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2004年 2月議会
高村議員の一般質問(3/12) 

* 記事はすべて、共産党県議団事務局のテープおこしによるものです。

  1. 県警の捜査用報償費について
  2. 教育の課題について
  3. 企業の社会的役割、責任について
  4. 医療福祉について

1. 県警の捜査用報償費について

 最初に、県警の捜査用報償費についておたずねします。
 「国民の税金である捜査用報償費を不正に流用し、裏金づくりに関与した」と北海道警察元釧路方面本部長が実名で証言した捜査報償費の裏金疑惑は国民から警察への信頼を失墜させる残念なものです。
 報道によれば、警察の捜査報償費の不正支出による裏金疑惑については、鳥取県など3県が警察予算のチェック強化に乗り出し、大阪など6府県が監査の見直しを検討しているとのことです。
 警視庁で18年間裏金づくりをしてきたという元警視庁主任は「裏金づくりのシステムは全国まったく同じ」との証言をしています。
 警察庁は9日、捜査用報償費疑惑などから警察が捜査協力者に謝礼を支払った際に受け取った領収書について、偽名(ぎめい)による領収書を使わないようにする方針を固めたとのことであります。
 そこで代表監査委員にお伺いします。県警についての監査の際、捜査用報償費については領収書を見られて監査されているのでしょうか。誰が使ったのか、誰に支払われたのか明らかにされているのでしょうかお伺いします。

 次に警察本部長にお尋ねします。
長野県警においては、全国で捜査用報償費疑惑が問題化した後、捜査報償費を調べ直すとか、支出の見直しはされたのでしょうか。
 最近、捜査報償費の予算が減額されたようですが、確認の意味で平成14年度と15年度の予算額と決算額を明らかにして下さい。減額されたのなら、それはどういう理由からでしょうか。使い方に不適切な問題があって見直されたのでしょうか。また、16年度の当初予算額はいくらになるのかお伺いします。

      【丸山監査委員】

       捜査費は予算科目上は報償費から支出され、支給前渡しにより処理されています。
       監査の実施状況ですが、県警本部への監査は定期監査における事務局による事前調査項目事項の一つとしています。調査の内容については、資金前途の詳細書のチェックに留まり、捜査上の都合等から領収書等の証拠書は確認できない状況です。

      【岡警察本部長】

       県民の貴重な税金を財源とする予算の執行にあたりましては捜査報償費に限らず、普通に適正化かつ効率的に行なわれるよう努めております。
       ご指摘のような不適切な経理についての報道は承知いたしております。「他山の石、以って石を磨くべし」という格言を心に留め今後とも適正かつ効率的な予算執行に努めてまいります。本県におきまして特にそういったことは報道されたかといって特別なことはやっておりません。先ほど申し上げましたように常々適正かつ効率的に執行するよう努めていくところでございます。
       おたずね2番目の、平成14年度、15年度の予算・決算額でございますけども、14年度につきましては、最終予算額で4100万余です。執行額は4037万余でございます。平成15年度につきましては最終予算額で3860万余、15年度まだ終わっておりませんが、今のところ実績ふまえて見込みますと約3200万円の見込みでございます。それから16年度に当初予算につきましては3000万円を計上して審議をお願いしておるところでございます。
       報償費につきましては、いま申し上げましたような形で少しずつ減っておりますけども、これは厳しい財政状況の中で節約節減に努めておりところでございまして、事件その他で使う額が動きますのでその実績をふまえつつ、かつ財政状況ふまえて節約節減に努めております関係で16年度につきましては3000万円を要求しておるところでございます。

 只今ご答弁をいただきました。不正がないということは県民みんなが願っているところでございますけども、「全国まったく同じ」という証言もございまして、やはり、改めての監査を見直しを含めての監査の実施を強く求めたいと思います。


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2. 教育の課題について

 次に教育の課題について伺います。
 長野県は、来年度厳しい財政危機の中にあっても、30人規模学級の拡大を希望する市町村との共同事業として、4年生から6年生までの拡大を盛り込んでいます。 そこで教育長にお伺いしますが、今年の4月から、30人規模学級を4年・5年・6年とそれぞれ実施する市町村の状況はどのようになっているでしょうか。お願いいたします。

      【瀬良教育長】

       お答えいたします。4年につきましては17市を42市町村で75学級でございます。それから5年生につきましては10町村12学級、6年生につきましては9町村5学級でございます。

 厳しい財政状況の中でも、市町村との共同事業によりまして、特に17市が4年生まで一斉に実施できる、その他の市町村も拡大をすすめているということで、本当に県民の願った声を受け止めていただいたものであり、本当に歓迎をするものであります。
 さて、先の1月28日ジュネーブの国連子どもの権利委員会におきまして、日本の政府報告書の第2回審査が行われました。そこで発表された最終所見、勧告では、前回の勧告への対応の遅れを厳しく指摘し、改めて日本の子どもたちの現状を直視して、「学校をはじめ行政や政策決定の場において子どもたちの意見の尊重と参加を進めること」などが勧告されています。そこで教育長に再度お伺いします。今回の国連子どもの権利委員会での勧告をどのように受け止められておられるでしょうか。お願いしたします。

