自主性を損なうことだという今不規則発言は私の耳がかっぽじった限りでは聞こえてはおりませんので、皆様もそうして方向性を概ね議会の方々も58名望まれていると私は判断することをお許しいただけるのならば、ご発言がなかろうと思いますので、まさに7都県は完全実施をしているわけでして、そうした実現に向けてより一層の具体的努力をさせていただければと思いますし、これは同時に多くの心ある市町村長の方々も望まれているむきもあろうかと思いますから、この今議場でも特段のご異議がないということは多くの市町村長の方もこれを機会に、やはりより願われていたことの実現に向けてご一緒に歩を進めていただけるかと私は心強く思っておりますので、その覚悟でまい進いたしたいと思っております。



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 それでは引き続き質問に入らせていただきますが、その前に、先ほど乳幼児の医療費の窓口無料化に関しましてのレセプトの負担金、知事には大変前向きなご答弁をいただきまして心強く思っているところでございますが、いずれにしましても、自動給付方式の1レセプト300円は制度の趣旨を根底からゆがめているということになるわけでございまして、例えば、196円の薬代に対して300円の手数料ということもございます。突然の高熱などで薬は2〜3日分だけいただくわけでございますので、子育て世帯にしては大変な負担になるということで、是非そのことは知事には大変いいご答弁いただきましたので、社会部長もぜひその立場でお取組みをいただきたいと要請をしておきたいと思います。
 そして、児童相談所の教員配置の問題ですが、前向きにご検討をいただくということです。それはそれでいいんですけど、2名配置、それも必ずしも正規でなくても嘱託でもよろしいかと思うんです。それも相談所から是非と言うご要望も私もいただきました。ということは2名ということです。緊急雇用を長野県が独自に県単でやるようになりましたけれども、そういうものも使ってでもいいんですが、免許を持っている教師の方をぜひ直ちにこれをやっていただきたいと派遣していただきたいと、もう一度、お約束をいただきたいと思います。

 それでは質問に移ります。
10 子どもたちに生きる力を育てる教育ということでございます。
(1)日本共産党は昨年の9月に、「県民に開かれた学校づくりを長野県の教育の柱に」という教育提言を発表し、教育改革をめぐる活発な討論を呼びかけました。
 私たちは、今、子どもたちがかつては考えられなかったような深刻が状況に陥っており、生き方を見つけられない若者が増え、10代の青年の死亡原因のトップは自殺と報道されているような社会のあり方をただして、人間として生きる力を育てる教育が重要であると言う考えのもと、長野県の教育改革は学校統廃合や特色ある学校ではなく、地域に開かれた学校づくりを柱に進めることを提案してまいりました。
 私は昨年の6月県議会に於いても、この立場から高校改革プラン策定に関しての県教委の姿勢を質しましたが、最終答申もまもなく出されますので、これまでの到達点を踏まえて再度教育長職務代理者にお伺いをいたします。
 さて、1,228名が参加した県内12地区の地域懇談会では、中間まとめについて厳しい批判が続出いたしました。又、懇話会からも学級規模の標準目標値設定や、統廃合の基準数、学校の総数を示すことには反対で一致されております。この教育関係者や県民の声をプランにどのように取り入れ、反映させていくのか先ずお伺いいたします。
 2月6日、松本市で県立高校の発展と存続を願う会の総会が開催されました。
 25自治体、19学校関係団体、同窓会、PTA関係者もおいででした。これをはじめ200名の皆さんが参加をした交流集会だったわけでございますが、私もここにおいでの文教委員をはじめ県議の皆さんとご一緒に参加させていただきました。
 地域高校に係る町村の教育長や同窓会長の皆さんからは、地域の高校をつくり、育ててきた歴史や、物心両面で地元高校を応援している熱い気持ちが語られました。
 又、各高校の福祉活動や体験活動など地域に根ざした取り組みも報告をされたところであります。
 私は昨年6月県議会で高校改革は上から形を作るのではなく、地域発、学校発の改革に基本的に転換するよう求めてきましたが、勝野阿智村教育長さんからも、地域の学びを保障する教育改革を地元住民の手で作り上げていきたいと訴えられました。
 私は改めて、改革の原点は教育現場、そして地域にありと確信を深めたところであります。
 そこで、お伺いいたします。
 瀬良前教育長は議会答弁で改革プランは大枠を作るだけで、それぞれの高校がどのような道を歩むかは、地域、教育現場で積み上げていただくと述べていますが、この点もふまえ県民参加の改革の道筋をどのようにつけていかれるのか。お伺いをいたします。
 また、検討委員会で検討された最終答申の方向付けを見ると、改革プランが示した骨太の方針を各地域、学校で具現化するための四通学区単位に審議機関の設置とその旧通学区単位で学校支援機構を設置することになるこういう形をとるだろうと思いますが、どの様な学校づくりをしていくのか検討していく上にあたって、この2つの機構を別々ではなくて、一体的に地域からの改革という点で県民参加、多くの県民の皆さんに入っていただいて進めていくべきではないかと考えますが、教育長職務代理者の答弁を求めます。
 