      【瀬良教育長】

       おたずねにお答えいたします。子どもの権利に関する条約につきましては去る1月30日に、第2回目の国連子どもの権利委員会によりまして勧告行なわれたわけでございまして、前回の5年前の勧告22項目に対しまして、必ずしも日本政府は積極的、前向きな姿勢がなく、今回も21項目ついて大変厳しい指摘がありました。そもそもこの条約は、いわゆる1924年のジュネーブ宣言に始まりまして1989年に国連総会によって採決された条約でございまして、子どもの「生きる権利」そして「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」という4つの柱として多面的にわたって子どもの権利を守るという内容のもでございます。日本は1994年に批准いたしましたけども、この条約に対する認識は甚だ浅いという認識でございます。と言いますのは、そもそもこういう条約というものは憲法とか、日本  法律に次ぐような、まさに他の国内法に優先するようなものであるというのが国際的な常識でございます。それに対して今回の第2回目の勧告におきましても、いまだに日本政府が翻訳いたしておりません。民間の翻訳したものがパソコン等で入手できるわけですけども、その内容を見ますとまことに今回の指摘が厳しいものであったと、それで1点すくわれることはまさに地方自治体が前向きな努力をしているということが評価されているわけでございまして、この政府よりもまさに地方が県や市町村が前向きな子どもの件に関して取り組みが進められているということを評価されているわけでございます。長野県といたしましても、これらの子どもの権利条約だけでなくて、すでに批准しております「世界人権宣言」また「人権A規約」「人権B規約」という人間の人々の権利に対する条約、こういうふうなものとそれから日本国内でも法律であります「児童福祉法」や「児童憲章」こうふうな精神を生かして、子どもの権利というものをどうやって守っていくかということで昨年4月以降人権教育課でもって子どもの権利条約、あるいは子どもの人権オンブズマンの設置等を検討してきたとこでございます。16年度からさらに児童虐待等が多発していることも鑑みまして、ゼロ歳児からの施策の成功のために信州教育振興庁というもので総合的な施策の取り組みをしたいと考えているとこでございます。

 国連子どもの権利員会では、「過度の競争的な教育環境が、日本の子どもたちの肉体的、精神的健康に否定的な影響を及ぼし、かつ子供たちの豊かな発達を妨げていること、特に思春期の子どもたちの精神的健康に関する包括的な戦略が欠けている事」を懸念すると述べています。
 今回の高校入試制度の改革は、勧告が示す「過度の競争的な教育環境」との懸念を改善する方向でしたでしょうか。
 全県を一気に4通学区に拡大し、自己推薦による前期試験は、15歳の子どもたちにとって非常なストレスとなるものでした。担任の先生も、父母にとっても高校への必要書類の提出や小論文、面接の場面での支援など、どのように援助して良いのかわからない、みんなが不安な中でこの前期試験を迎えました。
 前期の自己推薦には、全日制・定時制あわせて1万2653名の生徒が試験に臨みましたが、合格者は5172名でした。約6割の生徒が落とされました。合格した生徒は、気持ちよく祝福されずに小さくなっているとか、落ちた生徒は予想以上にショックが大きく、なかなか立ち直れず、後期試験では本来希望していた高校をあきらめるなどがおきています。
 後期試験では上田東高校が募集枠を100人以上も多く受験者が集中するなどの現象が起きる一方、定員に満たない地域高校が出ています。
 15歳の希望に満ちた春「2度も試験に落ちるかもしれない」過酷な制度となっています。県民の納得と合意もない中で子どもたちや父母、中学の担任に負担を押し付けた、かなり乱暴な制度改正ではなかったでしょうか。現場の先生方からは制度改悪としかいえないと、憂える声が聞かれます。
 現在、先進国の中で、高校入試を実施しているのは日本だけだと言われていますが、国連子どもの権利条約が示した日本の教育に対する勧告を正面から受け止め、子どもたちを主役にしながら、今回の受験体験者の意見や保護者、学校関係者とともに今回の制度をきちんと総括すべきではないでしょうか。そのうえで思い切った改善を目指すべきだと思います。そのことなしに、来年度の入試の日取りを発表するなどは、決して県民の理解は得られないと思います。
 教育長に、今回の入試制度の教訓をどのように受け止め、来年度以降の改善をどのように進めるのかおうかがいしたいと思います。