(2)つぎに、子どもたちに生きる力を育てる教育、人格の完成という教育基本法に基づく教育を実践するためには私は教師自身がゆとりをもって子どもたちと向き合うことが必要であると考えます。
 しかし、教師たちはゆとりどころか大変な忙しさで超過勤務も蔓延化している。通知表や指導要領を自動車に於いて紛失すると言う事件が後を立たないと聞いておりますが、成績処理の仕事は家に持ち帰ってやらざるを得ないのが現状であると言う声が上がっているのはご承知のことでしょう。
 先生方は詰め込み教育からゆとり教育へと文科省は言うが、教育内容はさほど変わっていないのに、時間数も減ってしまったため、相変わらずの詰め込み教育になってしまっているのが実感である。更に総合的な時間に対する教材研究や授業準備の時間の確保も必要のため、ゆとりとは名ばかりになっている。
 科学的な根拠がないままに教育内容を減らしてしまったので、大事な部分が欠落してしまったためか学力が思うように向上しない。
 例えば、理科では酸とアルカリの中和の実験など子どもたちが喜ぶ実験が減ってしまったため、興味を失い、俗に言う理科嫌いが進行している。先生方はこう指摘をされておられます。
 私はこの教育現場からの生の声をご紹介しましたが、これまでの代表質問でも教員の資質や子どもたちの学力の問題への指摘がされておりますけれども、教育委員会がこの先生方の悩みを共有して、共に解決していく立場にたってこそ長野県教育の再生は進むと考えるわけでございます。小林教育長職務代理者ご答弁お願いいたします。


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      【小林教育長職務代理者】
       最初に、高校改革プランの今検討が進められているわけでございますけれども、それに対して、どのように県民の皆さん方、現場の先生方等の声を反映していくかということについてお答えいたしますが、これまでも私ども様々な機会や場を設けて幅広く県民の皆様方のご意見を伺って参りました。昨年の6月から8月にかけましては、県民の皆様方の意見募集を行うとともに県民2,000名を対象としたアンケート調査を実施してまいりました。また、8月30日の中間まとめの公表以後、9月から10月にかけては中間まとめに関するパブリックコメントの実施とあわせて、県内12会場で地域懇談会を開催してまいりました。10月には市町村教育委員会関係者の皆様はじめ、中学校、高等学校、盲聾養護学校教職員から意見聴取を行い、さらに中学生や高等学校、計35校を訪問し直接生徒保護者の皆様からご意見を伺ってまいりました。以上のような中で、これまでに延べ4,000件を超えるご意見を頂戴しており、その都度検討委員にお伝えしてきております。また、中間まとめ公表以後検当委員会の開催と平行して、市町村長さん保護者の皆さん、民間企業経営者の皆さん、学校関係者の皆さんをメンバーとする高等学校改革プラン懇話会を設置しましてご意見をいただいているところでございます。これまでに5回の懇話会を開催し、そこでのご意見につきましては検討委員会の開催ごとに懇話会の座長・副座長にご出席いただきご報告をいただいております。このようにして、検討委員会では頂戴しましたご意見をすべて踏まえて、現在最終報告に向けて検討がすすめられているところでございます。
       続きまして、今後どのような道筋で進めていくのか、そして審議機関、それから学校支援機構との関係についてのお尋ねでございますけれども、来年度4通学区ごとに設定します予定になっております審議会につきましては、教育委員会の諮問機関として具体的に魅力ある学校づくりと高校の再編整備についてご審議いただく機関として設置するものでございます。また、学校支援機構につきましては、現在まだ検討中のところでございますが、学校教育の質を一定水準以上のものにしていくため様々な教育資源を有効活用し、教育内容や方法に係る支援策を講じる機構として考えております。従いまして、中間まとめの中では、この審議機関は学校支援機構の一環として設置することが考えられるとそのように明記されておるところでございますが、その後の検討委員会の論議においてそれぞれの役割や位置づけが異なることから、一体のものとしてではなくて、独立したものとして考えるべきだとのそんな方向になっており最終報告にはそれぞれ独立した組織として位置づけられるのではないかと考えている次第でございます。
       最語に、これからの長野県の教育を進めるに当って、現場の先生方との悩みを共有にして進めるべきだというご提言でございますけれども、議員ご指摘のように非常に今学校現場の先生方は様々な課題を抱えて苦慮しているというふうに認識しております。たとえば子どもたちは、非常に多様化してまいりまして、ADHDの子どもさん、またADのお子様、また外国籍の子どもさんたち、それぞれ個に応じた対応を迫られているわけでございます。また保護者の皆さん方々からも大変様々な要求がございまして、それに対応していかなければならないということがございます。そして、特に義務教育の場合は学校になかなか選択肢がない、そこでどうしてもいろいろな対応、保護者や子どもさんたちの対応を一人の教師が学校でせざるを得ないという状況がございます。そこでぜひこれらのところに「信州教育こまやかプラン」の中でも設定されておりますように、非常に多様な教育ニーズに応えられるように、きめ細かな人員配置を行いましてその対応に応えると伴に、また私学の中でも新たな私学の小学校が立ち上がるわけでございますけれども、それらと共々保護者のニーズに応じた教育に向けて対応して参りたいと考えておるところでございます。以上でございます。
       児童相談所のことでございますけれども、教員の定数は非常に限られた中で、先ほど申し上げましたように各学校の中でも障害を持った子どもさん、外国籍の子どもさん、それからADHD児等の子どもさんの加配のあたりも学校現場から強い要望が届いてございます。それから、先ほど申しましたように児童相談所の中での措置されている子どもさんたちに対しても要望等も入っているわけでございますけれども、それらを私どもとしては精一杯調査させていただきますので、前向きに検討させていただくということでご理解いただきたいと思いますが、よろしくお願いします。