      【瀬良教育長】

       お答えいたします。議員ご指摘のとおり、先ほどの子どもの権利条約について政府関係者の証言とともに子どもたちが一緒に証言いたしました。その中で日本の過酷な受験制度に対して、非人道的なことだというふうな訴えが出されておりました。私も理念的には高村議員のお考えにまさに賛同するわけでございますが、現実におきまして、日本の社会におきまして大学受験というのが現にあるのでございまして、そういうふうな中で長野県だけが高校受験を止めてしまうということはなかなか難しいわけでございまして、いかにして子どもたちの受験に対する圧迫感、また子どもたちが本当に望むような可能性や喜びを満たすようなシステムというものを検討していかなければいかんと思っているとこでございます。今年につきまして、はじめて 入試ということで、昨年まではご存知のように中学校が一方的に推薦するということでございました。去年は2530人が推薦で入っているわけでございますけども、今年はすべての子どもたちに自ら目的を持って自分の行きたい学校について選択権を与えるということで確かに12,653名が応募され、5,272名という方が合格するということで、7千名強の方が落ちられたということでございまして、まさに15の春泣かれた方も多いわけでございますけども、前期・後期と併せて考えますれば今回全体的に見ますれば前期・後期併せて1.05倍というかたちでございまして全国的には大体1.15倍くらいでございますので長野県の場合には比較的倍率は低いと、それから一部心配されておりました都市部への集中、地域高校離れという懸念があったわけでございますが、結果的には前期・後期あわせていわゆる募集に対する定員の倍率でございますけども、地域高校につきましては昨年の0.95倍が0.97倍に増えました。それから都市部につきましては1.20倍が1.15倍というふうに減ったわけでございまして、全体的には平準化されたということでございます。確かに地域的には多少いろいろな流動性があったと思いますけども、全体的には大きな混乱もなく行なわれたんではないかと評価しているところでございます。しかしながら、初めての大きな改革でございます。高校・中学のそれぞれの学校関係者また子どもさんたちのアンケートにこれから充分行いまして改善すべきとこは改善したいというふうに考えています。大きな意味で高村京子議員の言われた受験の問題ということは高校改革プランの中でも充分に検討してまいらなければならないと考えているところでございます。

 教育長のご答弁からもありましたけども、過度の競争的な教育環境がいま問題となって、みんな心を痛めていますが、子どもたちの自己肯定感を押さえつけています。そのことをやはり私たちは教育委員会と一緒になって子どもたちの15歳の春をどうすべきか、前向きに検討すべきだと再度訴えさせていただきます。


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3. 企業の社会的役割、責任について

 次に、企業の社会的役割、責任を求める問題です。
平成10年以降の5年間、1件あたり10人以上の人員整理は2万3000人以上、また一昨年の事主業都合による解雇者は1万5600人以上にもなっています。
 雇用保険適用事業所は43ヶ月連続で、また被保険者は70ヶ月連続で前年同月を下回っています。常勤的雇用が減り、まさに県民生活と地域経済、そして県財政にとっても深刻な問題となっています。
 私達県議団は、先日上田のハローワークを訪ね、新津所長から、厳しい雇用環境と支援体制について伺いましたが、ちょうどその日は、東部町のパナソニックCCマニファクチャリング株式会社長野ファクトーリーセンターの閉鎖、新潟への移転にともなう従業員の雇用確保支援会議が行われたと伺いました。その会議に丸山産業活性化雇用創出推進局長も参加されたとお聞きしました。従業員の立場に立った県の対応が求められると思いますが、どのような対策をとられているのでしょうか。丸山局長にお伺いします。

      【丸山産業活性化雇用創出推進局長】

       お答えいたします。先ず会社側が私のところに来ましてこういう予定だというお話がありました。そのときにお話して、従業員230名とその中で男性が144名で女性が約80名というお話でした。両方とも常勤的雇用ということです。リストラではなくて工場の集約と、つまり長野東部町にあります工場を閉鎖して従業員ごとすべて新潟の方に移転していんだと、リストラではないというお話でしたが、今の内訳を聞きまして特に女性の80名がほとんどの方がご家族がいると、ご主人も働かれているということで、新潟に230人行くとうことはかなり難しいんじゃないかと判断いたしました。
       それでその段階で会社側に3つのことをお願いしました。
       1つは新潟に転勤される方もやむなく離職される方も両方の種類の方あるわけですけども、予定されているわけだったわけでして、きちっと対応してくださいと。
       2つ目は定期的な報告をしてください。
       3つ目は関係当局いろいろありますので、他に私の説明のあとすぐに関係当局に行って同じような説明、情報を流してください、具体的には労働局の方にも行っていただきました。
       通常このようなケースでは、実際は離転職者おこるわけです。それで、離職か残るか、つまりこの場合新潟に行くかの2つの選択しかないわけですね、ということは仕事がなくなるか新潟に行かざるを得ないかというふになるわけでございます。これに対しまして今お話ありました上田のハローワーク中心になりまして、基本的な考えとしては、従業員の方まだ在職中と、これは退職を求める方は5月31日に退職ということでまだ4ヶ月あったわけです。その段階から次の道筋をつけようということで、つまりみなさんが迷っている段階から総合的な相談体制を整えようという判断に至りました。
       総合的な相談体制というのは、仕事のことだけではなくて、子どもさんの教育ですとか親御さんの面倒とか、住宅ローン等々の相談に乗ろうということで、関係機関がほとんどすべて参画いたしまして2月の頭に会議を開きました。その席で私は5つのことを会社にお聞きしまして、1つ目は新潟に行ったあとに再合理化の計画、再びリストラの計画あるのかと。それから2つ目は再就職を支援するいわゆる再就職支援会社と相手希望する会社を希求するというお話だったので最後の一人まで面倒見るのかと。3番目が、生活の保護についてきちっとするのかと。4番目は退職加算金があるのかないのか、あるならばいつ決まるのかと。5番目は須坂の富士通のケースであったんですが、再就職もそう簡単じゃございませんで、やはり違う職場へ行かれる方の場合には、新たに訓練を受けるとか、教育的な資金がいるわけです。ですから教育支援資金を出してほしいという5つのことをお願いしました。
       最後の一人まで面倒を見ます。それから再合理化の予定は当面はない。生活のホローもします。退職加算金もその段階では考えていらっしゃると、実際これは実行されたみたいですが。それから再就職に付くことに対しても教育支援金は出すことを検討しますということで、若干の安堵をしたわけです。
       今週4日10日とすでに25社から70人程度の求人があるということでどのくらいの方が離職されるか、あるいは再就職の道に結びつくか分かりませんが、今回のケースは非常にある意味では先駆的なケースでして、先ほど言いましたハローワークが中心になってやったわけですが、退職される前から次の仕事についても関係行政機関が一体となって支援していくという一歩踏み込んだやり方だと思っています。結果がでなければしょうがないわけですが、とにかく一歩踏み込んだということで今後同じようなケースの場合にはやはり情報いただいたら、基本的には同じような対応をしたいと思っております。以上です。