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 小林教育長職務代理者の今のご答弁は、私はやっぱりちょっと納得いかないんです。先ほど私は定数ということに係らないでもできるというふうに、臨職でも、緊急雇用対策支援事業でも、それは工夫次第ではすぐ対応ができると申し上げたつもりです。子どもたちの学習権を保障すると、これは教育委員会としての最大の任務でございますので、前向きに取り組んでいただけるということですので、ぜひこの点は強く求めておきたいと思いますのでよろしくお願いをいたします。
 それから、高校改革プランについてですが、私はこの間6月県議会でも改革プラン検討委員の皆さんもずい分非難してまいりました。でも、よくよく考えれば、県教委の姿勢に問題があったと気がつきました。それはですね、確かに検討委員会に「学級規模と魅力ある高校づくり」について諮問したわけですから、検討委員会はこれに対して検討するのは当然だったんでしょう、中身は問題が大いにあると思いますが、それで今後どういう対応をしていくかとことで今お話がございましたが、私は前瀬良教育長が大きな枠は検討委員会でつくるけれども、しかし、本当にこれからの改革をどう進めていくかということは学校や地域でご一緒にその方向をつくっていくというふうにご答弁をされておりますので、どういう展望をもって対応されるのかと伺いました。
 審議機関、これは確かに学校規模とかそういうものについてのご検討がされるというふうに思うわけですが、ここから先にまた大きな枠の中で、また一定の4通学区ごとの枠を作って、あとはどういう高校にするかは支援機構の皆さん検討してくださいよと、これではあまりにも今まで信州教育はどうあるべきかという質問も皆さんから出されましたけれども、自分たちの高校はどういう高校に発展させていくんだと、ここを原点に据えていく、このことこそ私は長野県の教育の再生につながると先ほども申し上げたわけでございます。
 県下の高校でも現場からがんばって改革しているところもございます。例えば、辰野高校、英語や数学の不得意な生徒に手厚い指導を行なう基礎学力充実に取り組んでいます。開かれた学校づくりを進めて、教職員・生徒・保護者・同窓会や地域住民の意見交換の場として辰高フォーラムも開催されたようでございます。教職員・生徒・保護者の三者協議会を開いてもっとわかりやすい授業をという生徒の声に応えて教員の側も授業の改善を図ることや、学校の自己評価制度を実施してよりよい学校づくりのための努力を積み重ねてまいりました。このような独自の学校改革の努力の結果、平成12年度には21人いた中途退学の生徒は平成16年度にはたった1人。そして、この高校を応募する生徒も増えたということも昨年の文教委員会の現地調査でも伺ってきたところでございます。私はこの辰野高校の例を今お話申し上げましたけれども、こうして本当にがんばっている、この間の松本で開かれました地域高校発展存続守る会でも各地からこうした努力のご発言がございました。ここを抜きにして上からどういう高校をつくる、メニューを示す、これでは長野県の高校改革は私は本当にすすまないのではないかと、ここを大きく方向転換をしていただくように強く求めるものでございます。
 そして先ほど懇話会のお話とか、それぞれ県民からのご意見とか検討委員会の方で反映していただくようにということで小林教育長職務代理者はご答弁なりましたけれども、しかし、最終答申は答申として、県教委として例えば学校規模や学級数や、そして統廃合の基準こういうものについては反対と言う一致をされている懇話会の意見を県教委としてどう受け止めて今後の高校作りに生かしていくのかと、このことを再度ご答弁いただきたいと思います。

11 それではつぎに組織、人事制度について伺います。

(1)このたび、田中知事から県行政機構審議会に諮問されていました県の行政機構のあり方についてのうち、長野県の組織再編に関する考え方が答申されました。このことに関連して何点かにわたって質問いたします。
 先ず、組織再編についてですが、2月16日の組合との交渉で、商工部試験場のセンター化と、ユニット制の導入、警察への県職員40名の派遣については、職員の納得と合意の上ですすめるべきで、見切り発車すべきではないと考えますがいかがでございましょうか。

(2)次に新年度新規採用について伺います。
 退職が300人以上と見込まれているが上級職の採用は3人だけであります。これで将来的に組織が維持されていくのでございましょうか。
 
(3)3点目、取り分け福祉専門職を全くとらないと言うのでは、数年後には経験のある専門職の職員が大勢退職することになるために、仕事の継続制や住民サービスの低下に繋がるのではないかと心配をされるところでございます。以上3点について経営戦略局長に伺います。

(4)つぎに、女性職員の管理職登用についてうかがいます。 
 県と県会が共同で策定し、2002年12月県議会で制定した長野県男女共同参画社会づくり条例には県自らが女性職員の登用を積極的に推進することが明記をされています。
 そこで、条例制定から2年余の経過を経て、県の女性職員登用の到達点と、行政職と研究、医療などの専門職の現況はどうか、また全国的な位置はどの位置にあるのか、総務部長にお伺いいたしまして、第6回目の質問を終わります。


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      【小林教育長職務代理者】
       高校改革プランに対する県民の皆さん方の要望をどのように反映していくかということで再質問いただきました。私ども今現在、高校改革プラン検討委員会の方に審議をお願いしているわけでございますけれども、現在の方向といたしまして、審議会が4通学区ごとに1つずつ設定されるそんなような運びでございます。しかし、4通学区では非常に大きくございましてその中で通学の利便性とか、また地域の実情などが見えにくいということがございますので、その審議会の下に旧12通学区ごとに部会を設けまして、その部会で地道な地域に根ざした検討を進めていただきたいと考えております。その中の部員には、自治体関係者とか学校関係者とか地域の関係者の皆さん方にご参加していただきますので、そんな地域の要望等を十分取り入れながら審議いたしまして、そして県全体の方向性の方を答申していただくそんな方向でおります。
       そして県の教育委員会としてのどうこれを受け止めて進めていくかということでございますけれども、高校改革プラン検討委員会の最終報告を受けまして教育委員会の諮問機関として、先ほど申しましたような各地に審議会を立ち上げていますので、そこでの通学区ごとの生徒の推移とか、地域の実情とか、生徒保護者のニーズ等を踏まえた高校の魅力づくりと通学区内の高校再編成についてもご審議していただき、その審議を踏まえて17年度末には教育委員会として責任を持って高校改革プランの実施計画を策定して、実施に移してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。

      【松林経営戦略局長】
       組織に関する組合との交渉についてのおたずねでございます。
       まず、商工部の試験場のセンター化についてでございますが、いずれも今回この議員ご指摘ございました商工部の試験場のセンター化、それからユニット制、県警への40名の県職員の派遣これはいずれも管理運営事項ということでございますが、これは去る2月16日にきちんと組合側ともお話をさせていただく中で、こちら側のご説明をさせていただいたところでございます。
       商工部の試験場のセンター化につきましては、これは昨日、一昨日もその趣旨についてはご説明をいたしましたけれども、これは本県の産業の活性化につながるということで早期に実現すべきものといたしまして、平成17年度に実施していくということで、これは行政機構審議会においてもご了承を得ているところでございます。
       実際にこの商工部の試験場の検討につきましては平成14年度から産業技術課と各試験場で検討を開始いたしまして、本年度からはこれを本格的に産業技術課が事務局となりまして、試験場の場長それから管理部長それから研究企画員が構成メンバーとなりました工業関係試験場の今後のあり方検討委員会これを立ち上げまして、試験場のあり方と組織再編についての検討をすすめてきたところでございます。こういったあり方検討会や各種会議において検討した内容につきましては、出席者から各試験場職員に周知するとともに、メール等で随時職員へ情報提供し、意見募集を行なったところでございます。さらに産業技術課職員が40回を超える各試験場との意見交換会や各種会議等にも出席した際にも試験場のあり方につきまして職員の生の声を聞いてきたところでございます。このように商工部試験場の総合センター化につきましては、各試験場職員の議論を踏まえて検討したものであることを組合側にも説明をさせていただいたところでございます。さらに商工部長自ら4試験場等回りまして、職員との意見交換を行なった結果、今回の組織再編につきましては試験場職員の理解は概ね得られたと考えておりますので、4月から予定通り実施してまいりたいとこのように考えております。
       それから、ユニット制につきましても、これは同様に2月16日の組合交渉で県側から提案させていただきまして、説明をさせていただいたところでございますけれども、これにつきましてはそれぞれユニット制のメリット、それからユニット制の導入の理由、こういったものを縷々ご説明をさせていただいたところでございます。この内容につきましては昨日、一昨日に各議員に対してご説明をさせていただいたとおりでございます。それからこのユニット制につきましても、先ほど申し上げましたとおり、管理運営事項でございますけれども職員組合ともこれはきちんとご説明させていただいたということを申しつけさせていただきます。
       それから、警察への県職員40名の派遣についてでございますけれども、この必要性につきましては県民からの空き交番の解消など現場機能の強化が望まれている点、それから県職員をコモンズにおける安心ステーションという交番いわゆる安心ステーション交番に出向させていただきまして、地域のために役立つことで職員自らが研鑽をしていくとこういう必要性がございます。それから、職員組合の情報提供等につきましても、これは2月の16日以前においても、これは口頭ならびに資料より情報提供をさせていただいたところでございます。
       それから、組合の主張に対しまして、こちら側の方でご回答させていただいた内容につきましては派遣された職員が担当する業務につきましては警察官職務とは異なりまして、交番の様々な事務的な業務を担っていただくことを予定している点。それからまた交番には複数の職員がおりまして安全面での配慮を県警にお願いをしている点。それから庁内公募も行なっておりまして意欲ある職員の希望を優先したいと考えている点。それから、公募が予定数に満たない場合には、これは通常の人事異動で派遣されることになりますけれども、本人の同意も得ることとしている点。こういった点につきましてご説明をさせていただいたところでございます。
       それから、2番目の採用の件でございますけれども、議員ご指摘のとおり職員の定年退職、それから早期退職含めまして300人程度の退職が見込まれているということでございますけれども、これに対応しまして、上級職の採用試験の他、身体障害者および外郭団体のプロパー職員、それから医師・看護師等も含めましてほぼ平成16年度と同じ90人程度の採用をしていくことを予定してございます。
       平成17年度当初の見込みでございますけれども、これにつきましては、退職者に比べまして採用者数は少ないわけでございますが、財政改革推進プログラムの方針に沿って事業の進捗、それから市町村合併に伴う事務量の減少等を踏まえまして、17年度は職員数を70名削減をさせていただく予定でございます。
       一方、SOの事務局、それから公社公団派遣への戻り、それから企業局のガス事業の民営化によります職員の再配置、定年退職者等の再任用など見込んでいることや、係り制に変えましてユニット制の導入、こういったものによりまして柔軟な配置を実現しまして、効率的な業務執行体制を確立することにより平成17年4月時点では概ね業務に支障のない体制が維持できるものと見込んでおります。
       それから3番目のご質問でございます。福祉専門職についてでございますけれども、福祉職の状況につきましては、社会福祉の専門職といたしてまして、障害者施設職員、それから福祉事務所のケースワーカー、それから児童相談所の児童福祉士などに配置されているところでございますけれども、現在障害者の施設から地域生活への移行が進められる中で西駒郷の縮小など施設職員としての職域は小さくなる一方、児童相談所の児童福祉士、それから障害者の地域生活の支援員などの職務の必要性が増大しているところでございます。これにつきましては、平成17年度当初から西駒郷が指定管理者制度に移行することに伴いまして、当面必要な福祉事業団への派遣を差し引いても職員を他の職場へ再配置できる状況にございます。一方増加する児童虐待等の相談に迅速に対応するために、児童相談所の所在しておりません5圏域、すなわち木曽・大町地域・伊那・北信・上小地域でございますけれども、この5広域圏の地方事務所に駐在を派遣するなど必要な所属の増強行いながら市町村合併による業務量の減少等考慮いたしまして、地方事務所厚生課の職員配置を見直すなど平成17年度の組織体制を構築する予定でございます。
       今後の見込みにつきましては、18年度に予定されております組織の再編の動向、それから社会福祉事業団への職員派遣の推移も踏まえまして必要な職員を確保してまいりたいこう考えております。以上でございます。