 県の局長が直接会社に出向いていただいて、関係のみなさんと会社側にいろんな点でただしている。最後の一人まで雇用と生活を守る、そのことに会社に対してきちんと要請を出していただいていることに私は本当に敬意を表したいと思います。
 昨年の9月議会で、私は、上田で工場閉鎖と整理解雇の不当性を訴えて立ちあがった「JMIU 東北住電装労組」の取り組みを紹介し、経営危機にない100%子会社の経営権を持つ親会社、住友電装に対して、「一方的な事業所の県外移転をやめるよう」長野県として経営者に求めるべきではないかと知事に申し上げました。
 「介護の必要な親や育ち盛りの子どもたちを残して、岩手にはいけない」とさまざまな生活者としての思いを長野地裁上田支部に訴えていたところ、昨年11月18日には会社側に対して「整理解雇の4条件に照らし、解雇権の濫用として無効とするのが相当」とし、「従業員の地位保全、賃金相当額を支払う」との決定を勝ち取りました。この決定を待てずに昨年9月末、約100人の従業員のうち岩手に行かれたのはたったの6人、解雇を受け入れた多くの人は僅かな優遇金で退職しましたが、ほとんどの人がいまだに職につけていません。関連の下請けなど4つの企業の従業員約400人も解雇されました。
 地域経済を守る上で企業の社会的責任を求める労働者や住民の運動を支援し、行政として企業に責任を求めるていただくことが必要だと思います。無法なリストラや一方的な撤退は、働くものの生活を脅かし、地域経済に打撃を与え不況をさらに深刻なものにしてゆきます。日本には残念ながら労働者を解雇するときに経営者が守るべきルールを決めた法律はありません。しかしドイツでもフランスでも解雇制限法、解雇規制法というのがあって道理のない解雇は厳しく禁じられています。
 日本共産党は、従業員や地域住民が安心して暮らすためのルールとなる、7つの社会的責任が企業にはあると考えます。
 1、従業員の労働条件雇用と生活を守る責任。
 2、中小企業の経営安定に対する責任。
 3、地域経済に打撃を与える工場移転や閉鎖、大規模な縮小をしない努力をすることと経営危機で無い状況での整理解雇は許されない事。
 4は消費者5は環境6は土地利用に関して自主的な責任を負うことです。
 7、海外では良き協力者となる責任です。
 そこで改めて知事に伺います。県民の雇用と地域経済を守るために、経営権を握っている企業に対して、社会的責任を自覚し、何らかの仕事をおこし、雇用を守る義務を果たすようもう一押し求めていただきたいと思います。ご答弁をお願いします。

      【田中知事】

       旧信州ハーネスに関しまして、この個別の企業一つ一つの意思決定の問題に行政は介入できるであろうかということは非常に大きな問題でございます。このケースに限って申し上げれば、島田・高村両県議のご紹介で労組を立ち上げられた方々とお目にかかり、またその後もそれらの方々とのミーティングを通じてですね情報入手また他の仕事への転職希望の方々への支援策を示してはきたところでございます。工場閉鎖後の跡地利用のお問い合わせがありましたのでどんな新規事業を考えるか等のアドバイスもしてきております。現在、裁判において係争中でありますのでこれを見極めさせていただくというところであります。
       今議員からはフランスやドイツの事例を挙げられました。私もそれらは承知をしているところでございます。他方でフランスやドイツのそうした法律が逆に社会全体の産業構造の転換や新しい新規の事業の創出というところを結果として少しくスピードを緩めさせているという点もこれは経営者側の論理ということではなくて現実にあるところでございます。この点がやはりフランス・ドイツにおいてもいわゆる社民主義的な、高村さん社民主義とはまた異なるとは思いますが、ある種社会主義的な連立政権というものが必ずしもうまくいかないという状況にありまして、他方でそれに対して出てきますものが大変に極右的なものであったり、国粋主義的なものであったりすると、これはオーストリーとて同様でございます。基本的に私は経済というものはなるべくレセフェルであるべきだと思っております。ただ同時にそのレセフェルの中で放任ということではなくて、それぞれの企業が企業市民としての哲学や理念とミッションと使命というものを持たねばならないとこでございます。ただこれが日本の教育というものが3歳までに使命感ミッションを持つというようなことをほとんど教えないままきてしまっておりまして、このあたりがノーブレスオブリュージュような点が経営者にも足りないというとこであります。これは皆様から私にもそのような同様なご指摘があるでしょうし、県民からすれば県議もまたノーブレスオブリュージュを持つべきであるというご指摘もあろうかと思います。
       なかなか企業の意思決定の一つひとつに私どもが介入するというのは難しいところでございます。逆に私たちはまさにスルーバイスリーというプランを立てているわけでございますし、また他県にみられますような巨額のお金を特定の企業に支払って企業誘致をするというような形が私たちが目指すところではないと申し上げているわけでございまして、先ほどの午前中のご議論の森林政策もそうですし、スリーバイスリーのプランに合致をする方々のお申し出に関しての建設業からの転換のみならず、多くの起業職種転換ということに産業活性化雇用創出推進局をはじめ一丸となって取組んでおります。従いましてそうしたアメリカにおいてもユナイテッド航空というのは倒産をしましたあとに労働組合がこれを購入して一旦全員解雇して賃金を新たに組み直して組合によって再建をしてきたというようなケースもございます。そうした取り組みをなさるということに関しては私たちは法の許す範囲において全力でご支援をするつもりでありますし、いずれにしてもこの東北住電装に関しましては今申し上げたところであります。いずれにしても企業の自助努力、自由経済という中におきながらも使命感を高めるような企業に関して、あるいはそうした取り組みをする組合員であるならばスリーバイスリーのなかにおいて私どもも一緒にお手伝いをしたいと思っております。

 国民生活の深刻な現状をよそに過去最高の巨額な利益を上げているのが大企業です。今年1月の月例経済報告は人件費削減を中心とする企業のリストラ努力を収益改善の第一にあげています。一方的に職場を奪われ、生活不安にさらされている人々の犠牲の上に収益を上げるなど、真の地域経済の発展にはならないと考えます。私は知事からお話を今いただきましたけれども、企業とともに21世紀の企業の中における仕事をおこしていくということを企業に是非求めていただきたい、産業構造を企業自身がご努力をお願いしたい、そのことを長野県がともに考えるそういう方向でお願いしたいと思っています。


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4. 医療福祉について

 次に医療福祉について伺います。
ちょうど一年前私は、医療費の負担が大きくなった在宅酸素療法の患者様の実状などを訴え、県としての調査検討を求めました。
昨年4月から県は「保健・医療・福祉サービス等検討会」を立ち上げ、医療福祉の実態調査、関係団体から意見聴取を行い、「保健・医療・福祉施策に関する提言13項目」にまとめ、12月5日に厚生労働省に出向き、国に改善を提案されたとうかがっています。
 そこで検討会の取り組みについて、社会部長に伺います。
この検討会設置の経過、調査の対象や方法など、そしてまとめられた提言の内容をご紹介下さい。また、それを受けて国が来年度新しい施策として反映したものはあるのでしょうか。お願いいたします。

      【堀内社会部長】

       お答えいたします。「保健・医療・福祉サービス等検討会」の内容についてお答え申し上げます。日常生活に支障が要するにもかかわらず、障害にもかかわらず国における制度がないということでこれまで県や市町村で医療福祉施策に充分なサービスがゆきとどいていないという実態が見られました。そこで長野県ではこれ等の制度の狭間(はざま)にある方々に救われるような支援をしていくために昨年4月に社会部・衛生部関係部局の係を長中心としたメンバーからなる「保健・医療・福祉サービス等検討会」を庁内に設置しまして支援策の検討を行ってまいりました。4月以降、医療福祉現場の実態調査それからまた自閉症協会等、各種障害者団体7団体の意見をお聞きしたり、また、在宅酸素療法受けている方やホームレスの方等、支援を要する方々と直接面接調査等おこなってきました。
       支援策の検討進めるにあたりましては、これから調査結果等を基に狭間項目についてすぐに実施できる支援策、それから平成16年度当初予算で対応を検討する事項、それからまた国へ要望政策提言するもの、これに集約しまして検討重ねてまいりました。
       その結果、検討会の検討踏まえまして昨年の10月5日に厚生労働省に対しまして13項目の提言を行なったところでございます。
       主なものといたしましては、生活保護制度における自動車保有要件の緩和に関するもの。呼吸機能障害に対する厚生医療の適応に関するもの。外国人の医療保険に関するもの。高次脳機能障害への支援に関するもの。小児慢性特定疾患対策に関するもの。等々、13項目でございます。提言にあたりましては、単に要望書を添付して補助金の上積み等陳情する従来型の要望ではなく、調査結果等から得られましたデータや事例など示して、制度の問題点を指摘したうえで要領の改正案を示すなど可能な限り具体的な提案を行ってきたところでございます。
       提言した事項で、16年度の国の施策に反映されたものというおたずねでございますが、昨年12月に提言したということでございまして、現在のところありませんがひき続き国に提言を行なってまいりたいと考えております。以上です。