      【小林総務部長】
       女性職員の登用の現況、それから全国における長野県の順位、2点についてのおたずねでございますが、まず最初に女性職員の登用の現況でございます。平成16年5月1日現在で見ますと、技能労務職を除く県職員全体は7,525人でございます。このうち女性職員は、1,990人で全職員に占める割合は26.4%となっております。係長級以上のポスト登用で見ますと、女性職員は210人、係長級以上の全職員の7.3%となっております。
       つぎに職種別でございますが、行政職の場合でございます。行政職全体5,706人で女性は913人割合で16.0%でございます。うち係長級以上は男性が2,277人95.6%、女性が105人4.4%。研究職の場合でございます。研究職は338人で女性が27人女性の割合は8.0%うち係長級以上は男性が152人96.2%、女性6人3.8%。医療職の場合でございます。医療職全体では、1,481人で女性は1,043人、70.4%、うち係長級以上は男性237人70.5%、女性99人29.5%となっております。
       なお2点目の全国との比較でございますが、各県におきます任用制度等の違いがございまして、一概に順位をとることが難しいことから本県では従来から全国順位というものをとってきておりませんので現在データはございません。

 組織再編についてでございますが、私は中身は今までの代表質問でずい分お話いただきましたのでこのことをお聞きしたわけじゃなくて、職員の皆さんに説明をされてきたけれども、納得と合意の上で進められたほうがよろしいのではないかと、見切り発車はすべきではないがどうでしょうかとご質問させていただいたわけでございます。ですからこの点についてのご答弁はございませんでしたのであえてもう一度ご答弁いただきたいと思います。
 それから女性職員の管理職の登用についてですが、先日の新聞報道、女性登用長野は最下位と、大変ショックを受けました。ご承知のとおり長野県は、県議会と知事部局が一緒になりまして長野県男女共同参画社会づくり条例つくりまして、あえてわざわざ、県の女性職員の皆さんの登用率が低いという現状もふまえて、これをきちんと位置付けるべきという対応をしてきたわけです。ですからこの点からいっても非常にこれは遺憾なことでございます。この女性教員の管理職登用が全国平均を下回り、とにかく中学校の校長先生、教頭先生への登用率は全国最下位とこのことに対して何故こういう状況になっているのか、またこれからここをどのように改善されていくのか教育長職務代理者に伺います。
 つぎに、長野県男女共同参画社会づくり条例では、今お話しましたように第25条2で県が率先して女性職員の登用を促進すると、職域を拡大するための総合的な取り組みを推進すると、また9条では積極的改善措置を含む施策実施が県の責務と明記をされております。ですから今の総務部長から男性職員に比べて本当に女性の登用がこんなにも低いということにあらためて驚くわけでございます。
 もう1点、全国から見て長野県がどこの位置にいるか、調査もされていないということは、私は非常に認識不足とここにこの男女共同参画についての県の甘さがあると指摘せざるを得ません。それで、知事にこれはまさに条例違反ではないかと思うわけですが、この点についての知事のご見解をまずお伺いいたします。

      【松林経営戦略局長】
       再度お答えいたします。商工部の試験場、それからユニット制の導入につきまして先ほど私が申し上げましたとおり、かなり時間をかけて、年月をかけて、これは各試験場の職員と意見を交換してきているわけです。従いまして、こうした手続きをきちんと踏んできた上での行政機構審議会へ意見を提案いたしまして、先般行政審議会機構のご了解も得ているこういう状況の中で組合側ともお話をさせていただいたと、こういうことでございますので、これは本来ならば管理運営事項ということでございますけれども、きちんと組合側ともお話をさせていただいた上でできるだけ納得をしていただくように努めたところでございますが、これはある面では見解の相違という部分もあろうかとこのように考えております。これについては我々としては精一杯のご説明はしてきていると、それから先ほど言いましたように、きんとした手続きを踏んだ上での行政機構審議会への提案であると、このように考えておりますので、よろしくご了承をお願いしたいと思います。