 このような保健・医療・福祉の全分野にわたっての調査と医療福祉制度の狭間で苦しむ当事者皆さんの声を、真正面から受け止めた改善策をまとめた提言への取組みは、長野県が全国で初めてのことではないでしょうか。この調査まとめに先頭に立たれたご堀内社会部長、前衛生部長であられた菅谷昭さんはじめ、ご努力をされた県職員の皆様に敬意を申し上げたいと思います。いま国の方で具体的な施策に結びついていないということですが、医療や福祉の充実に国はしっかりとこの提言を受け止めてもらいたいものです。

さて、このような膨大な調査の中から長野県独自の施策として、来年度予算に具体化したものは、どのようなものがありますか。また財政難の中で、ゼロ予算でも取り組もうとするものはどのようなものがありますでしょうか。それぞれ社会部長・衛生部長にお尋ねします。

      【堀内社会部長】

        お答えいたします。検討の結果、平成16年度の当初予算に反映したものでございますが、社会部関係では新規事業として2つの事業を今議会にお願いしてございます。
       1つはNPO法人等が実施します障害者、高齢者、難病患者等のいわゆる移動困難者に対する福祉移送サービス運営費を補助する福祉移送サービス支援事業でございます。
       2つ目といたしましては、自閉症自立支援センターを設置しまして療育相談体制の充実を図るなどして自閉症児・者や家族に対する支援を行なう自閉症発達障害自立支援事業であります。
       尚、既存の事業、またゼロ予算事業で実施するものとしましては、過日牛山議員の一般質問に対しての知事から  高次脳機能障害への支援策としてゼロ予算で行うわけでございますが、現在相談窓口がないということから県内4ヶ所の拠点病院に相談窓口を設置し、それからまた保健福祉医療関係者に高次脳機能障害への研修会を開催するとか、県民のみなさんにも高次脳機能障害というものを理解していただかなければいけないということで県の広報誌、広報ながのけんを利用して啓発活動をおこなっているということでございます。
       それからまた、ホームレスの方への支援につきましては、県営住宅の保証人要件を生活保護の適応を前提に福祉事務所長が身元確認書を交付することによって入居可能になるよう、昨年8月26日から緩和しておりまして、現在までに6名の方が入居可能となっております。以上です。

      【阿部副知事】

       「保健・福祉・医療サービス検討会」の結果、衛生部としてどのようなものを予算化したかというおたずねでございます。
       衛生部の関係といたしましては、公費負担医療の対象とならない難病患者のみなさん方の関係、それから精神保健、小児慢性特定疾患そういった分野につきまして制度の狭間となっている項目について関係者の皆様方からご意見伺いながら支援策検討してまいりました。
       先ほど社会部長の方から国への提言のお話ございましたが、衛生部関係では4項目提言いたしております。
       それから、予算の関係では今回4事業お願いさせていただいておりまして、1つは不妊治療費の助成事業、それから精神障害者の方々の関係ではグループホームの施設整備事業、スポーツ大会派遣等補助事業、それからタイムケア事業ということでございます。また、新規の予算ではございませんけども障害者のいこいの家におきましていわゆるひきこもりの方の受け入れをしていただくように、これから県として要請してまいりたいと思っております。
       「保健・福祉・医療サービス検討会」実は私と知事の協約の中に地域の視点での社会保障政策を検討していくということで書かせていただいておりまして私も副知事の立場で大変社会部・衛生部がんばってやっていただいたというふうに思っております。ただ、まだまだ課題はいっぱいあるわけでございまして私としてはようやく始めのとっかかり、一歩を踏み出したかなというふうに思っております。是非、今回組織改正で福祉健康部ということで社会部と衛生部いっしょになってまいりますので、その中でもひき続きしっかりとやらせてもらいたいと思っておりますし、また、私自身の契約にも書きましたがひき続き国の制度ありきということではなくて、地域の視点、県民の目線で考えて行きたいと考えております。以上でございます。

 生活の場を無くされたホームレスのみなさんにも思いを込める、地域の視点からの社会保障制度の充実を求めるということで取組んでいただいております。大変ありがたく思います。
 さらに貴重な調査を生かしまして、制度の見直しや取り組みの強化をひき続きお願いをいたします。
 私は3点について伺い、更なる制度の充実を求めます。
まず1点目は、昨年7月から導入された、福祉医療費の自動給付方式によって、医療機関・薬局での手数料一回300円の患者負担をなくすよう検討していただきたい点です。
昨年9月に藤沢県議も訴え、知事に再検討を求めました。重度身体障害者18歳の娘さんを自宅で常時介護するお母さんは、「市役所まで手続きに行くことが困難だったので、福祉医療費の手続きができずにいたことからすれば、すべて補填されるのでありがたいが、1ヶ月に6箇所の医療機関にかかり、薬局も2箇所から処方を受けており、合わせて3000円もの手数料は、24時間介護のために一切働けない私にとって重い負担です」と言われています。
 障害者や乳幼児の医療費窓口無料化が、県民の願いです。そこで知事にうかがいますが、福祉医療費の患者負担金の実態調査を実施されておられるでしょうか。
 また、無料化にむけての検討はどうされるのでしょうか。検討委員会の提言では「おおむね3年ごとをめどに、制度の見直しを行う」としていますので、早急に検討委員会を立ち上げ、委員には福祉医療給付の当事者の方など関係者の参加を保障すべきと考えますが併せてお伺いします。

 2点目は、いわゆる難病医療費とウイルス肝炎の医療費の問題です。
 昨年10月より「特定疾患治療研究事業」が新しい制度に代わり、所得によるランクづけの自己負担制度が導入されました。
 福祉医療のあり方検討委員会の提言では、「国の難病対策が確立した段階で福祉医療給付の対象とするか検討する」としています。検討すべき時期にきていると思いますがいかがでしょうか。
 来年度の県予算では、県単独事業として取り組んでいる「ウイルス肝炎医療費給付事業」にも所得に応じた自己負担を導入しようとしています。しかし、難病患者や肝炎患者は、常勤的な仕事に就きにくく、家族に少なからず負担をかけざるを得ない状況です。「特定疾患治療研究事業」と「ウイルス肝炎医療費給付事業」の所得認定には、「生計中心者」ではなく「患者本人」とするよう日本共産党として12月議会でも、予算要望でも再三提案しております。早急な検討をすべきと考えます。この点につきましては衛生部長のご決意を伺いたいと思います。

 3点目は、高額医療費の医療機関窓口での、受療委任制度の取組みを強めていただきたいことです。
 高齢者は外来で、1割ないし2割の負担となり、国の決めていた1ヶ月8000円ないし1万2千円以上は手続きの後に償還払いとして補填されるとしています。
 しかし、8日の参議院決算特別委員会で、全国で120万件、68億円が払い戻しされていないことが明らかにされました。この間県は、市町村に償還払い手続きの働きかけを強めるなど呼びかけされてきましたが、県内の未償還の状況をどのように把握されておられるでしょうか。社会部長にお伺いします。長野県は、昭和53年に社会部から「高額医療費は償還払いとする医療保健の原則を逸脱するものであるが、低所得者などやむを得ない事情があると認められ、関係医療機関及び、医師会の協力が得られる場合は今後その実施を認めてゆく」と、受領委任払いを奨励しています。現在、受領委任制度を導入している市町村はどのくらいあるのでしょうか。お伺いします。以上3点お願いします。

      【田中知事】

       それぞれ今のお話でございます。例えば福祉に関しても市町村でサービスが異なるように、医療福祉も都道府県で違いますし、また私は逆に良い意味でサービス切捨てではなくて特化していくというのは大事なことだと思っております。私どもは肝炎の方々に関しては独自の制度しておりましてこれは全国で確か3県か4県、2道県でございますかいまや、という形でございます。それに関してもある程度の所得の制限というのを今お叱り受けたわけですが、乳幼児の部分ですね、これは私どもが今まで従来市町村の状況を調査するとかこういう形ですけども、私は例えば妹は今栃木県に住んでいまして、栃木県はこれがないんですね、新潟県の時は逆に、新潟県も確かなかったんでございました。他の都道府県の状況をもう一度見るということのほうが大事かなとは思っているんです。
       ただ、それにつけても先ほどらい申し上げているような公債費の高さというのが大変に圧迫しておりまして、そのような審議会をつくるというようなことではなく、やはり住民のご意見や状況を見ながら、30人学級の場合と同じような私たちが判断をしていくということなのではないかなという気もしております。併せてちょっと今回申し上げますと、例えば私はどうも日本全体の医療改革というのはどうも外資系の保険会社、丸山もかつてそういうとこに居たんでございますし、今度の今井もそうでございますけども、どうもこの手の外資系保険会社と製薬会社の集金マシーンのために何か動いているような気がしてならないんでございますね。これまたマスメディアが医師会がですね診療報酬の引下げに反対していると、これに対して自民党の青木さんがこれを診療報酬はマイナスにしないようにしようと言って、小泉さんがそれを飲んだのでこれは参院選対策だなどと大変に視野の狭いことをマスメディアは書いたんで、日本の大きな問題は、診療報酬をきちんと出していないということだと思うんですね、ですから薬価というようなところで帳尻合わせようとしたり、また医療機器が寡占メーカーの状態でですね、医療機器が大変に高くてそこに不透明なお金が動くと、私はきちんと診療報酬というものを出すと同時にその代り薬価であったり、そうしたところをきちんと引き締めるということが大事じゃないかなと思っていまして、今牛山県議もうなずいていらっしゃったんで、是非この点も与党に陳情に行きたいとことなんでございます。ちょっと福祉医療に関してすべて皆様のご希望に沿える様な形に、とりわけ県民協働ネットや共産党や公明党の方の望まれるところに至ってないかもしれません。これはここの近々の公債費をなんとかしのぐというところで非常に私も胸突き八丁でございます。いじれにしても審議会をつくるとか、県内調査をするということが社会部の仕事ではございません。この点はきちんともう一度勘案をして行きたいと思っています。ただ今日この場で何か空約束をできるというような情況には財政がないということは是非お含みおきいただきたいと思います。