      【小林教育長職務代理者】
       女性教員の管理職への登用率の低さとその原因、その改善の方針についてのおたずねかと思います。
       女性教員の管理職への登用につきましては、ここ数年重要課題として取り組んでおります。しかしながら、登用率が全国平均を下回っている状況につきましては現在は、育児休業制度の拡充等により女性が働きながら仕事を続ける環境が整ってまいりましたが、かつては出産や育児のために早期退職するといった傾向もありまして、その影響が人事上まだ残っており、年齢的に管理職登用にふさわしい時期にある女性教員の絶対数が少ないという事情がございます。また、長野県は広い県土の中で全県的な教員人事をおこなっておりますので、現実的な問題として、子育てや介護などの実情と両立しない場合もあるようでございます。特に、中学校の女性教員の中には、今までややもすると、漠然と学級担任をすることに不安もつ方もおりました。しかし、10数年前から中学校においても毎年クラス替えをする。あるいは複数担任制等により教職員の意識改革が進み、女性教員が学級担任を積極的に希望し、生徒指導を含め幅広い経験を積んでいく機会が増えてきております。人事異動におきましては、このような様々な経験を積んだ女性教員を管理職に登用することを重要な課題として取り組んでおりますが、校長に登用するには教頭の層を厚くしなければなりませんし、教頭に登用するには教員の取りまとめ役となる教務主任や学年主任の層を厚くすることが重要でございます。従いまして、今後も管理職登用等については適材適所という大原則を踏まえた上で、様々な場面で活躍できる機会を多くして女性の管理職が増えていくよう、市町村教育委員会や学校長と協力体制を築いてまいります。学校における女性管理職の登用につきましては、意識や制度など様々な要因、様々なハードルがあろうかと思いますが、任命権者は県教委でありまして、県教育委員会の果たすべき役割は極めて重いものがあると思います。男女共同参画意識を高める、結果として女性管理職は増えることも大切ですが、まず、女性管理職を登用し、その結果として意識改革が進む場合もあろうかと思います。両面で本気で取り組んで参りたいと考えております。以上でございます。

      【田中知事】
       本県では、男女共同参画社会づくり条例を踏まえまして、平成15年2月に女性職員の登用促進、職域拡大等取り組み指針を策定をいたしているわけでございます。こうした中で、いわゆる部局長付きの職員という秘書業務を行なう者、あるいは従来ジェンダーでいうと男性が圧倒的だったわけでございます。各部局における人事担当の職員や財政担当の職員あるいは建設事務所等の用地担当職員、さらには各省庁や民間企業等への派遣などに配置を進めてきています。指針に基く取組み結果といたしまして、平成14年の4月1日には女性の係長級以上への登用というものは168人、5.9%でございましたが、平成16年の5月1日には210人、7.3%というふうにアップをいたしております。
       14年度比で17年度において、係長クラス以上への女性の登用率を50%アップさせるという形になっておりますので、40名ほどによってこの目標を達成することにはなります。ちなみに10年前の平成6年4月1日の係長級以上は149人というかたちでございましたので、約40%の増となっております。これは、私は常に能力評価ではなく、適正の評価と、それぞれ自分のより向く部署、あるいは職種というものもございます。こうした中でやはり今まで本県が女性の職員としての本来持っている潜在的な資質や適正というものを育成するとうことにおいてこれは正直なところ非常に遅れていたのではないかと私は思っております。これは、女性のみならず、男性の職員に関しましても、やはり持っているものをより適正を磨くという研修、あるいは訓練ということは欠けてきていたのではないかと認識をいたしております。先ほどの教育の問題に敢えて申し上げれば、やはりこの点も県民に責任があるというようは、本県全体の意識として、そうしたところが教育業界・行政においてもあったのではないかという気はいたします。ただ1点申し上げれば、女性を登用するという問題は障害者の方々等へのアファマティブアクションというものとは少しく異なるのではなかろうかと私は一方で思っております。すなわちジェンダーによってアファマティブアクションが行なわれるのは、これは逆にジェンダーとしての男性と女性がまさに同一のところで競争しあうと、競い合うということをともすれば損ねる場合もございますここは慎重に配慮しながら行なうことで、その意味においては子育てを男性も担うということとは少しく異なる側面もあると、これは決して後ろ向きな意味ではなくそのように思っておりまして、あくまでも適正にあった仕事をしていただけるように我々がきめ細かく配ると言うことが真の人事活性化だと思っております。
       また、これは女性の方々も含めて、ご存知のようにポストチャレンジ制度というもの、あるいはこうした部署で勤務をしたいという面談はしているわけでございまして、これは私が就任してからのことでございます。あるいは市町村に派遣している職員とも面談をし、昨年度でいいますと私は約1割弱にあたります700人ほどの職員と個人面談もさせていただいております。こうしたことにやはり積極的にご応募いただくという中で登用させていただいた女性の職員も多くいるわけでございまして、その意味ではご応募をなさるということはどなたにも門戸を開いているわけですから、応募をなさらないと言う方々は今までの私どもの人事制度や研修制度の弊害もあるかもしれませんが、その個々の方々の意識というものもチャンスは与える環境設定をしてきているわけでございますから、それに対してご応募をいただくと、あるいは自分の適性というものを自分が考えているものをどのように我々が評価するのかいうこと、これは決してそのことに逡巡なさるということはない職員が育成されるということは私どもも願いますし、また個々の女性の職員もそのような、これは男性も同様でございます。手を挙げずして腐骨を囲うということは自律した大人としては、乗り越えねばならない点であろうかと思っております。