      【阿部副知事】

       お答え申し上げます。まず難病患者の皆様に対する福祉医療の適応の話でございますが、只今田中知事の方から福祉医療制度のあり方について申し上げましたけども、その福祉医療制度のあり方の検討の中で考えていくべき課題というふうに認識しております。
       それから、いわゆる難病の方々の特定疾患治療研究事業の給付制度、これ国の制度でございますが、それと県の単独事業で行っておりますウイルス肝炎医療費給付事業のこれについての所得制限のあり方に関連してであります。昨年の10月に国の特定疾患治療研究事業制度改正がなされまして、患者の所得に応じた段階的な一部負担というものが導入されたわけでございます。それに併せましてウイルス肝炎医療費給付事業につきましても本年10月から同様の制度を導入そいてまいりたいと考えております。その際所得の認定について生計中心者の前年の所得税課税年額としたい考えでおります。今回の制度改正にあたりましてうちのいくつか配慮させていただいております。一つは重症患者の方につきましては日常生活に著しい支障があるということで、患者本人はもとより家族の方々の負担も大きいということでこれまで通り自己負担は取らない、それから生計中心者の方が市町村民税非課税の場合には負担がゼロというふうになるなど比較的低所得の方に対しては配慮させていただいた制度にしております。また生計中心者自らの方が患者でいらっしゃるという場合には私ども負担を2分の1というふうにさせていただいておりまして、配慮しております。患者団体の方々等からは所得に応じた一部負担制度につきましては一定のご理解をいただいておると考えております。ただ所得認定にあたりましては患者本人での認定というふうにしてほしいという声も伺っております。ただ私としてこの要望に対して、例えば生計中心者となられる方の所得が極めて高額であって仮にその方の配偶者が患者であったような場合でも負担がゼロという形になってしまうことも考えられますので、そういう状態かえって不公平な場合も生じるのではないかと思っておりますし、また厚生医療でありますとか他の類似の制度でございますが、そうした制度でも世帯全体の方々、生計中心者の方々ということで所得認定をさせていただいておりまして、ご本人のみの所得を基準としておりません。こうしたことから一律に患者本人の方の所得で認定するというのは難しいのではないかというふうに考えております。
       ただこのウイルス肝炎医療費給付事業に限らず保健福祉の分野サービスにつきましては、所得に応じた負担制度というのが取り入れられていますが、こうした負担のあり方というものについては先ほど「保健医療福祉のサービス検討会」の話もございましたけども、一つの検討課題ということで受け止めて、幅広く今後考えていく必要はあるかなというふうに思っております。以上でございます。

      【堀内社会部長】

       お答えいたします。まず1点目ですが高額医療費未償還になっている実態を把握しているかとこういうことでございます。実は制度が14年10月から始まりました。昨年の15年10月ちょうど1年経ちますので、全国的に一斉の調査を行なっております。調査対象は平成14年10月から15年3月までの間でございました。長野県の未支給額でございますが、そのとき長野県は5600万円で未支給の割合が8.4%でございました。ちなみに全国は68億円で18.8%と、長野県は全国と比較しまして10%程度低いと、これにつきましても県としましては申請者が高齢者ということでありますので申請の際の負担をできるだけ軽減するということで4回にわたって市町村にお願いをしました。申請書の簡素化ということで氏名と口座番号を書けばいい、2回目以降は申請承諾して認めてください。とかいうようなことをお願いしてまいりました。それとこの制度を知らないために請求しないという場合も考えられますので、広報ながの「教えてコンシェルジェ」という欄を使いまして広報に努めたところでございます。結果といたしまして、実質的な申請は初回のみとした町村が104。家族等の代理人申請もOKしたのは全市町村。それから支給対象者への個別の通知これも全市町村。未申請者への再通知をしているところは98町村におよんだとこのような事から全国と比べて10%低い、さらなる努力も必要かと思います。
       それから、もう1点の高額医療費の受領委任払い制度を行なっている町村があるかというおたずね、現在のところございません。以上です。

 長野県は自律した一人ひとりを支援していく、それが私究極のコモンズの精神ではないかなこう思うわけです。今国によるいろんな制度改悪の中で本当に生活が大変な実態になっていると思うわけです。深刻な不況やリストラなどによる生活不安が広がる中、高齢者および医療保険本人の医療費の値上げ、介護保険料の年金からの天引きと値上げ、年金額の引下げなどにより、憲法25条に保障された健康で文化的な生活が守れない状況が広がっているのではないでしょうか。長野県は先ほど、社会部長また副知事からお話ありましたように、県民のみなさんの視点に立って福祉や制度見直していくこういう今情況にあります。是非これをもう一歩進めて当事者の皆さんの声に寄り添いながら制度の充実を求めたく思います。
 受領委任制度は、窓口での患者負担が軽減され、行政には特別な財源の負担もありません。医療機関にとっても未収金がなくなります。誰にとっても喜ばれるものです。国が決めたこの高額医療費の全額ご本人さんに届くように県のご支援を求めて時間になりましたので私の質問を終わらせていただきます。


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