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 先ほど、総務部長さんお答えなりませんでしたので私どもが独自に調査をした長野県の全国的な状況でございますが、全体、いろいろ行政職とかございますけれども、全体の順位は全国でも平均以下でございます。登用率が10%台というところはわずか1都しかございませんが、その中でも長野県は3.8%です。ここはシビアにしっかり見ていただきたいと、何のために石田治一郎県議を先頭に長野県議会の「男女共同参画社会づくり条例」本当に努力いたしました。これを実らせる対応をしていただかなくてはならないと、この条例につきましては、条例案を県議会へその当時提出をいたしまして、報告をさせていただいたときに、石田会長さんの方からも県の施策や人事にも条例の理念を生かしてほしいと、こう求めたわけでございますが、知事は人事システムの見直しも含め実効性のある形を整えたいとおっしゃっておられます。それで私は、先ほど知事の方から同一のところで競争しあうと、長野県の女性の職員は本当に優秀な方が、接している中でも沢山おいでだというふうに思っております。でも、登用されない、そういう壁、仕組みが長野県にはあるのではないか、ということ。一つは主幹制度です。男性の方は一定のところに行きますと係長におなりになりますが、女性職員は、主幹いうところに全部留まっております。ですから、お給料は同じで、役付きと同じ給与は貰えるんですが、しかし、主幹ということで役付きにはなれないという、ここに一つの弊害があるということです。是非このことは見直していただきたいということでお願いをしたいと思いますし、それから、人事活性化チームに、人事を対応するところに、女性がいないとう、ここにやはり私ははっきり申し上げてまだまだ、知事、男女共同参画と、女性の職員の登用ということにはあまりお心を砕いていらっしゃらないと言わざるを得ないわけでございます。是非具体的な人事システムの一つとして、この人事活性化チーム、職員の様々なことを取り決める部署に女性の配置をしていただきたい。
 それから、私は東京都知事、あまり好きではございません。はっきり申し上げて、しかし、この石原都知事は女性の登用が進む試験制度とか、とにかく全国で一番になりたいとおっしゃって、かなり力を入れて東京は登用率全国的にも大変進んでおります。そんなことで全国の教訓も参考にしながら、再び私はこの議会本会議に立ちまして、このことを詰め寄るようなこういう質問をさせていただかないように知事の善処を求めたいと思いますが、ご答弁をいただきたいと思います。

      【田中知事】
       今ご指摘がございました、主幹というかたち、これは改めるべきだというふうに思っております。人事活性化チームには現在女性も2名職員として働いております。
       一つは、任期付任用職員で女性を多く登用したのも、これは当時出納長とも話して、よい意味での異物、刺激を与えるものと、しかしながら安住している任期付任用職員もいるかと思いますので、彼らや彼女ら自身が  せねばと思っております。やはりそれを傍観するのではなく、私は県の職員はこの民度の高さと相まって非常に優秀なんでございますけれども、非常にやはりおとなしいです。あるいは冒険しない、あるいは挑戦しない、あるいは長い間に鋳型に丸め込まれてしまったのかもしれません。私がまた登用いたしますと、皆様の中にはまさにパソコンもワープロも使えなかった鮎沢光昭をもってメルトモ人事などという事実誤認のお話が起きたりして、まさに私がよい意味での年功序列や、今までのような3階筋という言葉であるとか、そういうものを打破しようとすると、逆にそれをご批判いただくと、しかしながら私はそれに屈することなく行なってきているわけでして、職員もまた今申し上げたようにチャンスは開かれているわけです。本県の新しい職員像はまず自ら言葉を出す、あるいは行動をするその中で不具合を治していくと、こうした意欲を持っていただかないと、これはいかなる場所においても適正の基本のレベルにまでは達しません。そして、本来そういう能力を持っている者は多くいるわけでございますが、非常に議員諸氏にご説明するときもきちんと自分たちの方針の主張をするというかたちを持つ、そういう気概を職員にはより本来の資質はあるわけですから、開花してもらいたいということは私が一方で願っております。
       主幹の問題に関しましては、このような形は改めたいと私は思っております。ですから、女性の職員諸氏も、やはり自ら手を挙げる勇気は、これは勇気ではなくごく当たり前のことでして、それが行なわない者は、それをも私どもが一方的に引き上げるというのはまさに市町村自治への介入というのと同じで、職員人権への介入と皆様からそしりを招くようなことにはなってはならないと、一方では思っております。いずれにしてもやはり本県の行政が、長きにわたって、今東京都の例を挙げられました。女性を多く採用してきたということもあると思いますし、あるいは男女共同参画などという言葉がない頃から女性にも仕事のチャンスを与えてきたというのもあると思います。むろん私が足らないところがあれば努力をいたします。しかしながら、敢えて申し上げれば、やはり本県は何十年かにわたってそういう女性の意欲を引き出すような環境設定が他の地域に比べればはるかに遅れていたのではないか、それは教育も同様でありまして、これは翻って大変すばらしい資質を持っている県民全体がご一緒に改め踏み出さなくてはならないことだと、敢えて最後に付け加えさせていただきたく思います。


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 主幹制度につきましては、見直しをされていくということでございますので、これは期待をさせていただきたい。私は女性の皆さんが声を上げないということではなくて、職員組合の女性部この皆さんも、女性の登用についてはずっと一貫して主張してきた経過がございます。しかし、何故これが実らなかったというこの背景には、システムがやっぱりまずかったということを申し上げたわけでございまして、ちょうど人事活性化チームリーダーもお替りのようでございますので、是非女性をここに据えていただきたいとお願いをしたいと思います。

12  最後になりましたが、情報公開についてお伺いいたします。

(1)この間の総務委員会の審議を通じて、平成15年10月に情報公開請求があった知事の後援会幹部の下水道業者の県への働きかけ関連文書が、「私的なメモであり公文書ではないため情報公開の対象ではない。」と公開されず、今回平成17年の公開請求に対しては、「ファイルに保管されており、公文書である。」として公開された経過が検証されました。
 総務委員会に参考人として出席した元経営戦略局参事の岡部氏は、「知事室に呼ばれ、知事から関係文書をわたされ、公開しない方向で調整してほしいと指示を受けた。」として、公開を主張する下水道課の職員や「公開したほうがいいのでは。」と言う課長を「私的なうち合わせのメモだから、公文書ではない。」と誘導し、職員からすべての文書を回収して破棄させ、パソコンに保存されているものも廃棄したと証言しています。
 一方、岡部氏に指示したとされる知事は、「そのような指示はしていない。私的なメモか公文書かを調査してほしいと指示した。文書は公開しても差し支えないもの。」と主張され、両者の言い分は真っ向から対立しています。
 しかし、真実はひとつですから、今後の真相解明をひき続き求めたいと思いますが、しかし、現時点では、動かない事実は、平成15年に「私的なメモ」とされ、公文書としては「不存在」として公開されなかった知事の後援会幹部の下水道業者の県への働きかけのメモの一部が、今回公文書として公開されたことです。
 同じ行政のもとで、しかも、「包み隠しない県政」とみずからうたう田中県政のもとで、その時の担当者によって判断が異なり、本来公文書として公開されるべきものが、「私的なメモ」「不存在」としてかたつけられることなど、あってはならないことです。県政の最高責任者として、知事はこの事態の責任をどうお考えでしょうか。また、県の情報公開への県民の信頼を裏切った事態として、県民へのしかるべき謝罪をするべきだと思いますが、いかがでしょうか。知事のご見解をお伺いします。

(2)また、今回明らかになった事実の中で、知事の後援会幹部の働きかけの中身である、県の下水道事業で地元業者を優先する制度にすること自体は決して悪いことではありません。むしろ、長きに渡って、県外の大手業者にのみ下水道事業が独占されてきたことは改善の努力が必要です。しかし、この後援会幹部は、1業者、1県民であればありえない特別な扱いを受けています。そもそも、受注業者は、発注の担当職員を直接訪問することは、現在、基本的に禁じられていることです。ところがこの後援会幹部は、なんと経営戦略局の応接室で、経営戦略局職員同席のもと、下水道公社幹部と懇談したり、県庁の会議室で下水道課職員と懇談し、県の政策を直接左右するような指示とも取れる言動を繰り返しています。働きかけの内容は地元業者育成のために大切なものではあっても、働きかけの仕方や言い方は、知事の後援会幹部だからこそ許される特別扱いと言わざるを得ないものです。
 このような特別扱いは、あまりにも慎重さに欠けたものであり、癒着を疑われても言い訳できないものと考えざるを得ません。大いに反省するべきだと思いますが、知事のご見解をお伺いします。


      【田中知事】
       今回の事例に関しましては、平成15年の下水道課におきまして、公文書かメモなどか様々な意見があるなか当時メモと下水道課長が判断をし、不存在決定をおこなったというものでございます。今回、複数のファイルで同一の文書が見つかったことから、これは前回不存在決定としたことは結果として適切な決定とは言えなかったとこのように考えております。
       県政の最高責任者としてのおたずねでございます。情報公開制度のよりよき機能に向けて、さらに適切に改善措置を講じて、県政の透明性を図ってまいるということが、私に課せられた職務であるとこのように感じております。
       また、私利私欲無き県政改革と申し上げてきておりますが、これは川勝平太さんという碩学もおっしゃっておりますが、やはり私益のない公益を実現するための改革ということに向けて私は今までも及ばずながらも邁進してきた自負がございます。さらに、襟を正して、まさに公益のための改革に邁進をさせていただくということが真の県民益創出だとこのように考えております。
       なお昨日、柳田清二議員のご質問への答弁の中で、ガバナーのアドレスに入ったメールに触れまして、この中で私、発言がいつくかございましたが、この中で一般市民からガバナーというアドレスに入ったものは公的なもの、あるいはガバナーアドレスという県の公的メールに一般からお寄せいただいた意見は公文書の対象と申し上げた部分がございますが、この件に関しまして、ガバナーメールの公文書性に関して修正と補足をさせていただければと思っております。
       公文書というものは、情報公開条例の2条2項の上におきまして、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が管理しているものという規定でございます。メールはご存知のように、送り手、受け手の双方にとって大変便利なツールとして、電話同様に気軽に、意見のみならず、感想交換を行なえるものであります。この段階でいわゆる組織的に管理しているというふうには言えず、県の個々の職員に割り振られております公用の個人アドレスメールというものは、公文書にするとの意志で印刷をして組織として共用した段階で初めて公文書とみなせるものでございます。
       ガバナーメールもこれと同様でございまして、私が受け、それをプリントアウトして担当部署に具体的に指示するなど、組織的に管理する状態になったときに公文書となるものとこのようにとらえておりますので、この点の部分に関しまして修正補足をさせていただきたく思います。
       今2番目の点ですが、無論そのような癒着を疑われるようなことがないように、より襟を正して参るという所存でございます。

 ご答弁をいただきましたが、私はこの事実関係はお二人の言い分が違うと、これはどちらをお信じをするとか、そのことは今日ここの場では申し上げませんが、結果として、情報公開のこの問題で県民の信頼を裏切ったと、これだけは事実です。ですから、このことに関して、県民の皆さんにお詫びをしていただきたいと申し上げたわけです。
 田中知事になられましてから、入札の問題、透明性、公開性、公明性とずい分改善をしてきたと私は評価をしているんです。だからこそ、この問題は真摯に対応していただきたいと、このことを申し上げたいと思います。又、総務委員会もございますので、本会議ではこの程度にとどめさせて頂きますが、私のところにはいつも80歳を超える婦人から電話がかかります。新聞で知事さんの言動が出るたびに、「心配で、心配で夜も寝られない」という息子さんを心配されるような、本当に良い県政を造ってほしいと皆さん思っていらっしゃるんです。
是非、こういう新しい県政、期待をしている県民のために知事さんは真摯にがんばっていただきたいと心から要請をいたしまして、私のすべての質問を終わらせていただきます。


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